よしべや自然博物館

2022年11月の月蝕を契機に電視観望を始めました。
通信販売とSNS頼りに頑張ります。
天文初心者の悪戦苦闘の記録。

星見娘で電視観望06(スタークラウドNGC206 in M31)

2023-10-10 05:00:00 | SeestarM天体
アンドロメダ座 M31のスタークラウドNGC206(OB型アソシエーション、OB78)

*スタークラウドとは、大規模な星の集合体。重力的な繋がりは無くてもよい。天の川銀河では、いて座スタークラウド「バンビの横顔」が有名(詳しくは記録132)。
*アソシエーションとは、同じ起源を持ち、重力的な束縛はないが、共に移動している天体(詳しくは資料10)。

画像①元画像②よりVGA切り出し、NGC206は中央部のより白い部分

「スタークラウド」というCoolな言葉の響きにつられ、いつかは見たいと思っていた天体。口径3cmのFMA135ではアノテーションでわかる程度、口径13cmの130PDSでもはっきりせず(周辺の星の配置から大体の位置は分かるようになった)。今回口径5cmのSeestarでの再チャレンジとなった。

電視観望中は写っていることに気づかず。SeestarのMark(=アノテーション)でも表示されず、 M32と画像①の中央下の斜めの3つ星と右上の明るい2つの星をたよりに写野に入っていると考え、5分間のライブスタック。結果、写りは微妙・・・ M31のモザイク撮影に切り替えた(前回のブログの通り)。
しかし、前回のブログのM31を見ていて、もしかして写ってる?ということで、Seestar本体に保存されているFitsファイルを処理してみた。
明確に・・・とはいえない写りだが視認できるレベルで写った。良かった。

画像②Seestarによる5分ライブスタック画像(NGC206は中央右斜め上)
Fitsファイルを取り出し、ASIFitsviewで階調調製すると意外に綺麗になった。PNG保存。もしかしてとPNGファイルをAstapに読み込んでプレートソルブをかけると・・・成功。初めてAstapでのFits以外のプレートソルブに成功。すぐにアノテーションをかけると、きちんとNGC206が表示された(画像③)。

画像③PNGファイルをAstapに読み込んでのアノテーション、Jpeg保存。
人間へんなもので、一度きちんと確証を持って認識すると、他の画像でも簡単に識別できるようになる。何度見てもわからなかったNGC206が、ネット上のM31の画像や中西さんの本で一瞬で分かるようになった。今は、なんでこんなのわからなかった~の状態に変化。


参考資料

1)中西昭雄著「メシエ天体&NGC天体ビジュアルガイド」誠文堂新光社

2)浅田英夫著「エリア別ガイド 星雲星団ウォッチング」地人社館

3)早水 勉著「The Book of The Starry Sky 星空の教科書」技術評論社

4)渡邉耕平著「電視観望 実践ガイドブック Ver 1.1」株式会社サイトロンジャパン

5)JUNZO著「アンドロメダ銀河かんたん映像化マニュアル」日本実業出版社

      銀河星雲マニア~JUNZO氏が立ち上げた著書と連動したWebsite

6)渡邉耕平著 根本泰人監修「月・惑星撮影 実践ハンドブックVer1」サイトロンジャパン

7)アンドロメダ座 - Wikipedia

8)アンドロメダ銀河 - Wikipedia

9)NGC 206 - Wikipedia

10)アソシエーション (天文学) - Wikipedia

11)NGC 206 and the Star Clouds of Andromeda スバル望遠鏡によるNGC206

12)Resolving Andromeda — How to See Stars 2.5 Million Light-Years Away HSTによるNGC206の画像

電視観望の記録等関連Blog

01)電視観望の機材07(機材一覧表

02)電視観望の記録101(アンドロメダ座 アンドロメダ銀河中心部) 

03)電視観望の記録149(アンドロメダ座 M31、M32、M110、NGC206) 

04)電視観望の記録106(いて座 M24/IC4715 Star Cloud)

05)電視観望の記録130(いて座 スタークラウドふたたび)

06)電視観望の記録132(たて座 スタークラウド/Scutum Star Cloud)

07)星見娘で電視観望05(テスト5 銀河)

2023年10月6日午後7時半頃、晴れ(大星夜)
家の前の漁港
アンドロメダ座 NGC206(OB78、アンドロメダ銀河M31のスタークラウド)
Seestar S50+M10 Plus(HAOVNアンドロイド12タブレット)、5分間のライブスタック
ASIFitsviewで、階調調整。PNG保存
Astapでプレートソルブ、Deepsky annotation、Jpeg保存
(ここからiPad)
Affinity Photo2で画像処理
「写真」アプリで、各調整
「AIで写真高画質」で、ノイズ処理(弱)

追加)
ブログを書き終え、最後にHSTの画像でも見ようと、ググっていると、参考資料12を発見。NGC206の解説記事、記事の中の3枚目と5枚目の画像を元にNGC206のより詳細な構造の解説があり(その中に配置を理解し易いように、三角形の書き込みがある)、それと比較できるように画像①を回転させトリミング、三角形も書き入れる(画像④)。レベルは違うが、Seestarでもある程度の構造が確認できた。ちょっと驚き。
画像④