老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

特定秘密保護法が特定秘密に?

2014-12-10 09:21:30 | 秘密保護法案
特定秘密保護法が施行された本日、面白い、数々の事実を発見しました。

詳細は省きますが、たとえばネット上の、ウィキペディア日本語版の、同法に関する記事の扱いも微妙なもので、「削除の方針に従って、この項目の一部の版または全体を削除することが審議」中、「この項目は著作権侵害が指摘され、現在審議中です。審議の結果、該当する投稿以降の全ての版またはこのページ全体(すべての版)が削除される可能性があります」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%89%B9%E5%AE%9A%E7%A7%98%E5%AF%86%E3%81%AE%E4%BF%9D%E8%AD%B7%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E6%B3%95%E5%BE%8B

ご興味がおありの方がいらっしゃれば、ご自分の体験をアップしていただければ、これこそネットを使った市民運動の、面目躍如たるものと、愚考する次第です。


「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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有志学生のデモに寄せる

2014-11-01 21:00:42 | 秘密保護法案
今年(2014年)10月25日の、学生有志が肝煎りであるSASPLデモの動画から、私は、さまざまなことを考えさせられた。私は、この学生を中心とする有志について、まったく知らないから、誤解も多々、あるだろうが、関係者にはお許しを乞いたい。

彼らはおそらく、どこにでもいる今の日本人として、世界及びその中の日本の歩みを、それを研究している者もいるかもしれないが、ほとんどの者は、とくに念入りに調べ上げたり、考えたりした経験があるばかりの者でもないだろうと思う。

また、戦後日本に於ける、さまざまな混乱、動きや運動、うねり、日本も含む世界の学生や市民のありよう(有りよう)や、さま(思想や姿勢や様子)、当時の時代の空気等についても多分、あまりよくは知らないと、これも「おそらくは」と、想像する。日本の高度成長やバブル期の世相がどんなものだったかも皆目、見当もつかないだろうし、ロスト・ジェネレーションでもない。

だが、というのはむしろ適切ではなく、「それ故に」彼らは彼らなりに、「動い」た。特定秘密保護法が自分達の今と将来にどのように影響するものか、身に食い入るようにして感じ、そして生身の、自分の言葉でそれぞれ、その思いを語り、非暴力に基づき、デモ行進を護って下さる警察官の方々にも感謝の念を忘れず、デモをした。

これは、大変なことだ。こんな知恵あるデモが、他ならぬ「時代の当事者」である、しかもこの世代から出てきたことに、素直に感動する。こんなことをしたからといって、これは何も彼らの自己犠牲の思いや美学から出たものでもなければ、彼らにとって何の得になることでもなかったはずだ。ただ、アタマ(頭、頭脳)よりもカラダ(体、身体)のほうが動いた、というのが、実態に即してるのではないかと思う。

亡くなられた、作家で市民運動家の小田実氏は、「人々は、『いくら何でも、酷(ひど)過ぎる』というとき、誰からということもなく、おのがじじ、歩きはじめる」というようなことを仰っていたように記憶するが、今回の学生有志も、どのように動き始めたかはともかく、その動機、ことの発端は同じようなものであったのではないか。ともかく、彼らはカラダの動きとして、自らの思想を、サウンド・デモという形で体現した、そう感じる。

私はおよそ教養もなければナントカ主義を名乗れるほどの者でもないが、たとえば共産主義運動の、究極の目標は、共産主義社会を現出させることだ。そしてこれも非常に乱暴な言い方をすれば、それを学問体系からのアプローチというよりも、カラダの動きの面から体系思想化したのが、アナキズムと言えば、これも無理をすれば言えないこともないかもしれない。もちろん、SASPLの有志学生がアナキストなどというつもりはない。ただ、私が感じているのは、どちらも「カラダの動きの面からの言動、行動ではないか」ということだ。

作家で僧侶の瀬戸内寂聴氏は若かりし頃、内山愚童の法要の場で、傍にいた方に、「真の仏教者は、革命家なのよネ」と口にしたというハナシを聞いたことがある。また最近の、ある対談本を読むと、「小田実のようなヒーローが、今はいないのよ。あなた、なりなさいよ」と、若い対談者相手に、いたずらっぽく、冗談っぽく、ちゃっかり「そそのかしてみたり」と、ともかく氏は、その言動の光景を垣間、想像するだけでも、愉快だ。そんな氏がいま、特定秘密保護法をはじめとする日本の動きに深く悲しみ、憂慮されているのが、メディアを通して、若い私にもさまざま、伝わってくる。

だが、ほんの一部を除いて、日本の、殆どの仏教団体は、このような現在の政府の動きに、口を閉ざしたままだ。これは戦前もそうで、浄土真宗でも、現在に於いて「戦時教学」と呼ばれるものが当時形成されたが、救いは少なくとも今の浄土真宗大谷派が、現政権の施策に対し、公式に疑念を表していることだ。

別段、同派を称揚するつもりはないが、日本会議が現政権を支える一大勢力であることを考えれば、これは、現在の日本に於いて、たいへんに勇気の要ることだ。ちなみに、この日本会議の代表委員には、日本医師会会長も名を連ねていると聞く。

私は凡庸な人間ながら常々、二つの「ソウゾウ」が必要だと考える。一つは、「想像する(Imagine)」だ。理想や夢とまでは行かなくとも、「こんな世界、あったらいいな」と想像するのは、誰でもできそうなことだし、楽しいことでもある。

もう一つは、「創造する(Create)」である。つまりは、想像したことを自由に、たとえば口にしたり文章にしたり絵にかいたり音楽にしたり踊ったり、さまざま創造する、そういう場はいつの、何処の時代、国でも、人間が生きる上で必要な、酸素のようなものだ。デモ行進も、その一つだろう。

ところが、秘密保護法施行との関わり合いも考慮しながら、これからの時代を「想像」してみると、どうだろう。まず、現在に於いて既に、教育が国策の道具になる方向で、ことが進んでいるように見える。つまりは、人々が自由にものを考える(つまり、想像し創造する)精神の芽が、摘み取られようとしているのだ。これには、ネットも含む、政治や資本等と結びついたマスメディアも、加担していると言わねばならない。

そして、集会、結社、言論、表現の自由についても、これからどうなるだろう。秘密保護法一つとっても、法案検討の段階で警察をもが、「自分達にも権限を」と迫り、盛り込まれた。つまり、市民生活の隅々にまで、権力の目が光るのだ。ネットだって、安心できない。それは、たとえば中国のネット事情を観れば、容易にわかることだ。米国でも特に、9・11以降、アメリカ社会の隅々にまで政府の目が光っている、そのあたりのことはむしろ、皆様のほうがよくご存じのことだ。日本でも電子政府や、国政や地方に於ける、ネットによる投票システムを提言する者なども、またぞろ出てきているが、技術面だけから言っても、とんでもないことだ。

ニュースなどで誰もが知っているところで言うと、いま、たとえば香港でデモが起こっている。応援しているが、しかし、いつの時代の、どんな権力も、それは空怖ろしいものだ。自らの必要に応じて、どのようなことでも、やってのける。天安門事件で「動いた」学生は、いま世界に散らばって、現中国共産党政権が倒れない限り、本国に帰れないそうだと、これは友人から聞いたことだ。

この件、この友人は、ある中国人から、「裏ビデオを観ないか」と言われて何かと思ったら、同事件に於いて人民解放軍がデモの学生に対して射撃しているシーンが映ったビデオを観せられたとのこと、「確かにこれは、『裏ビデオ』だよなぁ」と笑っていた。しかし、これが笑いごとでなくなる日が来ないと、誰が言えるだろうか。これも、「想像する」ことの一面だ。

中国と言うことで言えば、先に上げた瀬戸内寂聴氏は、これも同上の対談で、「日本が中国と戦端を開いたら、日本は中国と米国の二つに分割されるわよ」と仰っていた。実際そうなるかどうかはともかく、そのように「想像する」ことが、まず大切なことなのは、言うまでもないだろう。戦前の日本人の誰が敗戦後、天皇とマッカーサーが並んで新聞上に写真として載るなどと考えたろう。とにかく、「国体を護る」ことに、「必死に(必ず、しかも何の意味もなく殺し殺される状況に)」、追い込まれた。

これも話を加えれば、たとえばある、世界をほっつき歩いていた作家が皇帝時代のイランを訪れていた時、氏は現地の、日本有数の大商社の、商社マンの人たちとも出会う。彼らは勿論、非常に有能で、それぞれにたいへんな情報通であった。ただ、氏は彼らに問う。「皇帝は、大丈夫ですかね」

氏は、イラン各地をもほっつき歩いていて、人々の間で公然とホメイニ氏の名が口にされていたのでそう尋ねたのだが、彼らは、「大丈夫ですよ。皇帝の人気は抜群だし、他に人はいないですから」。しかし、間もなくイラン革命が起こって、ホメイニ政権ができた。

彼ら非常に有能で情報量もたいへんなものだった商社マンが何故、完全に予測を誤ったか。究極のところ、それは「想像力の欠如」だったろう。この世が変わり得るもの、変わるもの、ましてや一国あるいは体制、政府が崩壊するなどということは、そもそも彼らの発想の中になかった。そういうことだ。

私が調べたところによると、先の大戦後、天皇を裁判にかけて処刑すべし、という声は、極東委員会等からマッカーサーのほうに、矢のように届いた。一方、米国は「真珠湾」直後から、日本を占領したあとどうするか、検討を重ねていた。

そして、「天皇は日本を国として纏め、立ち直らせるために必要」との、本国の意向をも受けて、マッカーサーは「うるさい」極東委員会等の声を退けようと、日本政府に「マッカーサー・メモ」を示して、日本国憲法の制定を急がせたというのが、私の調べた、現日本国憲法成立の、一面だ。

ただ、戦中戦後談と言えば、このあいだNHKのテレビを観ていたら、これも笑えないハナシがあった。ある、戦中戦後を生きた男女それぞれ一人づつの、概ね次のような、「漏らした言葉」だ。

男性のほうは、こう言う。「終戦(敗戦)になって自由になったとき、人々は口々に、こう叫んでいた。『私達は、騙されていた!』」。しかしこの男性は、こう続けるのだ。「この人々は、次に時代が変わったときにもまた、『私達は、騙されていた!』と叫ぶのだろうか」と。

女性の方は、こう呟く。「いま、目の前の神宮競技場で、あの戦争のことなど何もなかったように、東京オリンピックが開かれ、日の丸がひるがえっている。私はかつてここ同じ神宮競技場で、学徒出陣する人々を見送った。この二つの光景を、私はどう重ね合わせ、表現すれば良いのか……」

以上二つは、現政権を支持する、すべての方々に向けての言葉だ。学生有志にエールを送るのにも、苦い思いをしなければならないのが、辛い。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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SASPLの渋谷デモに混ぜてもらった

2014-10-26 16:51:07 | 秘密保護法案
数週間前から10月25日の「特定秘密保護法に反対する学生デモFINAL@SHIBUYA 」告知CMがツイッター上に流れていました。その真剣さ、カッコよさに強く心惹かれ、「若くない人も参加して良いんですよ~」の言葉に励まされて、昨日は「護憲+」メンバーの1人と一緒に、元気な若者が主宰する渋谷の街中デモに参加してきました。

               

3時半、デモ出発地点の渋谷区役所前交差点付近には次々に人が集ってきます。私のようなおばさん、おじさんもチラホラと居ますが、圧倒的に学生と思しき若者が多数で、秋晴れの空の下、学園祭のような華やかさです。

               

出発前には、主催者の若者がラップ調の音楽をバックに今回の行動の主旨説明をしましたが、真面目で真摯な内容は、この間に秘密保護法案の問題を一生懸命考え、議論してきた様子が伺えました。

その後皆でコールの練習。

特定 秘密保護法 反対
I say 憲法 You say 守れ 憲法「守れ」 憲法「守れ」
言うこと 聞かせる番だ 俺たちが
民主主義ってなんだ?「なんだ?」
Get up Stand up Stand up for Your Right
Get up stand up Don't Give up the Fight
Tell me what democracy looks like
"This is what democracy looks like"

ラップ調のコールはちょっと難しい、特に英語の部分は(汗)。でもリズムが良くてとても楽しいし心が躍ります。イザ出発。前の方は主役の若者達がズラリ。

                

日頃デモを主導している学生でない人たちはドラム隊を含め、後方に下がって若者達を盛り上げる役に徹しています。リズミカルなコールをしながら街中を歩く若々しいデモに、普段は政治に無関心そうな若者達も興味を惹かれている様子。可愛らしい女の子が配るチラシを受け取る人も沢山いました。

日比谷などのデモと違って、警察の規制がゆるやかなため、スクランブル交差点にかかると、デモ隊と歩行者が微妙に交差するのですが、互いに阿吽の呼吸で譲り合って、流れはスムーズ。トラブルが起きることは有りませんでした。

               

ゴールデン街では、デモ隊が車道いっぱいに広がって、ラップ調のコールも最高潮。規制もなく、歩道を歩く買い物客との境界も殆ど無い、熱気に満ちた自由な空間となりました。外国人観光客も笑顔で写メをパチリ。

               

こうして元気な若者に引っ張られるように3キロの道のりを歩き、ゴールの代々木公園に到着した時には、とっぷりと日も暮れていました。喉が渇いた!疲れた!でもすご~く楽しかったし、元気が蘇った気がしました。本当に有難う、若い人たち!私達もまた頑張りますね。

今朝は朝日と毎日は一面で、東京新聞は社会面で報道。参加者は2000人とのこと。次回SASPLの行動は特定秘密保護法施行予定の12月10日とのことです。是非皆で参加しましょう。

今回のデモの映像は色々とあると思いますが、終盤の映像は以下で見られます。
http://twitcasting.tv/jack_furuchan/movie/111624290

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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特定秘密保護法関連のパブリックコメント 締切り間近かです

2014-08-21 16:53:48 | 秘密保護法案
特定秘密保護法に関する情報保全諮問会議が第1回(H26.1.17)、第2回(H26.7.17)に開かれ現在下記の3件についてパブリックコメントを募集中です。(H26.7.24~H26.8.24)
 ① 060072401 特定秘密の保護に関する法律施行令案
       http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072401&Mode=0
 ② 060072402 特定秘密の指定及びその解除並びに適性評価の実施に関し統一的な運用を図るための基準(仮称)案
       http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072402&Mode=0 
③ 060072403 内閣府本府組織令の一部を改正する政令案
       http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=060072403&Mode=0

上記のいずれにも諮問会議第1&2回の配布資料が添付されています。政令案および基準の本文も含め膨大な量ですが、私はそのうちコンパクトに纏められている「関連資料」(情報諮問会議HP 第1回の資料3「法律の概要 説明資料」を基に、次のコメントを送りました。

 下記により行政機関の長(実際には「その職員」)の恣意的な判断が多くなり、国民の知る権利を侵害される恐れがあるため本法律の撤回または修正を望む 
 1.秘密指定事項の指定に「その他・・・」のように曖昧な言葉が多く、
 2.秘密指定の有効期間が、30年、60年と長く解除されなかったり、解除されても廃棄される可能性がある。
 3.「適正な運用を図るための重層的な仕組み」として「保全監視委員会」、情報保全監察室」および独立公文書管理監」を設けるとあるがいずれも時の内閣内の組織であり、独立した組織チェックとは言えない。年に一度の国会への報告だけでは不十分である。
 4.「秘密取得行為(必ずしも故意呑みに非ず)の未遂、共謀、教唆又は煽動は刑事罰に処す」では余りに適用が広範囲になる。
 5.「本法の適用に当たり拡張解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害することがあってはならず報道/取材の自由に十分配慮すること」としつつも「取材が著しく不当な方法によるものでないこと」を前提にするなど曖昧な規定である。

なお、第2回の資料3「統一的な運用基準」を見ても上記の不安が払拭される内容は含まれていません。

「護憲+BBS」「立法・司法ウォッチング」より
tstsujinn
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「日本はこういう国だった・・・」(「昔あったづもな」メール通信より)

2014-01-17 15:28:40 | 秘密保護法案
フェイスブックで教えてもらったものです。拡散自由ということですので、紹介させていただきます。紹介前文は「明日の自由を守る若手弁護士の会」というフェイスブックページから。

・・・・・ここから・・・・
昨年末の話ですが、口承文芸学者で小澤昔ばなし研究所所長の小澤俊夫さんが、「昔あったづもな」というメール通信をお始めになったとのことです。
特定秘密保護法が成立した時の「また同じ歴史が繰り返されようとしている」という皮膚感覚を、現代にしか生きたことのない世代へ伝えなければならない、という小澤さんの思いが伝わってきます。(特に最後の2段落を読んだ時、鳥肌が立ちました。)拡散自由なものなので、下記に貼り付けます。

。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:

メール通信 昔あったづもな 第1号

「日本はこういう国だった
   戦後に生まれたあなたに」

発信者 小澤俊夫 小澤昔話研究所所長

昨年12月6日に成立した「特定秘密保護法」は国民の首をじわりじわりと絞めていくことになる危険な法律です。日本人は1945年8月15日の敗戦まで「治安維持法」や「国家総動員法」によって苦しめられて来ました。ぼくには、あの日本がまたやってくるという強い危機感があります。安倍首相が選挙で唱えた「日本を取り戻す」とは、そういう日本のことだったのです。

ぼくは2014年4月に84歳になります。戦後に生まれた人にとっては、敗戦以前の日本がどんな国だったか、ほとんど想像がつかないでしょう。そこで、ぼくが体験した、そして実際に見た、そして聞いた日本のことを、勝手に「通信」として広く読んでもらおうと思いたちました。内容に納得できた方は、どうか知人・友人に回してください。メールでも紙でもかまいません。ぼくに断らなくて結構です。そしてその知人・友人にも、もし納得できたら更に広めるよう依頼してください。特に若い人たちに読んでもらいたいと思います。

この「通信」を読むほとんどの方は、生まれた時にはもう現在の平和憲法があり、自由で民主主義を標榜する日本になっていたであろう。今の平和憲法を獲得するまでの、暗い日本のことは知るはずがなく、今の日本が当たり前と思っていることだろう。

だが、今の平和憲法を獲得するには、約三百万の日本人が命を落とし、約三千万のアジアの人が命を落としたことを忘れてはならない。そして、日本は暗い秘密国家だったことを。

ぼくは昭和二十年八月十五日まで、東京の陸軍第二造兵廠で神風特攻隊用の爆薬を作っていた。戦争中の日本の雰囲気にもろに呑み込まれて軍国少年だった。当時日本国民は戦争についての真相はまったく知らされず、日本は勝つものだと信じ込んで、ひたすらお国のために働いていたのだ。大事なことはすべて秘密のベールの中だった。日本海軍がミッドウエイ海戦で壊滅的打撃を受けたことなどまったく知らされていなかった。その後の敗戦のプロセスについても、きれいな言葉でごまかされていた。

後で退却だったことが分かったマダガスカル島の戦況については「戦略的転向」と報じられた。ビルマ(今のミャンマー)戦線の敗戦も「戦略的転向」だった。アリューシャン列島のアッツ島での全滅は「玉砕」と言われた。もちろんそれは「全滅」だと想像できたが、国民はあからさまにそうは言えなかった。そのうちにアジア各地の前線での「玉砕」が報じられるようになった。国民は不安を感じ始めたが、「大本営発表」は「皇軍は赫々たる戦果を挙げている」とか、「敵を殲滅した」とか、「最後の勝利は我にあり」というばかりだった。そして、極めつけは「そのうちに必ず神風が吹く」という言葉だった。国民はみんなそれを信じさせられた。笑ったら国賊と呼ばれた。

だが、昭和20年3月10日のいわゆる「東京大空襲」の時も、5月25日夜の東京西部地区(中野、荻窪、阿佐ヶ谷方面)の大空襲の時も、吹いたのは神風どころか、火災による大風で、そのためにあたり一面、完全に焼け野原になったのである。ぼくは立川でその空襲を経験したのだが、東の空が真っ赤に焼けて、新聞が読めるほど明るくなった。

情報は大本営発表しかなかったから、軍の高官や政治家、官僚、有力者たちが陰で利権をあさったりピンハネしたりしていてもわからなかった。それがわかったのは、敗戦後、いろいろな暴露雑誌が出始めてからであった。暴露されてみると、秘密裏に行われていたことは、ひどいものだった。 ぜいたく品追放とか、精密機械製造に必要と称して国民に無償提供させた貴金属類は、軍部の高官や政治家たち、官僚たち、地方のボスたちがポケットに入れてしまったということだった。戦車製造のためと称して供出させた鉄類の多くは、放置されたまま錆ていったということだった。

それらのことが秘密裏に行われていたということは、一般国民にはそれを知る権利はまったくなかったということである。今回成立した「特定秘密保護法」でも、国民の知る権利については、「配慮するよう努力する」程度のことでごまかされている。知る権利がないということは、知ろうとしたら犯罪になるということである。

戦争中、「壁に耳あり、障子に目あり」という言葉が国中に徹底して言われていた。それは、どこにスパイがいるかわからないから、発言に用心せよという意味で言われていた。だが、当時、鎖国状態の日本国内のいたるところにスパイが潜んでいるはずはなかった。本当の意味は、国民に、「何かを知ろうとすることはやめろ」という意味だったのである。「目も耳もふさいでいろ。何かを知ろうとしたり、考えたりすることをやめろ」という意味だったのである。

では、それをやめて何をしろというのか。「ひたすら、政府の言うことだけを信じて、黙ってついてこい」というのである。言論の自由の正反対の考え方である。「特定秘密保護法」はそれをめざしている。なんとしても廃止しなければならない。(2013/12/26)

。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:。.。:+* ゜ ゜゜ *+:

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現場からの報告:「特定秘密保護法」に反対の声を!

2013-12-20 10:28:26 | 秘密保護法案
戦争是認国家は、国内は云うに及ばず地球規模で人のホームレス化を齎すと云えます。「特定秘密保護法」は、人とひとの<絆>を破壊する国民監視国家への道とともに、その対関係に戦争是認国家への転換を国民に<宣言>したことにほかなりません。

安倍政権は、国権の最高決議機関である国会論議を実質的な封殺状態に置くとともに、国民の声に背を向け「国家安全保障会議設置法(日本版NSC)」に続き、「特定秘密保護法」を強行採決しました。「国家安全保障会議設置法(日本版NSC)」は「戦争指導最高会議の設置」を意味する(佐藤優)とも云われており、同感と同時に、現行憲法とその精神の否定の上に立った「戦争する国家」への転換を国民に向かって<宣言>したことに他ならないと云わずにはいられません。

そうした世相の今、老齢年代の私は、小学生時代の<南方>や中国、シベリアに抑留されていた色あせた軍服とリュック姿の<帰還兵>を駅頭で迎えたことを思い出さずにはいられません。また、その頃、シベリアで抑留されていた叔父の帰還に伴い、駅頭で初めてお会いしたことを鮮明に思い出します。その叔父は極寒のシベリア抑留生活で足指を欠損していましたが、その後も抑留生活について語らなかったことをも同時に思い出します。

そうした想いと重なりつつ、既に<自衛隊>は最先端の戦闘武器の装備を整える一方、遠くアフリカソマリア沖での任務を遂行できるまでの<軍隊>に進化するとともに、アメリカ海兵隊と上陸作戦演習をともにする程の変貌を遂げるに至っています。

そう言う意味では、戦後<憲法>は、憲法下の<政権>であるべき<政権>によって関係性が転倒され、‘60年安保闘争、‘70年安保闘争の敗北と、労働運動の右傾化、それに伴う退潮と企業=経営内化の深化とともに、今日の憲法の政治的転倒状況に至っていると云えます。

安倍政権はアメリカ製政党を含む保守政党の合同=自民党の起源と実績を、今日的な<カタチ=法制化>にして見せている<三代目のお坊ちゃん世代>に他なりません。そうした三代目の<弱さ>を突いていく私たち老齢の<知恵と度胸>が試される時代を迎えているとも云え、知恵を絞り、孫世代へと繋いでいけたら幸いだと思っています。

ともあれ、自分の足元の定年を迎えた職場に働く仲間とともに、「特定秘密保護法」を持ち出さざるを得ない政権の脆弱性とその問題点、及びそうした政権の脆弱性を浮かび上がらせる現行<憲法>をより深く学ぶことから始めることにしています。そして、職場の学びの一点から、戦後<憲法>の護憲の火を灯して行きたいと願っています。  

生協は平和国家においてこそ、その事業と自由な運動が保全されるとともに、生協組合員にとっての「市民生活の安寧と自由な市民的な諸活動が保障される」のですから、現憲法の学びと護憲に向けた取り組みは、生活の糧を齎す生協職場の確保とその保全の意味からも生協職員・労働者自らのものにしていくことは大切なことだと思っています。そして、必ず彼等に受け入れられると自負し、新年早々、その第一歩の学習会に踏み出すことにしています。

皆さん、良いお年を迎えられんことを祈念しています。

「護憲+コラム」より
せっちゃん
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「逆らう国民はテロリストだ!」(フライデー)

2013-12-13 17:04:02 | 秘密保護法案
今日発売のフライデー(12月27日号)の表紙に、石破幹事長の不気味な顔と『自民独裁化で始まる監視社会 恐怖のストーリー「逆らう国民はテロリストだ!」』というコピーがあったので、思わず買ってしまいました。

記事は概略以下のとおり。

(以下引用)
===
12月上旬、特定秘密保護法案の成立を目前にして、安倍晋三首相は側近の議員にこう話していた。
 「支持率下落は覚悟の上で、短期決戦に臨んでいる。一旦下がることはあっても、また時間を置かずに上向くだろう。(略)成立すれば直接私が改憲を開いて、国民に丁寧に説明する。そうすれば反対している人にも理解してもらえるはずだ」
 そして12月6日、与党のゴリ押しによって「天下の悪法」特定秘密保護法案が可決された。安倍首相は、言葉通り記者会見の場に登場。「国民の誤解を解くため」の説明をはじめた。
 「これまでは国家機密に関するルールがなかったため、外国から十分な情報が得られなかった」
 自信に満ちた表情でこう語ったが、むしろ国民の不信感は一層高まったはずだ。なぜならこれは完全に詭弁だからである。
(下防衛庁長官官房長の柳澤協二誌の証言・・略)
 つまり、この法案の制定を急いだ安倍内閣、そして自民党の狙いは別にあるということだ。いみじくも石破茂幹事長が、「絶叫戦術はテロ行為と変わらないように思う」と自身のブログで言及したが、この法案によって政府に反対する勢力を“テロリスト”に仕立てて、追い込んでいくことがひとつの大きな目的なのだ。
(落合恵子さん、むのたけじさんの指摘、等・・略)

<中国と同じ強権国家への道>

 実は、自民党の憲法改正草案には「人権よりも社会秩序の維持が優先される」という趣旨の文言が入っている。特定秘密保護法案は“社会秩序の維持を優先させる”ために利用されるのだろう。
 さらにむの氏は、この法律が日本を戦争に向かわせる契機となる、と警鐘をならす。
(略)
 安倍首相は「これで日本も国際社会と同等の“機密保持の仕組み”ができた」とご満悦だという。だが、海外から見ても日本は時代を逆行していると写るようだ。
(ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏の指摘・・略)
 むしろ日本は中国のような強権国家に向かって逆行している。中国に批判的な姿勢を示す安倍首相が、中国と似た国づくりを進めているとは、皮肉以外の何者でもない。
(高村薫さんの発言・・・略)
 いまの安倍政権の人気を支えているのは、株高と景気回復への期待だ。実際、特定秘密保護法案の成立直前、日経平均株価は“誰かが操作したように”急騰した。
 今後も安倍政権は、あらゆる手を使って株高を維持し、支持率が下降するのを防ごうとするだろう。安倍政権の正体見たり、だ。
====
(引用終わり)

何という端的で的確な指摘!「フライデー」侮るべからず!ですね。

更に、同じ号の別記事として、『何度見ても感動する「転落女性救出写真」「見せましょう!日本の底力を」』と題して、今年7月に起きた南浦和駅の京浜東北線ホームでの救出の様子を現場写真と共に再現。

『何度見てもジンとくる出来事を実現させた乗客の方々と、それを見事に世に届けてくれた繁田(読売)記者に、心から「ありがとう」と言いたい。
 自民党の石破幹事長は11月20日付の自身のブログで特定秘密保護法案反対のデモを「テロ行為」と述べた。自発的に救助に動いた乗客たちと、民主主義への危機感からデモに参加する人たちとの間に何か違いがあるのか。この乗客たちが翌日、デモに参加したら、石破氏はやはり「テロリスト」と呼ぶのだろうか。』と締めくくっています。

良く言った、フライデー!パチパチパチ。
皆さんも是非買って読んでみて下さい。一読の価値がありますよ。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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安倍自民党の描くシナリオを押し止めるために

2013-12-08 23:19:44 | 秘密保護法案
「特定秘密保護法案」を成立させる過程で、安倍政権は国民を見下し権力を自分に集中させようという、民主主義否定、独裁志向の体質を余すところなくさらけ出しました。

しかし、そもそも安倍晋三の「強行採決癖」は今に始まったことではありません。第一次安倍内閣当時にもそのDNAはしっかりと発揮されていて、自民党を一人勝ちさせれば今日の事態を招くことは、直近の衆院選、参院選の時点で、明らかでした。

いみじくも映画作家の想田和弘氏が12月5日のツイッターで、『自民党の犯行声明』と言い当てた「自民党新憲法草案」のシナリオに沿う形で、今回彼らは「秘密保護法」を成立させ、次に「集団的自衛権の見直し」の実現、そして「改憲」という道筋を狙っています。

こうして彼らのやり口が具体的に示され、それが私たちの今と未来を縛っていくという現実を突きつけられた以上、もはや手をこまねいているわけにはいきません。彼らのシナリオを押し止めるために、具体的な行動が必要となっています。

例えば、強引な国会運営に抗議するヒューマンチェーンを作る時には、これからも鎖のひとつとして参加したい。憲法を空洞化させる意図を持った悪法に対しては「違憲訴訟」や「国民投票運動」を提唱する人たちと積極的に連携していきたい。

市民サイドに立った情報を提供し続けているIWJや田中龍作ジャーナルなどの独立メディアを支援したい。

また、今回の「秘密保護法」成立に際しては、多くの新聞社が「ひるまず役割を果たす」(毎日新聞)「国民の知る権利に奉仕することが報道の使命であることを胸に刻みたい」(朝日新聞)「民主主義が壊れゆく流れにあったとしても、われわれは踏みとどまりたい。これから先、どんな困難が待ち構えていようとも、民の力を信じて。」(東京新聞)と覚悟を表明しました。マスメディアの従来の報道姿勢に対する批判は批判として、日本が「分水嶺に立っている」(東京新聞・瀬口社会部長)今、表明された各新聞社の誓いに対しては、私たちもその覚悟を後押ししていきたいと思います。

そして何より、私たちが主体的にできることとして、現政権がその座から引き摺り下ろされる日が一刻も早く訪れるように、彼らの危険性を自分の言葉で積極的に伝え続けていきたい。

・・・他にもきっと有効な手立てがあるはずです。私達もひるむことなく、志を同じくする人たちと手を携え、知恵を出し合って、前を向いて頑張りたいと思います。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
笹井明子
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闘志を新たに

2013-12-07 11:25:12 | 秘密保護法案
私も昨日(6日)は午前11時頃から午後11時半頃まで国会前→日比谷野音→国会前 と梯子し、6万分の1の大声をガナってきました。結果はやはり深い無力感が残りました。

しかし今後の1年間(特定秘密保護法が実際に施行されるまで)にやるべきこと(自民党が「今後検討する」といい加減な答弁で逃げ切ったことの実現をきっちり見届けることと、一人でも多く関心を持ってもらうこと)に闘志を新たにしました。

昨日では時すでに遅しにも拘らず、のこのこと出かけたのは前日(5日)の参議院審議の中継を見ていて無茶苦茶な自民党の進め方に、そら恐ろしさと憤りを禁じ得なかったためです。大多数の市民は目にしておらず、暇で見れるようになった私などの務めだと痛感しています。

このあとまだ国家安全保障基本法が控えています。今回これ程まで反対の声が大きくなったので、自民党の魂胆に気が付かない国民は激減するであろうことに期待したい。(最終便に近い満員電車内で多くの乗客の疲れた顔を見て、一抹の不安も感じながら。)

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
tetsujinn
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「秘密保護法案」国会前の状況

2013-12-06 21:30:32 | 秘密保護法案
今日も少しの間ですが、国会前に行って来ました。私が居た間にも人がどんどん集って来ていました。今は6万人が集まっているということです。NHKは完全に無視しているよでうすけれど。

今の生々しい様子は、以下のサイトで見ることができます。現場に行けなくても、心は一緒!

http://twitcasting.tv/jack_furuchan
http://www.ustream.tv/channel/iwj6?utm_campaign=ustre-am&utm_source=ustre-am&utm_medium=social
http://www.ustream.tv/channel/iwakamiyasumi4

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
笹井明子
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