福島県が11月下旬に実施した福島沖の魚介類を対象にした放射性セシウムの検査で、東京電力福島第一原発の事故以来初めて、すべての検体で検出限界値を下回ったことがわかった。県水産試験場は、個体からのセシウムの排出が進んだことや、世代交代で汚染魚が減ったことなどが理由とみている。

 検査は事故の翌月の2011年4月に始まり、これまでに186種類、約4万検体を調べた。

 当初は国の基準値(1キロあたり100ベクレル)を超える検体が9割以上だったが、割合は年々低下し、昨年4月以降は基準値超がゼロになった。県漁業協同組合連合会の自主基準値(同50ベクレル)超えも今年5月以降はなくなり、検出限界値(同15ベクレル前後)未満の割合は90%超で推移していた。

 検査は第一原発の20キロ圏内…