お盆休みの後、黒木の中国長期出張が決まり、山口とゆりこの三人で、打ち合わせ兼送別会を新宿のホテルで行う事になった。
ゆりこは参加したくなかったが、予約も済んで、断れない状況がすでに出来ていた。
黒木に関する情報はその後何もなく、調べる術は今のところない。
食事はフランス料理のコースだったが、黒木は馴れた感じで食べていた。
どうも分かりにくい人物、というのがゆりこの観察結果だ。紳士なのだが、油断ならないところがある。そう見ていた。
山口は上機嫌で、食事の後、上のバーに二人を連れていった。
ゆりこは明日も仕事ですから、と一旦断ったが、任せておけ、と言って聞いてくれない。
食事中、山口はワインをかなり飲んでいたが、いまはブランデーを飲んでいる。噂通り相当強そうだ。
ゆりこは仕方なくカクテルをゆっくり飲んでいたが、サービスだと、山口が新しいカクテルを運ばせてきた。
「常務、私そんなに飲めませんわ」
「これは乾杯用だ、我々の門出に対してのな、飲みやすいから、さあ、もう一度乾杯しよう」
これを最後に帰ろうと決め、飲み口がいいのですぐに空けてしまった。
黒木は黙って水割りを飲んでいる。
ゆりこは簡単に酔う方ではないが、少し経つと体全体が痺れ、特に足が麻痺して感覚がなくなってきた。
きっと強いカクテルを飲まされたのだ、と気づいたがもう遅い。
一人では歩けないので、仕方なく二人に支えられ、休憩室に連れていかれた。
中に入ると、ベッドが二つある部屋で、いつの間にか黒木はいなくなっており、山口と二人きりになっていた。
休憩室ではなく、ホテルのツインルームだったのだ。
ゆりこは立ち上がろうとしたが、力が入らない。
「上着を脱いだ方が楽になるよ」
山口はあたりまえの顔をして、ゆりこの上着を脱がせ、薄いブラウス姿の彼女をベッドに寝かせた。
ゆりこは参加したくなかったが、予約も済んで、断れない状況がすでに出来ていた。
黒木に関する情報はその後何もなく、調べる術は今のところない。
食事はフランス料理のコースだったが、黒木は馴れた感じで食べていた。
どうも分かりにくい人物、というのがゆりこの観察結果だ。紳士なのだが、油断ならないところがある。そう見ていた。
山口は上機嫌で、食事の後、上のバーに二人を連れていった。
ゆりこは明日も仕事ですから、と一旦断ったが、任せておけ、と言って聞いてくれない。
食事中、山口はワインをかなり飲んでいたが、いまはブランデーを飲んでいる。噂通り相当強そうだ。
ゆりこは仕方なくカクテルをゆっくり飲んでいたが、サービスだと、山口が新しいカクテルを運ばせてきた。
「常務、私そんなに飲めませんわ」
「これは乾杯用だ、我々の門出に対してのな、飲みやすいから、さあ、もう一度乾杯しよう」
これを最後に帰ろうと決め、飲み口がいいのですぐに空けてしまった。
黒木は黙って水割りを飲んでいる。
ゆりこは簡単に酔う方ではないが、少し経つと体全体が痺れ、特に足が麻痺して感覚がなくなってきた。
きっと強いカクテルを飲まされたのだ、と気づいたがもう遅い。
一人では歩けないので、仕方なく二人に支えられ、休憩室に連れていかれた。
中に入ると、ベッドが二つある部屋で、いつの間にか黒木はいなくなっており、山口と二人きりになっていた。
休憩室ではなく、ホテルのツインルームだったのだ。
ゆりこは立ち上がろうとしたが、力が入らない。
「上着を脱いだ方が楽になるよ」
山口はあたりまえの顔をして、ゆりこの上着を脱がせ、薄いブラウス姿の彼女をベッドに寝かせた。