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奥が深いです・・・世阿弥さん

2014年03月25日 | 私のお気に入り

ポカポカと暖かい陽気になってきましたね桜の開花も、もう少しでしょうか・・・これから楽しみですね

さて今日は、最近読んだ本「新訳・風姿花伝」からのご紹介この本は650年ほど前に世阿弥が書き残した能楽論をわかりやすく解説したもので・・・私自身は能にさほど興味があるわけではないのですが、なんとなく面白そうだったので、手にとってみました。いやぁ、なかなかに興味深い本でしたヨ

皆さん、「初心忘るべからず」・・・ということわざを聞いたことはありますよね。この「初心」ってどんな意味だかご存じですか私は、「初めて何かに取り組んだ時の、初々しい気持ちや志」だと思ってました。フレッシュで明るい気持ちなのかと~

ところが、世阿弥の言う「初心」とは「己の芸の未熟さ」だというのです。ひょえ~これはすごくイタイです、キビしいです・・・「みじめな状態」を思い返すことですからそして、この「初心」は、初心者の頃だけでなく、「時々の初心」「老後の初心」・・・つまり成長期や成熟期であっても老後になっても、常につきまとうのだと言います

初心を忘れる・・・つまり自分が未熟であるということを忘れ、そこに安住すれば、もはや芸は一歩も上達しなくなってしまう。「初心忘るべからず」は、それを強く戒めたコトバだったのです芸道に「これで完成した」ということはなく、慢心せず稽古に精進せよという、世阿弥さんのおコトバなんですね

はじめの頃のかっこわるい状態や失敗したイタイ思い出・・・でもこれこそが、自分の歩んできた道で、それがあるからこそ課題が見つかり、次につながる~なんだかわかりますねぇ

例えば、ビデオ撮り。これはイタイし怖いですよ~自分の理想とは違うものがうつってる事が多いですものねでもカッチョ悪い現実から目をそらさずに工夫していくと、ちょっとマシになってくる。その繰返しですね

また、「老後の初心」(またベテランの初心とでも申しましょうか・・・)の段ではなるほど~といった解説が書いてありました。『新しい技を少しずつ身につける、一歩一歩進という成長も確かにあるます。しかし芸の飛躍、新たな境地を拓くという成長は、すこしずつレベルが上がっていくとゆう性格のものではありません。原点に立ち返り、己の芸に向き合うところから成長が得られるものだと思います』とのこと。

長くダンスをやっていても、「これ、前にも同じこと言われたなぁ」とか「これ、初心者の頃に言われてたなぁ」なんて気づくことがありますよね。でも、そんな自分にヘコタレずに(←ここ大事)、今一度見直してみると、言われた時とは違った発見や感触があったりして・・・理解が深まりステップUPしちゃう事、ありませんか更なる上達のカギって、けっして高度な事ばかりでなく、わりと単純な事にあるのかもしれませんね。もちろん、それはその方の発展段階によって必要になる事は違いますから、一概には言えませんが・・・競技選手としても、教える立場の人間としても、そうした事に気づいていけたらいいなぁと思いました

では、皆さん、明るい気持ちで打たれ強くなりましょうね~~~