君看よや双眼の色
語らざれば憂いなきに似たり
君看双眼色 不語似無憂
(訳1)
君看双眼色 不語似無憂
(訳1)
あの人の眼を見てごらんなさい、いつも静かに微笑んで、つらいとか苦しいとか、こんな目にあったとか、大げさにいろいろ述べたりしない。だけど、そうであればあるほど、その人が心の中に蓄えた憂いというもの、あるいは苦しみや悲しみというものは、こちらにも惻々として伝わってくるではありませんか。
(訳2)
多くを語らないからといって、あなたは私の両目に宿っている深い憂いの色を感じないのだろうか。
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とっても味わい深い句。
私が今まで出逢った日本の和歌、唄、句で、最も味わい深い。
最も「分かりにくい」と言うべきか。
こう言う「分かりにくい」けど、なんだか「味わい深い」句を持つ日本語と日本文化を誇りにすら思う。
芥川龍之介が愛唱し、良寛も愛唱した。
書はこちら 芥川龍之介→良寛→白隠 -酔中夢書2009
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どこかの本で読んで、思い出した句。
(同時並行的に10冊くらい読んでいるので、パッと思い出せない、、)
今までもすれ違って、その度に「味わい深いけど、よく分からない」と思ってスルーしてきた。
今回こそは暗唱して、そのスピリットというか精神というか息吹を、叩き込もう。
上記の訳だと、訳1の方が圧倒的にいい。ネット情報も当てになりませんね。
訳2だと、俺の目を見ろ、俺の真意を察してみろ、この眼つき・顔つきから、何かを汲み取れないのかお前は、ということになってしまう。そんな傲慢な句ではないはずだ。
以下のnoteからすると、五木寛之『大河の一滴』にも引用されている一句らしい。