墓参りでお寺に行ったとき、金木犀が見事に咲き、香りが充満していた。
家にも金木犀の木があるから名前はもちろん知っている。
ところがだ、この名前が出てこない。
女房に聞いた。
家にもある木で小さな黄色い花がこの時季沢山咲き、香りの良い物。
暫く考えて「金木犀」と答えた。
私の方がまだ大丈夫そうね、そう言って女房が笑った。
私の頭の中では『金木犀』はよく知っている名前。
しかし、この木が話題になるのはこの季節ぐらいしか無い。
そしていざ、名前を思い出そうとすると口から出てこない。
こういうことが日に何度かある。
過去に散々話題にしてきた。
だから、概念としてどんな物かははっきり分かっている。
名前も言い慣らしてきたから口の先まで出ようとしている。
ところが、出てこない。
このまだるこしい気持ちを理解して貰えるだろうか。
まるで物当てクイズのように、誰かに尋ねる。
君、これ判る。
ほら、この季節に黄色い小さな花を咲かせる良い匂いの木。
白い花もあるがそれは少しだけ名前が違う。
ほら、金と銀。
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