報道ステーションを応援する会さんが鳥越 俊太郎さんの投稿

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鳥越 俊太郎
これはやはり戦後のメディア史の中に残る一つの事件だったと思います。
安倍政権になって以来ジワジワと物が言いにくくなって行く中で古賀さんは相当に思い詰めた上での確信犯的な行動だったようですね。
「I am not Abe」という発想とそれを放送中にフリップで出す、という思い切った行動が引き金でしょう。この言葉は明確に「反安倍政権」をテレビの中で表明した訳です。この言葉は例のイスラム国によって殺害された後藤さんの話の中で出て来た物ではあるのだけれど、個別具体的な安倍首相のカイロ発言のことだけではなく安倍政権の政策全体に反対を表明したとも受け取れるものでした。
それが４月からの報道ステーション金曜コメンテーターの降板に繋がって行った訳ですが、古賀氏はそれをテレビ局など上層部の意向による物と解釈し、さらにその背後には安倍政権就中菅官房長官などの圧力があったと判断した、そう受け取れる発言でした。細かな事実関係は分かりませんが、古賀氏がそう言う認識のもとに降板直前の出演の中で経緯をばらしたわけです。
こう言われては司会の古館さんもそのまま引き下がる訳にはいかず、「ちょっと待って下さい、ちょっと待って下さい。その言い分には承服出来ません」と言うしかなかったんでしょう。局の看板を背負っている古館さんとしてはちょっと辛いところですね。それに対し、古賀氏は楽屋での会話を暴露し、さらにそれを録音に取っているから出すことも出来ると応じたんです。ここは吃驚ですね。楽屋での打ち合わせは必ずやりますが、首筋がやや冷たくなっていた私でも楽屋での会話を録音するなんてことは考えたこともなかったんです。この一手だけを見ても古賀氏がかなり思い詰めて事に臨んでいたことが推測出来ます。
ネット上では双方に賛否両論のようですが、安倍政権の下で少しづつ政府を批判する言動が難しくなっている日本の言論事情が背景にはにじんで見えて来ます。
そうした現実を見せてくれただけでも古賀氏の思い切った行動には意味があったと私には思えます。
今は古賀茂明氏を孤立させないように私たちがサポートする事が大事なんではないでしょうか！
蛇足ですが、一年くらい前までは１〜２ヶ月にいっぺんは金曜コメンテーターに出ていた私にはこの１年声もかかりません。自然消滅ですから何のアクションも出来ませんでした。あっても私には古賀さんのような勇気はなかったでしょうが。