みつばちマーヤの冒険

ぼくの名は「みつばちマーヤ」

ある日の朝の事。

「デーデーポッポ　　デーデーポッポ」っと

ぼくを呼ぶ声が聞こえたんだ。。。

 

そっと巣から顔を出して外を見てみると・・・

大きな野鳩がぼくをぞき込んでいる。

 

毎日毎日雨が続いて

かなり退屈な日々を過ごしていたぼくにとって

野鳩の声は、

「外においで」と誘っているように聞こえてくる

「デーティオイデ」

「デーティオイデ」

 

それに・・・

家の中にこもっていたら

日々の運動不足が祟って

いつのまにやら体もかなりのヘビーな状態。

ほんとはミツバチなのに・・・

今ではまるでクマンバチのように

樽のような体になってしまったんだ。

 

“果たして飛ぶことできるかな？？？”

不安はあったけど、

野鳩の誘う声に何とか勇気を出して

羽をぶるぶるとうごかし始めたら

不安定ながらも

大空に飛ぶことができた！

 

と言っても、たぶん１メートルの低空飛行

でも久しぶりに飛びながら見る外の世界は

とっても新鮮で

それに空気がとっても美味しいんだ！

 

 

オッと何だか花が見えてきたぞ！

 

ちょっと方向転換して・・・

 

 美味しそうな蜜たっぷりの花がアッチまで続いている！！

 

 

 

だめだめ、まだまだ食べるのは我慢して・・

もうちょっと、ここらへんを冒険してみよう。

 

 

 

それにしても

何だか変な所だな～～

手前の赤い葉っぱの後ろには、

丸い頭のようなものもあるし・・・

変な形の植物がいっぱいだ！

 

 

 

 

「あ！あそこに、美味しそうな赤い実を発見したぞ　　　」

 あ～～あれは「ブラックベリーの実」

そう言えば春にはピンクの花を咲かせて

まるで桜のようにきれいだったよな。。。

　　　　　　　　　　　　

あの頃は桜のような香しい香りを楽しみながら

どれだけ美味しい蜜を吸わせてもらったことだろう。

 

 

 

「あっ、今度はつがいの鳥さんがやってきた！！」 

 左の鳥さん、黒くなったブラックベリーを口に咥えたと思ったら・・・

ツツツッと右の鳥さんに寄り添って、

採った実を分け与えている。。。

何だかとってもやさしい光景だよね　　

でもこの鳥さん、

何でも食べてしまうので　

人様がとっても嫌がる　　

「ヒヨドリ」という鳥らしい。。。

 

 

 

 「あっ、今度は小さなカマキリさん発見！」

 あれ、あちらから、もうひとつ頭が覗いている！

と言うことは

これも“つがいのカマキリさん”なのかな？

 

 

 

 「ア～～～びっくりした。。。」

もの草たろうさんが表す光と影の世界だったのか？

カマキリさんの影がくっきりと映って

ここも不思議な世界だな。。。　　　

 

 

なんだかここはびっくりすることばっかり。

でも、思ったより楽しそうだぞ！

もうちょっと遠くまで冒険してみよう。　　

 

 

あれ、ここはとってもいい香りがするけれど、

「ハーブコーナー」って書いてるね。

いろんなハーブの匂いが漂ってきて

めまいがしそうだな～～

おっと、あぶない・・・・・

 

 

 あれぇ、って、あれ？ぼく逆さまに飛んでいるのかな？

いや、ちゃんと飛んでいるようだし、

ぼくじゃなく君が逆さまになっているんだね。

「紫アスパラガスの所にいるあなたはだあれ？」

「なんで懸垂しているの？」

　　　

　　　・・・・・・・・・・

 

返事がない。。。

「ねえどうして、返事をしてくれないの？」

 

　　・・・・・・・・・・

 

みつばちマーヤがなんど問いかけても、

返事はかえってこない。

 

そうしたら、そのとき晴れ間がのぞいて

近くから「カナカナカナ」と言うけたたましい声が聞こえてきた。

あ～～今年初めて聞く蝉さんの声。

蝉さんもやっと土の中から

広い世界に出られたんだね !

あの声は確か「ヒグラシ」君！

そうか、ヒグラシ君が羽化して

空に飛び立っていったんだ！！

あ～～

やっと夏が来たんだねぇ～　　　

 

「お～～いヒグラシく～～ん、

　　元気に空に飛んでいってね～～」

 

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　つづく