舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

常識も幸せも捨てて暴走する恋愛感情に震えろ!「Red」観てきました。

2020-03-10 23:14:42 | Weblog


T-JOY新潟万代で「Red」を観てきました。





予告編はこんな感じです。



過激な内容が話題になったという島本理生さんの原作小説を、三島有紀子監督が映画化ということで、原作は未読なのですが気になっていました。
内容は、真面目な夫と可愛い娘と何不自由ない裕福な家庭に暮らしながらもどこか息苦しさを感じていた専業主婦の塔子が、十年前の恋人・鞍田と再会したことで気持ちを抑えられなくなり、彼の働く職場に就職してしまう、そして恋愛感情が暴走していく…というもの。

個人的な話をしますが、今までこういう映画を観ても、いや、主人公そこは我慢しろよ!とか、話し合いで解決しろよ!思ってしまう自分がいました。
しかし、本当にこれは個人的な話ですが、昨年久し振りに恋愛というものを体験した私は、そういう状態でこの映画を観ると、まあ気持ちが分かるし気持ちが燃え上がるわけですよ!

何歳になろうが、人は高ぶる気持ちを抑えられなくなる時がある、人を好きになってしまうのはそのくらい危険な行為なんだと、もう身を以て実感していた自分は、この映画を観てその気持ちが核心に変わりましたね。
おい、塔子!子供もいるのに流石にお前ダメだろ!とツッコミたくもなる自分もいましたが、でもねえ、あの状況であんな出会い方しちゃったらねえ、戻れないよねえ…と、何だかんだ余裕で主人公に感情移入できてしまう自分もいました。

凛とした美しい無表情の中に狂気を隠した主人公の塔子を演じた夏帆さん、過去最高のベストアクトじゃないでしょうか!
孤独で危険な香りが漂う妻夫木聡さんの色気も、理想的なエリートサラリーマンの父親のようで実は妻に依存してしまう弱さも併せ持った間宮祥太朗さんも、本当良かったな…

そう考えると、誰一人としてちゃんとしたまともな人間が登場しない三角関係な物語だなあと気付かされるわけですが、まあ、恋愛ってそういうものなので!っていう原作者の強い意志を感じるし、実際そんなものだと僕は思います。
そして、塔子を好きになる、チャラい柄本佑さんが演じた職場の同僚が実は一番の常識人でもあるという絶妙な脚本がまた面白い。

こういう危険な愛を描いた映画がどうしてこんなに胸を打つのか、登場人物に感情移入してしまうのかと考えたら、それはやっぱり、感情の変化を物凄く物凄く丁寧に描いているからだと思うんですよね。
こういう不倫モノとかって、描き方によっては、観客が彼らを俯瞰した状態で物語を楽しむコメディになったり(一つ前に書いた「グッドバイ 嘘からはじまる人生喜劇」がまさにそう)、描き方が下手だとただ単にムカつく奴らしか出てこない胸糞悪い作品にもなってしまいかねないと思うのですが、本作はやっぱり丁寧な描写によって主人公に思わず感情移入させられてしまう力がありました。

危険な男女の物語であり、濡れ場もあり、その中で激しい感情の動きを表現するというのは、すごくピンク映画的な映画なんだろうなと思いました。
こういう、激しいエロと激情が爆発するような映画、本当に大好きなので、こんな映画がシネコンで観られて幸せでした。

あと、余談ですが、新潟の豪雪地帯で撮影している場面や、FM NIIGATAが流れる場面なんかも登場したので、新潟県民の人は観たらいいんじゃないでしょうか。
というわけで、新潟県民、特にピンク映画好きとFM NIIGATAリスナーにはおすすめです!
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