水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

世相ユーモア短編集 -82- エネルギー

2025年02月11日 00時00分00秒 | #小説

 ガソリンの高値が最近の世相に見受けられるが、すでに化石燃料に頼る時代は終わっているのではないか…と思える。電気自動車[EV]がすでに実用化されてはいるが、これとて電気エネルギーを作るにはそれなりにコストがかかるのである。光、地熱、風力、原子力などで電気を作ってはいるが、画期的な新エネルギーの発明や発見がない現状だ。何かいいエネルギーは? とアホな私が力んだところで、どうしようもない訳だが…。^^
 とある大学の新エネルギー開発研究所である。助手と教授が、訳の分からない装置を動かそうとしている。発明された機械の試運転が始まるのである。
「豆崎君、確認はいいかね?」
「はい先生。準備OKです…」
「よしっ! これでプラズマが発生すれば、人類の新エネルギーとなるだろう…。秒読してくれ!」
 蕎麦教授は口ではそう言いながら、内心では私も、いよいよノーベル賞か…とニンマリした。
「はいっ! 10、9、8、7、6、5、4、3、2…」
 言われた助手は小声でカウントダウンを言い始めた。そして、カウントがゼロになった瞬間、教授は始動スイッチのボタンを力強く押した。すると、機械が順調に始動し・・とはいかず、空中分解して白煙が研究所内に立ち込めた。二人は居ても立ってもいられず、すぐにドアを開けると室外へ退去した。
「先生、ダメでしたね…」
「ああ…」
 二人は煤(スス)だらけになった顔を見合わせ溜息を吐いた。かくして、二人のエネルギー開発は続いていくのでありました。^^
 化石燃料による地球温暖化が叫ばれる今の世相ですが、新しいエネルギーが発明、発見されることを祈るのみです。^^

                   完


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