老人党リアルグループ「護憲+」ブログ

現憲法の基本理念(国民主権、平和、人権)の視点で「世直し」を志す「護憲+」メンバーのメッセージ

「F22日本導入絶望的」の記事について

2009-07-31 10:52:04 | 安全・外交
30日の毎日新聞夕刊に「F22 日本導入絶望的に 米有力議員が調達を断念」という記事がありました。

日本が、次期主力戦闘機の有力候補にしていた最新鋭ステルス戦闘機F22を(日本に)輸出することを、アメリカ議会や国防総省が反対で、日本導入は絶望的になった、とのことです。国防総省はF22ではなく、多機能のF35を推奨しているとも・・・。

私が言いたいのは、第一に、日本はなぜアメリカから(どこからでも駄目ですが)最新鋭の戦闘機を輸入しようとするのかということです。武装し始めると、次々にもっと多くとなり、挙句の果てに戦争をして負けた経験がある日本が・・・。

品川正治氏の言われるように、アメリカは常時戦争している国であるのに対して、日本は平和憲法を持っている国で、同じように行動するべきではないのです。武装したがるのは政府か防衛省か、8月6日に広島で講演をするという田母神か知りませんが、アメリカ並みの武器など揃えるべきではありません。「戦闘」機でどうするというのでしょう?国民は、そのために税金を払っているのではないと思います。

毎日新聞の扱い方もおかしいです。平和憲法を持つ日本が最新鋭の戦闘機を輸入しようとしたことへの疑念などは全く無く、「導入絶望的」と書くのですから。もっともこのごろの大新聞はそれこそ「絶望的」ですが、でもわたしたちは絶望してはいられません。もっと悪くならないように頑張らなくては。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
松林
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

著作権について

2009-07-30 22:26:44 | 社会問題
名無しの探偵さんのコラムを拝読いたしました。

言いだしっぺ、第一発見者、発明家が巨万の富を築いて、何が悪い」という、アメリカンドリーム的発想が悪だとは思いませんし、中国の平然とモノマネする考え方も「中国は数千年の歴史の中で文化を無償(?)で伝授してきた」と言われれば、そうかなあ、と・・・。

著作権問題で印象に残っているのは、作曲家・小林亜星さんと服部克久さんの「メロディをパクった」紛争です。その時、業界関係者の 「それを言い出したら、今のヒット曲はほとんど、昔売れた曲のパクリだ。古くはクラシックの・・・」というようなコメントを聞きました。また、毎年数万曲も生み出される音楽業界では、偶然にも他人のメロディと同じでもおかしくない。また、無意識に(潜在意識に)残っていたメロディを口ずさむことだってある、とも。

というように、「個人の権利」と「みんなの芸術文化」をどの辺りで線引きするかは難しい問題ですね。ただ、ディズニーのように些細な事まで白黒つけて、その資金力で徹底的に黒をつぶすやり方は、どうなのかなあ、と。

以前、顧客から販促ポスター制作を依頼されました。それは、クジ引きの景品が「TDLパスポート(入場券)プレゼント」なので、パスポート画像をポスターに入れたい、との要望でした。パスポートの図案にはミッキー&ミニーが描かれています。その許諾を得るべく、TDLへ問い合わせたら「一切、ダメです」。いや、あの、お宅のパスポートを数十枚も購入しての企画なんですが・・・「そういう規則ですから」。

難しい議論はわかりませんが、私が考える著作権は「著作者の生活(費)がどこまで、いつまで守られるか」です。芸術も文学も文化遺産も、著作者が食えなくてヒーヒー言い、次なる創作ができない状態ではナンセンスでは、と。その点で、古本大好きの私は著作者に申し訳ないような、でも廃棄されるよりは芸術文化を守っているような・・・古本(二次販売)問題も今、論争が盛んですね。

「護憲+BBS」「コラムの感想」より
猫家五六助
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Xデイはいつか(鳩山代表・政治資金規正法違反に対する検察の動き)

2009-07-29 20:43:58 | 選挙
衆議院が解散され、各党のマニュフェストも徐々に発表され、現在メディアは一斉にそちらに注目している。一方民主党鳩山代表が政治資金規正法違反(虚偽記載)を認め、第三者がそれを告発して、かなりの日数が経過しているが、メディアは検察が動くのか動かないのか、そのXデイはいつかについて、不気味な程沈黙を守っている。先の小沢秘書逮捕時の偏向報道批判に懲りたのだろうか。

鳩山氏が政治資金規正法違反の虚偽記載を認め、告発されている以上、法治国家であれば、検察も起訴か不起訴か、いつかは意思決定せざるを得ないはずである。しかし現在衆議院が解散され投票日も決定された状況下にあり、しかも野党の党首の政治資金の問題であれば、検察の一挙一動は選挙に影響を与えかねないだけに慎重に構えるのは当然であろう。

先の小沢民主党代表の秘書の逮捕では、小沢氏と民主党の支持率低下という状況が派生し、更にいつ解散選挙があってもおかしくない時期に、野党第一党の代表が辞任に追い込まれた。このような事情と小沢秘書の公判がまだ始まらない配慮などを勘案すれば、検察が動くXデイはやはり衆議院選挙後であろうか。

仮に検察のXデイが選挙後だとすれば、政府自民党は小沢代表に続いて鳩山新代表の政治資金規正法違反疑惑が暴露された効果が半減し、切歯扼腕、我慢ならぬタイミングのはずである。

そこで衆議員選挙前に検察を動かしたければ、もはや最後の手段は法務大臣の指揮権発動しか残されていない。天下分け目の絶対負けたくない選挙戦である。法務大臣は都合良く麻生派であり、また麻生首相側近の菅(すが)選対副部長は鳩山氏の虚偽記載リストを押さえており、今や何があってもおかしくない状況ではなかろうか。加えて最近テレビに写る首相の人相も険しくなっており不気味である。

しかし万一選挙前にXデイが前倒しされたとしても、その影響は限定的で、衆議院選挙で自公が過半数を占めることはもはや至難であろう。まして最大野党の党首が二代続けて政治資金規正法違反疑惑で選挙前に辞任することになれば、政治的意図でそうされたことは明々白々であり、判官贔屓の逆効果で自民党には必ずしもプラスには働かないのではなかろうか。

また先日民主党は党としてのマニュフェストも発表している。仮に鳩山代表に万一のことがあったとしても、党代表経験者の菅(かん)副代表と岡田幹事長が控えており、そのマニュフェストをどちらかが掲げて行けば良く、全く憂いはないであろう。

「護憲+BBS」「09年衆議院議員選挙に向けて」より
厚顔の美少年
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

4・2・3、眼差しそれぞれに

2009-07-29 14:31:53 | 憲法
「4・2・3」、はて何でしょう?今はもう遥か彼方の幼な日の、謎掛け遊びを思い出していただける方々にしか通用しない、古びた「問い」でしょうか。
 
「4」は、つかまり歩きが始まる前後までの乳幼児。もうお分かりですね、そう、二足歩行が一大特徴の人間、その「幼・老」の二時期の姿を合わせての、一度しか出せぬお遊びでした。

今時の子供たちに、「なぞなぞ」などという遊びが受け継がれているかどうかも定かでなくなった「3」の世代だが、その過ごし来たった日々を思い返せば、「2」の時期に入ってもやや暫しの十数年ほどの期間、向こう三軒両隣から更に広げた行動半径の中で注がれた眼差しは、誰彼の別なく一様に温かなものであったように思うし、それにも増して温かく穏やかであったのは、言うまでもなく両親のそれであり、返す自分のそれも、疑いなくそれに応えたものであった。

情報の伝播速度や手段が桁違いということがあるにしても、単に「時代が変わった」だけではすまされないような、「人の命」にかかわる出来事が多すぎる。人の成長過程のどこかに欠け落ちたものを抱えたままの社会、それに対する反問・反省もないままで、人々は通り過ぎようとしているのではなかろうか。かつての温かな眼差しは、どこへ消えていったのだろうか。
 
60年余に及ぶ「2」の時期。そのうちの初期・20年前後はそれを担うための準備期間。それの過ごし方は、今、万全なのだろうか。

すでに戦後生まれが第一線を退き始めている。その人たちを育て上げた世代、その人たちに育てられ、これからの時代を継ぎゆく世代。それらのどこかに、空ろで冷ややかな眼差しを投げかけられて育てられた時期が、あったのではなかろうか。そして、その土壌は「事なかれ」の風土に、あるのではなかろうか。
 
次に掲げるのは、現行学習指導要領・中学社会科の抄である。これに沿った現場の実像は、うかがい知ることも出来ぬことながら、「公民」の基礎的学習の場が、このような「当たり障りのなさ」で覆われているならば、必然的にそれは「事なかれ」に帰結していくのではなかろうか。
   
* 日本国憲法の~~条文解釈に深入りしないように留意すること。    
* ~~国会,内閣,裁判所の細かな組織や働きについて深入りしないこと。
 
「事なかれ」の底にあるもの、それは、決して「温もり」ではない。もとより、きわめて不幸なことながら、国の基である憲法そのものが「解釈改憲」なる手によって汚され尽くしている。
 
先の大戦を経て我々が手にした憲法が指し示すものは、平和希求・人権尊重を謳い、国民主権を普遍の原理とし、これに反するは、憲法をも否定するとした前文によって明らかにされている。これを踏まえれば、少なくとも憲法には「条文解釈」なる恣意が入り込む余地を残すべきでなく、そのようなものにするための努力は、それを明らかに掲げて、傾注し続けなければならぬ。
 
更に言えば、かつては、小学校入学時から「御真影」なるものの尊厳に跪き、それを信じ込まされて来た時代があった。それを思えば、講話程度でもよい、小学校にも現憲法の匂いぐらいは漂っていてもよいのではなかろうか。平和・人権への目覚めは、いくら早くても早過ぎるということはない。そこから培われる眼差しは、きっと「人の命」の重さを知った上での、温かく穏やかなものとなるに違いない。

人の眼差し・目線の向きの上下は、相対的なものである。幼きの目線はいつも上向きであるが、長ずるにつれ、必然的に下方へと変わっていく。「今時の若い者は~」などは、上向き目線の頃の残像を下敷きにしての言葉である。今は上向き視線を浴びる立場に移り来ているとの自覚こそが、「3」の時期を穏やかに過ごす上での一番の要諦であろうかと、分別するこの頃ではある。

「護憲+コラム」より
百山
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民主党マニフェストへの注文

2009-07-28 15:27:07 | 政治
各党が相次いでマニフェストを発表し始め、選挙モードはいよいよ高揚と言ったところ。

現与党に取って代わる一番手と目される民主党のマニフェストの刷り物を手にしてのことではないので、項目ごとにどのような詳細説明が付されているのかは分からぬままだが、現与党が批判する「財源」については、「入り」の面・「出」の面に分け、どの程度突っ込んだ説明がなされているのだろうか。
 
「入り」については、長きに亘って受益と負担という視点を柱に推移してきているが、所得の再配分機能こそ税の本旨とする姿勢に、転換して欲しいものである。
 
このところのТVは、財源問題は避けて通れぬ、消費税の引き上げ幅を明言すべしと力説するキャスターやらコメンテーターで賑やかだが、彼ら彼女らの口から所得税の「所」の字も出たことはない。憂いげな表情・口調でワーキングプアを語るとも、それはその場でのこと、自分の懐に直接響くことはお断り、それが本心としたものなのだろうか。

「出」については、無駄遣いの徹底排除は当然のことながら、それを招く「源」は「予算」そのもののつくりにある。予算を、毎年度一から積み上げて行くことは、事実上出来ないことだから、「新規」以外は前年踏襲である。ここいらをどうするかが最大の難問で、「国会議員を百人」送り込んでどうなると言う代物ではない。送り込まれた百人のお守りに、またぞろ無駄な経費がかかるなら、それこそ何をかいわんやである。

「年金」についてはどうだろう。ミスター年金などと奉られている議員も居て、相変わらずの「徹底解明路線」のようだが、「正気?」と尋ねたい。無論、電算化時のミスはあろう。人海戦術で何とかなるものはある。しかし、絶対不可能なものも限りなくある。
 
官民合作で作り出された「幽霊化された社員」なんて、もうどうにもならぬ。「幽霊」にしたかつての社長から、証明を貰って来いと。足を棒にして捜しても消息すらつかめない現実。この徒労に終った時間・費用は、それこそ「骨折り損のくたびれもうけ」でチョンなのか。2年間と区切っての解明経費。「前車の轍」と言う言葉は、彼らにはないのだろうか。この間に費やす経費自体が「無駄な経費」ではないのか。
 
議員・国民年金も含めた一元化と、全額税方式への転換。最低保障額の引き上げと最高額の引き下げ、積み立てられている原資の全容開示と運用方法の見直し。これが年金問題解決の近道であり、本道でもあろう。全額税方式なら、社保庁も年金機構も要らぬ。給付に要する経費は、ほとんどゼロに近い。

野党のマニフェストの第一は、バラ色の絵を描くことではなく、政権与党の「実績」との差異を端的に示すことである。それは、国会審議を通じての自党の主張の繰り返しでもある。その点、インド洋での給油・海賊対策・船舶臨検などについての「ぶれ」はないのか。あるとしたら、それへの説明は欠かせない。

国民と共に歩くの気構えを如実に示すこと、それに徹して欲しいものである。

「護憲+BBS」「メンバーの今日の、今週の、今月のひとこと」より
百山
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

政権交代を阻止しようと暗闘する御用評論家たち

2009-07-28 15:18:17 | マスコミ報道
衆議院が任期満了寸前でようやく解散し、政権交代への気運が盛り上がる中、テレビメディアでは御用評論家らが最後の必死の抵抗を試みています。

その筆頭格に挙げられるのは田原総一郎。自らが司会を務めるテレビ朝日系の「朝まで生テレビ」「サンデープロジェクト」などのテレビ番組で、政権交代させじと民主党攻撃に躍起になっています。

選挙の最大の争点は本来、自民党長期政権の政治的な総括に対しての審判であるべきなのですが、自民党はあまりの体たらくのために民主党の粗探しをすることでしか選挙を乗り切る手段を持っていないのが実態です。実際、メディアに出演している自民党の議員はまるで既に野党であるかのように民主党に対するネガティブキャンペーンを貼っています。

こうしたなりふり構わない自公政権延命の手助けをしているのが、メディアに躍る御用評論家たちなのです。中でも田原の民主党攻撃は露骨で、小泉構造改革による政治の歪みやこれまでの自公政権の悪政への批判はさておき、民主党マニフェスト(予定)に対して揚げ足とりをしてケチをつけることを番組の主眼に置いているとしか思えません。民主党が既に政権与党であるならば、ジャーナリストとしての権力批判は当然のことですが、選挙目前の状況において与党批判よりも野党批判に心血を注ぐというのは、テレビ司会者としてどう考えても尋常な言動とは思えません。

言うまでもなく司会者はオンエア中においては番組内の最高権力者として、自らの胸三寸で番組内容の流れをどのようにでも誘導することが可能です。特に台本のない政治討論生番組ではこの特徴は一層顕著になります。であればこそ、政治番組においては司会にはより公平・公正な配慮が求められるのです。

ところが田原の司会内容は自公の選挙戦術に添うかのようにそのお先棒を担ぎ、進んで民主党の弱点を暴き出して口撃を繰り返しています。その言動はおよそ政治討論番組のあるべき常識を逸脱して、テレビの怖さをよく知る彼自身が確信犯的に生番組の特性を最大限悪用しているとしか思えない無軌道ぶりです。

御用評論家連中の中には既に、政権交代は必至の情勢と判断して従来の与党・自民党寄りの言論を修正し始めている向きもある中で、田原の言動は群を抜いていると言っても過言ではないでしょう。

戦後支配体制の中で政・官・財のトライアングルに加え、マスメディアとの癒着も決して見過ごすことのできない暗部の一つですが、政権交代がいよいよ現実化する中でテレビメディアにも微妙な変化をもたらそうとしているようです。しかしながら田原のように最後まで抵抗する御用評論家たちも、その画策むなしく政権交代に向けた時代の大きな流れを止めることはもはやできないでしょう。

おそらく田原を始めこれまでマスメディアに巣食ってきた連中は、政権が変わってもまるで何事もなかったかのように、今度は民主党政権への擦り寄りを臆面なく行うようになるでしょう。民主党に政・官・財の癒着構造を打破する力があるのかどうか、それはこれからのお手並み拝見として、それを着実に実行していく上で必要なのはもう一つの巨大権力であるマスメディアが自浄能力を果たすことができるかどうかによる部分も大きいのです。

権力がメディアに介入することが絶対に許されない以上、この自浄能力は主権者である国民の不断の監視によって実現されなければならないことは言うまでもないことです。その意味からも自民党長期政権を支え続けてきた御用評論家(それを重用するメディアも当然のこと)に対しては、より一層厳しく批判していく必要があると思います。

田原総一郎氏にも政権交代を機に早々にテレビメディアからの退出をお願いしたいものです。

「護憲+BBS」「マスコミ報道を批評する」より
平和の鉄人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

著作権とは何か

2009-07-26 09:31:20 | 社会問題
著作権の解説書などをいくつか読みましたが、今まで納得のいく著作に出会うことはありませんでした。大概が著作権についての法令解説になっておりそれ以上でもそれ以下でもありませんでした。

そんな折に「著作権とは何か」という本に出会ったのです。福井建策という弁護士の方が書いた本です。(ちくま新書)

福井弁護士はこの本の冒頭の8行で「いいたいことは書いてしまいました」と言い切っています。その8行の文章とは次のものです。

「『著作権』という言葉が注目を集めています。著作権とは、文学・映画・音楽・美術といった作品の創作者が持つ、その作品がどう利用されているかを決定できる権利のことです。
 著作権の最大の存在理由は、芸術文化活動が活発に行われるための土壌を作ることだと筆者は考えています。なぜなら、豊かな芸術文化は私たちの社会に必要なものだからです。
 ですから、著作権をその目的に沿うように使ったり、設計することは、私たちに課せられた課題です。」

こう述べた後に福井弁護士は「以下では、具体例を挙げてこの権利のことをもう少し詳しく述べていきましょう」としてこの後の200ページあまりは詳細な具体例の検討に充てています。なかでも具体例としてマスコミなどで話題になった判例の検討にかなりのページ数を割いています。

次に、この本は「著作物」とは何か、の検討から始まります。私の推測では「著作物とは何か」ということが一番重要な問題点であるように思いました。

著作権法によると、著作物の定義は次のようになっています。
 
『思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの』(第2条第1項第1号)

つまり「創作表現物」と簡単に言い換えることができます。ここから創作物であるという要件と表現されたものという要件が出てきます。

創作物という要件から小説などのフィクションは当然に含まれますが、事実の文章は除かれます。例えば新聞記事の記載した事実報道などです。

次に、「表現されたもの」ということからアイディアは除かれることになります。つまり、未だアイディアに止まり表現に至っていない場合には創作物として保護されません。この点が重要な原則です。

こうしてこの本では最初に重要な命題を掲げてから具体例に導いていきます。

福井弁護士の先に述べた8行が私には一番重要な命題であると思われましたのでその問題に戻ります。

最近になってアメリカの著作権が改正されて映画の著作権の期間が50年から70年に延長されました。この改正で例えばディズニーの初期の作品などが観られないことになったとされています。

また、福井弁護士が具体例の一つに揚げた「どこまでも行こう」事件などの判例のように、一審判決を覆して服部克久氏を敗訴させた事件などを考えると、法制定者や裁判官が著作権の目的を真に理解しているかが疑問になってきます。

なぜなら、映画の著作権期間をいたずらに70年に延長したところで確かにディズニー社の利益だけは守ることになりますが、一般人の映画鑑賞は不当に制限されます。これでバランスのとれた芸術文化の保護になるでしょうか。疑問です。

つぎに、「どこまでも行こう」(小林亜星)が「記念樹」(服部克久)を訴えた裁判ですが(なぜか、私は小林サイドの弁護士と知り合いでしたが)、高裁判決は「あまりにも似すぎている」として服部敗訴の判断でした。

しかし、わたしは偶然の一致としか思えず全然別の曲だと当時は思いました。小林サイドの弁護士から昼食をご馳走になったことはありますが、それとこれとは別問題です。こうした偶然の類似性を盗作と判断する裁判所に著作権保護の目的が本当に理解できているのでしょうか、すこぶる疑問です。

さて、この福井氏の本では「パロディの問題」が大きく扱われていました。有名な事件としてパロディモンタージュ写真事件というものがあります。

裁判所はパロディは「引用」というなら許されるとしています。この裁判では引用の条件を満たしていないとして被告のマッド天野は敗訴になりました。しかし、福井弁護士も言うように引用なら許されるという判断は、パロディという文化なり表現を最初から拒否する不寛容な判断と思えます。

アメリカの法令の原則のようにパロディ文化なり表現形態を活かすのならば「フェアーユース」(公正な使用)という原則に従うべきでしょう。

「護憲+コラム」より
名無しの探偵
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浅尾慶一郎議員の民主党離党歓迎

2009-07-26 06:51:50 | 安全・外交
民主党陰の内閣で防衛大臣を担当して、防衛問題の議論には民主党を代表して良くテレビにも出演していた浅尾慶一郎参議院議員が、既に民主党公認候補が決まっている神奈川4区から突如次の衆議院選挙に立候補する意思表明をして民主党を除名されたと、アサヒコムは報じている。

http://www.asahi.com/politics/update/0725/TKY200907240404.html

どのような経緯があったのか不明であるが、浅尾氏のこれまでの防衛外交に関する発言は自民党や民主党前原議員に近く、北朝鮮船舶への貨物検査につしてもそれを肯定する発言であったように思う。

即ち朝鮮戦争は休戦中で、米韓・北朝鮮の戦争当事国で完全に戦争は終結されていないとの認識がなく、今日本が北朝鮮の船舶検査に加われば、休戦中に戦争当事国の米韓に与することになり、一つ間違えば第二次朝鮮戦争に巻き込まれ、ノドンを日本に打ち込まれ兼ねないとの危険意識が全くなく、まるでマグマがまだ冷え切っていない休火山の火口に国民を降り立たせるような冒険をしようとしているのである。

因みにウィキペディアの浅尾議員の外交防衛政策の解説では、氏は北朝鮮に対し、「日本の敵基地攻撃能力」保持を唱え次のように紹介されている。

『「2012年までに北朝鮮が核放棄を行わない場合、日本は敵基地攻撃能力を持つということを国際社会に理解してもらうべき」と主張している』。正直このような信条の議員は民主党からの離党を歓迎したい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%85%E5%B0%BE%E6%85%B6%E4%B8%80%E9%83%8E

朝鮮戦争は完全に終結しておらず、在韓米軍の後方基地(在日米軍)が日本にあるから日本も北朝鮮のターゲットになっているのであり、先ず米国に北朝鮮との講和条約締結と米日韓と北朝鮮との国交樹立を説く外交が「日本の敵基地攻撃能力」論より先のはずである。

一方、クリントン米国務長官は先日アセアン会議での記者会見で北朝鮮が非核化をすすめれば、米朝の国交の樹立等包括的な解決も視野に入れている旨の発言をしている。

http://www.asahi.com/international/update/0723/TKY200907220486.html

自民党・外務省・民主党とも冷戦終結後の米国オバマ政権の外交を全く洞察できず、相変わらず冷戦時代の外交の延長線上をさまよっているのが現状のようである。

「護憲+BBS」「09年衆議院議員選挙に向けて」より
厚顔の美少年
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

麻生首相の業界詣の意味するもの

2009-07-25 10:36:50 | 自民党政治
麻生首相は自民党国会議員から応援演説の依頼の声がかからないのか、もっぱら業界団体を3日連続で詣でていると報じられている。解散後の記者会見では国民生活を護ると述べていたが、それであれば街頭に出て国民へ政策を訴え、公約して回るべきであろう。

http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20090724AT3S2401N24072009.html

それに反して、首相自ら業界詣でとは政官業の癒着による利権政治を自ら国民に晒しているようなものである。即ち業界は政府与党に政治献金と票を献上し、政府与党は業界・団体のための施策・法案(公共工事や法人税減税等)を官僚に立案させ、官僚はそれと引き替えに天下り先となる特殊法人設立とそこへの税金の流用と渡り異動を許して貰う、この三方両得の利権構造の存続活動を自ら暴露して回っているといえる。

小泉元首相が自民党を「ぶっこわす」と公言したが、この政官業のトライアングルをがっちり支えるシステムが、即ち自民党の族議員と官と業との「しがらみ」であり、予算は常にこのシステムの目的と維持管理に優先的に編成される仕組みとなっており、小泉首相が孤軍奮闘したところでびくともしないシステムである。それなのに何も知らない国民は小泉のキャラクターに乗せられたのである。

そして国民生活への予算配分は二の次三の次の後回しにされ、セフティネットは完全に崩壊したのである。今回も麻生首相が業界団体を回り仮に政権を維持できたならば、再び業界優先の予算編成をせざるを得なくなり、大幅増税をしない限り国民生活のセフィティネットの構築は不可能である。麻生首相の業界団体詣は既にそのことを暗示している。やはり今回の選挙は官と業と過去のしがらみのない野党に国民は期待するしかなさそうだ。

「護憲+BBS」「09年衆議院議員選挙に向けて」より
厚顔の美少年
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

民主党「自衛隊のインド洋での給油活動」時限容認

2009-07-24 07:52:29 | 安全・外交
民主党が政権に就いたならば、国会で反対してきた自衛隊給油艦のインド洋での給油活動を直ちに中止せずに、来年1月の法律の時限まで容認するとの指針がマニフェストに示されたようで、政府与党からは当初の主張と違うではないかと揶揄・批判されているようである。

結論から言えば、来年1月の時限までであれば継続容認もやむを得ないであろう。これは民主党の約束ではなく、時の日本政府の国際的約束であり、国内問題を中止するのとは訳が違う。また民主党が革命で政権に就いた訳ではなく、郵政選挙のようにインド洋での給油に賛成か反対かのみの争点選挙で政権に就いた訳でもない。あらゆる争点と民意による選挙の結果であれば、インド洋での給油には賛成で民主党に投票した人もいるであろう。

これらを総合すれば、一定の秩序をもって来年1月の時限を待って撤収することは、国際的にも国内的にも、民主党が安心と信頼を得る第一歩である。しかし1月の時限を延長して継続するようであれば、もはや国民への裏切りであり、国際的には優柔不断と見られ、何か圧力を加えれば迎合する政党であり日本であると甘く見られる。こうして後々の外交交渉でも足下を見られ、ひいては内政、外交で揺さぶられ、内憂外患に陥って政権が不安定になり、短命で終わるのが落ちである。

もともとインド洋上での給油は、米国のアフガン攻撃支援を隠れ蓑にしているが、イラクで戦闘中の米軍支援がメインテーマであり、今やオバマ政権になって米軍もイラクの中心部から撤退中であれば、来年の1月は撤退の良いタイミングでもある。そして給油の費用を直接アフガニスタンへの民生援助に転用した方がスマートであり、オバマ政権のアフガン対策の一環である社会建設にも繋がるはずである。

「護憲+BBS」「野党ウォッチング」より
厚顔の美少年
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする