舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

「メアリと魔女の花」を観て来ました!

2017-08-23 19:47:30 | Weblog
8/22(火)に久し振りに映画を2本も連続で観て来たので、感想を書いていこうと思います。
1本目は「忍びの国」でしたが・・・(こちらも読んでみてください「「忍びの国」を観て来ました!」)、




2本目はこちら!米林宏昌監督「メアリと魔女の花」です。
スタジオジブリ出身の米林宏昌監督が、自身の「スタジオポノック」を立ち上げた最初の映画!というのが気になって、観に行ってみました。

劇場公開は7/8だったらしいのですが、8月下旬でもまだやっていました。
話題のアニメ映画は公開期間が長くて助かります。



ひとまず、予告編はこんな感じです。(3本もあるんですね)









僕はもともとジブリのアニメは好きなのですが、ここ数年、ジブリに限らずあまりアニメ映画というものを観ていなかったんですよね。
それがここに来て、今年に入ってから立て続けにアニメ映画を観るようになって、それで、せっかくの機会だから話題のアニメ映画も観に行ってみよう!と思ったのが、この映画を観に行った理由です。



と言う訳で、感想を書いていこうと思うんですけど、最初に言っておきますが、感想を語る上で「ジブリと比較して」っていう言い方をたくさんすると思います!
せっかくジブリから独立した映画を、いつまでもジブリと比較し続けているのもどうなんだ?っていう気持ちもなくはありませんが、でも、もうこれは、この映画を語る上でどうしても避けられないことだと思うので、許してください!



そして、最初に結論から言ってしまうと、僕はこの映画、期待していたより面白いとは思えませんでした。
特に前半は正直、帰ろうかと思ってしまうレベルで面白くなかったのですが…

ただ、後半まで見ると、いや、そこまで悪く言うほどの映画でもないな…!って気持ちにもなったので、はっきりと駄作!とも言いたくはないのですが…という複雑な心境です!
一体どういうことなのか、書いていきます!



まず、映画の前半で、どこかの外国っぽい雰囲気の街に、外国人っぽい人々(何しろ主人公の名前が「メアリ」ですからね)が暮らしているのですが、その様子を見た時から、「あー、正直この映画、自分に合わないかなー…」って気がしていたんですよね…
そのおそらく一番大きな原因というのが、絵柄がどうしてもジブリっぽい絵柄なので、過去のジブリ作品とどうしても比較してしまったっていうのが、あると思うんですよね…これはもう、仕方ないと思います!

例えば、最初のどこかの外国っぽい街や森の風景っていうのも、何て言うかこう…見ていて、わくわくしない、そこに行ってみたい、って思えないんですよね。
架空の街であれ、実在の土地をモデルにしているのであれ、やっぱり映画の舞台って、映画の中に本当にそういう世界が広がっている!って思えることが重要だと思うんですけど、そう思えるだけのものがなかったのが、まず残念だったなあと思います。

それと、登場人物も、好奇心旺盛な女の子とか、お上品なおばさまとか出てくるんですけど、それが「ジブリっぽい」って言われればジブリっぽいのかも知れないですけど、うーん、俺が好きになるアニメのキャラクターってこういうんじゃないんだよなあ…っていう感じがしました。
僕が好きになるキャラクターって、やっぱりもっと一人一人に面白みのある魅力的な個性なり言動なりがあると思うんですけど、それがとても薄い感じがしてしまいまして、そうなると残るのは、表面的なジブリっぽい絵柄と、ただの甘ったるい雰囲気で、それが逆に「ジブリっぽいキャラクターの面白くない部分」ばかりを際立たせてしまっていたなあとさえ思います。



と言う訳で、この時点でだいぶ僕はテンションが下がっていたんですけど、でも、それだけでこの映画を判断するのは勿体ない!と思って、その後に主人公が魔法の世界に入って行くという展開になれば、もう少しは面白くなるのだろうか…と思ったんですけど、それも正直期待外れでした…
いや、確かにファンタジーっぽい舞台美術やキャラクター、不思議な生き物などはふんだんに登場するんですけど、それがどうしても、さっきも言いましたが、見ていてワクワクしないんですよね…

いやその、ファンタジーっていうのは、魔法とか魔法使いとか不思議な生き物とかを出せばいいのではなくて、やっぱりその映画の世界に対して好奇心を持てるかどうか、っていうことがすごく重要だと思うんです。
例えば僕が好きな「千と千尋の神隠し」の最初に出てくる不思議な街なんて、パッと見どこにでもある街なんだけど、どこか好奇心をくすぐられたり懐かしさを覚えるような作り込みが本当によく出来ているので、あそこの街を歩いてみたいって思ってしまった訳で…

ただ、この映画を擁護するわけじゃないですけど、ファンタジーに限らず、映画の中の世界を魅力的に描くのって、本当に美術的なデザインから何から、本当に難しいんだなあ…って思いました。
スター・ウォーズの舞台美術が優れているのとかもそうだと思うんですけど、明らかにフィクションなんだけど、どこか本当にありそうだと信じられる存在感、そういう映画ならではのリアリティ、みたいなもの、藤子F不二夫が言うところの「少し不思議」の絶妙なバランスとか、そういうのが本当に大切で、同時に本当に難しいんだろうなあ…って思いました。



そんな感じで、キャラクターや舞台の美術的な部分には、正直かなり物足りなさを感じていたのですが、それだけでこの映画を駄作と判断するのは良くない!肝心のストーリーはどうだったか!
と思って見続けていたんですけど、結論から言うと、そこまで悪くはなかったと思う!と言うか寧ろかなり頑張っていたと思う!特に後半は!

ただ、前半はどうだったかと言うと…正直、途中で帰ろうかと思ったほど好きじゃない展開だったんですよね…
まあ、後半はわりと面白かったので、帰らなくて正解だったんですが…一体どういうことなのか?これから書いていきます。



基本的に僕は、平凡な主人公が偶然異世界に行って大冒険して大した努力もせずにご都合主義の魔法で全部解決してハッピーエンド!みたいなファンタジーが本当に嫌いなんです!
だから、「メアリと魔女の花」の前半は、まさに最初そういう展開のオンパレードだったので、もうダメだこの映画!帰った方がいいんじゃないか!?くらいにがっかりしたんです。

ただ、「メアリと魔女の花」は、最初はそういうダメファンタジー展開かと思わせておいて、実はそれは今後の展開のための伏線というかミスリード?みたいなもので、後半からはそれまでの流れをひっくり返す展開になったことが、個人的には一番この映画の良かったと思うところです。(そして帰らなくて良かったと思うところです)
どういうことかと言うと、この映画のストーリーをざっくり説明してしまうと、偶然魔法の力を身に付けてしまった主人公は、偶然に偶然を重ねて最強の魔法使いだと思われてしまって調子に乗るのですが、それが原因で大切な仲間がピンチになってしまい、最後は魔法の力を頼らずに知恵と勇気を出すことによって、仲間を助ける、という話なんです。

こうして書くと、極めて王道な物語なんだなあと思います。と言うか、普通にいい話じゃないか!
ただ、やっぱり思うのは、そんな王道の物語を盛り上げるためにも、やっぱりキャラクターや舞台美術のデザインは、もうちょっとこだわって欲しかったなあ…って思うんですよね。

例えば、前半に主人公が魔法の世界で調子に乗ってしまう、っていう展開から引き込まれていれば、もっとこの物語を楽しめたと思うんですよね。
そのためには、思わず感情移入してしまう主人公や、思わず主人公の気持ちになって調子に乗って魔法を使ってみたくなるような魅力的な魔法の世界、なんかが描かれていた方が、絶対良かったと思うんですよね。

だから、ストーリーは悪くないのになあ…そのための(特に前半の、デザイン的な)工夫がもっとあればなあ…
要するに、この映画、せっかくいい話なのに勿体ない!と思うんですよね。



ただですねえ…何だかんだ色々書いてきましたけど、僕この「メアリと魔女の花」っていう映画、絶賛できるかと言われたら正直微妙なんだけど、だからと言って、駄作だ、みたいな言い方もしたくないんですよね…
その理由は、何より、王道の物語から逃げずにちゃんと筋の通った物語を描いた、っていうことが、何より大きいと思うので、この映画のダメな部分も気になりますけど、それより、僕はこの映画の良かったところ(主にストーリー)をちゃんと評価したいと思います。

あと、これは上手く説明できないんですけど、米林監督はきっとすごく真面目な方で、すごく頑張ってこの映画を作ったんだろうなあ…っていうのが、何だか映画の随所から感じられるんですよねえ…
だってねえ…この映画の企画自体、どう頑張ったって今や日本のアニメーションの権威でもあるジブリと比較されてしまう…ってことは目に見えている訳ですから、それでも(苦手な部分はありつつも)出来る限りの最善は尽くした!って感じがどうしてもしてしまうので、やっぱり、そこまで好きではないけど、一概に悪かったとも言いたくない、そんな映画でした。



そういう僕の気持ち、検索したら全部このブログに書いてありましたので、気になる方は読んでみるといいと思います。(ネタバレ含みます)
『メアリと魔女の花』感想 - ナナメ読みには最適の日々



最終的には知らない人のブログに便乗して終わろうと思います!
米林監督、色々思うところはあるけどこれからも頑張ってください!また観に行く!と思う!多分!
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