斬剣次郎の鉄道・バス斬り2

管理人が撮影した鉄道・バスの写真をUPします。

関鉄グループの3つの実証実験運行バスに乗る

2017-01-22 22:15:51 | 関東鉄道
 現在、関鉄グループでは3つの
 実証実験バス
 を運行しています。その路線は
 1.筑波山口~下館駅(筑西市)
 2.筑波山口~桜川市役所真壁庁舎(桜川市)
 3.矢田部公民館~神栖済生会病院(神栖市)
 です。これらは2016年秋以降に運行を開始し、期間限定で運行中です。これらの3路線に乗車してきましたので、レポートします。いずれも交通空白地帯を埋めるために運行しているのですが、多くがかって関東鉄道バスが運行していた路線です。



 こちらは
 筑西市広域連携バス
 です。筑波山口~下館駅を結ぶバスで関鉄パープルバスが運行しています。これはかって関鉄パープルバスが運行していた筑波山口~下館駅線の復活に当たります。車両は元京成バスのエアロミディのP028が専属で充当されています。そのP028には筑西市広域連携バスのマグネットが貼られています。
 筑波山口~下館駅線の廃止により、筑西市を走るバスが全て無くなり、鉄道を除いて広大な交通空白地帯が出来ていました。その交通空白地帯を無くそうと筑西市が立ちあげたものなんですね・・・。




 行先表示です。専用の表示が用意されていまっすが、前面行先表示には筑西市広域連携バスの表示がなされています。にしても、下館駅行きの表示に(北口)が付いているんですね・・・。路線バスだった時代はそんな表示が無かっただけに驚きました・・・。



 バス停ポールも専用のポールが用意されていました。ポールには筑西市のマスコットキャラクターも付いていました。


 下館駅で出発を待つ筑波山口行きです。筑西市広域連携バスの運行開始により、下館駅にバスが再びやってくるようになりました。かって下館駅には関東鉄道バス、東武バスなどが来ていたそうですが、2008年の下館駅~真壁駅及び下館駅~筑波山口の廃止により、下館駅に路線バスが来なくなってしまいました。今回はその復活に当たります。とはいえ、下館駅にはJR線と関東鉄道線と真岡鉄道線が接続する拠点であるにもかかわらず路線バスが1つも来ない状態でしたからね・・・。


 筑西市広域連携バスは基本的にかってパープルバスが運行していた下館駅~筑波山口線のルートをなぞっていますが、実は下館駅周辺で微妙に違いがあります。下館駅北口を出て水戸線をくぐって県道14号線(下館つくば線)を南下していくわけですが、下館つくば線に至るルートが異なっています。路線バス時代は下館の中心部を通って国道50号線上にある金井町経由で筑波山口へ向かっていました。しかし、広域連携バスでは下館の中心部は行かず、駅を出てすぐ近くの交差点で右折し、市役所の前を通り、県道14号線に入るというルートになっていました。いわばショートカットでしょうか・・・。
 写真は旧明野町役場(現筑西市役所明野庁舎)の近くにある大村十字路です(多分・・・)。かっては下妻駅~真壁駅線と交差する交通の拠点でしたが、相次ぐ路線の廃止でバスが来なくなり、交通空白地帯を生んでいました。広域連携バスの復活で再びバスが来るようになり、乗客もわずかながら乗ってきました。


 中根バス停を過ぎると、つくば市に入りました。路線バス時代は上大島バス停などいくつかのバス停がありましたが、広域連携バスは筑西市が関与している事もあり、筑波山口までノンストップです。こればかりは仕方ないですね・・・。



 下館駅から35分で筑波山口に到着しました。筑波山口では2つの実証実験バスが乗り入れることになり、そのためにバス停の一部が改修され、時刻表が一新されました。その時刻表には実証実験バスの時刻表もきちんと掲示されていました。



 こちらは
 桜川市広域連携バス
 です。筑波山口~桜川市真壁庁舎を結び、関鉄パープルバスが運行しています。桜川市も筑西市と同じように広大な交通空白地帯となっており、これを解消するために実験運行しているものです。車両はエアロミディMEが専属で充当されています。写真は広域連携バスの運行開始に当たって関鉄グリーンバスより移籍してきたものです。他にもう1台が用意されています。小型ノンステでの運行になったのは狭隘道路を運行するのと本数を多めに取った事からなのでしょうね・・・。




 行先表示です。もちろん、専用の表示です。桜川市バスの表示が付いていますね・・・。側面行先表示に旧酒寄駅跡が表示されていますが、路線バス時代には無かったバス停名ですね・・・。


 筑波山口を出ると、路線バス時代と同じく県道41号線(つくば益子線)を北上していきます。つくば市内にバス停が無いのは筑西市と同じで、桜川市に入ると、最初のバス停の酒寄南に着きます。酒寄南バス停は店の敷地の中にあり、バスは一旦店の敷地内に入り、ここで乗降扱いを行います。そして、その次の旧酒寄駅跡も一旦県道から外れて駅跡の側で乗降扱いを行い、県道に戻ります。ただ、紫尾団地バス停は路線バス時代は県道から外れたところにあったようですが、広域連携バスでは県道上にありました。こういう点で細かい違いがありました。


 椎尾からは県道から外れて旧道を通って行きますが、これも路線バス時代と同じです。ただ、桃山中学校では桃山中学校前に乗りいれたりしていました。



 真壁の中心部を通り、終点の桜川市役所真壁庁舎に到着しました。路線バス時代は旧筑波鉄道の真壁駅跡に設けられた真壁駅に発着していましたが、路線バス廃止後に敷地を売却し、別の建物を建ててしまったようで、旧真壁駅とは逆方向へ向かったうえで真壁庁舎発着になっています。桜川市が関わっているだけにこれが妥当なのかもしれませんが・・・。バスは庁舎の中に入り、ここで発着しています。
 乗客は筑西市の時より少なかったものの、数人の利用がありました。


 こちらは
 神栖市社会実験バス
 です。矢田部公民館~神栖済生会病院を結び、関東鉄道バスが運行しています。バスは矢田部公民館がベースとなっているようで、波崎が担当しています。先挙げた広域連携バスと異なり、既存の路線バスが通っていない交通空白地帯と本数の少ないエリアをカバーしている事がポイントです。そのためなのか、本数はかなり少なく、5往復(土休日は4往復)の運行です。運行開始は2016年12月1日からです。
 車両は特に固定されていないようですが、乗車時は元西武バスの9308HSが充当されていました。




 社会実験バスではマグネットが無い代わりによだれかけを付けている事がポイントです。行先表示も専用のものが表示されていますが、広域連携バスに表示されていた絵はありませんでした。


 起点となる矢田部公民館バス停です。既存バス停に併設されていますが、バス停ポールは既存のものを共用しています。尚、社会実験バス単独のバス停は関東鉄道バス標準のものが使われていました。


 矢田部公民館を出ると、土合ヶ原ニュータウンの中を一周します。写真のは社宅群を走行している時のものです。矢田部公民館では利根川線と接続していますが、ここで海岸線と接続しています。利根川線と海岸線は土合ヶ原でルートが近接していますが、接続はしていません。


 土合ヶ原ニュータウン内を一周してニュータウンを出ると、利根川線と同じルートを通ります。利根川線は矢田部公民館以北は矢田部公民館以南と比べて本数はかなり少なく、1日に3往復しかありません。写真は国道124号線を通っていますが、国道といいながらのどかな田舎道路を通っているんですよね・・・。
 尚、社会実験バスとはいえ、既存線と同じルートを通っているためなのか、バス停も既存バス停と同じです。


 西太田から国道から離れ、工業団地の中を走ります。このルートこそ、かって運行していた銚子駅~波崎柳川高校線そして、二本松~波崎車庫線と同じルートなのです。路線廃止によってバスが通らくなっていたものが社会実験バスによって再びバスが通るようになりました。しかも、社会実験バスはゆーぽーとはさきも通るので、ゆーぽーとはさきを通る海岸線と共に完全に復活した形でしょうか・・・。


 ゆーぽーとはさきの近くにある須田団地バス停です。ここは路線バスが通った事のない交通空白地帯です。今回の社会実験バスは交通空白地帯を埋めるためのものですが、ここからは交通空白地帯を走っていくことが多くなります。
 尚、須田団地とゆーぽーとはさきは一方循環区間で、神栖済生会病院行きと矢田部公民館行きと共に同じ方向で循環します。


 こちらは西室山児童公園前バス停付近です。波崎工業団地を過ぎた辺りにありますが、ここも路線バスが通った事のないエリアです。地区的には横瀬地区のようですが・・・。
 横瀬地区を過ぎると、知手地区に入ります。ここは海岸線も通っています。



 そして、終点の神栖済生会病院に到着しました。バス停は病院の玄関前にあり、既存のバス停に併設されています。

 こうして社会実験バスに乗ったわけですが、乗客は私以外0人でした。休日ダイヤの朝という事もあるかもしれませんが、何か問題点がありそうな気がしました。私が感じた問題点を以下に掲げます。
 ①他の路線バスとの接続が悪いです。矢田部公民館では利根川線との接続が多少考慮されていますが、神栖済生病院側での海岸線との接続が悪いです。病院で1時間待ちといった状態です。社会実験バスそのものを鹿嶋セントラルホテルまで延長し、高速バスと接続したらよくなるかもと思いますし、神栖市役所とのアクセスも出来ますし。広域連携バスに乗客が乗っていたのは筑波山口でつくバスと接続していたからなんじゃないかなと思ってますし、関鉄グリーンバスの鹿行北浦ラインでも水郷潮来BTで高速バスと接続していたから乗客が乗ってきたわけで・・・。
 ②ルートそのものが既存路線と並行したり、近接したりしています。交通空白地帯を埋めるとはいえ、既存路線の近くを通っている事が多く、既存路線の本数が減って自動車への移転もだいぶ進んでるはずなので、簡単に乗ってくれるかどうかは疑問です。もう少しダイヤの工夫が必要なんじゃないかなと思ったりします。因みに社会実験バスに乗った後、海岸線に乗りましたが、そこそこ乗っていました。
 ③PR不足。とにかく不足している印象でした。広域連携バスでは車内にパンフレットを置いたり、専用のバス停ポールを置いたり、色々PRしていますが、社会実験バスではそういうPRが少ないように感じました。もう少しPRしたら乗ってくれるのかなと思います。
 私の見解ですが、このまま実験終了してしまうんじゃないかなと思います。

 以上です。

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