12/26(土)、27(日)に古町5番町のGALLERY蔵で開催した「ちひろdeアート2020」。
本日12/28(月)、撤収作業も無事に終了しました。
朝一で会場に行って作業を始めて、お昼前には無事に終了しました。(本番翌日で疲れていたけど我ながら頑張ったと思う!午後は寝ていたけど…)
昨年までは、徹夜して深夜に何時間もかけて撤収作業をしていましたが、4回目となってちょっとずつ慣れてきた感じがします。
GALLERY蔵さんは、例年までのちず屋の2階さんが狭くて窓がないので密になりやすいと思い、コロナ対策として初めてお借りしましたが、とても使いやすかったです。
何より、僕の大好きな古町に面していて外からも見える会場だったので、知らない人でもふらっと入って来やすくて、本当にこの会場を借りて成功だったと思いました。
というわけで、GALLERY蔵さん、ありがとうございました!
これからもよろしくお願いします。
せっかくなので、今年の「ちひろdeアート2020」をちょっとだけ振り返ってみたいと思います。
とは言え、今年はブログをかなり頑張ったので、毎日どんなことが起こったかは書いてきたので、細かいところが気になる方はそっちを振り返って読んでみてください。
また、昨年の「ちひろdeアート2019」終了後に、そもそも「ちひろdeアート」というイベントが生まれた経緯や、僕の表現との向き合い方などを長文でまとめてあるので、興味のある方は読んでみてください。
「「ちひろdeアート」および今までの自分のまとめ:ちひろtoアート(ちひろとアートと読みます)」
ちひろdeアートの前に、2020年が自分にとってどんな一年だったかを軽く振り返ってみたいのですが、一言で言うと、自分を見つめ直す(見つめ直さざるを得ない)一年だったなあと思います。
言うまでもなく、新型コロナウイルスの影響で、それまで当たり前だと思っていたことができなくなったり、生活を見直さざるを得なくなった部分がかなりありました。
新型コロナウイルスが流行りだした最初の頃はとにかく僕は途方に暮れていて、困っている人のために何かしようという意見を聞いては自分には経済的にも精神的にも他の人のために何かできるほどの余裕も行動力もないと思ったし、こんな時こそみんなで気持ちを一つにしようという意見に対しては同調圧力的なものを感じたし従来の天邪鬼で空気が読めない性格が出てしまって無駄に反発していたし、コロナは風邪みたいなものだからもっと規制緩和して経済を回せGoTo推奨しろみたいな意見にはもっと慎重になった方がいいと思ったし、一方であの頃の平和な日常に戻ってきてほしいという意見にはもともと僕みたいな精神疾患の人間にとってはコロナ以前だってうまくいかないことはあったんだからコロナもいいけどもうちょっとみんなそういう人達のことを考えてくれよと思ったし、もう日本経済は終わりだみたいな声にはいやいやそんなこと言うなよコロナ禍でも楽しいことはたくさんあるよと思いました。
あらゆる表現活動やエンターテインメントが打撃を受けているのも感じていて、例えばライブハウス経営者みたいな人達のことを考えると心が痛みましたが、逆にそういうことを考えすぎると自分と関係ないことなのに勝手に傷付いてしまうことがよくある人間なので、出来るだけ自分のことだけ考えることに集中するように努めました。
そこで自分の中で起こった変化は主に二つあって、一つはこういう状況ではコロナ対策も含めて自分にできる範囲の中で自分にできることを続けていくことしかないと考えるようになったこと(というか、本来人間はそういう存在だということ)。
もう一つは、いつ自分も感染するか分からない状況の中で、自分もいつ死んでもおかしくない存在だというそれまで考えずにいた事実を見つめ直すこととなり、その結果、自分が生きているうちに本当にやりたいことは何かを今まで以上に冷静に見つめ直すようになったことです。
この二つを念頭に置き、昨年一年間続けてきたトークイベントを感染対策をしながら続けること(会場と話し合ったり、危険だと判断したら無観客やリモートにもしながら)、そしていつか自分の本を書きたいという気持ちから、トークイベントを書き起こしていく作業を、一年間コツコツと続けてきました。
また、ありがたいことに僕は今年の4月から月刊ウインドで連載コラムを書かせていただけるようになっていたので、ひとまずそれを頑張ることにしました。
書き起こしも、コラムの連載も、一人でコツコツと頑張れる行為だったので、あまりコロナの影響を受けなかったのは幸運でした。
トークイベントだけは規模を縮小せざるを得なくなり、結果的に内輪感のあるイベントになってしまったことは否めませんが、こういう状況では仕方ないと思ったし、ネットでの配信と併用によって、できるだけ開けたイベントにできるように心掛けました。
(余談ですが、ネット配信はコロナ禍でやる人が増えましたけど、僕は数年前からずっとやってきたことですからね!という謎の主張だけはしておきます!
あと、コロナ禍になって大規模イベントがどんどん中止に追い込まれてネット配信の僕みたいな人間の時代がついに来たか!?と思いましたが、実際はなんてことない、お金のある人達がいい機材や環境で配信をするだけなのでした。)
そんな感じで、今年一年は自分が何が好きで何がしたいのかという気持ちと向き合いながら、コロナ禍でもできることを頑張りながら、比較的ポジティブな気持ちでモチベーションを下げずに一年を過ごせたのは、本当に幸運だったなと思っています。
障害をテーマにしたドキュメンタリー上映会のアフタートークに登壇させていただいたり、今年もヒューマンライブラリーに参加させていただいたり、貴重な体験もさせていただけました(一つだけ心残りがあると言えばずっと書いていた原稿を出版まで持っていけなかったことなのですが、これは来年も目標に持ち越しですね)。
そんな感じで一年が過ぎ年末が近付いたので、今年も「ちひろdeアート」をしたいと思ったのですが、昨年までやっていた「ちず屋の2階」は狭い上に窓がなく三密になりやすい会場だったので、他の会場を探した結果、よく専門学校の学生さん達が展示をしていた「GALLRY蔵」を思い出し、連絡してみると比較的良心的な値段で借りられた、というのも幸運でした。
普段から古町などを歩いて面白そうな展示を見付けたら行くようにしているのですが、その経験が活かされたなと思いました。
僕は今まで、できるだけ内輪受けにならずに世の中に開けた活動を心がけたいと思っていたのですが、古町に面していて、外を歩く人からも中が見えるGALLERY蔵は、まさに自分のこういう意図にぴったりで、寧ろどうして今までここでやらなかったんだろう、くらいに思いました。
コロナがきっかけで今まで気付けなかったことに気付けたり、ずっと迷っていた新しい選択に進む人がいる、という話を聞いたのですが、まさにそういう体験だったなあと思いました。
ただ、GALLERY蔵はちず屋の2階ほど安くはなかったので(決してGALLERY蔵が高いのではく、ちず屋の2階が破格にもほどがあるのです)、今までのように一週間するのではなく、土日に集中して行うことにしました。
そこで、開場時間を10:00とかなり早めに設定したのですが、その結果、午前中に来てくれた人もいて、結果的に正解だったなと思いました。
また、ちひろdeアートは老若男女がふらっと入りやすくしたいという意味で基本的に無料開催にしているのですが、それだと赤字なので、トークイベント等の有料イベントを行うことをしていました。
しかし今年は、コロナ禍で有料イベントにお客さんを大勢呼ぶことはできなかったので、そもそも黒字は最初から無理だと判断し、逆に開き直って自分のやりたいことに集中すること、特に「作品展示」という本来の目的に立ち返ることができました。
とは言え、初めての会場で、準備期間もあまりない中での開催だったので、例えば有料イベントでは他のゲストを呼んだりする余裕はなく、最も身近な相方であるよしこと二人で、「劇団おはなし図鑑」という新しい挑戦をしてみることにしました。(詳しくはこちらの記事の後半に書いてあります)
「ちひろdeアート2020、2日前の経過報告&劇団おはなし図鑑からのお知らせ。(大切なお知らせ)」
また、あまり新しい作品を作る余裕はなかったので、今年一年で作った新作に、過去数年間に描いてきた作品を加えて展示することにしましたが、その中でも写真などの新しい表現に挑戦したりしてみました。(詳しくはこちらの記事に書いてあります)
「ちひろdeアート2020で展示した作品紹介!」
で、実際にやってみた結果ですが、たまたま古町を歩いていて見つけてくれた完全に初対面の方から、僕が「ちひろdeアート」をやると聞いて来てくれた知り合いまで、多くの方が来てくれて本当にありがたかったです。
中には、このために遠くからわざわざ来てくれた方や、普段はなかなか会えないけれど絵が見たいからと言って頑張って来てくれた方もいたり、ちひろdeアートがあるから出会える人がいるのだとあらためて実感しました。
何より、年末に「ちひろdeアート」をすることで、僕自身が今年一年が自分にとってどういう一年だったのか、何を頑張れて、どういう反省点があるのかを振り返りながら、来年はどういう一年にしたいかという自分の気持ちを整理することができるので、自分にとってすごく意味があるんですよね。
そして、そんな気持ちで、会場に遊びに来てくれた人達と楽しい時間を過ごし、「よいお年を」と言い合って別れていける、そんなイベントが今年も無事に開催できて本当に良かったです。
初日にみんなが帰った時の寂しさや、最終日に終わった時の達成感は本当に大きかったですが、それだけ自分の中にある色々な気持ちに気付けるイベントでもありました。
そんなわけで、「ちひろdeアート」は昔からなかなか誰とも馴染めずにいた僕が大人になって自分の手で作り出すことに成功した自分らしく生きていられる貴重な場所なので、今後も毎年続けていきたいし、そんなイベントで少しでも皆さんと楽しい時間を一緒に過ごすことができれば本当に嬉しく思います。
というわけで、今年も「ちひろdeアート」が無事に開催できて本当に良かったです。
ご協力いただいた皆さん、一緒に楽しんでいただいた皆さん、ありがとうございます、そして、来年もよろしくお願いします。