老人施設でお世話していたおばあさん、夜おしめ交換に行ったら、「もういいよ」「ありがとう」と小さな声でおっしゃりました。
いつもの言葉だと思っていたら翌日亡くなった。
さすがだと感心しました。
そこで思い出した一休さんの言葉。
一休さんが80歳の頃、
応仁の乱で西の総大将を務めた武将、山名宗全が病床で不安になったのか一休禅師を呼んだ。
見舞いに来た一休は
『なんじすでに末期な
り、我もゆき人もゆく
。ただこれ一生は、夢の如く、幻の如し』
と言葉を掛けたそうです。
宗全は安心して往生したそうです。
「あんたはもうじき死ぬだろう。
だけど、あんたは一人
じゃない、私もゆき、
他の人達もゆくのだか
ら不安になることはな
い。あんたも愛や名誉
など、いろいろあった
ろうけど、人の一生は
夢、幻だよ。喝!(かーつ)」
凄い言葉を掛けたと驚きました。
見事なあのおばあさんも自分だけでなく誰もが行く道だからと落ち着いていたのでしょうか。
また、江戸末期に物外(もっがい)という名僧があるお殿様に依頼されて正月の床の間ように書いて渡した書があります。
『婆死ぬ、嬶(かか)死ぬ、倅(せがれ)死ぬ、孫死ぬ』
正月に死ぬばかりの書に驚きませんか?
縁起が悪いと思いがちです。
順序よく死んでゆくことがめでたいという意味です。
順序が逆になっても、後悔や憎しみを持たないことがめでたいとの意味もあります。
何か勇気が沸いて来ませんか。
まだまだ生かされているのだから明日も頑張りましょう!
感謝