いしころとまとの花野果村(はなやかむら)

野菜ソムリエ全国大会金賞受賞料理教室『花野果村キッチンガーデン』主宰 
いしころとまとのベジフルこぼれ話

漢方から薬膳へ

2013-11-24 09:55:01 | 花野果村キッチンガーデン

さて、前回漢方についてお話をしましたが、漢方といえば、私が料理教室に取り入れている「薬膳」についても少々書きたくなります。
薬膳料理というと、薬をグズグズと煮てまずそう、とか、なんとなく異国のお食事のようだなどと思われがちですが、
私がお勧めしている薬膳は、ごくごく普通の家庭料理を基本として皆さんに親しみやすいお料理を作っていただいております。

なぜなら、家庭料理は、何よりも私達日本人がはるか昔から、祖母から母へ、母から子供へと伝承されてきた、
私達日本人という民族にとって、一番体に合った食事だからです。

更には、薬膳の基本である「身土不二」及び「薬(医)食同源」という考えを2本柱とした家庭料理を作っていきます。

「身土不二」とは、身と土地とは2つに分けることができない、という意味で、その土地で、その季節になるものをいただくのがその土地に住む人にとっては一番健康によいという考え方です。

最近ですと「地産地消」という言葉で置き換えるとわかりやすいかもしれません。

「薬(医)食同源」とは、薬や医が食と同源という思想であり、「薬」としての「食」の重要性を説いたものであり、その時の自分の体調や季節に合わせて、食材をバランスよく上手に選んでいくことで、日々の健康が保てるという考え方です。

例えば、11月、旧暦で言うと「霜月」は名前の通り、朝には霜が降ちることが多くなり、草木は枯れて、
濡れ落ち葉は道路にへばり付き、空気は乾燥してきます。それに伴い、人の体も皮膚はかさかさ、髪はぼさぼさ、
喉の調子が悪くなって空咳が出てくる、風邪ひきさんが巷に増えてくる、、、という体調の変化が生じてきます。

こんな時期には①体を潤してくれる食材②体の免疫力をつけて、風邪やインフルエンザを寄せつけない体作りに大変良い食材③体を内臓から温めてくれる食材を中心に取っていく、ということが大変重要になってくるわけです。


 

今月のセミナーで使った食材です。

奥には今が旬の果物たち、真ん中にはきのこやレンコン
奥には里芋、そして手前には菊の花など、
今が旬の食材を中心に作っていることがわかるかと思います。




リンゴ、柿、バナナ、西洋梨が見えるかと思います。
バナナは旬がない食材ですが、他の食材はすべて今が旬の食材です。

例えば、、、西洋梨には、体を潤し、タンを取り除いてくれる作用があると言われております。
今回使った西洋梨は、蔵王の「不忘果樹園」さんで栽培している西洋梨です。
園主の山家さんは、堆肥などによる土づくり、有機肥料を使い、農薬や化学肥料をなるべく減らして土作りからしっかりと取り組み、ホームエコファーマーの認定を受けております。
西洋梨はなかなか食べ時がわかりにくく、まるでダイコンのようだと思うときもあるのですが、山家さんの梨には
食べ時シールが貼っているため、食べどきを逃すことなく西洋なし独特のまったりとした味を味わうことができます。

「西洋梨=ラ・フランスと思っている方が大変多いのですが、、、」とお話を進めると、ぽかんと口を開けている方が多かったのですが、、、
西洋梨=ラ・フランスではなく、西洋なしの種類は豊富で、日本では30種類位栽培されております。
今回使わせていただいたのは、酸味も適度にあり、スイーツには大変最適な「ゼネラル・レクラーク」という品種で、
こちらは私が皆さんにおすすめしたい大変美味しい西洋なしです。

きのこは多種ありますが、なんといってもきのこの殆どが免疫力を高めてくれる食材。免疫力を高めてくれますが、
食物繊維が豊富で殆どカロリーがなく、ついつい食べ過ぎの秋には大変嬉しい食材
でもあります。

レンコンは伊豆沼産のレンコン。レンコンは喉に大変良い食材で、民間療法でも、レンコンの絞り汁を飲むと、
喉の痛みにいいと古今より使われてきました。




こちらの里芋はセミナーに通ってくださっている方が畑から掘ってきてくれたものです。
里芋はなんといってもあのネバネバパワーが滋養強壮、胃腸の調子を調えてくれます。


Q:「里芋は、どのようにできていくかわかりますか?」

A:親芋となる種芋を植え付けると、そこから茎がにょきにょきと伸びていって、葉っぱができて光合成がしっかりとなされ、
栄養分が地中の根っこに運ばれて、小芋がどんどんできて、更には孫芋もできてくるわけです。
なので里芋は「子孫繁栄」の縁起物でもあるわけです。




菊「もってのほか」です。
天皇家の家紋である菊を食べるとは「もってのほか」という意味で名前が付けられたそうですが・・・

菊は解毒作用が大きいので、飲み会が多くなるこの時期には菊の酢の物などは大変お勧めです。
そうそう、もってのほかの花びらをよく見てください。くるんと丸まってますね。他の菊はふらっとなんですが、
もってのほかはこのように筒状なため、味がからんで、食感もシャキシャキと美味しい訳です。


上の食材を使って今回皆様に作っていただいたお料理は、「家庭料理」そのものですし、お母さんが毎日作るものですから、
全品完成まで40分足らずと大変調理時間も短く、簡単にできて美味しいものばかりです。




~霜月・お品書き~
   「レンコンと牛肉の混ぜご飯」:トッピング白ゴマ&花椒
   「里芋の明太なめこ味」:柚子胡椒を加える
   「菊の花とワカメの生姜酢和え」:生姜を加える
   「もずく酢ときのこの酸辣湯」:黒酢・ラー油を加える
   「季節のフルーツ・お豆腐ソース」:蜂蜜とメープルシロップ使用
   
「フレッシュセージティー」:
庭から採ってきたばかりのセージでお茶を入れます。セージは強い殺菌力がありますので、風邪予防などに大変良い食材です。




◆  ◆  ◆  ◆  ◆

食材には「薬としての食」という意味があることを理解していくことで、ご家族が食べる食事の用意も
大変意義があるものになってきます。
更に一歩進んで、漢方にも使われている薬効の強い食材、例えば、生姜やごま、花椒、蜂蜜、クコの実、松の実、などを
少量づつ毎日加えることで、冷え性である、疲れやすい、脱毛しやすい、イライラしやすい、不眠症であるなど、
「体質だからしょうがないと今まで諦めてきた症状」を少しづつ改善して、未病の状態で直していくというのが、
私が勧めている優しい家庭薬膳です。
遥か昔、2000年も昔の古代文献には、薬膳という2文字が使われていて、その中には次のような内容の記述があったそうです。

「母親が作る薬膳は情愛のこもる、何ものにもまさる食事である」 

◆  ◆  ◆  ◆  ◆

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