「国民の生命と財産は必ず守る」 何か起きるたびに、馬鹿の一つ覚えのように語る安倍晋三の言葉が虚しく響いている。熊本地震への対応は、地震や災害までも政治利用しようとする安倍ファッショ政権の体質を露呈している。
そもそも、14日、1回目の地震が起きた時点で、熊本県の蒲島郁夫知事は政府に対して、主導的に災害対策に取り組んでもらえるよう「激甚災害の早期指定」を求めていた。ところが、政府はこれを取り合わなかった。
この指定の遅れと安倍首相が河野大臣に「被災者は屋内へ避難しなさい」という現場を知らない的外れの指示が、2回目の本震での被害を増大させた。さらに、自衛隊の増派についても、知事側は最初から大量派遣を求めていた。政府は当初、2000人しか出さなかった。二回目のマグニチュード7.3の大地震が起き、ようやく増派を決定したのである。この初期対応の遅れとまずさが被害を増幅させたと言って過言ではない。
安倍首相は、「現場を自らの目で確かめ、被災者の生の声に接し、今後の対策に生かす」と格好よく現地視察をするとぶち上げていた。ところがである。マグニチュード7.3に達する二回目の大地震が起きるや、視察を見送ってしまった。まあ、安倍首相の『いくいく詐欺』は毎度のことだが、それでいてTPP審議の日程を入れていた。与野党とも震災対応に全力を上げるため、審議見送りで決定したにもかかわらず、首相の一言で審議日程を組んだ、と報じられている。
まあ、この一事をもってしても、安倍首相が震災対応の熱意など「いい加減なものだ」というのが透けて見える。さらに何でこの時期にTPP審議なのかと言えば、震災のどさくさに紛れて、問題のある法案を通してしまおうという下心がみえみえ。なんと下品で卑怯なやり口なのかとあきれはてる。さらに菅官房長官に至っては、憲法改正して、『緊急事態法』成立の重要さを強調する始末。
中谷防衛庁長官は、米軍にオスプレイ派遣を要請しておきながら、米軍から協力の申し出があったと国会で答弁。米軍から「日本側の要請だった」と発表され、虚偽答弁がばれている。まあ、オスプレイに対する理解や米軍との一体化をアピールする狙いだった事はみえみえ。
TPP審議でも国会決議の五項目の聖域などどれも守れていない、と農林大臣が答弁。ここでも嘘がばれている。さらに二階総務会長は、震災対応を名目にしたバラマキ補正予算に言及している。安倍政権の震災利用は目に余る。
思想とか理念とか信念とかいうものは、危機の時の言動に顕著に表れる。エクアドル大統領コレア氏がどのような人かはよく知らないが、次の写真を見れば、安倍首相との人間性の違いは一目瞭然。
http://健康法.jp/archives/15890
さらに安倍政権・原子力規制委員会などの非人間的対応は、川内原発を止めない、という決定に顕著に表れている。18日、原子力規制委員会の田中俊一委員長は臨時記者会見で、 稼働中の川内原発について「エネルギー需給の問題は全くないと思う。止められない理由をお尋ねしたい」と質問したフリーの記者に対し次のように述べた。 「私どもは科学的・科学技術としての判断基準に基づいて停止させるかどうかを決めているわけですね。ですから、そういったものがあるから止めたほうがいいという、それもひとつのお考えかもしれませんけれども、それは規制委員会や我々の判断ではなくて、安全上の問題があるなら、当然我々は止めなければいけないと思います。でも、そういうことではない、ということなんですね。今の段階で、ずっと見ている限りでは安全上の問題はありません。」
今の段階で安全上の問題があったら、それこそ大問題。ないのが当然。田中委員長には、そういう視点は全くない。川内原発は、耐震性能基準を620ガルに定めている。今回の地震で川内原発において観測された地震動は最大で12・6ガル。だから、全然問題ないという。
しかし、それは今回川内原発が震源から離れていたためであって、安全と言う理由には全くならない。何故なら、今回の14日の夜の前震の揺れが、益城町で最大加速度1580ガル、最大速度92カインを記録している。川内原発の基準620ガルを大きく超えている。現にそんな地震が、すぐ傍で起きており、さらに今回の震源域が徐々に南にずれ始めている。通常の神経の持ち主なら、どんなに大丈夫だと思っても、川内原発を止めるのが常識だろう。
さらに信じられない事に、どさくさに紛れて、伊方原発の審査を終え、再稼働OKが出そうである。伊方原発のすぐ傍を中央構造線が走っており、大分まで余震活動が拡大しており、地震学者たちは日本最大の断層地帯である中央構造線の動きに恐怖を感じているにも関わらずである。一体全体、この国の指導者たちには、常識がないのかと疑わざるを得ない。
元経産官僚古賀茂明氏によれば、「川内原発を止めないのは、ここで止めたら全国の原発の再稼働が不可能になるからでしょう。・・」 政府や原子力委員会が口を開けば、「世界で最も厳しい安全基準」などというのは、それを隠れ蓑にして原発再稼働をしようとしている証左。安倍政権は、国民の命や暮らしの安全などどうでも良いと考えているのであろう。
ついでにもう一つ書いておこう。パナマ文書の問題である。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%8A%E3%83%9E%E6%96%87%E6%9B%B8
菅官房長官は、「精査するつもりはない」と早々とコメントしているが、結局、きちんと調査しないのは、中国・ロシア・日本と言う事になる。中国の場合、習近平の親族。ロシアの場合は、プーチンの友人らしい。誰もが感じているように、このパナマ文書流出の狙いは、プーチンの追いい落とし。プーチンもそれが良く分かっているので、精査しないのだろう。ところが、本来の狙いとは違い、ヨーロッパ各国の打撃は深刻。アイスランド首相は辞任。イギリのスキャメロン首相は苦境に立たされている。
日本の場合も、400人とも囁かれる人間や20社を超える企業が取りざたされている。ケイマン諸島などのタックヘイブンでの日本の総額は、約62兆円。税金にして約7兆円。これをきっちり取れば、消費税増税は必要ない、という事になる。
熊本大震災もある。それこそ、精査して、きっちり税金を取るのが国家としての筋だろう。それを『調査するつもりがない』と平然と抜かすのだから、一体全体安倍政権の連中の頭の中はどうなっているのか分からない。文字通り、売国政権で、反国民政権である。
「護憲+BBS」「新聞記事などの紹介」より
流水