2012年直木賞受賞作の葉室麟著「蜩の記」を図書館から借り出し読了しました。
豊後・羽根藩の郡奉行や用人を勤めた主人公戸田秋谷は、藩主の側室と不義密通した罪で、何故か10年後に切腹することをを命ぜられて、かって自身が郡奉行で差配した山里での蟄居生活を余儀なくされる。
主人公と妻(幾江)と2人の子(長男郁太郎と長女薫)は共に山里に暮らしながら、同時に蟄居の10年の間に藩の家譜の作成を命じられている。7年を経過した頃に、やはり城中で刃傷沙汰を起こした、壇野正三郎が主人公の監視を兼ねて家譜の作成の手伝いを命じられて家族の元にやってくる。
この家族の住む山里は、かって悪政に苦しむ農民たちが、藩主の横暴を幕府に訴え出るなどの事態を発生させた土地柄であり、郡奉行(藩政)に対する抵抗も強い土地柄だった。しかし主人公の粘り強い説得などもあり、かろうじて暴発をを防ぐことが出来ている。
一方主人公の監視役を命じられていた正三郎は、日々、主人公の清廉な人格に触れるうちに、免罪だったことを確信していく。そんな折りに長男郁太郎の友人の農家の子(源吉)が、村役人等の殺害の疑いで逮捕されて拷問を受けたうえで死亡する。
怒った郁太郎は正三郎の案内で、城下に赴いて家老に直接その暴挙を訴えて、一矢報いようとするが、しかし2人は捕らえらてしまう。主人公は単身禁を犯して、家老宅を訊ねて2人の釈放を願い出る。若かった頃に共に藩を背負う人材としてライバルだった、主人公の家老への説得で無事に2人は釈放される。
その後、主人公の長男はその気概を認めれて、家禄を復活することを認められ、さらに正三郎も長女薫と結婚することになる。しかし主人公の罪は許されることもなくやがて切腹の時を迎える。
あくまでも武士道を貫こうとする主人公に、偉大なる侍魂を見いだして一気に読み進めてしまいました。権謀術策の渦巻く藩政のなかで、あくまで正義を通すことの難しさは、現代の企業の中でも同じなのだと痛感させられました。時代劇ながら主人公の罪に問われた真相は?と一種のミステリー風なのも合わせて、実に読み応えのある小説である。
豊後・羽根藩の郡奉行や用人を勤めた主人公戸田秋谷は、藩主の側室と不義密通した罪で、何故か10年後に切腹することをを命ぜられて、かって自身が郡奉行で差配した山里での蟄居生活を余儀なくされる。
主人公と妻(幾江)と2人の子(長男郁太郎と長女薫)は共に山里に暮らしながら、同時に蟄居の10年の間に藩の家譜の作成を命じられている。7年を経過した頃に、やはり城中で刃傷沙汰を起こした、壇野正三郎が主人公の監視を兼ねて家譜の作成の手伝いを命じられて家族の元にやってくる。
この家族の住む山里は、かって悪政に苦しむ農民たちが、藩主の横暴を幕府に訴え出るなどの事態を発生させた土地柄であり、郡奉行(藩政)に対する抵抗も強い土地柄だった。しかし主人公の粘り強い説得などもあり、かろうじて暴発をを防ぐことが出来ている。
一方主人公の監視役を命じられていた正三郎は、日々、主人公の清廉な人格に触れるうちに、免罪だったことを確信していく。そんな折りに長男郁太郎の友人の農家の子(源吉)が、村役人等の殺害の疑いで逮捕されて拷問を受けたうえで死亡する。
怒った郁太郎は正三郎の案内で、城下に赴いて家老に直接その暴挙を訴えて、一矢報いようとするが、しかし2人は捕らえらてしまう。主人公は単身禁を犯して、家老宅を訊ねて2人の釈放を願い出る。若かった頃に共に藩を背負う人材としてライバルだった、主人公の家老への説得で無事に2人は釈放される。
その後、主人公の長男はその気概を認めれて、家禄を復活することを認められ、さらに正三郎も長女薫と結婚することになる。しかし主人公の罪は許されることもなくやがて切腹の時を迎える。
あくまでも武士道を貫こうとする主人公に、偉大なる侍魂を見いだして一気に読み進めてしまいました。権謀術策の渦巻く藩政のなかで、あくまで正義を通すことの難しさは、現代の企業の中でも同じなのだと痛感させられました。時代劇ながら主人公の罪に問われた真相は?と一種のミステリー風なのも合わせて、実に読み応えのある小説である。