昨今の行方不明の高齢者問題等に代表される現代社会における希薄な家族の関係・地域の関係は、戦後、われわれの求めてきた豊かな社会が大きく見落としてきたものなのではないだろうか。異常な競争社会の中、どうしても切り捨てがちな社会に対して、「寅さん」シリーズや「学校」シリーズ、「おとうと」等で決して見捨てない社会のあり方を提案し続ける山田作品は、ほんとうの豊かさや社会のあり方のテーゼであり、その松竹独特の家族の描写を通した社会の投影手法は、戦後の小津作品とはまた異なった視点ではあるが、しっかり価値伝承されていることにあらためて感激する。
今回、山田監督は学生達との共同製作の中で、製作技術を教える一方、日々生きる人間の生き様を伝えたかったのであろう、また社会におけるチームワークの大切さを実感して欲しかったのであろう、それは映画の中において、一つひとつの家族が丁寧に描かれ、ロケーションハンティングが真摯に行われた様子からも深く伝わってくる。
最後に白川静先生へのオマージュといわれたこの作品「京都太秦物語」は、なんとも懐かしい京都の風景と昔と変わらぬ人たちの人情を感じさせてくれ、なんだかほっとさせてくれた。
ありがとう、山田監督。これからもお元気で。
今回、山田監督は学生達との共同製作の中で、製作技術を教える一方、日々生きる人間の生き様を伝えたかったのであろう、また社会におけるチームワークの大切さを実感して欲しかったのであろう、それは映画の中において、一つひとつの家族が丁寧に描かれ、ロケーションハンティングが真摯に行われた様子からも深く伝わってくる。
最後に白川静先生へのオマージュといわれたこの作品「京都太秦物語」は、なんとも懐かしい京都の風景と昔と変わらぬ人たちの人情を感じさせてくれ、なんだかほっとさせてくれた。
ありがとう、山田監督。これからもお元気で。
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