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「夫婦の絆」今年77歳になった会津地方の男性は2年前の春、片足を失った

2015-09-19 08:46:41 | 日記
福島民報より転載

夫婦の絆(9月19日)
 今年77歳になった会津地方の男性は2年前の春、片足を失った。農機具に右足を誤って巻き込まれた。病院で切断手術の必要がある-と告げられた。命に関わる事態。迷う時間もなく主治医に従った。
 命は救われたが、その代償は大きかった。しばらくして右足の幻影に悩まされる。喜寿を前に、義足を使いこなす過酷なリハビリが始まった。家族に心配をかけまいと決して弱音は吐かなかった。ただ子どもたちには「すまない」と何度も何度も頭を下げた。
 妻とともに懸命に働き全員、大学を卒業させた。生活を切り詰め、子どもたちの、お下がりの服をためらわずに着た。そんな両親は家族にとって誇りだ。今年、県内で2300組余が金婚を迎えた。家族を守り平和を築く。半世紀にわたり苦楽を共に戦後を生き抜いた。
 夫婦もその一組。長年連れ添った妻は数年前に体調を崩し施設で寝たきりの日々を過ごす。男性は妻への感謝を忘れたことがない。「おしどり金メダル」は共に歩んだ大切な証しだ。妻が大好きだった日本酒をそそぎ、形だけおちょこを交わした。口下手な男性に地酒が少し手を貸した。「ありがとう」。顔を赤らめ思いを伝えた。

( 2015/09/19 08:33 カテゴリー:あぶくま抄 )

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