気楽に生きられれば、それに越したことはない。最近の世相は殺伐さを一層、増し、生き辛(づら)くなっていることは、皆さんも心当たりがお有りだろう。一歩、家の外へ出れば、気楽に行動出来ないのである。実に、困ったことだ。鬼は外ぉ~~! っと追い出した鬼達が、待ち構えているのである。^^
杉坂は、さあ来いっ! とばかり、家で見えない鬼達を待ち構えていた。外へ出れば、鬼達が待ち構えていることは明々白々だったから、籠城策を取ったのである。^^
「それにしても鬼達のヤツ、遅いじゃないか…」
そう杉坂が独りごちたとき、ピンポ~~ン! と家のチャイムが鳴った。
『来やがったか…』
身構えた杉坂は、入口ドアを静かに開けた。
「書留です。ハンコ下さい…」
入り口前に立っていたのは郵便局の配達員だった。
「はい、ちょっと待って下さい…」
杉坂は認印を取りに奥へ戻った。そして、書留を受け取った。その書留は故郷の親からの送金だった。鬼どころか、福だったのである。杉坂は、そうか、こういうこともあるんだな…とニンマリした。
家の外には鬼も多いですが、福もいることはいるんですよ、杉坂さん! 疑心暗鬼になってビクビクせず、気楽に外へ出ましょう!^^
完