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東日本大震災 水産特区申請/合意得られぬ「発車」は残念

2013-04-12 00:32:39 | 日記
転載
河北新聞   2013年04月11日木曜日

社説


東日本大震災 水産特区申請/合意得られぬ「発車」は残念

 「議論は出尽くした」と宮城県。「知事は漁民の声にもっと耳を傾けるべきなのに」と、見切り発車を憤る県漁協。両者の間には、なお大きな溝がある。
 大震災からの浜の再生に向け、村井嘉浩知事が構想を提唱してから2年近くがたつ。話し合いの時間は少なくなかったはずだが、県漁協から合意を得られないまま、この日を迎えた。残念というしかない。
 きのう、県は「水産業復興特区」の認定を宮城復興局に申請した。特区は、これまで漁協に優先的に与えられてきた沿岸漁業権を民間企業にも開放する。
 同じ海域で漁協と企業という管理主体の異なる漁場が隣接することになる。このため漁協は「漁場が分断されれば浜の絆、自治が断ち切られ、復興の妨げになる」と反対してきた。これに対し、県は他漁業者らの活動に「支障を及ぼす恐れはない」と判断し申請に踏み切った。
 火種を残した状態で特区事業が円滑に展開され、浜の再生が進むのかどうか、不安は消えない。県と漁協の対立は復興の歩みにも影を落としかねない。
 「5年先を見てほしい。間違っていないことが分かってもらえる」。3月議会で村井知事はこう語った。ならば、その日に向け、特区で着実に成果を積み重ねつつ、理解を求めて漁業者らとの対話を続けていく。対立の収束そして協調へ、県にはそうした姿勢が必要ではないか。
 特区適用の対象となるのは石巻市桃浦地区のカキ養殖業15人が設立し、水産卸の仙台水産(仙台市)も出資した合同会社。
 企業の技術やノウハウを活用しカキ養殖の生産から加工、販売まで一貫して取り組む。3年後の年間生産額を震災前の1.5倍にし、加工・流通部門で40人の雇用を創出する計画だ。
 合同会社が漁業権を得るのは、従来なら漁協に支払う漁業権行使料を含む個人の経済的負担が軽減されて所得の安定につながる上、後継者も確保しやすくなるからだろう。雇用の創出は地域の復興に欠かせない。
 担い手の高齢化や後継者不足という構造問題の解決に向け、漁業者が手を携え協業化し、施設を共同利用するなどして経営安定を図るのは有力な手だてだ。民間活力を取り込むのも選択肢の一つである。その点で、桃浦地区の挑戦は理解できる。
 ただ、これまでの県の取り組みはどうだったか疑問は残る。県は合同会社に独自支援策として約4億円の事業費を予算化した。このことを含め漁業者の間で「会社だけ特別扱いだ」と不公平感が広がった経緯がある。
 漁業権の免許権者で、公平な調整に当たるべき県は、こうした不信感をもたれないよう、丁寧な説明を心掛けるべきだ。それが理解を得る前提となることを肝に銘じてほしい。
 水産業の復興は道半ばにある。県も漁協も課題は山積みだ。漁業者一人一人の意思を尊重し、共に協力し漁業の復興像を描きつつ課題を一つ一つクリアしていく。それが互いの信頼回復につながっていけば、と願う。

2013年04月11日木曜日

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