いしころとまとの花野果村(はなやかむら)

野菜ソムリエ全国大会金賞受賞料理教室『花野果村キッチンガーデン』主宰 
いしころとまとのベジフルこぼれ話

野菜、魚、牛

2008-01-15 23:49:52 | 食育コンダクター

昨日、車の中でラジオを聞いていたら、「自分がまだ大人でないな、と感じる瞬間はいつですか?」という質問が耳に飛び込んできました。思わず「いつもだよ。」という答えがでてしまい、そしたらその質問は成人式を迎えた若者が対象だったようで。。。
そのあとすぐに思ったことは、“成人式を終えたばっかりじゃぁ、まだ子供じゃないか”・・・・
その瞬間はすっかり一人前のおばさんの考えになっていたようです。
読者の中にはもう既に成人を迎えられたお子さんをお持ちの方も多いかと思いますので、今日は未来のお孫さんとの食育実習。

 私自身、昨年12月から食育コンダクター養成講座を受けております。
あいコープみやぎが中心となり、昨年11月に設立したNPO法人東北食育実戦協会が認定する資格です。これは知識ではなくて実感する講座で、毎回とても楽しく講師の方のお話しを聞いております。そして今までジグソーパズル的にしかなかった知識がやっと一つの額縁に納まってきたこの頃です。
よく聞く食育。そもそも食育ってなあに?家族そろって食事をとること?好き嫌いをなくすこと?
 実際の食育は食べる現場だけではなく、先日のフードマイレージに代表される流通、食の安心安全。そして自給率の低下や農業従事者の高齢化。さらには地球温暖化の問題など全てを含んでいるものです。ですが今回は“食の安全”について、大好きなチャングムの世界でお話しをしたいと思います。

“チャングムの誓い”。食と医をテーマにしたドラマ。食育コンダクターの講習を受けた昨年の12月にはとてもはっとするお話しがありました。
医女チャングムが、王妃から王様の病気の解明を命じられる所から始まります。。。
“もし、解明できなければ、お前は闇に葬られるぞ”という言葉の元に。
緊迫した状況の中チャングムの探求が始まります。王様の食生活を全てチェック、飲んでいる薬と食品との相互性のチェック。そして実際の食材が何処で作られていたか、どんな環境で作られていたかをしらみつぶしに調べていきます。

             そして原因が解明されます。

原因は当時高価で、王様しか飲めなかった牛乳。
その中にヒ素が含まれていたわけです。牛が飼われていた牧のそばに微量のヒ素を含む温泉が湧いており、そのお湯の入った地下水を、牛が飲み水として飲んでいたのです。
そしてその牛から絞られた牛乳を飲んでいた王様が、肝臓や脾臓を痛め、そして視力も失いかけてしまうという健康障害を起こしてしまったわけです。

                      同じ白い牛乳でも、中身は全然違う。

私たちが母乳を子供に与えていたときには新米ママの健気さで食事に気を遣っていましたよね。
コーヒーを余り飲まないとか、刺激のある物、塩分の多い物はとらないとか。私たち自身が実際に自分の体で実践していた食の安全。
人の命は、「命でのみ」あがなわれております。
その命がどんな環境と条件で育てられた物かをしっかりとした目で見ること。
それは飲み水一つでも見逃せない大切なものであり、まさに今の食の安心安全の世界に通じるものです。

 家畜動物の幸せと福祉。果たしてあんな狭いゲージで飼われている鶏が幸せなのか?この野菜はどんな思いで農家の人が作ったのか?魚はどうやって切り身にされるのか?そんなことを、考えるだけでなく実感する事の大切さ。お孫さんと一緒に牧場の現状を見に行き、牛の優しい目を見ること。命がとても大切であること。農家の人と交流を持ち、農作業の大変さをお聞きすること。マグロの解体をスーパで見て、切り身では海では泳いでいないんだよ。と教えること。そんな身近な触れあいが食育ではないかと、考えております。

 

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4 コメント

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Unknown (吉ちゃん)
2008-01-16 23:35:26
チャングムはずっと見てましたから王様の病気の要因も浮かんできます。いしころとまとさんのこの説明を読んでいると大学の講義を聴いてるようですね。

私の手伝いをしている農家では馬事公苑などの落ち葉を貰ってきてそれを腐葉土にして畑に混入していく方法で美味しい野菜を作っていますが東京のような暖地では虫害も多く露地栽培の野菜は無農薬では虫に穴だらけにやられて商品価値がなくなって出荷も出来なくなるので、最低限度の消毒は(人の害にならない基準内の消毒)やもおえない部分もあるように思います。
その点は生産者と消費者とのギャップはあるかもしれません。 ある国のように日本では許可されない農薬を使って野菜作りをして輸入されてものが見受けられますが私はその国の野菜は絶対て買わないことにしています。
でも自分で作る野菜はなるべく無農薬にして作ろうと努力はしています・・・。 いしころとまとさんの言われる食の選定って結構難しいですね。
吉ちゃんへ (いしころとまと)
2008-01-17 21:15:18
小さな家庭菜園でも無農薬で野菜を育てる事の難しさはとても実感できることですね。企業や生活者が無農薬だ、有機野菜だと要求して、生産者がその声に答えようとして努力する。でも、虫害や、病気に襲われて、作物がならなかったときには、農家の方々は全くの無収入になるわけです。そんなとき私たち消費者、そして企業、国が協力して生産者の生活の補償をして上げる事が、有機農法を続けていく生産者の方々の意欲の元となると思います。更に、それが39%という日本の自給率を上げていく事の太い根っ子になると思います。
こんばんは (えっこ)
2008-01-17 22:28:15
姉妹っていいですね!!
風邪をひいた妹にお姉ちゃんが元気付く様な手造り料理を
もって様子を伺いに訪問するって、1人娘の私には、とても、羨ましい限りです。そんなお姉ちゃんの愛情こもった手料理をチャッカリとお相伴にあずからせて頂きました。
”よっこお姉ちゃま”いつも、ご馳走様です。
「チャングムの誓い」の中での料理の様に色々な具材(野菜、薬味)を入れて、今回はお餅、鶏肉とか入っていたようですが、韓国料理は、本当に健康的で且つ力がつき、そして、美容にも効果的 医食同源ってこんな料理でしょうか?・・・とても、美味しかったです☆☆☆

さて、美味しい料理や、毎日、食している食材は何処の産地でどんな環境の中、、、
先日、テレビで放映されてましたが、北海道のある牧場で
妊娠している牛?馬?が何十頭も並んで大きいおなかを抱えながら走っていました。身重の動物でも、運動させることによって、動物のストレスを取り除き、安産にも繋がる
と云う主旨のものでしたが、綺麗な空気の中、広い牧場を
走っている様はとても気持ち良さそうでした・・・。
食材を生産する側も、食の安全については、色々工夫していると思いますが、利益追求だけに留まらないような、社会全体になればいいですね!!

お正月に”カナダからの手紙♪♪”(カナダのトロントに留学している甥の賀状)がありました。
その内容を1部抜粋しますと「トロントの冬はとても寒い
です。雪も田尻(実家)とは比べ物になりません。食べ物もあまり美味しくなく田尻の”ひとめぼれ”が恋しいです。」とのこと。・・実家の兄がお米を送ったかどうか、後で聞いてみようかと思いますが・・・・・。

食の大切さ、農業の大切さ、色々な視点から考えることが多いですね
えっこたんへ (いしころとまと)
2008-01-17 22:43:49
先日は体調を崩した私を気遣って頂き、ありがとうございます。お陰様で昨日はほぼ1日寝続け、今日はやっと元気になった次第です。
えっこちゃん、そんなによっこ姉のこと誉めたら、もうよっこ姉今頃大喜びですよ。でも、えっこたんが言うように確かにお餅がはいっていたし、相当な数の具材と愛情が一皿に入っていたようで。。。お陰で私の風邪もすぐに治ったようです。医食同源のあの料理、私にとっても初めて食べるお料理でしたが、なんて言う料理なんでしょうか?姉が一生懸命説明をしてくれていたのですが・・・
さてさて、大地を駆けめぐるお腹の大きい牛、馬?のお話し、とても素晴らしいお話しですね。何とも清々しい!!このコメントを見ている私自身がとても清々しい気持になっております。さらには、“カナダからの手紙" love letter from Canadaのような甥っ子のお手紙。トロントの厳しい寒さの中どんなに田尻の美味しいお米が恋しいことでしょうね。
今回はえっこたんのコメントを見て、吹き渡る風を感じておりますよ。

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