そもそも今回の演奏と録音の経緯とは、
私の不確かなキオクを辿ると、
「紫のルン」が完成して監督にCDを送らせてもらったところ、東京で御馳走して戴けるという連絡をもらうところから始まります。
少しは躊躇するも、暫くお会いしていなかった監督からのせっかくのお誘いを断る理由はないと、
今年の夏に久々に上京する事に。
浅草の元祖江戸前鮨の古典的技法を守り続ける老舗、「辧天山美家古壽司」で御馳走して戴き、これまでの20タイトル以上の「virtual trip」誕生話に話は咲きました!
話は逸れますが、
その店の何代目かの大将の話によると、江戸前鮨のルーツは吉野の柿の葉寿司で、もともとは腐りやすい魚介を食べる為の保存の智慧が、江戸にも伝わり江戸前にぎりが誕生したという事でした。
今も、その吉野の柿の葉寿司の老舗とも交流をされていて、鮨一貫々全てが、その昔ながらの保存の智慧が施された手間暇をかけて作られた一品揃いでした。
御馳走様でした!
日本のどんな文化も、「発祥は関西!」を再認識させられました!
そんな、この上京を機に東京でも「ヒーリングピアノ」を広めたいという想いのあった私に、出発直前にベーゼンドルファーが置いてあるレストランの話が舞い込みます。
明日そこに下見に行くと監督にお伝えすると、
「私も行きま~す!」
と、快い即決のお返事。
そして翌日監督さんは本当に「白龍館」に現れたのでした。
「1曲弾かせてもらったら・・・」
監督のいう言葉にその時弾いた曲が「3・11」。
その間監督は、音の響きや会場の隅々をくまなくチェックしていました。
「ここで録音も収録も演っちゃいましょう!
3カメで撮っちゃいますから、
いつが良いですか?
今からだったら11月とかどうですか、
11月24日に演奏会、25日に次の「virtual trip」の新作の音の録りもここでやりましょう!」
あっ言う間にあっさりとこの日が決定してしました!
行動力に欠ける私一人だったらまず決まってない話です。
監督は「virtual trip 美瑛 富良野」第二作目の撮影を既に終了されていて、
それがこの11月の2日間で同時に行われる事になってしまったのです!
私はその時、本心焦っていました・・・
というよりは動揺していました。
私がまだ本格的にピアノを弾く事になる前に、監督にセッティングされた「癒しのさくら」の収録、
LIVEレコーディングでその時は二日でDVD二枚分、20以上の曲を録りました。
その時以来の生収録、
私の一番逃げ回っていた苦手な事が再びこのタイミングでセッティングされる事になります。
さらにしかも・・・
演奏会の模様も収録すると言っているのです!
「松ちゃんも私もいつ死ぬか判らないから、記録は撮っておきましょうよ。」
確かに仰る通りです、
10年以上かけて撮られ続けた「桜」や「屋久島」や「四万十川」のアーカイブの中には、今では自然災害による台風や寿命で観れなくなった貴重な樹や映像の記録もあります。
「でも・ちょっと待って下さい・・・、私は桜の樹でも・屋久島でも・四万十川でも何でもありません・・・。」
非常に在り難いお言葉でしたが、
それが本当に遂行される事になるとは、その時は半信半疑の私が居ました。
あっという間に月日は流れます。
そしてこの日、演奏会の収録を本当に実現して戴く事となります。
今回「白龍館」にとっても本当に初めての事だらけだったみたいで、大変ご迷惑もおかけしましたが色々なハプニングにも誠心誠意の御協力と万全のサポートをして戴きました。
殆ど何も事前打ち合わせのないまま、
3台のカメラや照明が入り、スイッチングのモニターブースまで設置され、撮影の為にピアノは移動され店内のテーブルのレイアウトも変更。
挙句の果てにリハーサル中に震度4の地震まで、
かなりの電車が止まっているという情報に開演を遅らせる始末。
最近の演奏会では、月や・雷や・豪雨など大自然からの現象が立て続けに起きていたので、
ここまで続くと少し畏れを抱かるを得ません。
本当に戦場の様な、バタバタと通り過ぎた本番までの2時間でした!
前オーナーは深い想いを持たれてこの会場を造られたとお聞きしています。
全てがガウディーの様な手造り感のある素晴らしい造形物です。
それが、その想いも半ばにして3年前に急に他界されました。
今はその娘さんが受け継がれていますが、囲碁の世界では有名な女流棋士(きし)さんでもあります。
正面奥の写真が亡くなられたオーナーさんです。
まるで私の演奏を観護ってくださっている様でした。
写真提供:Hagi
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