細い綿の糸束を三つ編みにしています。
結構長いです。
全部編みきると3本分です。
長いあいだ使いボロボロになりました。
紐の天地を変えたり、長さを詰めたりしながら一番擦れるところを少しずらす工夫もしながら使います。
しかしもうこれは限界になりましたので新しくしました。
5年ぐらい使ったと思います。
2台ある機、共に新しいものに替えました。
気持ちよくなりました!
経糸を機の上で張るときのテンションを決める紐は「ケンヅナ」と呼ばれるものです。
この呼び名は奄美大島地方での呼びかたです。
細い糸束(大島紬の締め機で使われる綿のガス糸)を編むことで程よい滑りと摩擦、弾力も生み、微調整ができます。
この大島紬の産地で作られている機は一台は一応ギア式の使い方もできるのですが、この紐で固定する方法に慣れれば最も安定したジャストなテンションに合わせることができますので、ギア(菊)を使うことはありませんでした。
強めるのも緩めるのもこの紐一本で瞬時にできます。
修業時代はギア式の機を使っていましたが、ギアの一刻みでは大まかすぎて、ボール紙などを刻みに挟みながら丁度よいテンションに設定しなければなりませんでした。
織り段を作らないためにはこの経糸のテンションの設定がとても重要です。
打ち込み本数も丁度よいテンションで織られてこそ五分メガネで数える数字の意味を持ちます。
この紐はなくてはならない大切な大切な機の小道具です。
手機の命綱と言って良いでしょう。