写真は冬に立ち向かうムフロンさん。
多摩動物公園にて
冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
再び僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、僕の手を握れ
最近、テレビでよく見るユニクロのCM、
黒木メイサさんと松田龍平さんが
朗読している詩です
この詩は、高村光太郎の「冬の詩」の一部です。
まさか現代のCMに使われるとは思いませんでした。
しかし、
この詩の力強さは、現代でも生きているなと実感しました。
高村光太郎には、
冬の詩が、いくつも、あります。
それは、冬の厳しさや冷たさに、立ち向かおうとする強い詩です。
よくしられている高村光太郎は「智恵子抄」を代表する
智恵子への愛の詩が有名です。
ちなみに
今年の春、福島の二本松にある智恵子の生家を訪ねました。
地方の豪家(造り酒屋)に生まれた智恵子でしたが、
生家の没落や自分の病気もあり、
晩年は、決して恵まれた状況ではありませんでした。
生家の隣には記念館があり、
智恵子の油絵や切り絵が展示されています…
「智恵子抄」の詩人、高村光太郎ですが、
「冬の詩」のような力強く激しい詩もあることを紹介したいと思い、
一部を記載します。
冬だ、冬だ、何処もかも冬だ
見わたすかぎり冬だ
再び僕に会ひに来た硬骨な冬
冬よ、冬よ
躍れ、叫べ、僕の手を握れ
大きな公孫樹の木を丸坊主にした冬
きらきらと星の頭を削り出した冬
秩父、箱根、それよりもでかい富士の山を張り飛ばして来た冬
そして、関八州の野や山にひゆうひゆうと笛をならして騒ぎ廻る冬
貧血な神経衰弱の青年や
鼠賊(そぞく)のやうな小悪に知慧を絞る中年者や
温気(うんき)にはびこる蘇苔(こけ)のやうな雑輩や
おいぼれ共や
懦弱(だじゃく)で見栄坊な令嬢たちや
甘つたるい恋人や
陰険な奥様や
皆ひとちぢみにちぢみあがらして
素手で大道を歩いて来た冬
葱の畠に粉をふかせ
青物市場に菜つぱの山をつみ上げる冬
万物に生(いのち)をさけび
人間の本心ゆすぶり返し
惨酷で、不公平で
憐愍を軽蔑し、感情の根を洗ひ出し
隅から隅へ畏れを配り
弱者をますます弱者にし、又殺戮し
獰猛な人間に良心をよびさまし
前進を強いて朗らかな喇叭(ラッパ)を吹き
気まぐれな生育を制えて痛苦と豊饒とを与へる冬
冬は見上げた僕の友だ
僕の体力は冬と同盟して歓喜の声をあげる
冬よ、冬よ
躍れ、さけべ、腕を組まう
(引用は一番のみ、まだこの詩は続きます…)
時代が経っているので著作権の関係も大丈夫でしょう…
今年も、あとわずか、
もうひとふんばりですね!(^^)!
困難に立ち向かうっていうのがいいです。
智恵子さんてカワイイ系も人だったのですね。
智恵子は東京に空がないという
本当の空がみたいという
あの阿多多羅山が~なんていうのがありましたが行ったことがありません。^^
有名な智恵子抄…
でも
高村光太郎には力強い詩も多いんです。
智恵子は古風にも見えますが、
明治大正の女性解放の思想の影響を受けた
先進的な女性でもあったんですね☆
有名なんですね(^_^;)
CMの部分だけでも、かなりインパクトのある詩ですが先を読むとやっぱりインパクト強いですね。
続きをネットで調べてみようかな(^-^)
冬の詩を好きな人は、現代詩に詳しい人ですね(^o^)
実は…私は大学で日本文学を専攻していました…
↑隠れた真実の告白
たまには詩も読むといいものですね