この時間は女房が二階の雨戸を閉める
雨戸を閉めて、下に降りてくると私に話しかけた
「今、土手をおばあさんが杖をついてトボトボと東に歩いて行った」というのだ
私はすぐに察して「見てこい、と言うことだね」と土手に向かった
大井川の土手に歩道はない
車はひっきりなしに通るので歩く人は滅多に居ない
土手に登ると、居たいた
50mばかり先の右端を確かにトボトボと歩いている
後を追った
追い抜いて振り返り「おばさん、どこに行くだね?」と尋ねた
町内の人だと分かった
「家に行くだよお」当たり前とばかり、応えた
「おばさんは、二丁目じゃないの?」
「三丁目、、そこを左に曲がるとすぐだ」
間違ってはいないが、私の家の前の通りを左に曲がるべきだった
数百mは遠回りになる
話はしっかりしているので認知症ではないようだが
判断は大分間違っている
結局家の前まで15分ほどかけて送っていった
「もう、土手を歩いたら駄目だよ、危ないから」
「遠いっけな~」
おばさんと別れて家に向かうと、女房が心配になったのだろう探しに来た