百姓通信

自然と素直に向き合い、全身で風を感じて私は百姓しています。
①土づくり②循環型③無農薬・無化学肥料④永続性を大切に!

遺伝子組み換え

2007-09-09 00:00:53 | 農業
最近の穀物市場の高騰は、ついにチキンラーメンの値上げにまで影響を及ぼした。今後、おそらく早晩に、再び遺伝子組み換え穀物の受け入れやその栽培についても日本で議論されることになるであろう。
こんなに穀物相場が高騰し続けるのなら・・・、他国の遺伝子組み換え技術が進化しているのに日本だけが取り残されて良いものか・・・、EUでも緩和され方向にある・・・等、主体性を持たない日本人によくある議論だが、議論に終始するのではなく、議論の結果、安易な結論に達することだけは避けたいと思う。
遺伝子組み換え作物が商業的に栽培されてから、10年。この技術がわたしたちの健康に長期的にどのような影響を与えるのかについては、科学的にまだわかっていない。アスベストのように(当時から問題なのでは・・・といわれていたにもかかわらず)、数10年経ってから被害が明らかになってもそれは遅すぎる。ヨーロッパで一般的な「疑わしいものは許可しない」という『予防原則』の考え方が日本でも求められるが、百姓視点でいうと『種』の権利を多国籍企業に奪われることは何としても避けたいし、生物多様性の世界と人間のバランスをどう捉えるか真摯に、未来を見据えて考えないと誤った道を歩むことになる。