京都で観光バスのチケットを買おうとしたら「日本の方ですか?」と聞かれた
セブーで「100%日本人ですか?」と聞かれ、豊島園で外国人に彼らの母国語で話しかけられた私は慣れっこになっていた
日本の中小企業が作った製品を欧米の職人が愛用する場面を紹介する「和風総本家」というTV番組が好きだ
日本人の緻密さを生かして、職人魂が作った工具や製品を遠くヨーロッパの職人たちが愛用している事例を紹介する
番組は、日本の職人たちが作る現場の映像を欧州のユーザーに見せて、その感想を求める
まさか欧州で使われているとは知らない日本の職人たちは遠い日本の職人たちに向けて語られる感想と感謝の言葉を映像で見て涙する
日本人の創意工夫というか、モノづくりに関するこだわりや開発にかける情熱は日本の誇りだ
砂鉄を鍛造して日本刀を作り上げるプロセスはもはや神がかっていて精神世界の出来事のようでもある
閑話休題、先般ハワイから来たミュージシャンのライブを見る機会があった
スティールギタリストとして知られる彼は、日本に長逗留しているのか度々東京のライブスポットに登場しているらしい
見た目は日本人そのもの、でも出てくる言葉が英語で、この英語に日本人は弱い生物なのだ
言葉が聞き取れない日本人にもわかるようなジョークを繰り返して笑いを取る
スティールは一見、いや一聴するとあまりうまくないように聴こえる
しかし聴いているうちにテクニシャンであることに気づかされる、ボリウム奏法、人工ハーモニクス、スライドのタイムラグテクニック、等々
そして歌い始めると豊かな低音の説得力に羨望の念を抱く
もう一つカウントの数え方がジャズの洗礼を受けているようだ
スティール・ギターは、オープンチューニング奏法であるハワイのスラックキー・ギターから生まれた奏法であると思う
サステインというメリットを享受できる反面音程が定まりにくいし、ギターの弦の上をバーで押さえて弾くことは、和音を引き出す上での制約がある
従ってスラックキー同様、演奏する曲によって十数種類ものチューニングを変えて演奏する必要に迫られる
そこで複数ネックのスティールギターが登場し、ペダルスティールというメカニカルな楽器が登場するわけだ
さてこのミュージシャン、日本人にとって聞きなれた曲ばかりを演奏する
おそらくそれが日本人に対するサービスであってウケるからであろうが、2ステージのメニュに組み込まれているのは案外ご本人がお好きなんだろうなと思ったものだ
そういった聴きなれた曲を所望する日本のファンの気持ちも尊重するが、ハワイには数え切れないほどの名曲がある
そんな中で彼が気持ちよさそうに歌い始めたのが「Blue Lei」つかみどころのないようなメロディラインを持つ佳曲だ
青い目の人達が「日本的なものを求める」のなら、我々日本人は「よりネイティブなものを」求めるべきと思うのだ
そこに真実があり求めてきた世界がある、、、と思いたい
Randy Newman with Ry Cooder
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