昨日の夜は、菅浩江の小説『永遠の森 博物館惑星』を読んでおりました。
時は近未来。
舞台は地球の衛星軌道上に浮かぶ博物館惑星アフロディーテ。
美術・芸術・動植物等を分析・鑑定・保存を行っている巨大博物館。
音楽・舞台・文芸部門と絵画・工芸部門と動植物部門に分かれ、それぞれに独自のデータベースを持っており、学芸員達はデータベース・コンピュータに直接接続されていて、分析や鑑定や研究をおこなっている。
主人公は、各部門に収まらない作品やパフォーマンスを巡っておこる問題を調停し収集する総合管轄部署の学芸員。
設定はSF、ジャンルはミステリーの九つの物語。連作集です。
美に対して、分析や解析を進めていくとするりと本質から逃れていくような感覚になる。
しかし言語化しないと説明は出来ない……。
そんな美や芸術にどう向き合えばよいのか?
人間にとって芸術とはどのようなものなのか?
美しさを感じる人間の感情とは?
そんなお話しです。
ロマンチックで切なくて暖かくて綺麗なお話でありましたよ。
お勧めです。