老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

11月29日のコロナ関連記事

2021-11-30 16:30:54 | 社会問題
○ウクライナ:オミクロン感染者を出している南ア・ボツワナ・ジンバブエ・ナミビア・レソト・エスワティニ・モザンビークに7日間以上滞在した旅行者に、14日間の自主隔離を要請している。今後指定国は増えていくという。
○WHO:世界はCovid-19の破壊状況を学ぶ必要がある。パンデミックに備える協定を打ち立てることで"断じて2度目は起こさない"とするべきと、WHOが新たな協定作りに集まった諸国に要請している。月曜日から水曜日にかけてGenevaで会議が開かれている。
○スコットランド:先に6人のオミクロン患者の発生を報告していたスコットランドで、オミクロン変異株の国内伝染が起こっている証拠があるとの発表が出されている。先週末に英国で3人が確認されていたが、この6人を加えて合計9人になっている。
○南ア:感染症研究者が南アでは今週、コロナ患者が日に1万人へと3倍に増加する恐れがあるとしている。
○科学者らは、変異株オミクロンの今後の成り行きについて検討をしている。重要な点の一つが、現在主流のデルタ株を追い越すかどうか、である。南アで報告され、数日で"懸念される変異株"に指定したWHOは世界中の研究者と共同して検討しており、新しい知見が数日又は数週間の内に得られるだろうと予測している。
 他の重要な点は現行ワクチンの防御力との関係、感染後の重症度合いがどの程度か、を含めて疑問点が残っている。またオミクロン変異株拡大を如何に防ぐかも、大切な点である。
○オーストリア:最初のオミクロン患者を確認している。
○ポルトガル:リスボンのサッカークラブ、BelenensesSAD内で13人のオミクロン患者が発生しているという。クラブ内の1人の選手が最近南アから戻ったという。オミクロン確認前の土曜日にこのチームはBenficaと試合を行っていた模様で、試合中にBelenensesの選手が次々に試合続行出来なくなり、後半開始すぐに止めたという。
○インド:国際線旅行者の検査を強化している。
○パキスタン:Sindh州新規感染者331人、死者0人。
○スイス:オミクロン変異株感染の疑いがある最初の患者が確認されている。
○カナダ:北米大陸で最初のオミクロン患者が報告されている。
○米国:Biden大統領がFauci博士の助言のもとオミクロン変異株に関する明確なデータが、2週間で得られるだろうとしている。
○フランス:検査結果待ちの8人のオミクロン感染疑いのある患者がいるという。数日で結果が出るという。
○オランダ:金曜日に南アからアムステルダムのSchiphol空港に到着し、検査陽性でホテルに隔離されている61人の内の1人と、陰性だった1人とが、ホテルから逃亡していた事件で、両名が確保されたという。
○国連の調べで、世界の観光業の収益が2021年に2兆ドル減少したという。
○WHO:アフリカ大陸担当のMoeti氏が、アフリカからの旅行者に対する各国の規制の動きに対し、科学並びに国際保健規則に沿った対応をするように求めている。旅行者の規制は幾分かは役立つだろうが、一方でアフリカ諸国の生活と生計に重い負担をかけるものである。規制をかけるとしても、それは侵略的面や余計な面を必要以上に有するべきではなく、世界190ヶ国以上の国が認めている国際法の国際保健規則に則った科学的基盤に基づくやり方であるべきと、強調している。
 因みに国際保健規則はWHO憲章第21条に基づく国際規則で、国際交通に与える影響を最小限に抑えつつ、疾病の国際的伝播を最大限防止することを目的にしている。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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11月27日28日のコロナ関連記事

2021-11-29 16:07:10 | 社会問題
○南ア:変異株オミクロンを最初に見つけた医師の1人が、オミクロンの症状は現在のところ、軽度であり、自宅治療が出来ると話している。
○ボツワナ:オミクロン患者を更に15人確認していると言う。
○パキスタン:Sindh州新規感染者37人、死者0人。
○チェコ:政府のコロナ規制に反対の数千人が抗議デモをする一方で、病院ではコロナ患者が最近の3週間で2倍の6000人程に急増している。病院では緊急性のない治療を停止し始めている。
○モロッコ:全ての入国してくる飛行機便の停止措置を行っているという。
○スイス:"コロナパス"の是非を問う国民投票が行なわれている。現在のところ63%程が賛成に回ると見られている。
○ドイツ:オミクロン感染の疑いのある患者が3人になっている。土曜日に西部のHesse州で1人の南アからの入国者が、また南部のBavaria州で2人の患者を確認していた。
○Fauci博士:米国はオミクロンの準備はすべきだが、強制化やロックダウンを含むいかなる行動が必要かを決めるのは、まだ早いとしている。
○オランダ:南アからの入国の61人が検査陽性で隔離されているが、更に精密な分析の結果、その内の少なくとも13人にオミクロン変異株が見つかったという。分析は続いており、今後増える可能性もあるという。
○オーストラリア:初めてのオミクロン感染者を確認。アフリカ南部から土曜日にQuatarエアでドーハ経由でSydneyに到着した2人を検査して判明した。2人ともワクチン接種済みで、症状は出ていないという。
○インドネシア:アフリカ8カ国からの入国を禁止。最近の14日間南ア・ボツワナ・ナミビア・ジンバブエ・レソト・モザンビーク・エスワティニ・ナイジェリアに滞在した人を対象とするという。
○中国:北京大学の研究者らが中国疾病管理予防センター発行の週報に、中国が現在採用しているコロナゼロ政策を緩和して、米国・英国・スペイン・フランス・イスラエルと同等の防衛策を行った場合、米国らの八月のデータを用いると、毎日63万人以上の感染者が出ていただろうとしている。
○スリランカ:アフリカ6ヶ国からの旅行者の入国を禁止。
○南ア:オミクロン変異株を迅速に検出確認した南アの科学力を世界は称賛すべきであり、アフリカからの旅行者の渡航を禁止する世界の動きは南アを罰するようなものであると、抗議の声明を行っている。
○女子クリケット世界大会:ジンバブエで開催予定の大会が中止になる。
○パキスタン:Sindh州新規感染者151人、死者1人。
○インド:Modi首相がオミクロン発生をもとに、規制緩和の再考を指示している。
○オマーン:アフリカ南部の7カ国からの旅行者の入国を11月28日より禁止。
○英国:AstraZenecaワクチンの研究者が、オミクロン用の新ワクチンを必要とするならば大至急作ることが可能としている。Oxford大のPollard教授は、現行のワクチンがオミクロンにも有効だろうと考えるが、この点は今後の数週間の研究の後に明白になるだろうとしている。
○カタール航空:南ア・ジンバブエ・モザンビークからの旅行者の搭乗を禁止すると発表。
○UAE:全ての国民が一回はワクチンの接種をしたと声明。完全接種者は90.18%という。人口は約1000万人。
○米国:今のところ、南アで確認された新変異株オミクロンは米国では検出されていない、と米国疾病管理予防センターが発表している。月曜日からアフリカ8カ国からの旅行者入国を禁止するという。
○WHOはB.1.1.529をオミクロンと命名し"懸念される変異株"に指定している。WHOはまた、オミクロンの発生の事態を受けて、ワクチンの不均等な格差の是正を再度強く要請している。
○Novavax社:南アで確認された新たな変異株をターゲットとするワクチン生産を開始すると発表。初期の検討に数週間を要するとしている。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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喉元過ぎても忘れられない熱さ

2021-11-29 09:49:40 | 選挙
先月末の選挙結果は自分にとってはショックが大きいものである。つい数か月前までは、医療崩壊どころか新興感染症に罹患しても自宅放置されるという、先進国とはとても思えない惨状を目の当たりにしていたのに、足元の感染状況が多少なりとも落ち着いていれば、すぐに許してしまうのだろうか。

他者に寛容であることは大切なことだが、この国の市民は寛容に接するべき相手を間違えているのではないかと頭を抱えてしまった。

変化することでさらに大きな失敗をしてしまうのではないかと恐れ、いわば消去法で旧来の勢力を選択しているのか。今の選択肢が決していいものではないにせよ、それを上回る選択肢はないと刷り込まれているのか。

いずれにしても、これだけ市民の命をないがしろにされ、自らの心身を脅かされる恐怖を味わったのちに、今までと同じで構わないと判断するのは、あまりにもナイーブすぎる。

結局のところ、今になってみたら選挙前に言っていた目新しい政策はどんどんトーンダウンし、これまでと変化のないものになっている。またしても、うまいこと騙されてしまったという気持ちになってしまう。

より強い立場の人間からいじめられたり騙されたりする立場になりたくないがゆえに、そもそも投票をしないのだろうか。むしろ、自分が不当に扱われていると感じているのならば、声を上げることが必要になるのではないか。

あまりにも現実がひどすぎて、声を上げるだけの力も奪われてしまったのだろうか。思い切って何かを言ってもことごとく無視されるという絶望感を植え付けられているのだろうか。

どうして今、こうなってしまっているのか、いくら考えても自分には全然わからない。日本をどうするのかは、日本で生活する一人ひとりが主権者として考えて判断して行動しないといけないはずだが、そもそもの問題として自分が何かの当事者になることが嫌なのかもしれない。

「護憲+コラム」より
見習い期間
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11月26日のコロナ関連記事

2021-11-27 12:54:24 | 社会問題
○パキスタン:Sindh州新規感染者279人、死者1人。
○Fauci博士:新しいCovid-19変異株に対して旅行規制を決める前にデータの検証をすべきと言っている。
○EU:南アからの入域の禁止を命令し、参加27カ国は、数時間以内でアドバイスに従い規制を始めている。新たな変異株がどの程度の脅威になるのか判明する迄は、新しい変異株に過剰に注意を払うことが必要だ、とEUは声明している。EUは全ての参加国に対して、全ての入国者に検査と隔離を要請している。
○BioNTech社:2週間以内の枠で、新変異株についての、より多くのデータを期待していると発表している。
○米国:保健省は、Merck社の経口抗ウイルス薬が有効だと発表している。但し妊娠中の安全性に関しての外部専門家からの情報提供を検討しているという。
○パキスタン:Sindh州政府は、モスク礼拝に関するコロナ議定書を改定し、モスク礼拝は2回のワクチン接種済み者に限定するとしている。また室内での集団礼拝の際のマスク着用規制は続行する。更に礼拝堂内のカーペットは除去し、適切な換気を行うように要請している。
○インド血清研究所:世界最大のワクチン製造会社が、ワクチン輸出を再開した。Covax供与システムのもとタジキスタンへ第一便が出荷されている。これによりワクチン供給難に悩む貧困国のワクチン接種運動に弾みとなることが期待される。
○EU:欧州委員会は、1月からワクチンに対する輸出管理規制を止めて、モニタリング制度へ変更すると声明。1月からはメーカーは輸出時に許可を必要としないことになる。
○日本:昨夜深夜からアフリカの6ヶ国、南ア・エスワティニ・ジンバブエ・ナミビア・ボツワナ・レソトからの入国者に対する入国規制を強化すると発表。入国者に対し10日間の隔離を要請することになる。
○シンガポール・マレーシア:南ア及び他の6ヶ国、ボツワナ・エスワティニ・レソト・モザンビーク・ナミビア・ジンバブエからの入国を規制。
○イスラエル:Bennett首相がMalawiから帰国の旅行者1名に新しい変異株を検出した事態に対して、イスラエルは緊急事態の瀬戸際にあると声明。保健省によると、該当者1名と濃厚接触者2名は何れも完全ワクチン接種者であり、現在隔離しているという。
 新たな変異株は南アの人口集積地のGauteng地域で若者の間で急速に広まっているという。
○ドイツ:空軍機を利用してICU患者を医療体制に余裕のある地域の病院へと移送を始めているという。空軍機1機当たり6台のICUを備えているという。
○インド:新たな変異株に対して、インドでは旅行者への検査の強化を行うという。政府は各州に対して南アや他のリスク地域からの旅行者を厳格に検査するよう指令している。
○英国:新しい変異株が既存ワクチンをすり抜ける恐れあり、として警戒している。

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11月25日のコロナ関連記事

2021-11-26 20:22:55 | 社会問題
○パキスタン:Sindh州新規感染者43人、死者0人。
○スロバキア:水曜日から、生活必需品販売店以外を閉鎖することを含む部分的ロックダウンに入る。今後2週間、午後1時から5時の間、外出が許され、それ以外は自宅待機することを要請される。職場や日常生活必需品販売店、学校は開かれているという。
○チェコ:30日間の非常事態宣言を出している。クリスマスの"市"は閉鎖し、ナイトクラブも同じく閉鎖している。人口1070万人のチェコは水曜日18004人の新規感染者を出している。東部にある病院では許容レベルまで入院患者が増えており、患者を別の病院へ移送しているという。
○EU:5歳から11歳の子どもへの第一回目のPfizerワクチンの接種を承認。接種量は成人の3分の1で、3週間を開けて第二回目を接種の予定と欧州医薬品庁が発表している。
○南ア:南アの科学者が新しい変異株を検出している。科学的命名法でB.1.1.529と記される変異株は非常に多くの回数の変異を蓄積している、とウイルス学者のOliveira氏は言っている。南ア以外では、ボツワナと香港において南アからの旅行者の中から検出されているという。
○デンマーク:他のEU国家と協調してデンマークも18歳以上へのブースター接種を行う予定。
○ドイツ:死者351人を記録し、累計死者数が10万人を越している。新規感染者数は75961人と記録を更新している。
○トルコ:自国産ワクチンTurkovacを緊急時使用条件で承認申請を行ったと、保健大臣のKoca氏が発表している。
○EU:EU域内の旅行者向けにワクチンの有効期限を9ヶ月とすることを提案している。また域内の国に対してWHO承認ワクチンを接種している全ての旅行者を1月10日から受け入れるよう推奨すると言う。
○非営利団体:主に途上国の130以上の市民非営利団体がWTOに対して、来週の閣僚会議を中止して、その代わりにコロナワクチンの知的所有権の停止問題に集中するように要請しているという。

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岩盤を揺すぶる策を考えられないか?

2021-11-26 11:30:54 | 選挙
今回の衆議院選挙の結果は、やはり動がしがたい日常生活の流れを変えられなかったということと思います。

自公の岩盤組織は間違いなく変わらずに投票に向ったでしょう。商店会、町内会、朝のラジオ体操の集まり、消防団、国策の電力会社、医師会等々、網の目に縦横にめぐらした組織は強固な組織です。侮れません!

今では労組も支配階層に組み込まれて、ある意味動がしがたい岩盤組織でしょう。

そして撹乱組織としてのT都・O阪首長ら。いかにも反自民を自身だけでなくマスコミと二人三脚で、市民をたぶらかして跋扈している。

しかし岩盤自公組織も、なんちゃって反自民を標榜する都阪勢力もマスコミの協力で強い、強い。強い現在の自公並びになんちゃって反自民勢力に、何が有効な手段になるか。本気で考えたい所です。

本気に考えたい対象は、有権者の40%程の選挙に行かない人でしょう。立憲、共産、社民、れいわ、そして護憲+の皆さん。40%に及ぶ無党派層へのアプローチ、ほっといて良いんですか?

地道な活動が大切だと考えます。障害者の外出を手助けする組織を作る。雪下ろしなどの災害支援組織を作る等、市民の大多数が間違いなく評価する、そして自公やなんちゃって反自民組織が出来る筈がないことをやる組織を作る、こんなことがきっかけになると思うのですが。

自公やなんちゃって反自民組織を置いてけぼりにするような、地道な活動を考えて作り出して実行していきたいものです。

今がアイデア合戦をする機会でしょう。立憲も共産も社民もれいわも、含めて。アイデアを出し合いましょう。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
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“時代遅れ”の自民党の姑息(カメレオン政党に変質)(2)

2021-11-26 10:16:49 | 自民党政治
🔶日本を取り巻く国際情勢

① 中国

わたしは、10月21日に「台湾海峡の危機!(米中戦争は?)」で、中国問題(特に台湾問題)を考察した。

現在、中国で重要な会議が開かれている。習近平の権力基盤の強化がさらに進むだろう。特に、米国などと鋭く対峙し、台湾海峡を巡る緊張が厳しくなる一方の国際環境下で中国国内の体制整備が一層進むことに間違いはない。

日本のメディアでは、中国批判が花盛り。戦前と同じで、どうやら本気で中国との戦争を考えている可能性が高い。

11月16日のTV朝日の大下容子ワイドスクランブルで、小谷哲夫明海大学教授(軍事専門家)が、敵基地攻撃能力について語っていた。現在の自民党右派や自衛隊幹部の国際状況認識が正直に語られていた。※https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/448357.html

小谷哲夫教授は、中国・北朝鮮のミサイルは、日本を標的にしている事を正直に認めていた。同時に、現代のミサイルは、固定したミサイル基地から発射されるのではない。となると、相手が攻撃する前に敵基地を攻撃する筝は難しい。だから、車や列車などでミサイルを発射する事を難しくするために、道路や鉄道などを攻撃すると語っていた。

これは、全面戦争に外ならない。こんな事が現憲法下でできるのか。完全な憲法9条違反。しかし、彼に言わせると、日本のミサイル攻撃は、自衛のためであり、中国・北朝鮮のミサイルは、日本を攻撃するためのものだから、9条違反にならないと言う。

これは詭弁に他ならない。古今東西、どこの国でも、戦争は常に「自衛戦争」だと言う。“自衛”を口実にして相手国を攻撃する。これが戦争の論理。大学教授とも思えない乱暴な議論。

彼の脳裏には、中国との戦争をどうするかで一杯なのだろう。彼の発言では、外交努力の必要性は何一つ語られなかった。今や、自民党右派や自衛隊、軍事評論家などの間では、対中国との戦争や北朝鮮との戦争は、自明の事なのだろう。

さらに、来年度予算で自衛隊予算をGDPの2%にするという。要するに、これまでの倍の予算を組む、というわけである。約10兆円。またぞろ米国のポンコツ武器を買うのだろうが、今回ばかりはよほど監視の目を厳しくしないと後世に禍根を残す。対中国との戦争が差し迫っているという現実が見えてくる。

さらに、岸田内閣では、国際関係での「人権問題」を担当する大臣まで作られた。これは米国の意向に配慮した人事に他ならない。

オリパラ開催前の森元首相の女性蔑視発言に代表されるように、自民党政治家と人権問題など、水と油ほどかけ離れたもの。現に、日本は、国連から「子供の人権」問題をはじめ、多くの人権問題に関する勧告を受けている。そんな自民党が国際的な人権問題を解決すべく動くなど臍が茶を沸かす。まず、国内の人権問題に取り組めよ、という話。

自民党や御用メディアは、中国共産党や韓国、北朝鮮を批判したり、揶揄したり、馬鹿にすることに熱心だが、こういう空気を醸成する事の危険性については語らない。この結果、上記のように明確に中国・北朝鮮を「仮想敵国」として認定し、中国・北朝鮮のミサイル基地をターゲットにし「敵基地攻撃論」を組み立てているのが明確に分かる。

日本の外交政策は、典型的“近攻遠交”方針。自民党内のタカ派である清和会が権力を握ってからは、この“方針”が目立つ。
※近攻遠交  https://kotobank.jp/word/%E9%81%A0%E4%BA%A4%E8%BF%91%E6%94%BB-38111

特に安倍晋三政権の中国封じ込め(米国の要請)政策がこの傾向に拍車をかけた。安倍政権の俯瞰外交とは、米国に代わって「中国包囲網づくり」を60兆円とも70兆円ともいわれる日本の税金を垂れ流して行ったと言うわけである。

そのため、隣国の中国・韓国・北朝鮮との外交関係はあまりうまく行かない。特に、韓国・北朝鮮は、大国中国との関係悪化は、即座に自国の安全を脅かす。中国の意向を無視して自国の生存は図れない。東南アジア諸国も同様。中国との関係には神経を使っている。中国抜きに自国の経済が成り立たない。
・・・・・
●ASEANの対中・対米貿易比率
2019年の輸出では、インドネシアは(対中17%、対米11%)、マレーシア(同14%、10%)、シンガポール(同13%、9%)、タイ(同12%、13%)、フィリピン(同14%、16%)、ベトナム(同25%、26%)と「拮抗」または「中国優位」の状況。
  ↓
米国や日本が対中包囲網のクアッドへの参加を呼び掛けても、簡単には乗れない。

●韓国の20年輸出構造(JETRO資料)を見ると、対中国が25.9%、香港が6.0%だ。ASEANが17.4%、米国は14.5%、そして、日本は4.9%である。中国抜きに韓国経済は成り立たない。簡単にクアッドに参加できない。
・・・・・・・・・・・・・・・

さらに言えば、中国が“一路一帯”政策を打ちだしてからは、中央アジア諸国も中国との関係に神経を使っている。その上に中国は「上海機構」を通じ、ロシアをはじめ周辺諸国との関係構築に力を注いでいる。

安倍政権が米国の意を受けて、莫大な金をばらまいた“中国封じ込め”(世界を俯瞰する外交)政策が失敗に終わったのは無理もない。

中国共産党は曲がりなりにも世界の覇権を争う大国の指導部。国際社会での立ち位置も心得た政策を提示している。習近平指導部の金持ちに対する厳しい取り締まり(贅沢な食事の禁止など)などは、中国民衆の反体制意識の軽減に役立っている。

日本では中国共産党内の勢力争いだと冷ややかな見方が主流だが、『共同富裕』をスローガンに掲げる習近平指導部の思想の表現でもある。

「コロナパンデミック以降の世界情勢1」(2021年10月のブログ記事)で、中国のコロナ後を見据えた六つの戦略を紹介した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)米国の中国敵視政策⇒トランプ政権以降の敵視策は、全面的で、バイデン政権でも続く。
   ↓ 米国の敵視政策(人的交流制限、最恵国待遇はく奪、ファーウエイの犯罪捜査など)
  デカップリング政策(中国を米国から、経済的・政治的に切り離す)⇒米国の敵視政策を軽視しない。適切な防御策を講じる。
(2)新型コロナ対策⇒都市閉鎖・経済・交通の停止(世界的に続く)⇒世界市場の縮小
   ↓
 世界的な輸出⇒中国国内と周辺地域での経済発展に転換⇒世界的な流通網の立て直し
(3)新型コロナの感染拡大は長期化する。人類はコロナとの長期共存を余儀なくされる。第2波、第3波がくる。
(4)米国(米ドルが世界の決済通貨を利用)⇒経済制裁⇒SWIFTなどのドルの決済システムから中国を締め出す。
  ↓
 防御策⇒人民元の国際化を急ぐ。⇒人民元で決済できるようにする。⇒ドルの単独覇権を破壊する
  ↓
 ドルの将来⇒米連銀(FRB)のQE策が行き詰まった時、ドルの価値は下がる。
  ↓
 人民元の国際化=人民元での決済を出来るようにするのが有利
(5)世界的な食糧難が起きる
  ↓
 コロナ危機・イナゴ大発生(世界の食糧生産は30%減)
  ↓
 トーモロコシ、大豆、小麦の国際価格⇒30~50%値上げ
  ↓
 中国 世界最大の大豆の輸入国⇒影響大
  ↓
 中国国内と国際的な農業や食料の流通備蓄の改善が必要
(6)コロナ渦で世界的にテロ防止策が棚上げ
  ↓
 IS(イスラム国)やアルカイダといった国際テロ組織が再勃興してくる
  ↓
 イスラム過激派⇒中国への敵視強める⇒上海機構、BRICS、ASEANの枠組みでテロ対策強化
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

たしかに習近平指導部の強権的手法は日本から見れば眉を顰めるものが多いが、日本の10倍近い人口と50を超える多民族国家の中国を大きな内戦なしに統治するのは、至難の業。その難しさは、日本国の統治など足元にも及ばない。

統治の難しさを数値で言うならば、人口比の二乗に匹敵すると思う。人口が日本の10倍とするならば、統治の難しさは100倍になる、と考えたほうが良い。

こういう国家を統治するためには、為政者のグランドデザインを描く能力は必須の要件。知的レベルの低い人間で務まるわけがない。しかも、中国やロシアなどの国内権力闘争は熾烈。権力を失う事は、死を意味する場合が多い。文字通り、命を賭けた苛烈な権力闘争を生き抜いてきた人間だけが権力を握る。

スポーツの国際大会を見れば良く分かるが、国内競争が激しい国ほど、成績が良い。国内のレベルが低い国は、決して国際大会では通用しない。

中国のような苛烈な闘争を勝ち抜いてきた連中ばかりが集まるのが、世界の首脳会議。真実を語らず、何の哲学もなしに、嘘と騙しと利益誘導の選挙を勝ち抜いてきた連中に太刀打ちできるはずもない。

「似非権力闘争」と「体制翼賛メデイア」に守られた日本の指導者たちが、国際性を失い、世界の後進国に転落するのもやむ負えない。自民党の統治体制では、もはや日本は沈没するばかり。バラ色の未来など決して描けない。

② 米国との関係

米国の国内情勢は、バイデン政権に決して有利に働いていない。特に、アフガニスタン撤退の失敗は、バイデン政権の能力に疑問符をつけた。

以前、「台湾海峡の危機」で指摘したように、米国を取り巻く国際状況もかなり厳しい。もう一度紹介しておく。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
🔶「米国の覇権のゆらぎ」

〇経済的理由(米国の製造業は壊滅状態。軍事産業とデジタルと金融が生命線)→デジタルも危うい(ファーウエイに対する濡れ衣などで悪あがき)→決済通貨としてのドルの揺らぎ、中国市場からの締め出しの危険性

〇世界的な「半導体」不足⇒現在世界の半導体市場を牛耳っているのは、米国と台湾。半導体の設計はインテルなど米国企業。生産は、台湾企業。もし、台湾が中国政府の支配下にはいると、中国が半導体市場を牛耳る。米国企業は設計は出来るが、生産が出来なくなる(商品が手に入らない)。このような事態は絶対阻止しなければならない。米国が台湾問題に固執する重要な理由。(半導体市場における米国覇権の維持)

〇軍事的理由→米国の圧倒的優位の時代は過ぎ去っている。ロシアの大陸間弾道弾にしろ、中国の海軍力の増強にしろ、簡単に米国有利とはいえない。

〇米世界戦略のほころび
① NATOの重要性が減る→ロシア封じ込めの綻び(ノルドストリーム2認める)
③ 東欧諸国への介入も徐々に減る
④ 中東問題への介入も撤退→中東問題への解決は、ロシア・中国の介入が大きくなる
④ イスラエル・サウジへの援助も徐々に減る→ロシアの比重が大きくなる
⑤ アフガニスタンからの撤退→タリバン幹部が中国訪問したことが象徴するように、中国の比重が大きくなる。

※これらをひっくるめて、米国の覇権が後退。中国の覇権の拡大と見る事ができる。上記の事実を受けて、戦略を変更。世界の多方面での米国の覇権の維持は不可能。現在、世界で一番危険性の増大している「アジア」における「覇権」を維持することを最優先する。
  ↓
台湾政府への武器売却。台湾のWHO加盟への後押し(一つの中国の原則見直し)。第七艦隊を南シナ海派遣。台湾、米日豪などが参加した大規模訓練など。
・・・・
以前より、わたしは、覇権の交替期が日本にとって最も危険な時だとしてきた。この後退期をうまく乗り切らないと、21世紀日本の未来はないと考えたほうが良い。

米国の【覇権力】の減退は、日本の国際力のさらなる減衰を招く。現在の日本経済の衰退は、1985年以降、米国や欧州が日本経済を主要ターゲットにして、国際経済のルール変更を行ってきたのが最大の原因。(※前川レポート

米国が覇権国家である理由は、このような国際ルールを作る立場にあると言う事。国際的な【ルール・メイキング】を行い、それを各国に守らせる力こそ覇権国家が覇権国家であり続けられる理由。いわゆる【グローバル スタンダード】と呼ばれるルールは、常に【アメリカン スタンダード】の側面を持っており、米国中心の世界秩序の根幹になっている。

上の「前川レポート」や「プラザ合意」以降、日本国内で「グローバル スタンダード」とか「世界基準」などの言葉が語られ、日本的労働環境が破壊され始めた。

バブル経済が進行、橋本内閣の総需要抑制政策でバブルが崩壊。以降、日本経済は世界経済の中心に浮上する事はなく、多くの指標がODA各国の下位に低迷したままである。

国際的なルール・メイキングに参加できず、米国に隷従する事によってのみ政権を担ってきた自民党を頂点とする日本の政官業の「旧体制」こそが、日本経済衰退の最大の理由である事を忘れてはならない。

その結果、今や日本と米国は運命共同体。「米国がくしゃみをすれば、日本は風邪をひく」という警句は、現在も健在である。

そのため、米国の【覇権力】の減退は、日本の国際力のさらなる減衰を招く。国際関係から見ても、日本の沈没は、目の前に来ている。TBS系列で放映されている「日本沈没」の人気は、日本の未来に漠然とした不安を抱いている国民の心象風景が投影されていると読まなければならない。
・・・・

🔶新しい同盟の創設

◎AUKUSの創設 :米国、英国、豪州は、今年(2021)9月15日に新たな中国包囲網の一環としての軍事同盟。基本的には、アングロサクソン同盟。見方を変えれば、中国に対する【宣戦布告】とも受け取れる。
(※ AUKUSは中国に対する犯罪的臨戦態勢: マスコミに載らない海外記事 
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2021/10/post-fb780f.html

豪州の原潜建造計画(仏との軋轢を生んだ)は、米国の中国封じ込め政策の一環。豪州の中国敵対政策→中国と豪州の貿易問題を引き起こしている。(中国が豪州との貿易制限をしている)
→本心では、豪州は中国と対立したくない。→米国の中国封じ込め政策に協力を求められたのが要因。→米国の狙いは、豪州を中国との敵対関係の前面に押し出し、代理戦争をさせようとしている。→豪州は損な役回りを押し付けられている。
  ↓
10月3日(2021)台湾の呉燮外相が「中国が台湾に侵攻してくる可能性が高まったので抗戦の準備を始めなければならない。豪州に協力してほしい」と豪州のTVで述べる。⇒公式には初めての発言。
  ↓
この話の持つ意味は大きい。一つは台湾政府が本気で武力衝突の危険性を心配している事。それだけ情勢が逼迫していると言う事だ。他の一つは、その場合、中国との戦争に関与するのが豪州と言う事を意味している。

※この話。豪州だけではない。米国は、日本にもかなりの期待をしている。

◎クアッド
日本の安倍首相の提案と言う形になっている組織。
「Quad」(クアッド) ⇒日本、米国、豪州,印度の4ケ国が安全保障などで協力する仕組み。
 日本・米国・豪州・印度4ケ国の「戦略対話」(Quadrilateral Security Dialogue)の略。
・目的⇒『自由で開かれたインド太平洋』 FOIP (Free and Open Indo-Pacific)に向けた関係強化 ⇒現実には、中国包囲網
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

このように見てくると、米国は、台湾危機での豪州・日本の役割に非常に期待している、というより期待せざるを得ない。特に、日本の役割は決定的に重要。バイデン大統領が岸田首相との会談を急いだのは、日本の役割が決定的に重要だという裏返し。今回の自衛隊予算の倍増や「人権外交」重視を唐突に打ち上げたのも、米国の要望がかなり厳しいものだったのだろう。

さらに言えば、自民党総裁選の電波ジャック以降のメディアの報道姿勢。維新への異常な肩入れ。国民民主党の野党共闘への不参加。選挙後の反共産党論調の拡大、「野党共闘路線」への批判拡大。「反中国」キャンペーンの拡大。憶測にすぎないけれど、背後に米国の意向を感じるのは私だけではないと思う。

現在は、北京オリンピックに対する政治的ボイコットにまで話が拡大。米国・英国のアングロサクソン連合の意向が、日本にも影響を与えざるを得ないだろう。ただし、簡単に米国に追従すると、貿易額が一番大きい対中国貿易に甚大な損害を与える可能性があり、そう簡単に追従するわけにはいかず悩ましい問題になるだろう。

このように、日本は、好むと好まざるとにかかわらず、米中という大国の狭間で生きていかざるを得ない。古来より、「覇権国家」というものは、高飛車で、傲慢で、理不尽で、自分勝手で、「地球は自分を中心に回っている」と考える存在である。善悪の問題ではなく、「覇権国家」というものはそういうものだ、という認識が必要。

と言う事は、岸田内閣が「戦争準備政策」を行わなかったら、内閣が持たない。はや自民党内で、岸田首相に退陣勧告をしようという動きが出始めている。

防衛費倍増も平和憲法改悪も、こういう米国の意向とそれを受けた米国隷従派(自民党内右派)の要求を受け入れなければ、たちまち政権基盤が揺るぐ岸田内閣の立ち位置の表現に過ぎない。

太平洋戦争前の近衛内閣と相似形である。岸田内閣の後には、戦争遂行内閣である「東条内閣」の誕生が待っていると読まなければ、現在の政治状況は理解できない。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水
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“時代遅れ”の自民党の姑息(カメレオン政党に変質)(1)

2021-11-25 15:27:46 | 自民党政治
バブル景気が終わりに近づいたころ、河島英五の「時代遅れ」という歌が流行った。

☆「時代おくれ」  河島英五 作詞 阿久悠 作曲森田公一 2002年
・・・・・・・・・・・・・
一日二杯の 酒を飲み さかなは特に こだわらず
マイクが来たなら 微笑んで 十八番を一つ歌うだけ
妻には涙を 見せないで 子供に愚痴を きかせずに
男の嘆きは ほろ酔いで 酒場の隅に置いて行く
目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことは無理をせず

不器用だけれどしらけずに  純粋だけど野暮じゃなく
上手なお酒を飲みながら  一年一度酔っ払う
昔の友にはやさしくて  変わらぬ友と信じ込み
あれこれ仕事もあるくせに  自分のことは後にする
ねたまぬように あせらぬように 飾った世界に流されず
好きな誰かを思い続ける  時代おくれの男になりたい

目立たぬように はしゃがぬように  似合わぬことはむりをせず
人の心を見つめつづける  時代おくれの男になりたい
・・・・・・・・・・
昭和という時代が終わり、バブル景気も終焉まじか。“24時間、働きませんか”と我を忘れて働き続けた企業戦士たちの視た、その後の世界を見事に描いている。阿久悠という時代の感性を背負ったような稀代の作詞家には、時代の行く先が見えていたのだろう。

“目立たぬように はしゃがぬように 似合わぬことはむりをせず
人の心を見つめつづける 時代おくれの男になりたい“

時代の喧噪の中で、静かに好きな人を思い続け、好きな酒を少したしなみ、移り行く世の真実を1人静かに見つめ続ける。コロナ後の世界や日本を先読みしたかのような歌詞である。

実は、この“歌の世界観”を心に刻み込めない政党や政治家、学者、評論家などは、文字通りの「時代遅れ」になると、わたしは考えている。

🔶岸田内閣の役割(近衛内閣の再来:本格的戦争政権成立の露払い)

ここ数年の自民党のやり口は、政権政党としての誇りも矜持もかなぐり捨てた「権力亡者」の集合体といっても良い。岸田首相にしても、言っていることがころころ変わり、首相としての哲学が感じられない。

何度も言うが、現在の自民党には、大きなグランドデザインを描く能力はない。安倍政権にしろ、菅政権にしろ、自民党政権から近未来の日本に対する何らかのメッセージも受け取った記憶はない。

あるのはただ一つ。自民党議員たちの骨がらみの常識と化した「対米従属路線」の盲目的信仰と、共産主義、社会主義、自由主義などに対するイデオロギー的嫌悪の念の表現だけだ。今の自民党は、文字通り、小林旭の“昔の名前で出ています”的政党に堕してしまっている。

メディアでは、共産党をイデオロギー政党だと決めつけているが、わたしから言わせれば、安倍政権以降の自民党や維新、国民民主党などは、論理的イデオロギー政党ではなく、盲目的愛国をベースにした「感情的イデオロギー政党」である。

パブロフの犬と同じで、共産主義、社会主義、自由主義という言葉を聞くと、条件反射のように「反対、駄目、聞く耳を持たない」と反応する。この種の感情的反応しかできない政党にAIのような論理的、科学的、合理的思考を期待するほうが無理というものだ。

それでいて、強いものには、無条件に服従する。盲目的服従が生き延びるための処世術だと割り切っている。

だから、彼らの政策は、米国が変化すれば、明日にでも変わる。日本としての国家目標に沿った政策の一貫性など皆無に近い。「種子法案」や「水道自由化」などの政策に象徴されるように、対外資本に日本の国益を平気で売り渡すような政策を実行できる。

「日本郵便」の経済的逼迫のニュースが流れていたが、「郵政民営化」の結果が、かんぽ生命の不正勧誘、郵便サービスの低下等々、マイナス面だけ。小泉内閣が自民党を分裂させてまで行った「新自由主義的改革」の末路は、国民サービスの低下と郵政が保有していた資産を外資に分散させただけ。メデぃアや自民党で、こういう改革のきちんとした「評価」など行われた試しがない。

今回の選挙戦を見れば良く分かる。自分たちのコロナ対策や安倍・菅政治のきちんとした反省や評価など一言も言わない。ひたすら宣伝したのは、海のものとも山のものとも定かでない「新しい資本主義」や新たなバラマキの約束。後は、ひたすら「立憲民主党」と「共産党」などの共闘批判のみ。

維新の松井代表もそうだったが、政策論なしの感情的野党批判に終始していた。

▼岸田内閣は、本格的戦争内閣成立の露払い

岸田首相が「新しい資本主義」などとぶち上げていたが、何が言いたいのか、全く分からない。結局、経済界などの新しい人物を集めて、委員会を開き、作文をでっち上げるのだろうと思っていたら案の定だった。

8日に「「新しい資本主義実現会議」が緊急提言をまとめた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・新しい資本主義実現会議
・水素ステーション、充電設備の整備
・テレワーク推進会議
◎成長と分配の好循環促進政策
・賃上げ実施企業の税制優遇と補助金 
・看護、介護、保育人材の賃上げ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ほとんどすべて、安倍・菅政権の焼き直し政策。これのどこが「新しい資本主義」なのか、全く理解できない。

このように、岸田首相に「新自由主義的」経済論や人物像を克服する哲学があるとは思えない。

今回の18歳以下の子供に対する10万円給付問題。公明党が偉そうに自分たちが考えたような発言をしているが、生活困窮者に対する10万円給付は前の国会で野党(立憲、共産、社民、れいわ)が法案として提出していた。自民党は国会をネグレクト。審議しなかった。これをパクツたのが公明党や岸田内閣。

自民党には、今回の選挙もそうだったが、21世紀を生き抜く哲学・理念・信念に基づいた大きなビジョン(グランドデザイン)を描く能力が、全くない。あるのは、力や金のあるものが、より力と金を集められるような「システム変更論」のみ。自民党や維新、国民民主党などの言う「改革」とは、そう言うものだ。

岸田内閣は、竹中平蔵を「デジタル田園都市国家構想実現会議」メンバーに有識者として選んでいる。竹中平蔵は、小泉内閣以来、日本の「新自由主義的」政策を実施してきた中心人物。今では、人材派遣会社「パソナ」の会長。パソナは、政府関係の仕事を多く受注してきた。コロナ下では、政府のコロナ対策費用を配分する多くの仕事を受注。完全に国策会社の様相を呈している。

「新自由主義者」が背広を着ているような人物を、岸田内閣の目玉政策とされる「デジタル田園都市国家構想」の委員に抜擢するようでは、「新自由主義を脱却」するという岸田首相の構想など眉に唾をつけて聞かなければならない。

「新しい資本主義」とは、「新自由主義」と同義語だと考えればよい。要するに、悪評ふんぷんたる「新自由主義」という言葉を「新しい資本主義」に言い換えただけであろう。

わたしは、「コロナパンデミック以降の世界情勢展望(2)」の中で、コロナ後の経済について、モハメド・エラリアン氏が唱えた「ニューノーマル経済2.0」の説を紹介した。岸田氏の「新資本主義」構想との比較の意味で、もう一度紹介しておく。
・・・・・・・・・・・・・・
①今回のコロナリセッション→リーマン・ショック以上のリセッション(景気後退)になる。
 (理由)
世界経済の活動を唐突に中止させた。→世界経済に重要なシステムが停止
世界の中央銀行が即座に対応できない
健康に直接かかわる問題→人々の恐怖心を誘う→悪影響を増幅

② 突然の経済混乱→需要と供給双方が抑え込まれ、時には同時に破壊されている。
  ↓
先進国の大半は経験なし→それが世界規模で発生

③ コロナ渦の初期段階→公衆衛生上の対策(ソーシャルデイスタンス確保・都市封鎖・隔離)
  ↓
経済成長・雇用維持・金融の安定にとって逆効果→近代政府・経済は「つながり」「統合」が原則
→ 感染症対策は「つながり」「統合」を断ち切るのが本質
  ↓
 【脱グローバリゼーション】【脱リージョナリズム(地域的経済統合に逆行)】の流れ加速
 ↓
 国家や地域レベルの経済封鎖が起きる。

④ 三つの不平等=「収入・富・機会」の更なる拡大→世界の不安定さが拡大、様々なショックに対する耐性が失われる。

◎世界の中央銀行は量的緩和政策などの人為的な金融安定策を迫られる。
  ↓
世界の国々の経済政策に必要な新たな視点
  ↓
☆包摂的経済成長(inclusive growth)を実現させることを目標にした経済政策の必要性
(持続可能で経済成長の恩恵が広くいきわたる経済政策)

⑤ 「ニューノーマル2.0」とは
コロナショック→グローバル経済のあり様を変容→「脱グローバリゼーション」「脱リージョナリズム(地域統合に逆らう)」の動きが加速→海外拠点を減らす・世界規模での生産を見直す
  ↓
過去の世界の趨勢 (費用対効果、効率性の追求)
  ↓
リスク回避と「レジリエンス」(困難な状況に陥った時に発揮できる強靭さと回復力)に重きをおいた政策に転換せざるを得ない。
  ↓
世界経済の光景は全く違うものになるはず⇒ 「ニューノーマル2.0」の経済

米国バイデン政権も徐々にこの方向へ舵を切りつつある。高額所得者への税率の引き上げなどの政策は、【包摂的経済成長】を目指す政策の一つ。コロナ後の世界は、持続可能な社会をどう構築するか、レジリエンスをどのように育成するか、に焦点を当てた政策を選択せざるを得ない状況になっている証左だろう。
・・・・・・・・・・・・・・

岸田首相の「新資本主義」論は、おそらくこの「ニューノーマル2.0」で提案されている【包摂的経済成長】を意図したものだと推察できるが、途中の経済認識がエラリアン氏とはかなり異なっているのだろう。

視点を変えて見れば、【包摂的経済政策】=【持続可能で経済成長の恩恵が広くいきわたる経済政策】は、高度成長期の「日本型経営」に酷似している。日本人の生き方と感性的に似ている。と言う事は、逆に、バブルがはじけた後の日本経済のありよう(新自由主義経済が席捲)が如何に日本人の感性とかけ離れているか、を示している。

この視点が最も必要なのは野党だろう。

野党が政権を奪取するためには、日本人の多くが「そうなんだ」と感性的に納得できる経済政策の提示が欠かせない。そういう意味で【包摂的経済政策】の精密なプロセスの提示が必要になる。これがこれからの野党共闘の目玉にするべきだと思う。

自民党は、【包摂的経済政策】の提示などできっこない。理由は単純明快。新自由主義経済論に首まで浸かった大企業(経団連)の論理に抵抗できるはずがない。同時に、新自由主義的経済を変革するなど、宗主国(米国)の意向に逆らわなければ難しい。そんな度胸は自民党にはない。

だから自民党は選挙で本当のことなど言えない。国民の人気取り政策の提示にシャカリキになる。そして選挙に勝ったら、後は自分たちに都合の良い政策を強行する。これが自民党と言う政党の現在の立ち位置。

岸田内閣はそういう自民党内部の力学で選ばれた。岸田首相が党内力学を見定めて右顧左眄する姿を見ていると、太平洋戦争前の近衛内閣を彷彿とさせる。

太平洋戦争前、関東軍は、柳条溝事件などを引き起こし、満州事変を先導し、満州国建国まで踏みこんだ。さらに、盧溝橋事件を引き起こし、中国と対立、15年戦争に踏み込んだ。結果として、日本は、国際社会から厳しく指弾され、国際連盟からの脱退を余儀なくされ、国際社会から孤立する道を進まざるを得なくなった。

この原因を作った関東軍の暴走に対する近衛内閣の優柔不断の姿勢が、東条内閣を成立させ、結果として、全く勝ち目のない米国との戦争に踏み込んだ。

岸田内閣を取り巻く国際情勢(特に米中対立の激化)の変化をどう見定め、どう対処していくのか。米国の要求に唯々諾々と従うようでは、非常に危険な道へ踏み出す危険性が増大する。

「護憲+BBS」「政権ウォッチング」より
流水
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11月24日のコロナ関連記事

2021-11-25 09:51:59 | 社会問題
○スロバキア:政府が2週間の全国的ロックダウンを承認。Heger首相は金曜日から執行を予定しており、接種者にも未接種者にも適用されるという。ロックダウン中は外出は生活必需品の購入・仕事と学校への往復・ワクチン接種への往復等以外は禁止される。また未接種者は検査を要請されることになる。
○WHO:ワクチンに関する“誤った安全感覚”が欧州の再度のエピセンター化を起こしていると言っている。
 WHOのGhebreyesus代表は、年末の休日シーズンに向って人々の交わりや移動が社会全体でパンデミック前に戻るとウイルスが強く感染拡大を続けるだろう、と警告している。“多くの欧州の国や地域で、「ワクチンがパンデミックを収束させた」との誤った安全感覚が生まれており、接種済みの人々が如何なる他の防御策を行う必要も最早無いと思っているようだとしている。先週世界で報告された感染者及び死者の60%以上が欧州だった。
○イタリアの都市:北部イタリアの20か所の都市で部分的なロックダウンに入っている。政府が未接種者の活動のある部分の制限を検討している同じタイミングで、今回の地域の動きが連動的に起こっているという。SouthTyrol州の20の地域で感染率が急速に高まっている。
○ロシア:鼻からスプレーする型のコロナワクチンを輸出する予定という。子供へのワクチン接種運動の弾みになることが期待される。Putin大統領も既に鼻からのワクチンを体験しているという。来年から輸出を行う。
○オランダ:国家ICU協会のGommers氏が、国に対し学校閉鎖を含む強いロックダウン規制を求めている。ICUが満床になるのに10日程しか残されていないとして、放置すれば医師が患者の選別をしなければならない状態になると警告している。
○フランス:明日新たな規制を発表するとしている。政府は市民の主要な生活全般に関わる規制ではなく、ソーシャルディスタンスやワクチン接種促進のような規制を考えているという。政府は“健康パス”の規制強化も発表する予定という。
○英国:Johnson首相は、Valnevaワクチンが英国で承認されなかったことを残念に思っていると話している。
○EUの保健当局:EU加盟国に対して、緊急にコロナ規制を行うように要請している。欧州疾病予防統制センターのAmmon氏は、18才以上の全成人へのブースター接種を推奨している。及び低接種率の国に対してワクチン接種率向上を促している。
○ドイツ:新政府のメンバーに予定されているグリーン政党がワクチン接種の強制化を支持すると声明。
○インド:前日の感染者数が7579人と、ここ543日間で最低を記録したインド。昨日は9283人と低い状況が続いているが、当局は検査数の低下を懸念している。能力的には検査数は日に200万人以上だがここ数週間は日に100万人程度に留まっている。検査数の低さが原因で国内の感染状況が正確に把握出来ていない事態を懸念するとBhushan氏は話している。
【検査数の低さをこのように心配する話や意見が日本では全くないように思えるのですが。】
○スウェーデン:65才以上の人をブースター接種該当者としていたスウェーデンが、全成人へと対象枠を拡大していくという。欧州において感染増が起こっていることに対する対応。
○ロシア:ロシアの主要な医師たちが、ワクチンに対し忌避感情を持ち、しかも信奉者を多く抱えている有力者らを招待してコロナ禍の実情を知らせるツアーを計画しているという。
○韓国:新規感染者が4116人を記録している。首都ソウルでは、状況は緊急事態をいつ出してもおかしくないという。
○ニュージーランド:海外からの旅行者等の入国を来年の4月末まで更に5カ月間延期するという。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
yo-chan
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怒りの大喜利「こんな政治はいらない」

2021-11-25 09:25:00 | 自民党政治
【司会】皆さま、こんばんは。「不笑点」の時間です。衆議員選挙が笑えない結果になりまして・・・本日の大喜利、お題は「こんな政治はいらない」でいきましょう。誰か・・・

【二葉亭指名】はい!こんな政治はいらない。多くの候補者を出せる自民党に有利な、小選挙区制。
【司会】おっ、出だしがいいねぇ。指名さんに座布団、1枚!

【安倍亭晋蔵】こんな政治はいらない。時代遅れな憲法に縛られる政治。こんな人たちに!
【司会】憲法守れない人が改憲とか言っちゃダメでしょ。座布団1枚取って!

【柳家小惨事】ええと、こんな政治はいらない。落選したのに復活しちゃう、比例代表制。
【司会】ホントだねぇ。それで永年、国会議員に居座っていたヤツもいた。

【安倍亭晋蔵】こんな政治はいらない。国会議員に恥をかかせる官僚。
【司会】そりゃあ、総理が公私混同したりオトモダチと悪だくみしたら、かばいきれないでしょ。自殺まで追い込まれちゃって。晋蔵さんから座布団取って。

【猫家五六助】こんな政治はいらない・・・晋蔵さんのネタとマスク。
【安倍亭晋蔵】おいおい、猫家さん!あれは大金バラまいて作ったのに。アキエだって、ほめてくれたんだ。
【司会】そうそう、まだ倉庫にたくさん残ってて。保管料が9億円・・・猫家さんに座布団!

【桂文春】こんな政治はいらない。Dappiとか、フェイクニュース流すのに使われたかもしれない、官房機密費(内閣官房報償費)。
【司会】使途も明かさず、領収書も不要。安倍内閣で67億円、菅内閣で86億円も使われたんだって?ヤダネー。

【古今亭新潮】毎年、会計検査院が税金のムダ遣いを指摘するのに、あらためない政治。あんなコト、国税局に摘発させりゃあいいんだよ!
【司会】その通りだ、新潮さんに座布団2枚やって!

【安倍亭晋蔵】こんな政治はいらない!国防を堂々と言えない政治。
【司会】だけどさ、裏でコソコソと空母を作って、先制攻撃を唱えて・・・専守防衛は、どこへ行っちゃったのかねぇ。

【尽亭麻翁】こんな政治は、いらねぇなぁ~。記者ごときに責められる記者会見の場。
【猫家五六助】麻翁サン、勉強とガマンが足りないんだよ。
【司会】猫家さん、オチを取っちゃダメだよ!麻翁さんから1枚とって。

【晋蔵・麻翁】え~っ!なんだよ、司会。
【司会】はいはい、次~っ!

【代打家かんかん】こんな政治はいらない。政治を批判する、日本学術会議。
【司会】かんかんサン、そこは政治と分けなくちゃ。座布団1枚とって。

【猫家五六助】こんな政治はいらない。安倍晋三、麻生太郎、菅義偉、二階・・・
【司会】そりゃあ、政治じゃなくて「政治家」だよ。でも、掃いて捨てちゃおうか?猫家さんに座布団やって!

【晋蔵・麻翁・かんかん】はいはーい!こんな政治はいらない。司会者!
【司会】3人の座布団、ぜんぶ持って行って!

ちょうど、自民党・・・もとい、「不笑点」終わりの時間となりました。テケテン、テケテン・・・

「護憲+コラム」より
猫家五六助
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