マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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苣原のダンジョ

2009年04月03日 05時47分50秒 | 天理市へ
天理市苣原町では1月に行われた大念寺のケイチン、九頭神社のオコナイに引き続いて2月には「ダンジョ」が行われる。

正月始めの祈祷で、宮本衆の一老が詠みあげる神名帳の途中に「担昇」の文字がでれば「ダンジョウ」と発する。

それを聞いていた宮本衆がサクラの枝を板に叩きつける。

2月のダンジョは別称に「二ノ正月のオコナイ」ともいうようだが作法は三度とも同じ。

ただ祭礼される場所がそれぞれ異なる。

「二ノ正月のオコナイ」は本来、西方50mに鎮座する須賀神社の祭礼だ。

寒いからと公民館で行われている。

昼過ぎに集まってきた座衆の宮本衆。

昔から左座が五人、右座が五人と決まっている。

座敷でお茶とお菓子をよばれたあとおもむろに動き出した。

一老は百灯明が点けられた前に座し須賀神社に向かって神名帳を詠みあげる。

宮本衆は公民館の襖の外。

太鼓打ちは二老、他の人はサクラの枝を持っている。

今か今かと待ちかまえている。

「ダンジョウ」の声が聞こえたら板を叩く。

それは三回行われる。

公民館が建てられたのは昭和13年。

そのころからここで行われるようになったという。

若かった一老は建てるときに瓦をひとつずつ屋根に運んだなあと懐かしそうに話される。

もうひとりは公民館と誕生と同じ年に生まれたんや、同い年やったわと笑ったあとはパック御膳でよばれる直会が始まった。

(H21. 2. 1 Kiss Digtal N撮影)