水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -53- 朝飯前(あさめしまえ)

2025年01月13日 00時00分00秒 | #小説

 朝飯前(あさめしまえ)と表現される言葉がある。そんなことは朝飯前です・・などと遣(つか)われる言葉だが、分かりやすく言えば、そんなことをするのは簡単なことです・・というような意味になる。ただ、今の世相をよくよく見れば、朝飯を食べてからする人の方が多くなったように思われ、実に嘆かわしいことだ。^^ 中には朝飯を食べてからもされない食い逃げのような方が大勢おられるのは如何なものか…と思われます。政治家の方々は特に耳をかっぼじって、よくお聴き願いたいものです。^^
 いつやらも登場した、とある国会の衆議院本会議場である。
 白富士首相が一生懸命、施政方針演説の質問に答えている。とはいえ、大方は、議会対応をする省庁の職員が頭に鉢巻を撒いて練り上げた文面に違いなかった。^^
「今、申し上げましたような経緯で現在、進捗しておりまして、百年後には特例法の上程は必要なきものと確信を致しております。以上で、ありますっ!」
 その後、百年後を見据えた財政再建法は、衆参両院の満場一致で可決成立を見た。かくして、我が国は膨張する国債発行残額の財政破綻の危機から脱したのである。めでたし、めでたし…。^^
 とは、夢のようなお話ですが、朝飯前にやって下さる不言実行の議員の方々の御登場を期待しております。^^

                   完


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