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世はゴールデンウィーク、郷里では凧揚げと屋台の祭りの準備の最中、突風が吹き荒れた
祭りに合わせて開催された母校の同窓会、百八十人が参加した
2時間余のパーティに音楽を企画したというFくんの話に「ブルーマックスをやったら?」と返してからしばらく音沙汰がなかった
「ブルーマックス」は今私が拾い読みしている「青春デンデケデケデケ」のあの頃の、母校同期のエレキバンドの名前だ
そしてどうやらリードギターのYくんの都合がつかず混成メンバーで当時のポップスやフォークをやろうということになったらしい
Yくんの欠けるブルーマックスのメンバー、Fくん、もう一人のFくん、Tくん、にフォークのOくんと私にお声がかかった
バンマスのFくんが選曲したらしい候補曲には当時の人間なら誰しも口ずさめるナンバーが並ぶ
そしてもう一人のFくんとで器用にハモる、そう彼らは1960年代のジョンとポールを追いかけていたはずなのだ
芦原すなおさんの著「青春デンデケデケデケ」には地方におけるあの当時のエレキ少年たちの青春と葛藤が見事に描かれている
バンドメンバーを募るくだりから、楽器を調達して、大音量の練習を行える場所探し、発表の場とメンバーの人となり
主人公「ぼく」がエレキギターを買うために始めたアルバイト先での甘酸っぱいエピソードがいい
15歳の少年は年上の女性に憧れ、また当の女性は「ぼく」に幼い弟と性に目覚める若い男の両面を見いだす
中学、高校生くらいの男の子はこうした経験が少なからずあるはずだ
先輩であるお姉さまが挑発して誘惑する、が「ぼく」はその意味を理解したところでプロセスの全てを理解できていないため躊躇してしまう
こういう誘惑のおまじないを発信するお姉さまは概して自立心の強いたくましい生き様の女性が多いような氣がする
彼女らは案外長女ではなくて末っ子なのだが、それゆえに大人のおままごとのリーダーシップを取ろうとする、決して美人ではないのだが少年は媚薬に惑わされる
さて我らがジョンとポール、歌がうまい、練習の音源を聴いて思い出すのはビートルズの二人だ
ジョンが年下のポールと出会った時、バンド仲間が「彼を入れたら、食われてしまうかもよ」と忠告したというが、「それでもいい」と
またジョンが「ビートルズは自分とポールだ」と言って憚らなかったくらい彼との音楽的な関係性を重視していた
作詞、作曲面だけでなくボーカル、コーラス、ギターのリフ、アレンジから私生活に至るまで重要なパートナーだったと思われる
同窓会のステージで見たのはそんなジョンとポールを彷彿とさせるような歌いっぷりの二人であって、50年という歳月が与えてくれた味わいかもしれない
そしてお二人とも自信を持っているにもかかわらず、アルバム制作しようかとかそういった色気が無いのがまたいい
「三つ子の魂百まで」という格言があるように、青春の頃培ったことは生涯を通じて引きずるのではないだろうか
ドラムスのTくんにしてもガットギターのOくんにしても、人生の重要な一部分を音楽が占めていることは明らかだ
二百人近い酒席での聴衆を惹きつけるのは容易ではない、ましてや同窓会、話に夢中になって音楽どころではない
でもライブの後半ステージの周りに集まった音楽好き、ダンス好きを中心に一体化する瞬間があった
音楽を通じて踊りだしたり、グルーヴを共有して気持ちが一つになることがライブの醍醐味だ
あえて「知っている曲をやって関心を惹くという配慮は必要ない」という私の持論の根拠は、そこにある
しかし楽しかった、気心の知れた仲間たちと一緒にやる音楽の楽しさよ
そこには利害関係がないし、主義主張もお互い引っ込めている、その優しさがまたいい
友よ、またやろうではないか、青春をいつまでも
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