狐の日記帳

倉敷美観地区内の陶芸店の店員が店内の生け花の写真をUpしたりしなかったりするブログ

働かざる者食うべからず。自分の餌は自分で確保しなさい。

2017年03月16日 20時50分52秒 | 知人、友人に関する日記





 本日3月16日は、新バビロニア王国がエルサレムを征服した日で、カリグラがローマ皇帝に即位した日で、長屋王が謀叛の疑いで邸宅を包囲されて自害した日で、イングランドでオリバー・クロムウェルが軍を率いて長期議会を解散させた日で、スウェーデン王グスタフ3世が銃撃された(3月29日に死亡)日で、ウィレム1世がネーデルラント連合王国の初代国王に即位した日で、世界で最も古いサッカー大会・FAカップの第1回大会の決勝戦が行われた日で、『時事新報』の社説として福沢諭吉の脱亜論が掲載された日で、アーサー・エヴァンズがクレタ島のクノッソス遺跡を発掘した日で、鈴木梅太郎がビタミンB1の抽出に成功した日で、アドルフ・ヒトラーがドイツはヴェルサイユ条約を破棄して再軍備すると宣言した日で、衆議院本会議の国家総動員法案賛成演説で社会大衆党議員の西尾末広が「スターリンの如く大胆に」と発言して他党から問題視されて議員除名が決議された日で、片岡仁左衛門一家殺害事件が起こった日で、徳田要請問題で日本共産党書記長である徳田球一が衆議院の証人喚問を受けた日で、ベトナム戦争でアメリカ軍によるミ・ライ村虐殺事件が起きた日で、イタリアの元首相アルド・モーロが極左テロ組織「赤い旅団」により誘拐(後に殺害される)された日です。

 本日の倉敷は晴れのち曇りでありましたよ。
 最高気温は十二度。最低気温は三度でありました。
 明日は予報では倉敷は晴れとなっております。










 鍋はぐつぐつ煮える。
 牛肉の紅はお師匠様の素早い箸で反される。白くなった方が上になる。
 斜に薄く切られた葱は白い処が段々に黄色くなって褐色の汁の中へ沈む。
 箸の素早いお師匠様は晴着らしい付下げを着ている。
 傍に和柄鞄が置いてある。
 御酒を飲んでは肉を反す。
 肉を反しては御酒を飲む。

 狐はお師匠様に御酒を注いで遣る
 狐の目は断えずお師匠様の顔に注がれている。
 永遠に渇しているような目である。
 目の渇きは口の渇きを忘れさせる。
 箸の素早いお師匠様は二三度反した肉の一切れを口に入れる。
 白い歯で旨そうに噬む。
 永遠に渇している目は動く顎に注がれている。
 白い手拭いを畳んで膝の上に置いて割箸を割って手に持って待っている。

 お師匠様が肉を三切れ四切れ食べた頃に、狐は箸を持った手を伸べて一切れの肉を挟もうとした。
 お師匠様に遠慮がないのではない。
 其れならと云ってお師匠様を憚るとも見えない。
 「待ちなさい。其れはまだ煮えていません」
 狐はおとなしく箸を持った手を引っ込めて待つ。

 暫くすると、お師匠様の箸は一切れの肉を自分の口に運んだ。
 其れはさっき狐の箸の挟もうとした肉であった。
 狐の目は又お師匠様の顔に注がれた。
 其の目の中には怨も怒もない。
 ただ驚がある。

 狐は驚きの目をお師匠様の顔に注いでいる。
 食べてよいとは云って貰われない。
 もう好い頃だと思って箸を出すと、其の度毎に「其れは煮えていません」を繰り返される。

 驚の目には怨も怒もない。
 しかし卵から出たばかりの雛に穀物を啄ばませ、胎を離れたばかりの赤ん坊を何にでも吸い附かせる生活の本能は、驚の目の主にも動く。
 狐は箸を鍋から引かなくなった。

 お師匠様の素早い箸が肉の一切れを口に運ぶ隙に、狐の箸は突然手近い肉の一切れを挟んで口に入れた。
 もうどの肉も好く煮えているのである。
 少し煮え過ぎている位である。

 お師匠様は切れ長の目で狐の顔をちょいと見た。
 叱りはしないのである。
 只これからはお師匠様の素早い箸が一層素早くなった。
 代りの生を鍋に運ぶ。
 運んでは返す。
 返しては食べる。
 しかし狐も黙って箸を動かす。
 驚の目はある目的に向って動く活動の目になって其れが暫らくも鍋を離れない。
 大きな肉の切れは得られないでも小さい切れは得られる。
 好く煮えたのは得られないでも生煮えなのは得られる。
 肉は得られないでも葱は得られる。


 美味しいものは実力で得るべし。
 鍋を食するは知力と速さと胆力の限りを発揮し死力を尽くす闘いである。

 其の夜。狐とお師匠様は死力を尽くし闘い抜いた。
 凄惨なり。相争う者共よ。
 狐とお師匠様は激闘の末、ふらふらになってお店を出た。
 そして御互いの健闘を讃えあい、家路についたのだった。


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『第31回倉敷音楽祭』は3月18日と19日と20日がメインの日であります。

2017年03月16日 19時01分15秒 | 案内、告知、宣伝






 お知らせです。

 『第31回倉敷音楽祭』は3月18日と19日と20日がメインの日であります。

 「地域間文化交流」をコンセプトに日本各地の特色ある芸能文化を紹介する倉敷音楽祭。
 今回は倉敷・児島・玉島の合併50周年を記念したお祭りでもあります。
 詳しくは、アルスくらしきさんの第31回倉敷音楽祭のHPをご覧ください。
 倉敷に春の訪れを告げる倉敷音楽祭。
 楽しめると思いますので是非是非倉敷美観地区にお越しになって下さいませ。



 あかりで倉敷美観地区一帯を彩るイベント『倉敷春宵あかり』は、3月18日と19日はスペシャルデーとなっております。
 詳しくは倉敷春宵あかりのホームページをご覧くださいませ。
 様々な優しく暖かい明かりが灯された夜の倉敷美観地区一帯をそぞろ歩くのは如何ですか? 
 楽しめると思いますよ。

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Down at the edge, close by a river.Close to the edge, round by the corner.

2017年03月16日 19時00分17秒 | その他の日記




In her white lace, you can clearly see the lady sadly looking
Saying that she'd take the blame
For the crucifixion of her domain





 大韓民国の政府は日韓合意を踏みにじったまま何もしていません。
 この状態で日本が駐韓大使を帰任させたら大韓民国の政府に間違ったメッセージを送ることになります。
 そしてこの状態で日本が駐韓大使を帰任させたら、新たに選出される大韓民国の大統領は日韓合意を無視するでしょう。
 そもそも、日韓基本条約と財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定で、日本が朝鮮に投資した資本及び日本人の個別財産の全てを放棄するとともに約11億ドルという当時としては超巨額な無償資金と借款を援助することによって、日韓間の両国間及び国民間の請求権に関する問題は完全かつ最終的に解決されていることが確認されたはずなのに、大韓民国は利益だけ奪って日本との約束を何度も何度も破ってきました。
 新たに選出される大統領の情報収集は駐韓大使が帰任しなくても可能です。
 そして国と国との約束事を一方的に破り踏みにじる相手は信用できない相手なので、信用できるようになるまで交渉すべきではありません。
 交渉したところでそれが守られるかどうかは分からない相手なのですから。
 そのような信用できない相手とパイプを作る必要はありません。
 それにそんなことをすれば、相手は勘違いして約束を破ることはかまわないことだと認識する可能性があります。



 ところで、我が日本と大韓民国との関係をここまで悪化させた張本人である某新聞社や某野党幹部は何をしているのですかね?
 全世界に自らが発した情報の訂正を行って少しでもこの問題の解決の手助けをするのが本来の筋ではないのですか?
 でも貴方達は完全に開き直っていますよね?
 煽るだけ煽って知らん顔。でも海外に情報発信する時は誤報を発表する前と同じ表現をしていますよね?
 海外ではこの件でいまだに煽っていますよね?
 事実とは異なることで煽って煽って様々な人達との分断を図っていますよね?
 それで結局は大韓民国を窮地に陥れていますよね?
 貴方達は大韓民国を滅ぼしたいのですか?
 新聞社は戦争を始めることができます。そして国を滅ぼすことができます。
 某新聞社は太平洋戦争で前科がありますよね? 煽って煽って煽った挙句に日本を一度滅ぼしました。そしてそのことに対して一切反省をしていません。
 某新聞社はもう一度同じことをしたいのでしょうか?
 某新聞社が煽って煽って煽った先に何があるのでしょう?
 疑問に思っているところなのでございます。


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『QED 六歌仙の暗号』/高田崇史

2017年03月16日 12時28分45秒 | 小説・本に関する日記




 昨日の夜は、高田崇史の小説『QED 六歌仙の暗号』を読み直していました。

 明邦大学ではとある事情で七福神に関する研究は禁止されてる。
 しかし、明邦大学文学部4年の斎藤貴子は、かつて卒業論文で七福神について調べていた兄の遺志を継ぎ、禁止されている七福神の調査を開始する。
 彼女は、大学の先輩である桑原崇に協力を求めて……。

 歴史ミステリ小説で「QEDシリーズ」の第2弾目であります。




 和歌や短歌や俳諧や川柳や都都逸などは、言葉通りに解釈しても面白い或いは美しい情景が浮かぶのだけれども、ほとんどは複数の解釈が出来るように作られていて解釈の仕方次第で全く別の意味合いに変化してとても面白いのです。
 さらに作品を集められた作品集は選者の意図が入るので全く別の意味が付け加えられたりするのです。
 二重三重の意味を持ち人によっては何十通りもの解釈ができる。そして複数の意味が混じりあって深い味わいを醸し出す。
 作者や選者の来歴を知っていると解釈の幅が広がるし、当時の常識をある程度知っているとさらに解釈が増す。
 僅かな文字数で構成された奥深い深い世界。
 とてもとても面白いのです。


 日本の神社やお寺も複数の意味を持っています。
 皇室は日本神道の要ではありますが、神社各々の創建当時の思惑からすると全ての神社が皇室に無条件に従うわけではないのです。
 朝廷に深い恨みがあるからこそ祀られているケースが多いのです。
 それ故に皇室が立ち入らない立ち入れない領域もかなりあるはずです。
 多くの国では異論を持つ者や不満を持つ者や逆らう者は皆殺しというやり方をしてきました。
 しかし日本は古来から上手に世論対策をしてきたと言えるでしょう。恨みを持つ人達を宥め鎮めていたのですから。
 そして神社やお寺は人々の祈りや願いによって意味が付け加えられて変化していくのです。

 呪は人々の心に作用させる技術であって、良い心持とさせるならば祝いであり悪い気持ちにさせるならば呪いとなります。
 そして呪いを祝いに変える方法も存在していて多くの神社やお寺はそのようにして成り立っていると言えます。


 ただ、昔々の約束事や上手に世界をまとめる方法の意図の部分は伝えられなくなり、それらが生まれた当時の常識は忘れ去られ、風習や文献や文化だけが生き残っていて、現代を生きる私達には分かりにくいところがあります。
 でもだからこそ、その部分を解釈していくのはとても楽しいです。

 伝統はただ残っているのではなく良いものだからこそ残っているのです。
 でも人々が意味を分かろうとしなくなれば簡単に消え去ってしまいますね。
 多分、これから多くの伝統が消え去ることでしょう。
 文化とは儚いものです。


 この小説に描かれていることは小説なのだから当たり前ではありますが一つの解釈にすぎません。
 でもこの小説に描かれている解釈はとても面白いです。
 この小説(この小説のシリーズ)は、遥か昔から伝わるものを私達はついつい現代の常識で考えてしまうのですが、遥か昔の常識を踏まえた上で考え直してみる試みなのです。



 面白いですよ。
 お勧めなのであります。

コメント (2)
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