-17- レジと同じタイトルですが、別話です。^^
最近の世相は全自動を心がけているのか? までは分からないが、機械化が進捗しつつある。まあ、機械化自体は悪くはないが、どうもスキンシップに欠けて味気ないから、私の好みではない。よくよく考えれば、全てをセルフで熟(こな)すというのは建前で、企業サイドの人件費削減が、どうも見え隠れする。^^
雨が鬱陶しく降っていた。だが箱川は、そんなことにはめげず、とあるDIY専門店へ買物に出た。最初の店は類似品があることはあったが、それが適合するかどうかが箱川には分からなかった。しかし、そのまま買わずに帰るというのも…と思った箱山は一か八か買って帰ることにした。支払いはセルフの全自動レジだった。帰路、相変わらず雨が降り続いていた。帰ってその品を装填すると、動くことは動いたがどうも力不足で機動に覇気がなかった。仕方がない…と、箱川は次に思い描いた店で適合品を買うことにし、雨の中、家を出た。ところがその店は休日で閉ざされていた。箱川は、ダメか…と諦めかけたが、ここで箱川の不屈の闘志が箱川を援護した。雨は相変わらず降り続いていた。
『お前はこのまま帰るのかっ! それでいいのかっ!』
メラメラと燃え滾(たぎ)った不屈の闘志は、箱川を別の店へと誘(いざ)った。そして、雨にも負けずその店へ入ったとき、その店には適合品が入荷していた。レジには店員がいて全自動レジではなかったが、どこか温(ぬく)もりがあった。箱川はその品を買うと一目散に家を目指して帰宅した。帰ってすぐ、その品を装填すると順調に回転し始め、以前と遜色(そんしょく)なく起動した。箱川はホッ! としながら、安息の息を吐いた。雨は相変わらず降り続いていたが、箱川の心は晴れ渡っていた。
箱川さん、晴れ渡ってよかったですね。^^
完