ポピーと薄荷とブルーエルフィンのブログ

ゆんやおブログ。ポピーと日本薄荷、そしてブルーエルフィンを中心にサボテンとかハイビスカスとかの栽培日記です。

ポピーの移植と、アレロパシーの質問のお答え

2021-12-20 09:25:18 | ポピー
※ この記事は「ポピー未経験者です。ポピーを栽培してみたいのですが・・・」という雲さんの質問への回答としてまとめたものです。
質問1
『オニゲシ以外は移植ができない』と記載されていらしゃいますが、オニゲシは移植が可能なんですか??
回答
ポピーの多くはゴボウのような直根に極々微細な毛根が生えている。
ゴボウ根は水分や養分を吸収できない、水分養分は微細な毛根から吸収しているのだが、この微細な毛根はちょっとした振動でちぎれてしまい、移植の際にちぎれて水分を吸収できずに枯れてしまう。これが移植できない理由。

栽培ポットで育てて根が回ってしまっている物は移植可能。
また本葉数枚の幼苗も周囲の土ごと掬い取れば移植できる。
ポピーの場合、秋蒔きした苗は12月ごろが植え替えの適期。

オリエンタルポピー(オニゲシ)はダリアのようなイモみたいな根っ子なので移植はできる。
株が大きくなってイモが増えたら株分けもできる。

質問2
ポピーが発育阻害をすると知りました。他の植物に悪影響がでないようにするためにも鉢栽培の方がよろしいでしょうか。というか鉢栽培でうまく育つのでしょうか。
回答
発育阻害はアレロパシーのことです。
これは同属や同種の植物を近くに寄せないために発育阻害物質を出すことです。
また食害を防ぐために虫の嫌がる物質を出す場合もアレロパシーと言います。
同じ場所や用土で同じ植物を経年栽培すると育ちが悪くなり、これを連作障害と言いますが、これもアレロパシーが一因です。
植木鉢で育てるのなら1鉢1株が良いでしょう。

庭の花壇で育てるのならアレロパシーは気にしなくて大丈夫です。
植木鉢なら毎年用土を全部取り換えた方が良いでしょう。

ポピーは植木鉢でも育てられます、鉢が小さければこじんまりと育ち、大きい鉢なら大株になります。

質問3
育て方マニュアルには肥料をやらない方が良い、とあるのですが。。。
回答
ポピーは割と肥料を欲しがる方ですよ。
荒れ地や山岳地帯が原産地なのでそう思われているのでしょうか?
水はけの良い用土に「たい肥」をたっぷりと混ぜ有機質の養分の多い用土を作ります。
たい肥は、腐葉土、バーク堆肥、発酵牛糞堆肥、などです。
私はこれに発酵鶏糞を少々、緩効性肥料を規定量、苦土石灰を少々加えます。
花の最盛期には液体肥料をガンガン与えています。
液体肥料を与えるとつぼみが次々とあがってきて、種もしっかりできるからです。
苦土石灰が多すぎるとアルカリ障害で葉が真っ黄色になります。

質問4
アメージンググレイを栽培したいのですが、初心者には難しいでしょうか?
回答
アメージンググレイは育てたことありませんが新作のシャーレ―ポピーのようですね。
品種改良の新作はおおむね発芽率が悪く、繊細で弱いです。
エンジェルクワイヤが新作で出たときに育てました。
たぶん、エンジェルクワイヤ系の改良種でしょう。
エンジェルクワイヤは、悲しくなるくらい地味な花でしたよ。
アメージンググレイも地味な花色ですね。
イングリッシュガーデン向きにシックな花色に改良したのでしょうが、華やかな花色が魅力だと思っているポピー好きにはちょっと「これじゃない」感があるますよ。
でも、これが気に入ったのでしたら初心貫徹じゃないでしょうか。
発芽率は50パーセントくらい、育て方は普通のシャーレ―ポピーでした。


画像はイギリスのThompson & Morgan(トンプソン&モーガン)社のサイトからPOPPY Amazing Grey

オリエンタルポピー(オニゲシ)を育てたいという質問にお答えして

2021-12-20 07:34:19 | ポピー
※ この記事は「ポピー未経験者です。オニゲシを栽培してみたいのですが・・・」という雲さんへの回答としてまとめたものです。

オリエンタルポピー(オニゲシ)とは大型のポピーで、原産地はトルコ北東部からコーカサス地方、イラン北部などの高原から山岳地帯にかけて。
多年草でゴボウのような根で宿根する。
乾燥を好み、蒸れや高湿度を嫌う。
開花時期は日本の梅雨の時期と丸被りであって、何が言いたいかというと日本での栽培には全く不向きで、高原、丘陵地帯や北海道のような梅雨のない地方は素晴らしい群生栽培が見られる。

販売は、根っ子、苗、種で入手できるが、種は蒔いてから開花まで2年かかる。種苗会社の通販で輸入物と思われる根っ子を通販で販売しているが、成育条件の良い海外で育てられたものは条件の悪い日本では育ちにくい。
苗はあまり出回っていないが日本で経年栽培されたものは育てやすい。大型園芸店やネットオークションやネットフリマで出ることもあるのでお勧め。

鉢植えの場合は深鉢でないと無理、根菜用のプランターとか大きい鉢が必要。
庭植はロックガーデンのように水はけを良くしてやらなければならない。

私の場合、埼玉でも山間部に住んでいた時は良く育ったが、同じ埼玉でも平地に越して来たら全然育たなくてほとんど枯らしてしまった。
残ったのはオレンジ色(橙色)の原種らしき苗と、ブリリアントという種類のやつだけ。
オレンジ色のオリエンタルポピー(オニゲシ)は丈夫なのでお勧めする。

オリエンタルポピー(オニゲシ)はかなり大きくて草丈は70㎝~1.5m、花は15㎝~20㎝もある。
ちょっとしたススキが植わっているような感じの大きさでイメージできる。

1年草のポピーもコーンポピーやシャーレ―ポピー(虞美人草)なら草丈50㎝~1.2m、花径5㎝~10㎝あり、雑草化するくらい丈夫なので、初心者ならこちらの方がお勧めできる。
また、一般にヒナゲシと呼ばれている小型のアイスランドポピー(シベリアヒナゲシ)なら栽培はもっと容易であり、カリフォルニアポピー(花菱草)ならさらに栽培は容易。


画像はオレンジ色の原種に近いオリエンタルポピー(オニゲシ)、種から育てて10年位経年栽培している。

オリエンタルポピーの施肥

2021-11-25 22:11:02 | ポピー
オリエンタルポピーは大型のポピーで多年草のポピーである。
鉢植えだと用土の養分が吸い尽くされて1年でスカスカになる。
そこで、初冬に施肥をする。


これを掘り上げる。


周囲から掘っていき、苗ごと掘り上げて用土にたい肥と肥料を加えて埋め戻す


冬はロゼット状態で過ごし、温かくなるとググっと伸びる。

ぼんぼり咲きのポピー、最後の1輪

2021-06-08 06:22:21 | ポピー
シャーレ―ポピー(ひなげし、虞美人草)の花で良いのが咲いたので「ぼんぼり」と名付けた。
子供の頃、父親に連れて行ってもらった府中市の大國魂神社の「くらやみまつり」で見たぼんぼりのイメージ。
シャーレ―ポピーというのはヒナゲシの園芸種なのだけど、去年気に入った花を選抜して種を採取して蒔いたら良い花が咲いたというわけ。



種が一杯採れたら、読者の皆さんにもおすそ分けしますので楽しみにしておいてください。

ぼんぼりピコティ

2021-06-03 06:51:26 | ポピー
モウズイカの根元からひょろひょろのポピーが生えてきた。
たぶんこぼれ種から発芽したものだろう。
抜いちゃおうかと思ったが、どんな花が咲くかも興味があったから開花を待った。
なんかいい色の花が咲いた。
「ぼんぼりピコティ」と命名。

ピコティとは園芸用語で『覆輪』のこと、花びら1枚のうちで複数の色が付いている花のこと、
縁だけ細く色が付いているのを「糸ピコティ」、縁が赤色のを「口紅ピコティ」とか言ったりする。








種採れるかなぁ~? ひょろひょろだしなぁ・・・

ケシ坊主の採種の際のエトセトラ

2021-06-02 12:46:34 | ポピー
この時期のポピー栽培家は来る日も来る日もケシ坊主摘み。

ポピーの実(ケシ坊主)は緑色のうちはまだ、未成熟なので採ってはいけません、未成熟な種を蒔いても発芽しません。茶色になって「ヘタ」みたいな頭の部分の下に「窓」が空いたら採り頃です。

ポピーのケシ坊主は食品トレーとか植木鉢の受け皿に摘むと効率的です。(ケシ坊主摘みあるある)

このまま天日で乾燥させるのがベストですが、ケシ坊主は猫の興味を引くのか、野良猫にめちゃくちゃにされる危険があります。(ケシ坊主摘みあるある)

保存はジップロック(チャック付きビニール袋)で保存します、ですが完全に乾燥させないとカビがはえます。種にカビがはえると発芽しません。シリカゲルを入れておきましょう。




名前、色、採種年は記録必須です。
ポピーは1年ごとに発芽率が半減し、5年も経つとほとんど発芽しません。


レディバードのケシ坊主です。かわいいです。

種子を採った後の空っぽの実は「けしがら」といいます。

もうひとつのブラッディ・レッド

2021-05-25 05:31:52 | ポピー
ブラッディ・レッド、血の赤。鮮血色
シャーレ―ポピー(ひなげし・虞美人草)は時々、どぎつい赤色の花が出る。
ポピーマニアは「ブラッディ・レッド」と呼んでいる。
先日に引き続きまたいい色のブラッディ・レッドが出た。












赤色が強すぎてデジカメの色が飽和してしまっているし、ピントも合わないでずっとジコジコしている。
これは、ぜひ来年用に種を取っておこう

ツノゲシ(オレンジ色)が咲いたよ2021

2021-05-24 12:36:35 | ポピー
つのげしはヨーロッパ原産のポピー。向こうでは雑草だったり、種から油を搾り取ったりするらしい。
種が一角獣の「つの」みたいなので、つのげし。英語だとHorned poppy(ホーンドポピー)角のポピー、そのまんまだね。
葉っぱは真っ白のふわふわでフェルト細工みたい




花びらはポピーの花にしては割と厚く、夜間や雨天のとこは花弁が閉じる。

フリフリフリル

2021-05-23 21:43:54 | ポピー
今年のシャーレ―ポピー(ひなげし・虞美人草)は変わったのが出るなぁ。
フリフリフリルと命名




今日は、パンジー・ビオラの鉢を処分して夏用の苗を植えた。
パンビオは根がびっしりと張り巡らされているからかき出すのが大変。


これはウサギ耳ビオラ。もうしおしお

ブラッディ・レッド

2021-05-22 07:10:47 | ポピー
ブラッディ・レッド、血の赤。鮮血色
シャーレ―ポピー(ひなげし・虞美人草)は時々、どぎつい赤色の花が出る。
ポピーマニアは「ブラッディ・レッド」と呼んでいる。

雨に降られてぐんなりだけど、今年一番のブラッディ・レッドが発出した。




いいねぇ、ブラッディ・レッド。

エチオピアのアザミゲシが咲いたよ

2021-05-12 20:26:24 | ポピー
エチオピアのアザミゲシはアザミゲシの原種だそうだ。
何年か前にネットオークションで種を買って、種を採ってつないできた。
正式な名前も知らないし、本当にエチオピア原産なのかも知らない。
ネットで検索すると「エチオピアのアザミゲシ」でちらほらとヒットするものの、たぶん同じ出品者から種を買った人らしいので、詳細は何もわからない。
秋蒔きの春咲きの1年草





浜名湖の黄色いケシが咲いたよ

2021-05-05 18:23:08 | ポピー
ディクラノスティグマ フランチェティアヌム ポピーイエロー dicranostigma franchetianum 浜名湖の黄色いけし

 「浜名湖の黄色いケシ」というのは浜名湖ガーデンパーク花の美術館で日本で初めて2012年に公開されたことからポピー愛好家にこう呼ばれている。

名前はディクラノスティグマ・フランチェティアヌム(dicranostigma franchetianum )で、欧米のケシ愛好者にはyellow poppyまたはeastern horned poppiesと呼ばれている。ホーンドポピーは「つのげし」の和名で日本でもポピー愛好家に栽培されている
流通名を「イエローポピー」で統一したそうだが、「浜名湖の黄色いケシ」の方がいいよなぁ。

種蒔きしたのが去年の4月、で咲いたのが今日。
ずいぶんと、のんびり屋さんのポピーだなぁ。




このポピーは花が真横を向いて咲く


葉っぱの生き方はちょっと違法ケシっぽい








なんか雑草っぽいw

※「浜名湖の黄色いケシ」は麻薬成分を含まない植えても良いポピーです。←ここ大事


オリエンタルポピーが咲いたよ

2021-04-28 06:44:30 | ポピー
オリエンタルポピー 和名をオニゲシという
大型のポピー 葉も茎も剛毛が生えている。
多年草で、日本で育てると真夏と冬に地上部が枯れ、休眠する。
大型ゆえに違法ケシと間違われ通報されて警察官の訪問を受けることは栽培家の「あるある」
多雨多湿の日本の気候が苦手なので歴年栽培は難しい。
種から育てると最初の花を付けるまでは2~3年かかる。
水はけを良くし、肥料切れさせないことが栽培のコツ。





ちりめん帯のようなポピー

2021-04-25 23:12:28 | ポピー
昭和の子供はよく浴衣を着ていたなぁ。
男児用の浴衣は地味だけど、女児用の浴衣はかわいくて、特に帯がちりめんで蛍光ピンクで花の絵とか描いてあった。
夕刻には蛍光ピンクの色が映えるんだよね。

昭和30~40年代、夏の夜はワクワクするような行事があった。お祭り、盆踊り、花火、野外映写会、肝だめし etc

ちりめん帯のようなポピーが咲いたので夕方に写真に収めた。












ポピー・パンドラが咲いた

2021-04-23 06:24:25 | ポピー
パンドラはPANDORAと表記する。
シャーレ―ポピー(ヒナゲシ、虞美人草)の園芸種で秋蒔き春咲きの1年草。
輸入種子でおなじみのジョンソンシードの種
PANDORAはギリシャ神話の「パンドラの箱」のことだと思う。
現代用語では「開けてはいけないもの」、「禍いをもたらすために触れてはいけないもの」の慣用句になっている。

花の色は「暗赤色」や「暗褐色」
いわゆる「どす黒い血の色」
venous blood red(静脈血色)

嫌な色だねえ、こんな色の花は他には無いねえ。
よく「これ麻薬の採れるやつ?」とか「これ、毒あるの?」と聞かれる。

「毒、あるよ。さわっちゃだめ、手からポピーが生えてくるよ。」などと噓を答える(笑)