舞い上がる。

日々を笑い、日々を愛す。
ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

【書き起こし】トークイベント「月刊おはなし図鑑」第1回(ゲスト:千葉仁さん、トークテーマ:「ドラゴンボール」について)

2019-01-23 22:43:29 | 月刊おはなし図鑑


今年の1月から月一で行っていくこにしたトークイベント「月刊おはなし図鑑」。
その第一回は、1/22(火)に行い、ゲストは千葉仁さん、トークテーマは「ドラゴンボール」でした。



詳細は告知に。
【お知らせ】トークイベント「月刊おはなし図鑑」始めます!第1回ゲストは千葉仁さん!(1/22、ちず屋の2階)

また、終了しての報告はこちら。
トークイベント「月刊おはなし図鑑」第1回、千葉仁さんドラゴンボールを語る!終了しました!



さて、このトークイベント「月刊おはなし図鑑」の目的は月一で一年間続けることと、一年間続けたら文章にして書籍化することです。
なので、トークの内容は書き起こしていこうと思うのですが、せっかくなので、書き起こしたものをブログで公開していこうと思います!

最初なので色々まだ慣れていないし下らない内容ですが、それなりに面白いと思うので、よかったら読んでみてください!
それでは、どうぞ!



トークイベント「月刊おはなし図鑑」第1回(2019.01.22 ゲスト:千葉仁さん)



ちひろ こんばんは。
よしこ こんばんはー。
ちひろ 今日から新しく「月刊おはなし図鑑」というトークイベントを一年やっていくことになりました。
よしこ なりましたー。
ちひろ ちひろBLUESです。
よしこ よしこです。
ちひろ で、始めていくに当たって、どういうことをやりたいかっていうのを、ちょっとお話しておきたいんですけど。前に軽くツイキャスでも話したんですけど。12月の年末に「ちひろdeアート」っていうイベントを一週間やって、その中で毎日違う人のトークライブをやったのが結構自分としても面白かったので。
よしこ 面白かったね。
ちひろ よしこさんも出てくれて。
よしこ 出ましたね。
ちひろ ああいうことを今後もやっていこうじゃないかと。で、一人でやるのもアレだから。
よしこ 何故か誘われた。適当に。
ちひろ よしこさんに適当に声をかけて。
よしこ 多分この毛髪のコントラストで選ばれたんじゃないかと私は思っています。
ちひろ やめなさいよそういうの!だって、「月刊おはなし図鑑」ってタイトルに決まる前に、この人タイトル、なんだっけ。
よしこ ロン毛とハゲ!
ちひろ ロン毛とハゲにしようぜとか言い出して。ひでえ話ですよ本当に。というわけなので、まあ、あの、トークイベントをゆるく一ヶ月に一回やるのを一年くらい続けてみようっていう、そういうことを考えていて。
よしこ で、最後に「月刊おはなし図鑑」ってつくから、一年分データ溜めて、今日の分から開始して、本当に図鑑にしたい。
ちひろ そうそう。本当に図鑑にしようという。
よしこ 書籍化したい。
ちひろ それはどこで売るんですか。新潟コミティアですか。
よしこ 何すかそれ?
ちひろ 何でもないです。で、新潟の何とも言えない面白い人達を呼んで、そういうことやりたいなっていう気持ちがあって。
よしこ 今までね、病気関係イベントが多かったけど、今回のイベントは、病気から離れて、付かず離れず。
ちひろ 別に病気の話をしてもいいんだけど、したい人が来てたら話すけど、別にこっちから強要はしないで、っていう感じです。別に病気の話はしないで、ふざけた話を一時間やって終わってもOK。そういう感じ。病気の話だけしてると…
よしこ 病人しか来ねえからな!
ちひろ ハハハ…!語弊があるけど、要するに、間口が狭くなっちゃうっていう。
よしこ そうそう。
ちひろ 病気って言うと行きづらい人も多分いるんで、そうじゃなくて、普通のエンターテインメントとしてのトークショーをやって、だけどまあ、病気の人が出ても別にウェルカムなっていうスタンスはまあ持っている。
よしこ 病気ならガンガン語れるしな。
ちひろ でも第一回目は病気とは全然関係ないことを。
よしこ 健全なやつを。
ちひろ まあ、そんな感じでね、ゆるい感じでやっていくんですが、新潟の、面白おかしい人達をいっぱい呼べたらいいなあと僕はざっくり考えています。
よしこ うん。県外からも呼びたいね。
ちひろ 県外からも呼びたいですね。
よしこ 愛知県に住んでるサムライとか。
ちひろ 愛知県に住んでるサムライは呼びたいですね。
よしこ 新潟出身成宮アイコ様とか。
ちひろ 成宮アイコさんも呼びたいですね。
よしこ あと、すげえ後光射してる、県内だけど、月乃さんとか。
ちひろ 月乃さんね。ハゲ界の新潟代表。
よしこ うん。月乃さんも呼びたいし、あと一番呼びたいのは乙武さん。
ちひろ 乙武さんを呼びたいという。だから意外と、よしこさんが色々な人を呼びたい呼びたいって言ってくれたってのもあって、じゃあ一緒にやろうみたいな、そういう感じです。
よしこ うんうん。
ちひろ なんか(「ちひろdeアートが)終わった直後に、乙武さんを呼ぼうじゃないかみたいなことを、よしこさんが言ってきて、じゃあ俺もトークやりたいし一緒に。
よしこ やるかーみたいな。
ちひろ 別に乙武さんのためだけにやるわけじゃないですけど、呼べるかも分からないですけど。まあやっていこうっていう、そういう感じでございます。
よしこ うん。
ちひろ まあ、月一で、とりあえず今日はちず屋の2階なんですけど、しばらくはここでやっていくのかな。
よしこ ここいいよね、こじんまりして。
ちひろ まあでも、色んな場所でやれたらいいかなとも思うけど、一年間ここで終わるという可能性もありますよ。
よしこ それはそれでいいよ。
ちひろ それはそれで。はい、そんな訳で長くなりましたが。
よしこ ゲストに来てもらいましょうよ。
ちひろ ゲストは、今日は千葉仁くんが来てくれます。
よしこ イエーイ(拍手)
ちひろ はい、という訳で、今日は千葉仁さんが来てくれました。ありがとうございます。
千葉  よろしくお願いしまーす。
よしこ よろしくお願いしまーす。(拍手)
ちひろ じゃあ軽く何か自己紹介的な。
千葉  はい、自己紹介します!宮城県出身で。
よしこ 宮城!?
千葉  宮城県です。
よしこ ハハハハハハ!!
千葉  いきなり話の腰を折られた!
よしこ ハハハハハハ!!
千葉  で、まあ進学をきっかけに、新潟に来て、そこで映画を制作し始めた、一人の人間ですね。バンカラロックフィルムスという場所で、代表をしており、今回プロデュースした映画が、Kisssh-Kissssssh映画祭っていう、和歌山の映画祭だったり、今度は愛知の大府映画祭っていう場所で上映されたり。
ちひろ 「パンクロックベイビー」が。
千葉  そうです、その「パンクロックベイビー」が。
ちひろ 「パンクロックベイビー」の監督、今日客席にいますけど、今客席で「ドラゴンボール」読んでます。
千葉  この放送中に、一時間の放送中に、42巻をね。
ちひろ 42巻を読むかも知れないですね。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ 「ちひろdeアート」に、よしこさんは火曜日のゲストに出てくれて、水曜日のゲストが千葉くんだったんですけど、その時のアーカイブも残ってるので、それ見てもらえば大体千葉くんこんな人かなって分かってもらえると思うんですけど。まあ色々やってますよね、学生時代に映画撮り始めて。
千葉  はい。
ちひろ で、劇団作ったりとか。
千葉  そうですね。
ちひろ でもそのあと、今はバンカラロックフィルムスっていう…
千葉  団体ですね。
ちひろ 会社ではないのね。
千葉  会社ではないです。
ちひろ そういう団体で、映画製作をやってますという、そういう彼でございます。
千葉  はい。
ちひろ で、このイベントを続けていくっていうことも、本当にざっくりとしか最初は決まってなくて、トークイベントやるって言ってもゲスト誰呼べばいいんだ、みたいになってたわけですよ。それでよしこさんは何となく乙武さんを呼びたいって言ったから。
よしこ 急にデカいこと言うなよみたいなね。
ちひろ で、よしこさんとやるかって思って、そのタイミングで突然、何もこっちから連絡もしてないのに、千葉仁くんが突然、「ちひろさん!ブロリーが凄いです!」って連絡が来て。
よしこ フフフフフフ!!
ちひろ 「ドラゴンボール超 ブロリー」っていう映画を今ちょうど映画館で、去年から今年にかけて上映してますけど、あれがとにかく凄いと。あれなしには何も俺は語れないんだ、みたいなことを言ってきたから、あ、これだ、と思って。
千葉  まあ、日本人はボヘミアンぶってる場合じゃないっていう、ブロらないといけないっていう。
ちひろ ハハハ!そういう言葉があるんですか?今。
千葉  今、俺が作りました。
ちひろ 千葉語です。
千葉  ボヘミアンじゃない、ブロリーだと。
ちひろ クイーン見てる場合じゃねえと。
千葉  ブロリーだと。
ちひろ GoブロリーGoGoだと。
千葉  Goブロリー!
よしこ 分かんねえ~。ハハハハハハ!!
ちひろ で、毎回何か面白いテーマでトークしていくのがアリなんだったら、じゃあ「ドラゴンボール」いいじゃねえか!と思って、テーマとして。一発目から超国民的漫画を取り上げるのアリだなと思って、おっ、こんなところに「ドラゴンボール」を熱く語りたい奴がいたぞ!と思って、呼んだんですよね。僕も映画観て来ましたけど、どっから話していきましょうかね。
よしこ あ、ちなみに、この中で「ドラゴンボール」知識が一番あるのが千葉さん。
ちひろ 多分そうですよね。
千葉  多分、戦闘力…
ちひろ 戦闘力53万!
千葉  ハハハハハハ!!
よしこ 次がちひろ。
千葉  (よしこさんに)2!2!戦闘力2!
ちひろ たったの2かゴミめ!
よしこ ショットガン持ってる奴が、戦闘力5でしょ。
千葉  ハハハ、そうそう、確かそう。
ちひろ 牧場のおじさんが2でしたっけ。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ あの、何も分かんない人も!「ドラゴンボール」弱者の人もいるから!解説が必要ですよ!客席で笑ってる人もいますけど!
千葉  情報弱者が!
ちひろ 情報弱者がいますから!だからその、千葉くんは、「ドラゴンボール」の漫画は全部読んでて、アニメも全部観たんでしょ?
千葉  観ました。
ちひろ あんな長いやつを!
よしこ キチガイだな!ハハハ!!
千葉  ハハハハハハ!!もう放送禁止用語が!!
ちひろ 僕は多分、全巻はちゃんと読んでないんだよね。弟が「ドラゴンボール」の漫画集めてたんで、それを今日ちょっと持ってきたんですけど。ただまあ、90年代に小学生とかだったので、普通にテレビで「ドラゴンボールZ」からかな、僕の世代は、アニメとかやってるので見たりはしてるわけですよ。だからセルから魔人ブゥくらいの話は何となく記憶とともにあるんだけど。
千葉  専門用語しか出てきてねえ
ちひろ 要するに後半の敵ですね、セル、魔人ブゥ。だけどそれより前の話はちゃんとは知ってない。
よしこ じゃあかめはめ波打つのに2週間とかかかってるのは見てない?
ちひろ それも子供の時の記憶だからちゃんと覚えてないんだよね、細かいとこまで。
千葉  じゃあ、ざっくり「ドラゴンボール」の説明。
ちひろ という訳で、「ドラゴンボール」を、僕も調べてきたんですよ。
千葉  はい。
ちひろ まず漫画の連載が、1984年から95年まで約10年間続くわけですよ。
よしこ えっ、1984年?生まれた年!
ちひろ 週刊少年ジャンプで大人気。で、(連載開始の)翌年、86年からアニメがスタートするんですね。
千葉  はい。
ちひろ 86年から89年までまず3年間「ドラゴンボール」っていうアニメをやって。
千葉  無印と呼ばれてる。
ちひろ その続編として、「ドラゴンボールZ」という名前でさらにアニメ化が。
千葉  スパーキング!
ちひろ それが96年まで続くんですよね。だからこれを全部合わせると、やっぱりアニメも10年くらい続いてる大ヒットだと。
よしこ うん。
ちひろ で、一応ここまでは漫画のストーリーをそのままアニメにしてるんですけど、さらにこの後、あまりにも「ドラゴンボール」の人気が凄いから、例えば毎年「東映まんがまつり」とかで映画が作られ、さらに続編では「ドラゴンボールGT」というのがさらにそこから一年間作られる。
千葉  錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう。
ちひろ エンディングですね。
千葉  DAN DAN 心魅かれてくよね。
ちひろ それはオープニングですね。
千葉  はい。
ちひろ それで、漫画の連載も終わりアニメも終わるんだけど、やっぱりその人気は衰えなくて、2009年、「ドラゴンボール改」のアニメが始まるわけですね。2年間やって。そこからちょっと3年間空くんですよ。その間は「トリコ」というアニメをやってたんですけど。2014年から、さらに一年間「ドラゴンボール改」をもう一年やるわけです。ここまでは「ドラゴンボールZ」のリブートみたいな。で、その間でまた映画が作られたりしてる中で今度は、2015年から2018年まで「ドラゴンボール超」というアニメが、さらに「Z」の続編として作られて。
よしこ ふーん。
ちひろ だから、「GT」とはまた別の続編ってことですよね。
千葉  パラレルですね。
よしこ 原作なし?
千葉  鳥山明が確かちょっと関わってる、原作者が関わってるっていう。
ちひろ とまあ、説明が長くなりましたけど。
千葉  これちょっと、俺の言葉でまとめていいですか。
ちひろ はい。
千葉  これは、じゃあどのくらい凄いのかと言うと、多分、日本の漫画っていうものを、決定付けた作品。
ちひろ なるほど。
千葉  国内だけじゃなくて、国内外までいったっていう点で。今Wikipedia見たら、フランスだと「ドラゴンボールZ」のアニメの視聴率が67%っていう。
ちひろ はあ~!!??
よしこ フランスで!?
ちひろ 67%!?
よしこ え?フランスってチャンネル2つくらいしかないの?
千葉  ハハハハハハ!!
ちひろ ドラゴンボールかニュースかとかじゃないですよね。
よしこ ハハハハハハ!!
千葉  アニマックスかニュースか!!
ちひろ NHKかフジテレビかみたいな、そういうことじゃないのに、67%もいくの!?
千葉  そう。で、日本じゃないですけど、海外では、かめはめ波を、撃つ大会があるんですよ。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ どういうことそれ?
千葉  誰が一番かめはめ波を撃てるかっていう。
ちひろ あのポーズをカッコよく決められるかってことだよね?
千葉  そう。
ちひろ 本当に撃つ人がいるわけじゃないよね?
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ (コメントを読む)「初期のと「Z」までは何とか分かります」僕も多分同じ世代ですね。
千葉  だから本当に、視聴率67%の化け物アニメを作ったってことで、「ドラゴンボール」の凄さが分かるし、そのあとの、少年ジャンプの人達は、鳥山明に憧れるっていう。
ちひろ これを目指して漫画家を頑張っていく人達が増えたと。
千葉  それは「ONE PIECE」もそうだし、「HUNTER×HUNTER」も。やっぱり、「ドラゴンボール」っていうのが、頂点の中の頂点っていう。
よしこ 「ONE PIECE」面白くなくない?
ちひろ 「ONE PIECE」談義はちょっと長くなるから置いとこう。
千葉  それ来年くらいにやりましょう。
ちひろ まあ要するに何が言いたいかって言うと、84年に漫画の連載が始まって、2018年、まあもう2019年になりましたけど、まだ映画がやってるわけですよ。だから30年くらい「ドラゴンボール」ブームってのは続いてるわけで。
千葉  そう。
ちひろ これだけ時間が長いと、何歳で生まれて、どの時代の「ドラゴンボール」にどう関わってきたかによって、多分「ドラゴンボール」の差が…この3人ですでにあるわけじゃないですか。
よしこ うん。
ちひろ 世代じゃないのに全部読んでアニメも全部観た人(千葉くん)とか、世代だから何となく知ってるけど全部は知らない人(ちひろ)とか。
よしこ (私は)世代だけど面白くなかったからアニメ見てない人。
ちひろ アニメが面白くなかったのは、またちょっと別の要素あると思うけど。だからその、「ドラゴンボール」って何なのかっていう。
千葉  まあそんな感じで、ストーリーの説明をちょっと話すと。
ちひろ そうそう、そこですよ。取り敢えず全員の知識をまず一定レベルにするために、まず千葉くんから。
千葉  本当に簡単に言うと、孫悟空という少年が、自分より強い奴と戦って勝っていくっていう、それを10年間続けたっていう。
よしこ 「バキ」みたいな感じ?
千葉  「バキ」は、お父さんが最強で、お父さんに勝つための話じゃないですか。
ちひろ 範馬勇次郎さんね。
千葉  「ドラゴンボール」は、どんどん強い奴が現れるっていうタイプで。(「バキ」みたいな)範馬勇次郎を倒すっていう頂点を知ってる戦いじゃなくて、気付いたら頂点になってた男に対して、その頂点よりも上の奴が現れるっていう。
ちひろ さらにそれを超えていくっていう。
千葉  じゃあ「バキ」も今度やりましょう。
ちひろ よしこさんは「ドラゴンボール」まったく知らないけど、「バキ」はめっちゃ詳しい。
千葉  ハハハ!!本当っすか!?
よしこ 「バキ」はちゃんと買ってるし、毎週木曜日立ち読みしてる。
ちひろ 立ち読みなのね。コミック買ってるんじゃなくて?
よしこ コミックも買ってる。コミックも買ってるし、コミック出るの待てないから立ち読みもしてる。で、ついでに「浦安」も読む。
千葉  ハハハ!!チャンピオンだからね。って感じで、(「ドラゴンボール」は)自分より強い奴と戦って勝っていくことによって、孫悟空が成長する。いや、成長するんじゃなくて、とんでもなく、強さとは何かっていう、精神的なものじゃなくて、そこにおける現象がどれだけ凄いかっていう話。
ちひろ 分かる分かる。普通の主人公だったら、悔しい思いをしてもっと強くなりたいって頑張ったりとか、そういう方向に行くじゃないですか。さっき言ったみたいな精神的な成長物語だったり。そうじゃなくて、なんかもう、問答無用の力って言うんですかね。
千葉  悟空はもう成長が終わってるから。悟空はやられても「アイツ強ええなあ!」って言うから。
よしこ ハハハハハハ!!
千葉  「腹減ったな!」と、「アイツ強ええなあ!」の二言くらいしか言わないんで。
よしこ フフフフフフ!!
千葉  それが孫悟空なんで。だから現世の苦しみ、ほとんどもう終わってるんですよね、孫悟空。解脱寸前みたいな。
ちひろ 設定からして、地球人じゃないわけじゃないですか。
千葉  サイヤ人です。
ちひろ サイヤ人っていう、惑星ベジータの人なわけで。
よしこ ねえ、サイヤ人って何人いるの?
千葉  サイヤ人は、もともと惑星ベジータにいる人種のことで。
よしこ うん。
ちひろ 戦闘民族なんですよね。
千葉  そう、戦闘民族って言われてて、月を見ると大猿になるっていう。
よしこ ふーん。
ちひろ 巨大な猿に体が変化してしまう。で、しっぽが生えてて。でも、多分地球人と同じDNAですよね。
千葉  まあ、ほとんど地球人と何も変わらない。
ちひろ 地球人と見かけは変わらないけど、でもその星で生まれた人間はめっちゃ強いわけですね。それがサイヤ人。
よしこ ふーん。
千葉  まあ、この設定も後付けなんですけど。
よしこ 昨日ね、旦那に聞いたらね、サイヤ人は二人くらい残してみんな死んだよって言ってて。
ちひろ ああ、惑星ベジータが、滅んだわけですね。
千葉  そう。だから、5人くらいは残った。まあ、アニメとか加えるとどんどん復活するから、それは抜きにした時に、孫悟空とベジータとナッパとラディッツの4人か。
ちひろ あとブロリーが一応。映画の設定も加えるとブロリーも生き残ってるんだけど。
よしこ ん?何人?
千葉  漫画原作だけだと、4人。
ちひろ フリーザっていう敵によって故郷である星がもう滅んでるっていう設定で、仲間もみんな死んで、地球に来てる数人のサイヤ人だけが生き残りだっていう。
よしこ ああ。
千葉  で、そのどんどん強くなる話で、じゃあ今回の「ブロリー」。
ちひろ 「ドラゴンボール」、一番の最新作が今やってる「ドラゴンボール超 ブロリー」って話なわけですけど。千葉くんは、凄い映画だと語るわけですよ。
よしこ (「ドラゴンボール超 ブロリー」のお菓子を持ってくる)さっきコンビニでね、誰がブロリーか分かんないけど、買った。
千葉  (パッケージのブロリーを指さし)これが「ドラゴンボール超 ブロリー」という映画で主役級の。
よしこ あ、それブロリーで合ってたんだ。
千葉  これがブロリーです。ブロリーです。
よしこ 開けようぜ。ブロリーだから多分ブロッコリーなんだろうなって思って、緑色を選んだの。
千葉  ああ、そうですそうです。
ちひろ 鳥山明先生はダジャレから名前を付けていくのが好きで、サイヤ人っていうのも多分野菜から来てるんですよね。ベジータもベジタブル。
よしこ そう、その話も昨日旦那に聞いた。え、じゃあブルマはって聞いたら、それは嫁だって。
ちひろ だから、ブリーフ博士ってのが出てきたり、ある流れって言うんですか、ある文脈の中に出てくる人達は、この文脈の流れから名前が決まってるっていう。
よしこ はいはいはい。
千葉  ブリーフ、ブルマ、トランクス。
ちひろ 服の名前から来てる人のシリーズがいたり、野菜の名前から来てるシリーズがいたり。
よしこ これ開けようぜ。
千葉  どうぞ。
ちひろ これは何なの?
よしこ え、わかんないけど。
千葉  チューインガムって書いてある。
よしこ セブンイレブンに行ったら、「ドラゴンボール」モノがこれしかなかった。あ、色紙。
ちひろ あ、色紙入りのお菓子ってことか。
千葉  俺そういうの好きだったな。
よしこ (袋を開ける)誰?
千葉  これ、主人公の孫悟空です。
ちひろ 若き頃の悟空じゃないですか。
よしこ こんなんなの?
ちひろ 最初はもう本当に少年から始まって
千葉  そうそう、最初は少年が冒険する話だったのが、それが途中から、少年が強くなるための話に切り替わっていくっていう。
よしこ へえー、ちっちゃい。
千葉  で、その中で戦った奴らが仲間になったり。
ちひろ 例えば、ピッコロっていう敵が、最初は敵だったのが、次の話では戦いのあとに仲間になって一緒にフリーザと戦ってたりとか。
よしこ 「バキ」みたいだね。
ちひろ 「バキ」ってそういう話?
よしこ 「バキ」もそういうのある。
千葉  花山薫のこと。
よしこ ああー。フフフ!
ちひろ はい、で、俺の「ドラゴンボール」の好きなところがそういうところで、ここ最近のハリウッド映画でも何でも、完成度の高い、計算し尽された面白さが評価されていくっていう流れがあると思うんだよね。
千葉  まあ、今の時代。
ちひろ ちゃんともう起承転結が最初から決まってて、計算し尽されて伏線をきれいに回収して、エンディングに向かって、みたいな話が多いと思うんだけど、「ドラゴンボール」のいいところは、それを決めないで始めたところなんだよね。
千葉  うん。
ちひろ 最初は少年の冒険モノ、ドラゴンボールを探す大冒険みたいに始まったのが、段々格闘技の色が強くなっていったと思ったら、さっき(千葉くんが)言ったように、気付いたら主人公実は宇宙人でしたみたいに段々設定が広がっていって、風呂敷がどんどん広がっていって、最終的には尋常ならざる強さを主人公が手にしていくっていう、規格外の話になっていくっていう。普通、物語を書く時って、風呂敷を広げる時って勇気がいると思うんですよ。それを、なんかもう、怖がらずにどんどん広げていく感じが好きなんです。
千葉  その逸話ちょっと話していいっすか。有名な話なんですけど、人造人間編っていうのがあって、まず人造人間19号と20号ってのが現れるんすよ。でも編集の人が、あんまりカッコよくないって言い始めた結果、17号と18号を出さざるを得なくなって。でも17号と18号を作ったら、今度は17号と18号って若者なんすよ、若者だから強そうじゃないって話が出てきて、それで16号ってのが出るんですよ、ムキムキの奴。でもムキムキすぎるから、人間じゃない方がいいみたいな話になって、セルっていう異生物が出るんですよ。でも、そしてら気持ち悪いって話が出てきて、また別の形態にさせるんですよ。でも別の形態になったら、なんか違うって話が来て、もっとスタイリッシュにしてくれって話が来て、それでようやくセルが。
ちひろ 私達のよく知っているあのセルに最終的になると。
千葉  だから鳥山明先生、本当は人造人間19号、20号で話を進めようとしてたのに。
ちひろ そこで話が完結してるはずだったのにね。
千葉  鳥山明先生、編集を信じてるのか分からないですけど。
ちひろ それか編集の力がめっちゃ強いかね。
千葉  それで、セルまで行くんすよ。で、鳥山明先生それを、破綻はあるんすけど、完成度は一定のままやりきれるっていうのが。
ちひろ どんな無茶振りされても、ちゃんと物語に取り込んで、ちゃんと面白い話にしていくっていう。素晴らしいですね。
千葉  それはやっぱり、週刊連載の良さっていうか。これはやっぱり「ジョジョ」の荒木先生とかも、やっぱり考えながらやってるって言うんですけど。
ちひろ 荒木先生とかもそうなの。
千葉  荒木先生もそうらしいです。
ちひろ 先を敢えて決めずにっていう。
千葉  だから荒木先生自分で困ってると思うんですけどね。
ちひろ ああ、そうなんだ。
千葉  だから、最強を出してどうやって自分が勝つかっていう、それで物語を作ってるっていうのが、荒木先生らしいっすね。
ちひろ へえ~。
千葉  鳥山先生は話自体がもう。
ちひろ そうだよね、何にもないところから話をどんどん組み立てていくっていう。最初に世界観をバンって設定しちゃってその中で遊ぶんじゃなくって、真っ白な白紙のところに無茶振りをされたのに対して、どう話を組み立てていくかっていう。それで広げていくっていう面白さ。週刊連載だからこそ生まれた面白さかも知れないね。
千葉  それはやっぱりすごい勢いがあったんでしょうね。
ちひろ 確かにね、さっきも来るときに話してたけど、ジャンプが一番売れてた時代を作った人。
千葉  ジャンプ黄金世代の一人。
ちひろ 生まれてないでしょ、でも。
千葉  生まれてないっすよ。
ちひろ 俺が多分、小学校上がるか上がらないかくらい。
千葉  ちひろさんも多分生まれてないんじゃないっすか。
よしこ 黄金世代って何やってた?
千葉  車田正美の「リングにかけろ」とか、「ジョジョ」とか「魁!男塾」とか「北斗の拳」とかのあたりがジャンプ黄金世代。
ちひろ そっか、じゃあ俺が生まれる前後だな。
千葉  多分「幽白」で終わってんすよ。それも「幽白」自体が、終わり方がかなりなあなあで、最後、天下一武道会みたいだったのに、それを出来ずに終わったってのが、よく言われてる、日本のバブルが弾けたあとだったり。
よしこ ああ~。
千葉  もう頂点が見れなくなったっていうのが、「幽白」の終わりであるし、ジャンプが。
ちひろ あれ、「幽白」終わったのって何年?
千葉  1996とかじゃないですか(調べたら1994年でした)
ちひろ ああ、じゃあ俺は生まれてるわ。
よしこ 「幽白」読んでたわ。全巻あった。
ちひろ 「ドラゴンボール」が終わったのも96年だから、俺が小3とか4とか、あのへんまでか。
よしこ 富樫先生って、伏線全部計算して書くから、物凄い時間かかるじゃん。今もそうだけど、「HUNTER×HUNTER」も。登場してない人が今何をやってるかとかも、全部書き出してやってるらしくて、すごい細かいんだけど…何言おうとしたんだっけ。ハハハハハハ!!
ちひろ 話がめっちゃ逸れてるけどね。
千葉  まあ、富樫先生の話はまたいつかってことで。
よしこ 無知な私、質問したい。
ちひろ じゃあ、よしこさん。
千葉  質問コーナー。
よしこ 質問行きます。破壊神ビルスは、鳥山先生まだ監修してたやつですかね。
千葉  原作、いわゆる「ドラゴンボール」漫画版にはいなくて、「神と神」っていう映画が出来た時に、悟空と戦う相手として設定されたのが、破壊神ビルス様です。ぶっちゃけ言って、「神と神」クソつまんなかったんで、あんまりビルス様も強い気しないんすよね。
ちひろ ビルス様って今出てる?
千葉  ビルス様出てます今。ネズミ?ネズミじゃない、ウサギか。紫色のウサギで、「僕ちゃん強いもん」みたいな感じで。
よしこ フフフ…
ちひろ 「ブロリー」に出てた?
千葉  「ブロリー」に出てます。最初の方だけ。女の子を預けられて。
ちひろ あー、はいはい!あの、山寺宏一が声やってた。
千葉  山寺宏一が声やってます。
ちひろ ああ、あれそうなのね!俺の知らないキャラいるなって思ったら。「改」の時代に生まれたキャラってこと?
千葉  「改」のあとの「神と神」っていう映画があって、魔人ブゥ編のあとに戦うって感じですね。
ちひろ なるほどなるほど。
千葉  俺は「神と神」見てるんで。
ちひろ でもあんま面白くなかったんでしょ。
千葉  観たあと「ふざけんな!」って思いました。
よしこ ハハハハハハ!!
千葉  俺は「は?こんなんで終わんなよ!」って思いましたね。
よしこ 「ドラゴンボールの映画って、過去の漫画の焼き直しって感じが多いからあんまりアニメの映画好きじゃないんだよね」って家の夫が言ってたんですけど、どう思います?
千葉  ちょっと論点はずれるかも知れないんですけど、「ドラゴンボール」の映画全部面白くないって思ってるんで。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ ハハハハハハ!!
よしこ 「ブロリー」は?
千葉  だからこそ「ブロリー」が!
ちひろ だから、ここまで「ドラゴンボール」の映画を酷評し続けてきた千葉くんが、「ドラゴンボール超 ブロリー」だけは素晴らしいって絶賛してるから、これは何かあるなって思ったんですよ。
千葉  俺の中で言うと、漫画はやっぱり神、本当に神だから。で、アニメは、まあ許せるっていう。
ちひろ アニメもひどいけどね!伸ばしに伸ばして!
千葉  アニメは、こっちは電源消せばいいだけっすから。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ ハハハハハハ!!
千葉  映画は観に行かないといけないから!
ちひろ 確かにね!こっちが金払って、ここまで頑張って観に行ったのにつまんねえのかよ!っていう気持ちになりますからね。
千葉  「ドラゴンボール」は、わりと最初から最後まで、全部つまんなかったんですよ、映画が。だから俺の中でもう、本当に評価は最底辺で、だから今回の「ブロリー」も、まあ外れっていう、東映がお金を稼ぐために作った映画なんだろうっていう。
ちひろ 「ドラゴンボール」の映画ってさ、映画自体の評価は低いのに、毎回興行収入めっちゃいくんだよね。
千葉  そうそう。
ちひろ だからびっくりして、調べたら。
千葉  だから、税金ですよね。ファンは絶対税金払いに行かないといけないから。
ちひろ ドラゴンボール税!
千葉  ドラゴンボール税です。俺は「神と神」まで、税金払ってたんですよ。
ちひろ 「つまんねえ!」って言いながら観に行くこの感じは税金なのかも知れないと。
千葉  だから、「ハガレン」とかもそうなんじゃないですか。これは外れなのに観ないといけないって思うのは、税金を払いに行くんです。
ちひろ なるほど。
よしこ あと、「戦闘描写がきれいじゃないし、迫力はあるけど光線の撃ち合い」映画もそんな感じなんですか?
千葉  映画はどんな感じかって言うと、基本戦闘シーンは3つの構成で出来てて、まず悟空が相手をちょっと痛めつける。相手が本気出す、悟空めちゃくちゃ痛めつけられる。でも何故か悟空が真の力を発揮して、一発で倒すっていう。基本この構成。
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ まあ、大きく分けるとそうですね。
千葉  これを上手く再編集すると、めちゃくちゃカッコいい話になるんすけど。アニメを見てると、なんか分からない。アニメはまだギリギリ戦ってくれるっていうか、三週くらいに渡って…
ちひろ 映画だと、一時間なり二時間なりの一つの話の中に、その悟空が相手をめっちゃやっつけたけどやり返されてもう一回頑張って勝つっていう流れがストーリーの中にあるなって分かるじゃないですか。作品として面白いかはさておき、分かりやすくはあるじゃん。でもテレビアニメだと、それのスパンが長いから、一年間魔人ブゥと戦ってたりするから、今これどういうストーリーのどういう流れでこうなってるんだっけっていうのが分かんないまま、戦闘シーンを見せられちゃうから、つまんないってなっちゃったんじゃないのかな。
よしこ 分かんなかった。魔人ブゥがどんな奴かも昨日聞いた。
千葉  「チョコになっちゃえ!」
よしこ ねえ静かにして。
千葉  ハハハハハハ!!
ちひろ ハハハハハハ!!
よしこ 最初はあのブヨブヨ体型の奴じゃなかったって聞いた。普通体型の、純粋悪。
ちひろ あの、太ってる時じゃなくて。
千葉  本当はもともと純粋悪っていう小っちゃくてヒョロヒョロした奴だったのが。
よしこ なんかもう、破壊衝動しかないみたいな純粋な悪だったのが。で、心がなかったらしい。
千葉  ケケケケ!しか言わない感じ。
よしこ フフフフ!!で、それがどっかの界王さん?
千葉  ああ、いい界王。
よしこ 界王さん食って。
千葉  南の界王かな。
よしこ 合ってる?なんか二人食って。
ちひろ 夫が言ってたの?
よしこ うん。オタクの夫が言うんだから多分本当。
ちひろ 夫を呼んでくれば良かったですね。
よしこ 絶対出ないけどね。ハハハハハハ!!
千葉  まあその夫を食って。
よしこ 夫を食って!?ハハハハハハ!!
千葉  夫を食って!?
よしこ ハハハハハハ!!それで、無邪気な子供ぐらいの心を持ったから、魔人ブゥを作った人の言うことくらいは聞くようになったんだよ、っていう話を聞きました。でもその、タラタラとアニメをやってた時期に、どういう魔人なのかは全然分かんなかったけど、昨日5分ぐらいで説明で、ああそうなんだっていう感じで。
千葉  まあわりといい奴っていう。手なずければいい奴っていう。ミスター・サタンが。
ちひろ 実は悪い奴ではない。手なずける奴が悪い奴だったから悪に行ってしまったけれど、純粋な子供みたいなもので、戦いなさいって言われたから純粋に戦って、人を殺すのが正しいんだなって思ってたから殺しちゃってたんだけど、それは違うってミスター・サタンが教えたらただのいい奴になったっていう。
千葉  そうそう。サタンいじめるの悪い奴!
よしこ フフフフフフフ!!
ちひろ ありましたね。そういうシーンもね。あ、ブロリーの話から魔人ブゥの話になっちゃったじゃないですか。
千葉  質問コーナー入ってたんで。
ちひろ 質問コーナーがちょっと入っちゃった。残り気付いたらあと20分くらいですよ。
千葉  じゃあ映画としての評価を。
ちひろ 映画制作の人間としてあの映画をどう観たかっていうね。
千葉  まず、2010年台とかに観た映画の中で、あれこれ、1、2位を争う映画だなって。
ちひろ マジで!2010年台1位ブロリー!
千葉  娯楽っていうところじゃなくて、ああ、そういうところまでやっちゃう、みたいな。そんなにやるんだ、っていう。
ちひろ 要するに、娯楽じゃなくって、映画作品としてってことだよね。
千葉  芸術作品として。
ちひろ 芸術品としての映画として、これは凄いんじゃないかと。表現の在り方として凄いんじゃないかと。
千葉  何で最初の「ボヘミアン・ラプソディ」を出したのかって言うと、「ボヘミアン・ラプソディ」めちゃくちゃ面白いんですけど、みんなのいいと思うフレディ・マーキュリーっていうか、みんなが面白い部分を集めた感じがあるんですよ。
ちひろ なるほどね。
千葉  それが「ボヘミアン・ラプソディ」だったんですよ。それはめちゃくちゃ面白かったんですけど。
ちひろ だから娯楽映画の作り方としては正しいんだと。
千葉  そうそう。それはそれで面白さあったんですけど。今回の「ブロリー」が、後半60分ぐらい、ほとんど台詞なくて。
ちひろ ただただ爆発爆発でしたね。
千葉  爆発と、「アアーーーーッ!!」「アアーーーーッ!!」っていう叫び声しかなくて。
ちひろ 「Go!ブロリー!Go!Go!」っていう謎の音楽がかかってね。
千葉  それなのに、めちゃくちゃ面白いっていうか、本当によく、人の表情とか、戦い方を見ないと、ストーリーが分かんないんすよ。
ちひろ 確かに、もう、何だ!?何が始まったんだ!?みたいな感じがありましたよね。
千葉  そう。観ていただいた方は分かると思うんすけど、基本ずっと後半戦ってるんすよ。その戦いっていうのが、戦うっていう表現なんですよ。戦うってことがストーリーを進めてるっていうか、お話自体でもあるんすよ。だから脚本に起こすんだったら、「アアーーーーッ!!」「アアーーーーッ!!」「アアーーーーッ!!」みたいな。
ちひろ よく言われるのが、ダメなアクション映画の特徴っていうのが、アクションが始まるとアクションパートになって、ストーリーを止めて、今アクションを見せて、盛り上げるだけの時間ですよっていう。これが悪いアクション映画の例だってよく言うんだけど、そうじゃなくて、よく出来たアクション映画っていうのは、戦う中で例えば心境が変化したりとか、成長があったりとか。
千葉  そうそうそうそう。
ちひろ 例えば戦ってる仲間同士の関係に変化が生まれたりとか、ストーリーが戦いの中で動いていくのが、いいアクション映画なんだっていう。
千葉  そうそうそうそう。
よしこ 今頭の中で「あヽ荒野」が。
千葉  「あヽ荒野」ちょっと俺微妙だったんすよ。
ちひろ 「あヽ荒野」2017年の映画ですね。
千葉  ちょっと言うと、親が子供を殴る時に、映画的に言うと、蹴るっていうのは、もうやっぱりこれはちょっと行き過ぎた教育じゃないですか。
ちひろ はい。
千葉  でもぶん殴るは、愛を感じないですか?これが何ていうか身体表現っていうか。
ちひろ なるほどね。良い悪いとかはさておき。
千葉  こっちが感じるのは、蹴ったらヤバいじゃないですか。
ちひろ 親がどう子供を虐待するかっていうシーンの一つにも、殴るまでやるのか、蹴るまでやっちゃうのか、そこのラインによって、あ、この親はこういう心境なんだろうなとか、そういうのがお客さんに伝わるっていう。
千葉  そうそうそうそう。殴るでも、ぶつっていうかゲンコツだったら、まだ愛を感じる。それが身体表現で、そういうものを今回「ブロリー」は、よく見ていくと、めちゃくちゃあって。もうこっちが目を離すと、もう話に付いていけないというか。だから、ある意味その、台詞で話の展開を感じるような…
ちひろ 説明台詞。
千葉  そう。説明台詞っていうものを意識してる人は、すごくやっぱり分かんなくて、叫んでるだけだからバカバカしく見えるんですけど、すごく繊細に見てみると、身体表現だけで話が進んでるっていうのが、俺はすごく感動で。それは例えば髪型でも、「ドラゴンボール」すごく分かりやすいんすけど、悟空って最初はツンツンした感じ。
ちひろ 黒くてね。
千葉  ブチ切れると上がるんすよ、スーパーサイヤ人になると。
ちひろ 怒髪天ってやつね。
千葉  怒髪天になって、スーパーサイヤ人2になるとさらに立つっていう。で、3になると毛量がどんどん増えるっていう。
ちひろ 赤くなってくやつ?
千葉  それは「神と神」から。
ちひろ 「神と神」からまたそのさらに上にいくのね。
千葉  さらに上にいって、ツンツン髪のまま赤い髪にいくけど、俺これ、悟りだと思ってるんすよね。
ちひろ ハハハハハハ!!
千葉  もう目も据わってるんです、赤い髪の時って。
よしこ 「仮面ライダー クウガ」みたいだね。
千葉  「クウガ」見てないんすよね。
よしこ 「クウガ」一番いい。
千葉  ちょっとその話すると、「神と神」の悟空は、目が据わってて、かつ、髪も普通のまま、その状態、普段の状態が一番強いっていうのが、「神と神」なんすよ。それを強調してるんすよ。でもなんか、ゴッド2になると、また髪がガーっとなって青色になるっていう。青色っていうのはその、クールなのかな。より冷静さを表現しつつ、目がかなり野性を出してるから、何だろう、もっとこう、境地に達したって表現だと思うんすけど。
ちひろ 何となく俺が思うことなんだけど、いわゆる普通のバトル漫画って、例えば主人公がめちゃくちゃ怒って、ガーってなって悪い奴に立ち向うとか、ライバルに悔しい思いをして頑張って修行して立ち向かうとか、そういう感情を含めたストーリーや強さの表現があるじゃないですか。
千葉  うん。
ちひろ 「ドラゴンボール」も途中までそういう話だったと思うんだけど、今回の「ドラゴンボール超 ブロリー」くらいになると、もう何ていうのかな。さっき言った悔しいから強くなるとか、負けたくないから強くなるとかは、分かるじゃないですか、気持ちが、感情移入できるじゃないですか。そういうのがもう分からない域までいってるなって思ったのね。純粋な強さっていう現象、人類には到達できない現象のレベルまで、悟空を表現しちゃったなって思って。
千葉  だから、ちょっと俺思うのは、やっぱり最初にふざけて言ったんすけど、悟空って、「腹減った」と、作中でもみんな結構食い物好きなんですよ。
ちひろ そうだね。
千葉  だからやっぱり、衣食住くらいしか苦しみがなくなってて、あとは楽しいから戦うっていう。
ちひろ はいはい。
千葉  で、わりとこれ「ダークナイト」のジョーカーなんすよね。
ちひろ ああ、なるほどね。なるほどなるほど。
千葉  ジョーカーだって目的はバットマンっていう法外的措置を取る人間と戦いを楽しみたいからっていう。悟空は、法律なんて言葉あの世界にはないでしょうけど。
ちひろ 純粋正義みたいな?でも正義でもないんだよね、もはや。
千葉  純粋に、あれはもう遊戯ですよ。楽しみたいんですよもっと。だから、「ドラゴンボール」の最終回らへんのベジータが、あいつは家族を守るためとか、そういうものじゃないんだ、戦う理由ってのは、ただ強い奴と戦うのが好きなんだ、だからお前は強いんだっていう。
ちひろ 戦いたいから戦ってるんだよね。
千葉  そう、だから強いんだと。頑張れカカロット、お前がナンバーワンだって言うんすよ。だから多分、「ドラゴンボール」の世界観だと、自分は悔しいとか…ベジータは悔しいんすよね。
ちひろ ベジータの方が人間的だよね。悟空はもうちょっと超越してるけど、ベジータはすごく人間的なキャラクターじゃないですか。
千葉  そう、すごくプライドがあるから。
ちひろ 負けたくないとか。
千葉  そういう問題じゃなくて、戦うために、勝つために、何やるか考えればそれでいいじゃんっていう。苦しいとか関係ないよねっていう。楽しいじゃんっていう。
ちひろ 戦いたいから戦ってるの域だよね。
千葉  そう、それが悟空なんすよ。だから今回の映画っていうのも、そういう感情的な、ネガティブな感情っていうのもなくて、ただ単に、戦いたい暴走マシーンであるブロリーと、その暴走マシーンと戦うことがとてつもなく楽しい孫悟空が出会ったっていう。
ちひろ 言ってみればそれだけの話なんだよね。
千葉  それだけなんすよ。
ちひろ だからびっくりしたのがさ、「クリリンのことかー!」って言ってフリーザ編の時に強くなるアレのオマージュでさ、フリーザが(ブロリーが)怒りで強くなるのかを試すためにブロリーのお父さんをぶっ殺すっていうシーンが出てくるじゃないですか。ネタバレしちゃってるけど。要するに、キャラクターの死とかも、ああもうそれだけのものなんだっていう。いわゆる普通のお話って、キャラクターが死んだりすると、大きな出来事じゃないですか、事件じゃないですか。でももう事件ですらないっていう、人の生死とかそういうものの一つ一つが。
千葉  それは鳥山明さん最後らへんで、人が死んでもドラゴンボールで生き返らせればいいじゃんっていう。だから、生き返るものがあるんだから、っていう話になってきて。
ちひろ だからもう、生きるとか死ぬとかの話ですらなくなってきちゃってるんだよね。
千葉  そうそう。
ちひろ だって多分生き返るじゃないですか。死んだキャラも全部あの世界では。
千葉  そう。だから思うのは、ドラマチックな展開っていうものを「ドラゴンボール」はもう失ってるんですよね。
ちひろ 普通は死なないために頑張ろうとか、あいつに殺されるからあいつをやっつけようとか。
よしこ ああ~。
千葉  それは範馬刃牙で言えば、最後、範馬勇次郎に味噌汁やってるじゃないですか。ああいうことじゃないですか。あれドラマ性ないじゃないですか。でも表現として面白いじゃないですか。だからその表現としての戦闘をどれだけ面白く描くかの方に「ドラゴンボール」はシフトしていったっていう。
ちひろ もうそれだけっていう。純粋な戦いっていう現象だけを描き続ける。
よしこ 今聞いてると、戦いがただ単にただ楽しいから戦うっていうのは、「バキ」で言うとピクルが出てくるあたりみたいだな~って。
千葉  ああそうそうそう!ピクルが出てきたから、みんなあいつと戦いたいっていう!
よしこ ああ~!ちょっと対戦したいみたいなの。そんな感じ。
千葉  そうそうそう!今「ドラゴンボール」に負けたくないからとかそういう感情ってのを出しても、強さに繋がらないっていう感じしますよね。
よしこ うんうんうん。
千葉  どれだけシンプルに勝つことに徹してるかっていう、それだけ。だから、いわゆる画的な表現だと思うんすよね。画的な表現。どういう画が面白いのかなっていう。だからもう、脚本の力とか、物語の構成力とか、そういうのはある程度クリアした人間が、最後に到達する美の世界の話なんじゃないのかなっていう。
ちひろ なるほどね。だから悟りっていう言葉がそこに使われたわけね。
千葉  で、それは、鳥山明は、いわゆる伝説っていうか、彼の実力から見ても、当然その域に達してるっていうか、敵がいないって言ってもあながち間違いじゃない人間。
ちひろ ああ、鳥山明自身もってことね。漫画家としてね。
千葉  そう。楽しいから描く。楽しくなかったらもう漫画描けないんじゃないすかね。
ちひろ 売れてない漫画家だったら、この漫画がヒットしないと俺が生きていけないからどう面白くするかとか、そういう風になっていくんだけど、もうそういうことを考えることすらない。例えば(普通は)もっと絵が上手くなりたいとか、もっと面白い話が描けるようになりたいとか、そういうところで悩むんだけど、もう鳥山明は絵も描けるし、物語もある程度のものをやり尽くしちゃって、でも描けば絶対売れるっていう、もう何もかもが整ったところで、どう生きていくか漫画家としてっていう。
千葉  そう。で、多分だから、「ドラゴンボール」の映画がクソつまんなかったのとか、鳥山明さんが脚本に関わっても、つまんなかった時はあるんすよね。「神と神」は関わってるんですけどクソつまんないんすよ。なんだけど、多分この数年の間で、敵が現れたんじゃないのかなっていう。
ちひろ 鳥山明に?
千葉  ブロリーみたいな奴が現れたんじゃないのかなっていう。
ちひろ おお!すごい深読みがきた!
千葉  っていう俺の妄想なんすよ。
よしこ 誰だ誰だ?
千葉  でも、その可能性ある人って、まず俺が個人的に思うのは、「進撃の巨人」の諌山先生とか、「三月のライオン」の羽海野チカ先生とか。
ちひろ 新しい天才が現れたと、この時代に。
千葉  だからその、単純にインフレだけを求めるんだったら、やっぱり「ドラゴンボール」だけが最強クラスで、でも構成力は「進撃」だったり、あとはもちろん「HUNTER×HUNTER」の富樫先生。あとよく分からない方に行くカオスは、「バキ」の板垣先生じゃないすか。
よしこ ちなみに、私の尊敬する漫☆画太郎先生である可能性は何%くらいありますか?
千葉  漫☆画太郎はゼロです!!
よしこ ハハハハハハ!!
ちひろ ハハハハハハ!!
千葉  画太郎はゼロです!!
よしこ おい!さん付けで呼べ!
千葉  でも画太郎は誰も勝てないし、誰も戦いを挑んでないし、誰も敗北しない。
ちひろ 独自の世界、誰もやってないことしかしてない人じゃん、画太郎さんは。
千葉  そうそう。
よしこ 悟りだよ。
ちひろ あれはだからもう、鳥山明先生が10年かけて悟りの境地を開いたところを、画太郎先生はある意味もう最初から悟ってた。
よしこ フフフフフフ!!
千葉  「ドラゴンボール」は、鳥山明先生にみんなが憧れてジャンプに入るけど、画太郎先生に憧れて漫画家になる奴は多分誰もいないっていう。
ちひろ ハハハハハハ!!
よしこ 画太郎先生もジャンプですよね。
千葉  もとはジャンプっすよ。
よしこ 今ジャンプ+で書いてる
千葉  今ジャンプ+っすよ。俺は「地獄甲子園」で画太郎ショックを受けた人間なんすけど。
よしこ フフフフフフ!!今「星の王子さま」。
千葉  見てます俺。
よしこ フフフ!!
千葉  画太郎を尊敬して食っていけるかっていう。時間ないんで「ブロリー」の話まとめると、髪で感情を表したりとか、戦いで感情を表したりとか、今の邦画にはほぼなくなってしまった、説明表現を一切省いてみたいな。もちろんあるんですけどね、最初にドラマを説明する時には、ドラマを説明するための話はあるんですけど、戦いの最後60分に、これを見せるためだけに前半があるんですよっていう感じの構成なんで、それ俺はちょっと許してるんですけど。すごく荒削りなんですよ、映画自体は、めちゃくちゃ荒削りなんすけど。
ちひろ 荒削りっていうか、本当自主映画みたいな感じですよね、ストーリーだけ見たら。これがやりたいんだ、みたいな。あるじゃないですか、そういう映画。
千葉  そうそうそうそう。東映がこれをやったのが衝撃だし、このクオリティも衝撃だし。
ちひろ 映像的なクオリティはめっちゃ高いよ。
千葉  あ、俺言い忘れたんすけど、予告編見るじゃないすか、映画館行ったら。ディズニーとかピクサーとかの予告編見るじゃないすか。あれを見たら本当にすげえなって、アメリカの映画って。実写でも「ファーストマン」とか、こんなのどうすんだよって思ってたら、「ドラゴンボール」だけが!
ちひろ そのクオリティに渡り合えるやつがやっと出てきたんじゃねえかと。
千葉  そうそうそう!!あれこれ結構大人向けだよな?みたいな、見ながら。大人向けっていうか、話に関してはやっぱりサブカル的な内容だけど、画の表現力に関しては、サブカルをぶち超えて、やっぱり一つのアートにまで行ってると俺は思ったんで。そういう意味でディズニーもピクサーもやっぱりアートの域まで行ってると思うんすけど、その域に行った日本の映画が、この「ドラゴンボール」なんだっていう。あとは新海誠みたいな話ですけど。そんな感じっす。
ちひろ 確かにね。僕はカルト映画かなって思ってますね、「ブロリー」は。あと2分くらい、よしこさん何かある?
よしこ あの、フリーザさんが理想の上司って話は。
千葉  それはネットで話題になってるアレですけど。
よしこ あ、そうなんですか?
千葉  ちゃんとお金も払うしちゃんと仕事もするし、っていう。意外とホワイト企業っていう。でもやってることはクソ。
ちひろ やってることは残虐っていう。残虐非道。
千葉  星ぶっ壊してますからね。
ちひろ 僕が見た「ブロリー」の僕なりの面白ポイントを30秒くらいで話すと、鳥山明先生「ドラゴンボール」読むと、あ、これ「スター・ウォーズ」のパロディだとか、これ「インディー・ジョーンズ」のパロディだなみたいなのが結構出てきて、いわゆるスピルバーグ、ルーカス的な、ハリウッド的なSFとかアドベンチャーが好きなんだなってのがすごく伝わるわけですよ。「アラレちゃん」もだけど。キャラ造形とか。そういうのがすごいあるの、「ドラゴンボール超 ブロリー」の中に。SF的な面白さみたいな、鳥山先生の趣味みたいなのが、結構その前半にはぶち込まれてて、後半マーベル的なアクションの動きとかもあって、この数年間のSFアクション的な歴史を2時間の中にぶち込んだ映画なのかなって感じがしたんですよね。
千葉  最後は「観てください!」っていうね。まだガンガン上映してるはずなんで。



以下、延長戦。

ちひろ はい、という訳でですね、「ドラゴンボール超 ブロリー」、まあ開始がちょっと遅かったっていうのもあるんですけどね、もうちょっとだけ続くんじゃ的なね。
千葉  あ、ピッコロ編が終わりましたね!
ちひろ せっかくなので、質問とかがあったらと思ったんですけど。何かありますか?
Mさん(お客さん) じゃあ、一個だけ。まだ観てないんですけど、映画「ブロリー」。最初にブロリーが出てきた映画あったじゃないですか。
ちひろ 「燃えつきろ!!熱戦・烈戦・超激戦」ですね。
Mさん あれと、今回の映画と、どう内容が違うんですか。別物?
千葉  もう完全に別物だととらえてもらってよくて、ほとんどその「熱戦・烈戦・超激戦」であった要素が、ブロリーとパラガス以外全部抜き取られてて、あとはちょっと分かるかなくらいなんすよ。だからブロリー分かんない人でも、全然楽しめる。
ちひろ 完全に別物だよね。
千葉  完全に別物ですね。
ちひろ 言ったら「ドラゴンボール」を知らなくてもあんま関係ないんじゃないかっていう気が。
千葉  一緒に観に行った人が、「ドラゴンボール」一切知らない人で、誰が悟空か分からなかったって人だったんすけど、その人が、とにかく、やっぱり凄かったっていう。
よしこ へえ~。
ちひろ その人今、客席にいる人ですよね。
千葉  で、面白さに関しても、「熱戦・烈戦・超激戦」のブロリーは、まあとにかく話が面白くないんすけど、だから俺もそう思ってどうなるかなって思ったんすけど、それを全部覆したっていう。ブロリーっていうキャラクターに、色々全部託したんだなっていう感じしますよね。他に質問はありますか?全然雑学でも。
ちひろ コメント読みますか、せっかくなので。えーと「ベジータはベジタブルで多分合ってます。ナッパはそのまま菜っ葉、ラディッツはラディッシュ、カカロットはキャロットですね」「最初は20号と19号で進めようとしていたが、デブとジジイじゃないですかと編集者に言われ、17号と18号を描いたらガキじゃないですかと言われ、16号を描いたらただのデカいだけじゃないですかと言われ、最終的にセルを描いたという話」あ、まとめてくれたわけですね。「ブウは見る分には可愛い」確かにそうですね。「魔人ブゥは東の界王神を吸収してガッチリ体型のブゥに変化(あとで調べたら南の界王神でした)、大界王神を吸収してデブ体型のブゥに変化だったかな確か」解説をしてくれたっていう、ありがとうございます。まあこんなところかな。
Yさん(お客さん) 豆知識というか、ギニュー特戦隊、あれは乳製品がモチーフで、ギニューは牛乳で、リクームがクリームで、バータがバターで、ジースはチーズで、グルドはヨーグルトなんですよ。
ちひろ 遊び心ですよね。
千葉  鳥山先生の、そのへんのセンス、ポップっすよね。めちゃくちゃポップなんすよね。
Yさん 鳥山明の娘が、当時戦隊モノにハマってたから、戦隊モノを出してってねだられて、ギニュー特戦隊っていうのを出した。
ちひろ 敵キャラだけど、愛すべき感じですよね。
千葉  愛嬌がある。バータが悲しい死に方をする。一番カッコよくない死に方したのはやっぱりバータだよな。
ちひろ ハハハハハハ!!
よしこ それ生き返る?
千葉  バータ生き返らないんすよ。地獄にはいるかも知れないんすけど。
よしこ ハハハ!!
ちひろ 基本、敵キャラは生き返らないよね。
千葉  生き返んないですね。ドラゴンボールで生き返らせないですよね。
よしこ ふーん。
ちひろ 俺自分の記憶を掘り返していたら、今回の「ブロリー」で悟空とベジータがフュージョンしてゴジータってキャラクターになるじゃないですか。これ、ゴジータが過去に、95年の映画なんですけど、「復活のフュージョン!!悟空とベジータ」。これ映画館に観に行ってるんですよ、子供時代に。
千葉  ジャネンバね、ジャネンバ。
ちひろ ジャネンバっていうキャラクターが地獄で大暴れして、地獄にいる敵キャラたちが地上に蘇っちゃうって話なんですけど、そこでフリーザ生き返ってるんですよね確か。
千葉  地獄にはいますしね。
ちひろ 映画の中でだけ一時的に生き返って、最終的にジャネンバがやっつけられると、もう一度地獄に帰っていくんですけど。だから今思うと、この時僕は子供だったからフリーザとかよく分かんなかったですけど、あれもちょっと「ドラゴンボール」ファンサービス的な映画だったのかなって、今ちょっと思って。
千葉  ああ~。
ちひろ で、今回の「ブロリー」も、フリーザも出てくるし、そんなに活躍しないけどピッコロも出てくるし、いわゆるファンサービス的な側面があるんだろうなって思うんだよね。
千葉  そうですね。
ちひろ フュージョンとか。
千葉  あとバーダックとか。カカロットのお父さん、悟空のお父さん。
ちひろ ああ、ちょっと出てくるね。
千葉  めちゃくちゃ俺好きなんですけど。トランクスとバーダックが大好きで俺。
ちひろ ああ、そうなの。
千葉  ちょっと俺、ジャネンバの、「復活のフュージョン!!」の、完全に何も関係ない俺の個人的な話をしてもいいですか。
ちひろ はいはい、どうぞどうぞ。
千葉  俺が中二か中三の時に、東京にジャンプショップあるじゃないですか、で、ドラゴンボールのフィギュアを買ったんすよ。で、ジャネンバ二つ当たったんすよね。で、俺のお父さんの兄貴の孫が来た時に、「ドラゴンボール」好きって言うからジャネンバあげたんすよ。ジャネンバあげて「大切にしろよ」って言ったら、家に帰っても、フィギュアのジャネンバと一緒に寝てるって言われて。
ちひろ すげー愛されてる!
千葉  ああやっぱり「ドラゴンボール」すげえなって思いましたよね。
ちひろ やっぱり子供ながらに心をつかむ何かがあるんですかね。ジャネンバって超マニアックなキャラだよね。
千葉  一緒に寝ちゃダメなキャラクターじゃねっていう。
ちひろ 敵だからね。
千葉  そう。敵だし、あと夢の世界っていうか、死後の世界。
ちひろ あの世の世界だからね。ジャネンバも第一形態、第二形態みたいなのがあるじゃん。どっちのジャネンバ?
千葉  第二形態です。
ちひろ 強くなった方のジャネンバね。
千葉  そんな感じで、本当にただの「ドラゴンボール」雑談ですけど、「ドラゴンボール」のキャラクターって何であんなに可愛らしいんでしょうね。
ちひろ デザインとして美しいですよね。敵キャラも含めて、フリーザにしろセルにしろ。
千葉  すごく一発で分かるっていう。
ちひろ なんだろうね。やっぱり鳥山明先生のデザイン。
千葉  そうそうそうそう。俺「ドラクエ」も好きなんすけど。
ちひろ ああ、あれも鳥山明だもんね。
千葉  「ドラクエ」のモンスターのデザインとかも、めちゃくちゃ可愛くて、だから俺は「ドラゴンクエストモンスターズ」とかが好きなんすけど、鳥山明のキャラクターと一緒に冒険できるっていう喜び。
ちひろ なるほど。そして親戚の子供はジャネンバと一緒に寝ている。
千葉  多分今でも寝てるかも知れないっすけどね。
ちひろ 今いくつなの?
千葉  今多分18とかじゃないすか。
ちひろ ハハハ!!さすがにジャネンバと寝てないんじゃないですか18になったら。「トイ・ストーリー」的な話になってきましたね。
よしこ 女と寝てるよ。
千葉  ハハハハハハ!!
ちひろ ちょっと大丈夫ですか。ツボに入っちゃった。
千葉  突然大人の話来るなと思って。
よしこ フフフフフフ!!
ちひろ 「キャラのデザイン可愛いですね鳥山先生」ってコメント来てます。
千葉  僕はキラーマシーンが、キラーマシーン2が好きなんですけど。
ちひろ それ「ドラゴンボール」じゃなくね?
千葉  「ドラゴンクエスト」です。笑
ちひろ 話が「ドラゴンボール」からどんどん派生してる。
千葉  まだギリギリ鳥山明は引きずってる。(お客さんに)さっき「ギャルのパンティおくれ」のシーン見てたんですけどどうでした?
Y´さん(お客さん) え、なんかただの泥臭いアクションだけの漫画だと思ってたのが、お色気シーンもいっぱいあるんだなと思って。
ちひろ 前半は結構ブルマがお色気担当キャラみたいな。
Y´さん あ、そうですね。結構代わる代わる可愛い女の子が登場してて、見てて楽しいですね。
千葉  ランチいたもんな。
ちひろ ランチっていたね。今何してんすかね。
千葉  今、天さんとランチしてんじゃないすか。
ちひろ ランチだけにね。真面目な話をすると、結構前半で話したことなんだけどさ、風呂敷がどんどん広がっていくと、どんな無茶振りを編集からされてもそれを取り込んでどんどん話を面白くしていくじゃないですか、鳥山明先生って。で、話が進むにつれて、物語の文脈が変わっていくと思うんだよね。最初はドラゴンボールを探す大冒険の話だったはずが、もうドラゴンボールを探すことにはドラマ性がなくなってしまって、より強い何かとか、よりヤバい何かがやってくることによって、それまで物語の中で大事にしていた要素っていうのが、無に帰していくじゃないですか。最初はストーリーがあったはずが、最後にはもうストーリーとかじゃなくて強さと強さの何かみたいな、さっき千葉くんが行った悟りの境地みたいな。というのが、「ドラゴンボール」の42巻の物語の中で起きてると思うんだけど、それを2時間に無理矢理まとめたみたいな映画だったなって思ったの「ドラゴンボール超 ブロリー」は。だから最初は映画として観てるんだけど、途中から、あれ俺これ何観てるんだっけ、みたいな。「ドラゴンボール」を42巻のあの感じを2時間にまとめた、ある意味すごく「ドラゴンボール」の「ドラゴンボール」な部分をぎゅっと凝縮した映画なんだなって思ったんですけど、どう思います?千葉くん的には。
千葉  俺もそう思いましたね。やっぱり戦闘シーンで、今までの「ドラゴンボール」をずっとやってますよね。1から42巻までの「ドラゴンボール」を全部戦闘シーンに収めきったっていうのが完全なロマンですよね。
よしこ 今更なんだけどさ、「ドラゴンボール」って42巻までしか出てないの?
千葉  そうそうそう。
ちひろ 42って長いの?でも10年だよ。
千葉  最初の頃がギャグ漫画だからページ数少なくて、ストーリー漫画になってからアレなんですけど、「ONE PIECE」が六十何巻かの時に、「ドラゴンボール」の42巻と同じで。
Yさん 「ドラゴンボール」最後519話です。
千葉  「ONE PIECE」は六十何巻の時に(調べたら53巻でした)、519話いくんすよ。だから「ドラゴンボール」は、ギャグ漫画から始まってるから、巻としてはすごく短いっていう。
ちひろ はいはい。
千葉  「銀魂」ってどのくらいいってるんだろう。60~70くらいいってるんすかね。(調べたらこの時点で67巻でした)
ちひろ 何年くらいやってるの。10年以上やってるよね。
千葉  やってた。この前終わったから。
ちひろ 終わったんだっけ。
千葉  終わりました。「テニプリ」とか40とかだっけ?(調べたら42巻でした)「テニプリ」でもそんなもんっす。「キン肉マン」が30とか。(調べたら26巻でした)。そんな感じっすね、だから、当時からしたらすごく短い方なのかも知れないですね。だって「北斗の拳」だってそんなに長くないし。(調べたら27巻でした)
ちひろ だから逆に言うと、まあ「こち亀」とかは例外だとしても、「ドラゴンボール」があったから、ストーリーもので長くいけるってなったんじゃないの、集英社が。「ドラゴンボール」で42っていう記録を作ったから、1話完結じゃないストーリー漫画とかバトル漫画で、長期連載いけるじゃんってなったんじゃない?勝手な予想だけど。
千葉  それ多分やれてるの荒木先生だけっすけどね。同じ「ジョジョ」の話だけでやれてるの。
ちひろ ちょっと思ったのがさ、「ジョジョの奇妙な冒険」も昔はさ、俺が小学生くらいの時に「ジョジョ」連載してたんだけど、その時ってマニアックな漫画だったんだよね。大衆的な漫画ってイメージじゃなくて、好きな奴は好きだけどマニアックな漫画みたいな位置づけだったのが、10年位前に「アメトーーク!」で「ジョジョの奇妙な芸人」をやったぐらいから、リバイバルブーム的なのがやってきて。
千葉  市民権を得ましたよね。
ちひろ で、今ではアニメ化とかしてるわけじゃん。で、「ジョジョ」が再評価されてきてる流れもあると思うんだけど、それが鳥山先生の敵っていう説はどう思う?それはまた違うか。
千葉  荒木先生は同じ世代だから、多分違うんじゃないですかね。
ちひろ また別か。それではないと。
千葉  俺さっき思ったのは、「ワンパンマン」なんじゃないかなっていう。
ちひろ 俺「ワンパンマン」見てないんだよね。
千葉  「ワンパンマン」見てください。「ワンパンマン」は、近いんじゃないですかね、孫悟空のいる世界と。
よしこ 千葉さん全然関係ないこと言っていい?
千葉  はい。
よしこ 私「ジョジョ」が好きな美容師さんにこの前髪を切ってもらって、にしても髪がめっちゃ長くて、ホラー映画に出たいから伸ばしてるんだけど、「お前、(「ジョジョ」の)山岸由花子みたいだな」って言われて、それって褒めてるんですかね。
千葉  それ褒めてもないし、落としてもないっていう。
よしこ で、夫が、「(「HUNTER×HUNTER」の)パームさんですね」っていう。
千葉  ハハハハハハ!!
よしこ フフフフフフ!!
千葉  ちょっと怖いっすね、パームさんは。って感じでじゃあ終わりますか。
ちひろ 終わります?大丈夫ですか?
千葉  大丈夫です。
ちひろ はい、ちょっと延長したんですけど終わろうと思います。
よしこ ありがとうございました。
ちひろ ありがとうございました。
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