老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

『「辺野古」県民投票~沖縄県民の意思にどう応えるか』報告・意見交換会2/27

2019-02-28 23:01:57 | 沖縄
昨日は、沖縄県民投票を成功に導いた「辺野古」県民投票の会代表・元山仁士郎さんが県民投票後初めて上京し、報告と意見交換の集会(〔国民投票・県民投票〕情報室主催)が行われました。会は、昼(衆議院議員会館)と夜(文京シビックセンター)の2回あり、私は夜の部に参加しました。

元山さんは昨年4月に「辺野古」県民投票の会を設立して以来、県民投票実現のための署名集め~不参加表明をした市長に翻意を促すためのハンガーストライキなど、骨身を削った運動を続け、2月24日の県民投票後は、県民が示した意思を全国に伝えるために、文字通り寝る間を惜しんで活動を続けているそうで、「高校時代野球部で培った体力で何とか元気にやっています」と言いつつも、さすがに疲れを隠せない様子でした。

報告によれば、投票率52.48%(60万5385票)、反対43万4273票(投票総数の71.74%)、賛成11万4933票(同18.99%)、どちらでもない5万2682票(同8.7%)、全市町村で反対票が賛成票を大幅に上回る「辺野古米軍基地建設のための埋め立て―NO」の圧倒的な結果となりました。

「話そう、基地のこと。決めよう、沖縄の未来」のスローガンで進めてきた「辺野古」県民投票の会は、世代間の対話、島々の対話を重ねることで若者・市民主導の運動、沖縄全体の議論促進を実現し、それが今回の結果を生んだと元山さんは言います。

その上で元山さんは、日本全国の人に、「自分たちは何ができるかを考え実践して欲しい」と訴えました。それに対し、集会に参加した若い世代から「大学で学習会を開きたい」「周りの人に伝えていく」「議員やメディアに電話やファックスで意思を伝える」など、主体的な関わりの表明がいくつも出され、今回の県民投票を切っ掛けに新たな民主主義の時代が生まれようとしている気配を感じました。

それはそれで大きな希望ですが、一方、今回の県民投票の結果に対して、政府は「真摯に受け止める」と言いながら「工事の継続への理解を求める」とし、県民の意思を嘲笑うように辺野古への土砂投入を強行し続けており、それを現実に止めるために、私たち本土の人間も、今すぐに、野党共々力を結集し圧倒的な意思表示をする必要がある、とも痛感させられました。

☆ところで、〔国民投票/住民投票〕情報室が、県民投票直後に行った対面調査の報告があり、その中で、興味深いエピソードが紹介されました。それは、名護市・辺野古の住民の中に「賛成:普天間の人たちが気の毒だから辺野古への移設を受け入れるしかない」と言う人がいる一方で、普天間のある宜野湾市の住民に「反対:私たちの苦しみを名護の人たちに押し付けたくない」と言う人がいたということです。沖縄の人たちのなんという優しさ!

「護憲+BBS」「イベントの紹介」より
笹井明子
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「景気回復」を実感しているか(3)困窮する中小零細企業・小売業界

2019-02-26 16:54:32 | 暮らし
『「景気回復」を実感しているか』に書かれている買い物客の光景、私もその一人です。

>最近我が家近くのスーパーで~割引シールを配布している。~割引シールのために並んでいるのは、私たち世代だけではない。列の中には子育て真っただ中の現役世代の人たちも大勢いる。

ウチの近隣スーパーでは”賞味”期限切れ間近の食材・パン類に20~40%割引シールを貼り、出入り口近くに陳列しています。当日消費するならば、なんら品質に問題ない品々なので、ありがたく買って帰ります。

メンツがあるのか、男性はカゴニ入れないようですが、私はまったく気にしません、ネコだから。

>2月13日のNHKニュースで伝えられた「景気回復」に関する世論調査では、「景気回復を実感していない」が66%に上った。
>消費意欲は持ちたくても持ちようがない。従って、今もこれからも消費者物価指数など絶対に上昇せず、景気回復どころの騒ぎではない。

仕事で店舗営業にかかわっていますが、顧客(店舗経営者)の声として”誰一人として”景気がいい、売上アップしたという方はいません。景況の話題を友人・知人に広げても、アベノミクスの好景気やトリクルダウンの恩恵を語る人は”誰一人として”いないのです。

私は仕事上、「お店の売上が悪いことを景気のせいにしてはいけない。経営者がもっとマーケットイン、ユーザーニーズを考えなければ」と説いてきましたが、ここ2~3年は「それにしても・・・」と疑問を感じていました。政府が好景気と公言するのに消費現場は冷え切っている。このギャップはなんだろう、経営努力で埋められるものなのか、と。

しかし、今回の統計数字等の不正問題が明らかになり、消費現場の景況が正しいことが証明されました。安倍晋三のワガママで数字をごまかす、アベノミクス偽装は明らかです。賢い外国人投資家たちは昨夏の段階で気づいていたのでしょう、日本への投資を控える行動をとり始めました。株価が下落しそうになり、その穴埋めで日銀が国債をジャブジャブ発行したところで、”本当の豊かさ”がない日本に投資する国際投資家ネットワークがあるでしょうか。

喜んでいるのは円相場での大損を回避した大企業、有価証券投資で暮らす投資家・富裕層、メンツを保った御用学者でしょうか。

私は、今年10月に消費税10%を断行すれば中小スーパーでさえ倒産するところが出るのでは、と危惧しています。当たり前の話ですが、消費者が動かなければお店の売上はないのです。

さらに危惧するのは、政権支持率を下げたくない安倍晋三が10月を目前にして「増税延期」を言い出すことです。彼は「私は国民に寄り添っている。これは国民のための苦渋の決断だ」とでも言い訳するでしょう。しかし、それは「3度目の増税延期はない」と断言し、年明けから税率変更や特例業種・品目対応に余計な時間とカネを負担させられた中小零細企業・小売業界を愚弄し、困窮させる行為です。

>~国民の暮らしはどんどん貧しくなって、日本社会は不景気の坂を転がり落ち続けるだろう。まさにこれが「悪夢のような」現政権下の、~

もちろん、それは「景気がいいから消費増税を実行する」と公言してきた安倍晋三が大ウソつきであることの証明になります。まぁ、証明したところで
彼は痛くもかゆくもないのですが・・・。

自分のオトモダチ実業家・学者、特権階級意識を持つ人々の都合・意見だけを取り入れ、喜ばせるために国民の税金をもてあそぶ、「悪魔のような」安倍晋三。沖縄の投票結果(民意)など初めから無視する姿勢アリアリの安倍晋三は、総理大臣失格です。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
猫家五六助
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生産的でない人間は見放すという発想

2019-02-25 09:48:09 | 民主主義・人権
「東京オリンピック金メダル候補」「スーパー女子高生」と過剰なまでに期待をかけられている競泳選手が、自らが長期の療養を要される病気に侵されていることを公表した。詳細な検査結果もまだ出ていない状況における大変勇気ある行動であり、選手本人の文章からは応援してくれる人々への感謝と生きることそれ自体への真摯さが感じられる。

しかし、突然病に襲われながらも強く生きようとする若者を、一年後に国内で開催されるオリンピックにおける目玉選手としか認識していない人もいるのだろう。五輪担当大臣の「金メダル候補で、日本が本当に期待している選手なので、がっかりしている」「1人リードする選手がいると、みんなつられて全体が盛り上がるので、その盛り上がりが若干、下火にならないか心配している」などの発言は、こうした見方が無意識のうちににじみ出ているものではないか。

五輪相による発言―特に「がっかり」「下火にならないか心配」という箇所―への批判は、Web上をはじめ紙の媒体での報道やテレビのニュースなどでも多く取り上げられていた。しかし、一人の人間を国にとって有益なのかという観点でしか見ないような発言が真っ先に出てくる雰囲気は、すでに用意されていたように思えるのだ。

子どもが産めない人、税金を納めてくれない人…というように組織にとって有益なことをしない、いわば役立たずで「無能」とみなした人間を捨て駒のごとく簡単に切り捨てる行動には既視感がある。LGBTをはじめとした性的少数者には「生産性がない」にもかかわらず、過剰に支援しすぎているという内容の国会議員による雑誌記事などは記憶に新しい。

さらに、先の発言で根本的に問題となる点は、一人の選手に期待をかけるのはあくまでも「日本」という国なのかということである。応援する者の目をまず惹きつけるのは、高みを目指して競技に取り組む選手の姿であって、各選手がどの国ならびに地域の代表であるかではないだろう。そして、懸命に挑み続けるアスリートたちの姿は国境も言葉も超えて観客の心に残るものである。

国にとって役に立つのかという発想だけで人間を評価するという思考を改めない限り、一年後に世界の様々な国と地域から集まってきた人たちにも閉塞感と冷たさしか感じられないはずだ。表面的な「おもてなし」をしていても、人よりも制度を優先する発想は早晩露呈するものである。

「護憲+コラム」より
見習い期間
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統計不正問題の本質

2019-02-19 20:51:30 | 社会問題
(1)統計不正問題と戦前の類似

以前、「日本支配層の底無しの腐敗」でも論じたが、安倍政権下の閣僚、官僚たちの腐敗は底無しだ。現在の厚労省の統計不正問題は、この国の官僚組織が骨の髄まで腐りきっている状況を如実に示している。

〇「不景気も 統計一つで 好景気」
〇「合わぬなら 作ってしまえ 偽統計」
〇「成長率 どれだけ盛れるか 腕次第」  (日刊ゲンダイ)

ゲンダイによると、これは立憲民主党の小川淳也議員が読み上げた総務省のツイッターの書き込みだそうだ。言いえて妙。見事な川柳である。如何に国民があきれ返っているかを如実に示している。

実は、この状況は、太平洋戦争に突入した戦前に酷似している。

典型的なのは、「日本支配層の底無しの腐敗」でも論じた、陸軍が起こした「ノモンハン事件」のでたらめな戦争計画だ。こんな計画で戦争に駆り出される兵士はたまったものではない。これぞ無責任のきわみ。司馬遼太郎が憤怒のあまりかけなかったのもムベなるかなである。

参加した兵士2万人近くが戦死。精神主義と根拠なき(データなき)楽観主義に支配された関東軍幹部の無能力ぶり、その敗戦の責任を現場の将校などに押し付け、自決を迫る。その失敗の反省もなく(責任を下に押し付けるため)、最後は、事件そのものをないものにする発想になる。太平洋戦争でも同様な過ちを繰り返した。(※現在の歴史修正主義者たちのやり口そっくり)
・・・・NHKスペシヤル「ノモンハン事件 責任なき戦い」
https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20180815

2月11日の朝日新聞3面のMONDAY解説で統計不正問題を取り上げていた。その中で、戦後、吉田茂は、GHQのマッカーサー元帥に「戦前に我が国の統計が完備していたならば、あんな無謀な戦争をやらなかった」と述べた、と書いている。(吉田茂;回顧10年より)

吉田の言葉が本気だったことは、「1946年に経済学者大内兵衛を委員長に据え、強い権限を持つ統計委員会(のちに統計審議会)を設置。1947年には、政治的中立を意識して、「統計の真実性確保」をうたった統計法をつくった」(2/11朝日新聞3面)と書いていることからも推測できる。ちなみに委員長の大内兵衛は、人も知るマルクス経済学者。現在なら考えられない人選である。

(2)官僚たちの愚民意識と歪んだエリート意識

2月16日の毎日新聞「昭和史のかたち」の中で、保坂正康が「統計不正問題と官僚」という題名でこの問題の本質を、官僚の持つ愚民意識にあると論じていた。

彼は太平洋戦争の指導者東条英機を持ち出して以下のように論じている。

・・戦時の指導者東条英機は、軍官僚出身だが、愚民意識丸出しで戦争指導をおこなった。情報隠蔽、恫喝政治、責任転嫁、人命軽視での戦争指導だった。官僚の持つ愚民意識は、「愚かな国民に選ばれる政治家も愚かだ。だから、彼らの言う事など聞く必要はない」とある元官僚は断言していた。

08年にこの稿(保坂が農水省の不祥事などを書いた論考)を書く時に最も納得した元官僚の言は「国民にとって官僚は本質的に暴力的な存在」との指摘だった。あれをせよ、これに従えと命じ、言う事を聞かなければ具体的に暴力を駆使する。(警察権力など)確かにそのとおりである。・・・・・

愚民意識とエリート意識はメダルの裏表。保坂の語る愚民意識は、裏から見れば、日本支配層の歪んだエリート意識(選民意識)を物語っている。

愚民意識が強固であればあるほど【官僚の持つ暴力的本質】が際立つ。戦前で言えば、特高警察の暴力性は際立っていた。現在で言えば、森友学園問題での籠池被告に対する検察の不条理な暴力性は、「官僚の持つ暴力性」の本質が変わっていない事を示している。権力を保持した人間の歪んだエリート意識が、愚民意識を増幅させる具体例の一つである。

(3)エリート意識の歴史的淵源

以前に、何度かイギリス貴族の武士道精神ともいえる Gentleman Idealについて論じた。この考え方の根底には、フランスのノブレス・オブリージュ(noblesse oblige)という考え方がある。直訳すると、「高貴さは義務を強制する」となる。一般的には財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴う事を指す。・・・(ウィキペディア)

ローマ史の記述で有名な塩野七生女史の説では、この考え方の淵源には、ローマ帝国の歴史があると言う。彼女の説では、知性でギリシャより劣り、体力ではケルト人やゲルマン人より劣り、経済力ではカルタゴ人より劣っていたローマ人があの巨大帝国を維持できたのは、「社会指導層」の役割が大きかったと言う。

原始時代まで遡上り、豪族、貴族、支配者、階級の発生まで考察すれば、この塩野説がよく理解できる。

たとえ原始時代でも社会形成をした人間社会では、様々な役割(職掌と言ってもよい)が存在した。霊媒師のように神様の声を聞く係。稗田阿礼のように、お話や音楽、美術などみんなを楽しませたり部族の記憶にかかわったりする係。食べ物の調達係。料理係。どの集団にもいる横着者で、グータラしててみんなのお荷物になる係。

特に重要になるのが、これらの雑多な係を束ねるリーダーシップ役である。他の部族が攻めてきたり、大きな自然災害に見舞われた時など、リーダーシップ役の連中は、命がけで部族を守る責任が生じる。

それを見ている部族の他の連中は、いざと言う時に命を懸けてくれるんだから、尊敬もするし、リーダー役が日常多少の贅沢をしても許す。部族内のこの構図が、王様や貴族や階級を生み出す。

塩野説では、上記の構図を都市国家の塀の上で戦う存在と説明している。西欧の都市国家は、その多くが塀で囲まれている。敵が攻めてきたら、社会の指導層は塀の上で先頭に立って戦う。だから、彼らは、指導層なのだ、と言うわけである。

社会の指導層が生み出された原点から抽出した考え方(思想)がノーブレス・オブリージュであり、騎士道であり、Gentleman Ideal である。日本では、武士道というわけである。

(4)エリート意識の変遷

このような歴史的経緯を経て生み出されたエリート意識と現在の日本のエリート連中の意識とは、真逆である。この落差こそが、平成の終焉時の日本の風景である。

軍官僚としてその頭脳の切れ味から、「カミソリ東条」と異名をとった東条英機も、その実像は、戦争指導者としてはあまりぱっとしない人物だったと言われている。

・・戦後、佐藤賢了は東條の性格を次のように評している36。
東條さんは決して独裁者でなく、その素質も備えてはいない。小心よくよくの性格である。意地っ張りでもあり、頑張り屋でもあった。自分の意見は押し通す迫力と実行力とに富み、それぞれの責任者以外からの意見は聞かない。眼界は割合狭い。だから、ちょっとみると独裁的に見える。それに当時の大きな権限を持っていたから、なお更 そう見え、世間では独裁者にしてしまった。

しかしその反面に弱い心があった。特に責任観念が強過ぎたので、常に自己の責任におびえているような面があった。ほんとうの強い独裁者でも、自己の責任におびえることは確かにあり、そこで神仏に頼ろうとする例は少なくない。東條さんはその頼り を天皇陛下に求めた。・・・・戦争指導者としての東條英機 (戸部良一 )
http://www.nids.mod.go.jp/event/forum/pdf/2002/forum_j2002_5.pdf

佐藤賢了の東条評は、かなり実像に近い、と思う。

以前にも書いた記憶があるが、スターリンにせよヒトラーにせよ、独裁的権力を振るう人間に共通した性格は、【小心よくよく】としていて、【嫉妬心が強く】【執念深く】【ねちねちした執拗な】ところがある。

東条英機の性格にも似たところがあるが、彼を完全で冷血な独裁者にする事を阻害したのは、天皇の存在だった。天皇という絶対的な存在が存在している日本では、政治的な指導者の存在は相対化される運命にあった。

もう一つは、彼が軍官僚だった点に求められる。東条が常に自らの責任に怯えていたのはその通りだと思う。彼は、官僚の持つ小心さ、臆病さを克服できなかったのだろう。

権力者は常に孤独。この孤独をどう耐えるかが、最大の課題だ。東条は、神仏に頼るのをやめて、天皇に救いを求めたのであろう。如何にも戦前のマニュアル化した軍隊教育を受けたエリート軍人の生き様に思える。

吉田茂が指摘したように、戦争期のエリート連中(政治家、軍部、官僚など)の統計軽視、統計改竄の傾向は、度し難いレベルだった。大本営発表とは、虚偽発表の代名詞だった。嘘を嘘とも思わず、嘘で国民を騙す事に痛みを感じなくなった精神のありようが、戦時エリート連中だと言っても過言ではない。

何故、こうなったのか。

支配エリート連中も明治時代はこんなお粗末な連中は少なかった。

第一期⇒明治維新の志士連中。西郷隆盛・大久保利通・伊藤博文など。彼らは人数も少なかったが、当時日本はそれほどの規模の国家でなかったので十分だった。

低い身分とは言え、彼らは武士階級出身。藩財政や藩の運営の経験があった。テクノクラートと言えるような専門性はなかったが、人材が乏しかった時代なので、何でもこなさなければならなかった。もちろん、機械化も進んでいない時代なので、多くの人間を動員しなければ、道路一つ直せなかった。

そんな中で能力を発揮し、声望を高め、多くの人間を統率できる人材は限られていた。明治維新の志士連中の多くは、いわゆる【郷党】の親玉だった。その代表格が、西郷隆盛だった。彼らは、後世の世代と比較して、専門知には欠けていたが、きわめて【総合知】に優れた人材だった。

第二期⇒維新の志士たちの後に生まれた世代。慶応から明治初めに生まれた世代。代表的人物; 秋山好古、秋山真之、正岡子規、夏目漱石などの【坂の上の雲】世代。彼らの特徴は、高度な【専門知】がある世代。

〇明治の国家目標 ⇒ 富国強兵 殖産興業 ⇒ 大量の実務家、テクノクラート、スペシャリストが必要 ⇒ 明治新政府は徹底した能力主義を採用⇒大量のエリートたちが、英仏独に留学。外国語を学び、大量の原書を読み、それを翻訳して日本に持ち帰らなければならなかった。この困難な経験が、彼らを飛躍的に向上させた。
⇒同時に、この困難な経験が、この時代のエリートたちに強烈な愛国心を涵養した。
⇒秋山真之の言葉が代表 (自分が一日遅れれば、日本が一日遅れる)

⇒第二期エリート連中の多くは、地方の名望家や地主(庄屋)階級の出身者。土地管理や小作人などの管理などを通じて、ゼネラリストとしての【総合知】の持ち主でもあった。これが彼らの強烈な責任感や愛国心に結びついていた。

この第一期エリートと第二期エリートのコラボが一番成功したのが、日露戦争である。どう見ても勝ち目のない戦を勝利に持ち込み、日本を歴史の表面に浮かび上がらせた戦いは、明治の第一期エリートと第二期エリート連中のおかげだと言っても過言ではない。

では第三期のエリート連中はどうだったか。彼らも第二期エリート連中と同様な手順で育成されたのだが、明らかに劣化していた。それは何故か。

① 第二期エリート連中の海外技術の習得や海外情勢に対する鋭敏な感性は、明治日本の死活的事情に基づいていた。彼らの命題は、ひとえに日本が国際社会の中でどう生きるか、どのような日本を作り上げたら生きられるか、にあった。その運命を担うのが自分たちであるという強烈な自負心と責任感が彼らを支えていた。

② ところが第三期エリート層は、日本の国際的地位もある程度安定し、明治時代のような切迫感も薄れていた。彼らの主要関心が、自らの立身出世などに傾斜し始め、海外情勢に対する鋭敏さも希薄になり始めた。特に官僚的立身出世競争が始まると、重箱の隅をつつくような細かな法的論議が幅を利かせ、ゼネラリスト的総合知が疎んじられ始める。

③ この欠点が現れたのが、1930年のロンドン軍縮会議である。「条約締結」を通じて国際協調を図り、日本の安全を確保しようとする国際派と、米国に負けない海軍力増強を図ろうとする「艦隊派」の対立である。国際情勢を鋭敏に感じ取り、国際協調を通じて日本の生存の道を模索しようとする【総合知】の持ち主は、明らかに「条約締結派」である。彼らが「艦隊派」に敗れていった時、日本の運命は決まっていた、と言っても過言ではない。

(5)結語

よく考えてみれば、明治維新は1868年。ロンドン会議は1930年。太平洋戦争は1941年~1945年。約70年である。吉田茂が統計の重要性を考え、統計法を作ったのが、1947年。統計偽装が発覚したのが、2019年。およそ70年。

歴史は繰り返す。わたしは、以前から安倍内閣の大半を占める歴史修正主義者たちの国際性の欠如を指摘してきた。現在、ニュースで報道されている韓国との確執だが、わたしたちは、韓国の悪口を言えば問題が解決できるのか、という点を考えなければならない。

1910年の日韓併合条約以降、朝鮮半島を日本が植民地化してきたのは事実。創氏改名のような朝鮮の文化的歴史を無視した政策を押し付けてきたのも事実。日韓両国が戦後処理で協力してきたのも事実。

それに対して、戦後、様々な政治家たちが、朝鮮半島の植民地化政策について、問題発言を繰り返してきたのも事実だ。
例えば、創氏改名についての麻生発言
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik2/2003-06-03/03_01.html
祖父である吉田茂が草葉の陰で泣いている。

上で指摘した【総合知】の持ち主なら、まず、21世紀の日本の生きる道について考える。米国の一国覇権が終焉を迎えようとしている現在、まともな政治家ならば、日本はこれから、どのような形で生き延びれば良いのか、を真剣に考える。そうなれば、最後には、日本はアジアの中で生きる以外に方法はない、という結論に達するはず。

と言う事は、隣国である韓国、北朝鮮、中国、ロシアとどのようなスタンスでどのような理念で、どのような距離感で付き合えば良いのかを真剣に模索しなければならない。ならば、現在の韓国との確執は、できるだけ早く、できるだけ穏便に解決を模索するのが、為政者の役目である。

それを総理大臣が先頭に立って韓国との関係を悪化させるような発言を繰り返す。一体全体、安倍総理は日韓関係や東アジアでの日本の立ち位置をどう考え、どうするつもりなのか、全く見えない。彼のその場しのぎの外交方針でこの難しい時代は生き抜けることは難しい。

おまけに安倍晋三は、東条英機とは決定的に異なる点がある。東条には、辛うじて自己の責任を思い悩む人間性が存在した。ところが、安倍晋三の辞書には、【責任感】という文字はない。彼の判断基準は、「自分が、気持ちが良いかどうか」のみだと考えなければならない。

安倍晋三を総理として選ぶと言う事は、そういう事である。

わたしたちは、また滅びの道を歩み始めたと考えなければならない。明治の第二期エリート連中の頭には、数値を偽装するとか数値を改ざんするとか嘘をつくとかという姑息な考え方はみじんもなかった。あるのは、どうしたら日本が国際社会で生き抜けるか、という使命感のみと言って良い。これを果たすには、自らの立ち位置に対する正確な認知が必要だ。こんなものを偽装して、国際社会を生き抜けるはずがない。偽装とか改竄とか誤魔化すとか騙すなどという発想をすること自体、自らの権力を守るための私利私欲以外の何物でもない。

秋山真之のように、「自分が一日遅れる事は、国が一日遅れる事だ」という想いに立つならば、真実のために自らの身を投げ出す覚悟が生まれる。エリートとはそのようなものである。その覚悟の無い奴は、所詮似非エリート。まして、国民を騙したり、誤魔化すために自らの能力を使う連中は、その存在自体唾棄すべきものであり、否定されるべきだろう。

まずこの原点から始めなければ、日本の滅亡は必至である。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
流水

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まずくて食えない、安倍まんじゅう

2019-02-19 10:15:37 | 安倍内閣
この時期、コンビニへ行くと美味しい「肉まん」「あんまん」など、中華まんじゅうを販売している。私は仕事の途中で立ち寄り、本格派100円コーヒーと合わせて昼食代わりにすることも多い。

最近聞いた噂によると、国会議事堂と自民党本部内には「日本懐疑」という名のフランチャイズチェーン(FC)が運営するコンビニが出店しているらしい。懐石料理店と見間違う店構えの、そこに置いてある“美しの国”ブランドのまんじゅうは、カレーライスよりも安いという理由で一個2,000円。庶民には手が届かない値段だが、まんじゅう表皮中心には「菊の花」っぽい焼き印があり、個包装には金文字で教育勅語が印刷してあるそうだ。

ところが、そのまんじゅう。見栄えは美味しそうに見えるが中身はスカスカ、味付けは素人丸出し、不味くて食えないという。それもそのはず、“美しい国のまんじゅうは、美味い!”という思い入れと包装デザインだけが決まっていて、味や中身は“事務員”に丸投げだった・・・とは事情通の話。そして、出店はコネと献金と“総理大臣の忖度”で決まった、と。

その不味いまんじゅうの中でもワースト3なのが 「わんまん」「ぎまん」「ごーまん」
の3種類だという。ネーミングは忖度して漢字にこだわり、
「独裁(フリガナ;わんまん)」「欺瞞」「傲慢」
と恥ずかしげもなく刷り込んである。誰もチェックしないのか、確信犯か。

私も試しに2つ買い求め、店頭で試食・・・うん、これは噂にたがわず不味い。すぐさま店長にクレームを入れたが、店長は涼しい顔で「質問は手短に願います」「それは事実誤認の質問だ、決め打ちだ!度重なる問題行為だ!」と意味不明な言葉を口走るばかり。彼のユニフォームの名札に「CAN」と書いてあるのは外国人なのか、誤記なのか。

それでも食い下がると店外へ追い出されたが、追い出したスタッフが申し訳なさそうに名刺を渡しながら言った。

 「クレームはアナタだけじゃない。でも、スタッフ(事務員)の私は店長に従うしかないんです。」
 「あまりにひどいので店のオーナーへ直訴したのですが、『そんなことは、あり得ない』『しかし、全責任は私にある』『説明責任は果たす』と繰り返すばかりで・・・そんなオーナーと店長の態度を苦に、自殺したスタッフもいるんですよ!」

私は店を出て、残りの1個を道端の犬に与えてみたが・・・犬も食わなかった。

名刺に書いてある本社名は、ABE商店。私は芸能人のマネをして「(A)あんた、(B)バカだね、(E)偉そーに!」と読み替えてから、叫んだ。

You are fired!!!(お前がクビだ!!!)

そのお店に行ったのは、夢の中の話でした・・・よく、覚えてないけど。でも、夢の内容が今の総理大臣や官房長官、政府与党に思い当たるなぁ・・・まったく、正夢かつ悪夢です。

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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「景気回復」を実感しているか(2)参院選でねじれ実現を!

2019-02-18 20:12:46 | 暮らし
2月17日投稿の「景気回復を実感しているか」は、本当にその通りです。

我が家の近くのスーパーも、今日はカード会員は殆どの商品が5%OFFの日。開店と同時に人が並んで、買い物済ませた私が会計をしようと思ったらレジは長蛇の列。私はセルフレジに並んだので直ぐに会計は済みましたが。さらに今日はお米セールの日。5%OFFの恩恵に預り、5㎏のお米をリュックで担いで帰りました。

賞味期限間近の品もあっという間に無くなり、開店サービスのコロッケ50%OFF、菓子パン2個で108円、御一人様2つまでと数量に限りがあるので争奪戦。走って滑って転びそうになるお年寄りもいて、そういうのが苦手な私は見ているだけですが、年金世代も体力がないと中々大変です。

好景気なんて何処の世界の話?安倍内閣とその周辺の人達以外実感していないのでしょう。

10月からは消費税が上がるし、その他仰有るように乳製品も値上げ。値上げ出来ない商品は中身が小さくなって数量も減っています。

社会保険料は上がるし上がらないのは勤労者のお給料と年金です。

悪夢のような安倍政権。今年の参議院選挙ではぜひともねじれを実現して、国会での居眠りや、好き勝手に税金使い散らかしていると、恐ろしい事になると思い知らせてやりましょう。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
パンドラ
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「景気回復」を実感しているか

2019-02-17 22:24:18 | 暮らし
最近我が家近くのスーパーで月に2回午後4時から20円x10枚=200円の割引シールを数量限定で配布している。商品1点につきシール1枚使用できるので、10点買えば200円割引されるという仕組みだ。

私がこのシステムに最初に気づいたのは、たまたま外出の帰りにスーパーに寄ろうとしたら、入り口付近にずらりと人の列ができていて、私も否応なくその列に入ってシールをもらって買い物することになったからだった。

その後ちょっと気を付けてみてみたら、店内には『次回200円シールの配布はx月x日(x曜日)』といった予告の張り紙があることが分かった。そうか!せっかくなので、これからもこのサービスを利用しよう。

そういえば、このところ野菜など生鮮食品がかなり値上がりしている感じで、日々の買い物の総計が20~30%増加している気がする。その上、今後ペットボトルの水や牛乳やヨーグルトなどの値上げが公表されている。そして、10月からは消費税10%アップが控えている。

私たち現役引退世代にとっては、買い物を控えるとか割引サービスを最大限利用するなどの防衛手段をとるしかないのが現実だ。

しかし、いま割引シールのために並んでいるのは、私たち世代だけではない。列の中には子育て真っただ中の現役世代の人たちも大勢いる。

2月13日のNHKニュースで伝えられた「景気回復」に関する世論調査では、「景気回復を実感していない」が66%に上った。

『政府が、今の景気回復が戦後最長になったとみられると発表したことに関連し、NHKの世論調査で、景気回復を実感しているか聞いたところ、「実感していない」と答えた人が、66%に上りました。
(略)
安倍総理大臣は、ことし10月に消費税率を予定どおり10%に引き上げる方針です。これについて、「賛成」が31%、「反対」が41%、「どちらともいえない」が21%でした。
・・・』
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190213/k10011812611000.html

政府はアベノミクスの失敗を認めず、データを改ざんさせてまで景気好調をアピールしているが、識者の学術的な指摘を待つまでもなく、日々の暮らしの光景が、世代を問わず収入増を伴わない支出の増大が暮らしを圧迫していることを示している。

大人しい私たち生活者は、大声を上げることなく、100円、200円の割引のために時間を割くなどのやりくりで毎日をしのいでいるが、消費意欲は持ちたくても持ちようがない。従って、今もこれからも消費者物価指数など絶対に上昇せず、景気回復どころの騒ぎではない。

安倍首相が世界のあちこちに出かけていっては経済支援を約束し、アメリカから無用な武器を購入し続けているうちに、私たち国民の暮らしはどんどん貧しくなって、日本社会は不景気の坂を転がり落ち続けるだろう。

まさにこれが「悪夢のような」現政権の下、日々実感している暮らしの現実だ。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
笹井明子
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米軍基地の歴史と現在

2019-02-16 20:44:18 | 沖縄
表題は米軍基地の歴史と現在としているが、このテーマを選んだのは別の理由からであった。最初は「東京裁判」(これは俗称であり、本当は「極東軍事裁判」となっていて、裁判の実体は軍事裁判ということにある)の被告人にされた人々が戦争責任の主体の全部であるのか、また、なぜこの人がA級戦犯となっているのかなど、疑問はつきなかった。

とりわけ、大きな疑問を感じたのは、原爆を2発も広島と長崎に投下したアメリカが、終始裁判の主導権を握っていることであった。これはニュールンベルグ裁判との顕著な違いにも表れている。

そして、映画「東京裁判」(小林正樹監督、劇映画ではなく記録映画である。)を観て、私の疑問自体に確信が持てた。被告人の弁護(誰の弁護かは忘れた)を担当したアメリカ人弁護人が発した言葉に驚かされた。その弁護人は間違いなく「原爆を投下した国の責任は問われずに、こうした裁判をするのはいかがなものか」、と裁判自体の正当性に少しだけ踏み込んでいたからである。(実際にこのように発言したかは定かではないがこうした趣旨の発言であった。)

この「東京裁判」への素朴な疑問から現在の米軍基地問題へと関心が拡大した結果として、上記表題となった。

まず、こうした関心の拡がりの中で、現在の米軍基地問題を検討したいと思うようになったのであるが、その問題意識の前提として第一に挙げたいのは「米軍基地」という言葉の吟味である。

今、米軍基地の大半(70パーセント)は沖縄に集中しているが、これが「基地問題」の言葉の吟味とその本質から目を逸らす原因ではないかと思うのである。

それは「基地問題の歴史」を読む中で明らかになってきた。沖縄の米軍基地に限定して言うならば、「基地」(ベース)という表現は何かキャンプの設営か、軍隊が移動中に宿泊場所を設置しているような錯覚を持つのである。しかし、本土の基地にしてもベースという軽い意味では全くない。明らかに軍事施設であり、戦争を目的にした施設なのである。

つまり、何を問題にしているのかということだ。

戦争を禁止している主権国家:日本の領土である沖縄の平和な島々に、こうした大規模な軍事施設を所有して、なおも拡大しているアメリカの行動は基地という軍隊の仮の移動場所という「意味」を超えて明らかに軍事占領を意味している。そのことは日本の政府や研究者はあまり指摘していないが、逆にアメリカの当時の指導者は明確に指摘している。

アイゼンハワー大統領は「軍産複合体」という言葉を警戒を込めて初めに使った大統領であるが、彼の58年4月9日の日記にはこうある。

「法律か条約の取り決めに関わらず、この紛争(沖縄)はわれわれと沖縄の人々や日本との関係に問題をおこすだけでなく、それらがさらに深刻になると、共産主義者がわれわれを攻撃するプロパガンダの材料として利用されるだろう。・・・。イギリスがキプロスで、フランスがアルジェリアで抱えているような重大な困難さを引き受ける事態は予想していないが、われわれをさらに困惑させるような状況が簡単に展開するかもしれない。」

この日記は沖縄の地主(米軍への土地提供者であり、強制的な提供)との「一括払い」を止めて「5年契約」にするかどうかが問題になった時点での発言である。

そして、他のアメリカの政府高官は、沖縄の住民の基地闘争の高まりや米軍の不祥事の頻発(子供をレイプしたり、沖縄の女性を射殺する事件が頻発していた)を目の当たりにして、「沖縄が植民地になっているような印象を世界から見られるのではないか」と警戒しているのである。

この時代は冷戦時代でもあったが、アメリカ政府の省庁でも沖縄からの基地縮小や撤退を本気で考えていたのである。しかし、アメリカ国防省(ペンタゴン)のみが沖縄の基地の現状維持にこだわったとされる(林博文『米軍基地の歴史』によった)。

2.米軍基地問題と一言で言ってしまうと、米軍基地が最初からそこにあったという「疑問を持たない」態度を形成するのではないだろうか。実は、沖縄米軍基地に関して、率直に言えば日本本土はサンフランシスコ条約で占領は終了しているが、沖縄に関する限り「占領」は継続している。
 
また、70年代に日本に「復帰」したということになっているが、実際には沖縄の米軍基地は縮小もしていない。逆に辺野古への基地の移転により基地は拡大している。(玉城デニー知事の反対があっても日本政府は辺野古基地の設営強行を継続している。)

米軍基地の歴史的な展開に詳細に触れることが今回はできなかったが、主要な問題は二つある。

(1)冷戦下で沖縄の戦略的な重要性は再びアメリカにとって見直された歴史的な経過があったが、冷戦が終結した現在でも沖縄の基地の撤去なり縮小はなかった。
(2)(1)と関連するが日米関係から離れて世界米軍基地の問題に焦点を当てると、フィリピンなどのように米軍基地が撤去された国も多い。林博文氏の先述の著書でも、「米軍基地は世界的に縮小している、また、主権国家では米軍基地の撤退を望む国が多く、日本とは異なり米軍の撤退は世界的な傾向である」と指摘されている。

なぜ、日本だけが基地が現状維持か拡大傾向にあるのか。大きな疑問である。

現状から言えることは「沖縄」は太平洋戦争下で日本の本土防衛の「捨石」にされたが、現在も同じ役割を沖縄が負担させられているという認識に至る。沖縄は占領継続がなされ、また辺野古への基地移転で「植民地」的な支配を押し付けられている、と考えられるのである。

今回のコラムは沖縄の米軍基地問題の序論にすぎないし、「問題提起」に終わっている。(このテーマは次回コラムに続く。)

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
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トンチンカン安倍のトンデモ発言

2019-02-13 14:58:31 | 安倍内閣
アベの無知蒙昧は数え上げたらキリがないが、余りにも酷い最近の妄言2件

1.(慰安婦問題について)韓国国会議長:の発言「『日本の総理大臣』または天皇陛下が、被害者の手を握って心から謝っていただけるだけで一挙に解決する」に対して、「甚だしく不適切で遺憾、直ちに抗議する」
    
「天皇が」の言葉はさることながら、「総理大臣が」を読み落としたのかも知れないが、自分が心からの謝意を表明せずに金だけで解決したと考える人間性を疑う。

野党や大方のメディアもアベに同調しているのか、追及が甘くないか?

2.レガシーを遺したいアベが乱発する悪法以外のアドバルーンはいずれも実現せず焦っているのか(自民党大会で)、「都道府県の6割以上が自衛隊募集の協力を拒否している。憲法9条に自衛隊を明記しよう。」
    
自衛隊法は「募集に関し、『自治体に必要な資料を求めることが出来る』としているのみで義務付けてはいない。(独協大 右崎名誉教授)
    
公人の憲法遵守違反どころか、その内 徴兵制も言い出さないか?

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
tetujinn
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池江選手の回復を祈る!

2019-02-13 09:40:10 | 暮らし
昨日(2/11)午後6時からNHKテレビで、「白血病と闘うJリーガー」という番組を見ていたので、今日(2/12)、「水泳の池江選手(18才)が白血病を患った」との寝耳に水のニュースには驚愕した。

何種目かの日本記録保持者で、来年の東京オリンピックの有力な金メダル候補だけに、日本全国に衝撃が走ったと思う。

早期発見なので、できれば東京オリンピックに出場できるよう、後はJリーガーのように、適正な治療が成功しますように!と、老がんサバイバーの一人として祈りたい。

「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より

厚顔
コメント (2)
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