舞い上がる。

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ちひろBLUESこと熊谷千尋のブログです。

「ベイビー・ドライバー」を観て来ました!

2017-08-24 14:08:59 | Weblog
8/22(火)に久し振りに映画を2本も連続で観て来て、2本とも感想をブログに書いてみたので、良かったら読んでみてください。

「忍びの国」を観て来ました!
「メアリと魔女の花」を観て来ました!

気付けば2本ともかなりガッツリ感想を書いてしまって、思ったより時間も体力がかかったし疲れましたね…
が、しかし!その翌日、8/23(水)にも映画を観て来たので、今回も頑張って感想を書いていきます!





それが、こちら!エドガー・ライト監督の最新作「ベイビー・ドライバー」です!
最初に言っておきますけど、僕、エドガー・ライト監督が本当に大好きで、この映画も本当にずっと前から楽しみにしていたんです!





新潟県内では、T-JOY新潟万代と長岡の2館だけでの上映だったのですが、噂によると話題作のわりに公開規模があまり大きくないということで、新潟で観られたのは本当にラッキーでした。
僕はT-JOY新潟万代で観たんですけど、パネルが展示されてましたね。



ひとまず予告編はこんな感じです!





と言う訳で、感想を書いていく前に、はっきり申し上げておきたいんですけど、さっきも書きましたが、僕は「ベイビー・ドライバー」のエドガー・ライト監督の大ファンなんですよ!
特に、サイモン・ペッグとニック・フロストのコンビが大活躍する「ショーン・オブ・ザ・デッド」、「ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-」、「ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!」の三部作が本当に大好きで、自分の人生にとってとても大切な作品たちです。

エドガー・ライト監督の過去作の好きなところをいくつか挙げると、テンポが良くてキレッキレのギャグとアクション、過去の様々な名作映画に対するオマージュも含めた映画というものに対する強い愛とリスペクト、ノリは軽いがガッツリ見応えのあるストーリーなど、脚本、演出、編集、どこをとっても本当にズバ抜けたセンスの持ち主だと思います。
中でも一番この監督の好きなところは、基本的にいつもダメな登場人物ばかりが出てくるんですけど、そんな彼らをとても魅力的に愛を以て描いていて、しかもそんな奴らが最後には大活躍してしまうという、ダメな人間たちへの応援歌みたいな映画ばかり作っているところなんですよね。

だから僕は、エドガー・ライト監督の映画を観る度に、「ああ~俺はこの映画に出会えて幸せだ~!」と、寧ろ「この映画に出会うために生きていたんだ~!」とさえ思ってしまうんですよね。
そんな、本当に大好きなエドガー・ライト監督の最新作「ベイビー・ドライバー」は一体どんな映画だったかと言うと…やっぱり超絶大傑作だった!

いやもう、本当に最高です!文句なしの大傑作!こんなに面白い映画がこの世にあるんだ!って感動するレベルの面白さ!
例えるならば、そうですね、世界では名作とされている娯楽映画ってたくさんあるじゃないですか…上映から10年以上経っても、金曜ロードショーとかでも何度も何度も放送されて、その度に楽しく観てしまうような、「こんなの面白いに決まってるだろ!」っていうみんなが大好きな娯楽映画、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とか、「ターミネーター」とか、「ダイ・ハード」とか…そういうレベルの大傑作が、この2017年に生まれてしまった!って思いました。

考えてみれば、エドガー・ライト監督はずっとアメリカの娯楽映画の面白さを、イギリスという土地で、イギリスならではの面白さをそこに加えたりして、自分なりに表現してきたような映画監督だと思うんですよね。
そんなエドガー・ライト監督、今回の「ベイビー・ドライバー」では舞台を本場アメリカでガッツリ映画を撮った訳ですけど、これがもう、文句のつけようがないほどの面白さで、監督の映画愛がちゃんと実を結んだんだなあ…って思うと感慨深いですねえ…



さてさて、面白かった!と監督最高!っていつまでも言っててもアレなんで、じゃあどこがそんなに面白かったのか?っていう具体的な感想を書いていこうと思います。
と言っても、本当に最初から最後までずっと面白いので、全部書ききれるか自信がありませんが、書ける範囲で書いていきます。



まず、映画が始まるや否や、一台の車が銀行の前に止まる…すると、音楽に合わせて4人の男女が順番にスクリーンに大写しに…と思いきや、3人は銀行に入って行く…彼らは銀行強盗なのだ…
一人運転席に残ったサングラスの少年、彼はこの映画の主人公ベイビー、すると、やおらノリノリの音楽が盛り上がっていくにつれて、運転席のベイビーがノリノリで踊り出したではないか!ちょっとちょっと!なんかこの映画、面白くなりそうな映画がしますよ…

と、思いきや、銀行強盗を終えた3人が戻ってくるや否や車を急発進させて逃走するベイビー!もちろん追い駆けてくるパトカー!映画開始早々始まるド派手なカーチェイス!捕まるのか!?逃げるのか!?一体どうなる!!
超絶的なドライビングテクニックで車と車の間をすり抜けていくベイビー!九死に一生の連続にハラハラが止まらないぜ!

警察も負けてはいない!逃げ切ったと思ったら次のパトカーが登場!おまけにヘリでも追われる始末!
しかし、ベイビーのドライビングテクニックは伊達じゃないぜ!驚きのテクニックの連続で(個人的にヘリを騙すテクニックが最高に面白かった)、見事に逃げ切ってしまう…

…という、ここまでの開始10分とか15分くらいだと思うんですけど、もうこの時点でクライマックスんじゃないか!?っていうレベルの超ハイクオリティなカーチェイスの連続で、すでに大興奮なのですが、何がすごいって、アクションの撮り方や編集のタイミングなどが、ずっと流れている音楽と完全にユニゾンしているんですよね。
カーチェイスのカッコよさと音楽のカッコよさが完全にユニゾンしたここまでのオープニングは、本当に「ラ・ラ・ランド」のオープニングと同じくらい、映画史に残るレベルなんじゃないでしょうか!?



先程、オープニングのカーチェイスの音楽がカッコ良かったって書きましたけど、この映画がカッコいいのはカーチェイスだけじゃないんです!
続くシーンで、ベイビーがギャングから金を受け取るためにコーヒーを買って街を歩いていくというシーンがあるのですが、ここでもまたカッコいい音楽に合わせて、ベイビーがめちゃくちゃカッコいい服装でめちゃくちゃカッコつけて歩いていくのが、もう本当にカッコいいーー!!っていうね!

本当に、映画を観て心から「カッコいいーー!!」って思えるのって、本当に幸せなことだと思うんですよ。
いつまでも映画というものに憧れていたい、いつまでも大好きな映画を愛していたいという、この気持ち、本当に映画が大好きで良かったーーーー!!っていう本当に幸せな気持ちでした。



さてさて、そんな感じで音楽もアクションもファッションも最高にカッコいい「ベイビー・ドライバー」ですが、物語が進行するにつれて、ただ単にカッコいいだけではなく、生きることのしんどさ、現実の重さ、暴力の恐ろしさなど、重み、深みのある展開を迎えていきます。
例えば、最初はただ単にカッコよかっただけのカーチェイスも、徐々に例えば銃撃されたり他の車と衝突したりと、命の危機を感じるような現実的な恐ろしさもちゃんと描いていくのです。

他にも、ベイビーの生い立ちや、どうしてギャングのドライバーをしているかという過去が徐々に明かされていったり、一緒に仕事をするギャングをちゃんと怖い人物であり、彼は理不尽な状況に追い込まれているんだ、彼が生きているのはあくまで危険な世界なんだ、ということが伝わってきて、単に能天気な娯楽映画じゃないんだな、ってことが分かるんです。
それに合わせて、物語の暴力性も徐々にエスカレートしていって、中盤のある展開では普通にギャング同士の銃撃戦があり、普通に人死にが大量に発生したりもして、物語の深刻さが徐々にダイレクトに伝わってくるのです。



また、そんなベイビーが恋をするという、ラブストーリー展開もちゃんとあるんですけど、この映画、アクション映画としてでなく、恋愛映画としても一流だと思いました!
と言うのもですね、これは恋愛映画にとって一番大切なことだと思うんですけど、映画を観ながら、映画を観ている自分も、ベイビーと一緒にヒロインに恋をしてしまうから!なんです!

僕が思うに、ベイビーという主人公は、ギャングの運転手という、本当に過酷な、失敗も許されない、一歩間違えば命も落とす、そして仲間同士でも常にお互いに疑心暗鬼になっているような、そんな殺伐として世界に生きているんだなあ、っていうのが映画の前半であって、その上でヒロインと出会うので、彼女の存在がいかにベイビーにとって大切なものなのか、っていうのが、本当に切実に伝わってくるからだと思うんですよね。
だからこそ、映画を観ながらベイビーに感情移入してしまうし、だからこそヒロインの存在の大切さも伝わってくるから一緒に恋もしてしまう、という、やっぱり脚本がものすごく良く出来ていると思うんですよ。



という、カーチェイスも、バイオレンスも、ラブストーリーも、要するに「俺たちが大好きな面白い映画の展開」がてんこ盛りなこの「ベイビー・ドライバー」なんですが、さっきも言うように、やっぱり音楽がめちゃくちゃカッコいいんです。
どんなシーンでも常にカッコいい音楽が映画全体を貫いているから、まるでライブを見ているかのような気持ちで気持ちが高揚してしまうこの感じ、まるで「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の感動を思い出したりしました。

しかも音楽と映像や音の編集のタイミングがバッチリ合っているので、謳いこそしないにせよ、ほとんどミュージカル映画と言えるかも知れないので、さっきも名前出しましたが「ラ・ラ・ランド」とか好きな人には本当にオススメしたいところです。
個人的に、銃撃戦で人が死にまくる物凄くバイオレンスなシーンで、銃撃音のタイミングと音楽のリズムがバッチリ合ってるシーンは、うーん!めちゃくちゃ怖いけどめちゃくちゃアガるしめちゃくちゃカッコいいーーーー!!っていう、物凄く興奮したシーンでしたね。(個人的に、今年観た「フリー・ファイヤー」にはこういうノリを期待していたんだよなあ…)



さてさて、そんなめちゃくちゃカッコいいしめちゃくちゃ面白い「ベイビー・ドライバー」全部の面白さは語りつくせないのでこの辺りで切り上げて、ラストシーンについてちょっと書いてみようと思います。
皆さんの期待通り、クライマックスには超絶大迫力のカーチェイスが展開しまして、その最後に、主人公ベイビーが迎えるある結末があるんですけど、その、それが本当によく出来た結末でして…

いやー、これ、ネタバレなしでなんとか頑張ろうと思うんですけど…映画全編を通して、ベイビーのことは決して悪人ではない、という描き方を一貫しているんですよね、この映画。
で、そういうベイビーの人間性が感じられるような、見過ごしてしまいそうなくらい細かいネタが本当に随所に散りばめられているんですけど、それが実は伏線となって、最後に一気に回収されていくのです!

そして、その伏線回収によって、この映画そのものが、ベイビーという主人公のことを、甘やかすわけでも、突き放すわけでもなく、絶妙なバランスで、救おうとしているように思えてしまいました。
何度も書きますが、ベイビーは決して悪い奴ではない、しかし、悪の道に進んでしまって、そういう悲しい運命を背負った少年なんですが、そんな彼のことを、この映画は必死に救おうとしているんだなあ…と思ったんです。

過去のエドガー・ライト監督の映画を観た時にいつも思っていたことなんですが、基本的にはニートだったり落ちこぼれだったり、とにかく「ダメな奴」が大活躍したり、それでもそんなダメな奴が必死に大事に持っている「友情」だったり「愛情」みたいな本当に大切なものはしっかり描ききるという、徹底して「ダメな奴、弱い奴の味方」になってくれるところが、本当に素敵な映画だったなあ、って思うんですよね。
同じように、今回の「ベイビー・ドライバー」も、不本意ながら悪の道に進んでしまい、運命に翻弄されながらも必死に生き続けている、そんなベイビーのことを、(と言うか、同じように不本意な生き方をせざるを得なくなっている、世界中にきっといるであろう、大勢のベイビーたちのことを)この映画はきっと救おうとしてくれているんだ!少なくとも味方になろうしてくれているんだ!って思ったら、本当に嬉しくなってしまって、最後には泣いてしまったんですよね。



と言う訳で、分かりますか!最高にノリノリな音楽とカーチェイスから始まって、大興奮のバイオレンスがあって、一緒に恋をしてしまうようなラブストーリーがあって、最後にはこの映画に込められた強いメッセージに泣かされてしまうという、何ですかこの映画の素晴らしさが全部詰まったような最高の娯楽映画は!大傑作ですよ!
大好きなエドガー・ライト監督の最新作は本当にやっぱり大傑作だった!本当最高だよ!ああー!この映画に出会えて良かったー!映画が好きで良かったー!映画が好きだー!生きてて良かったー!っていうこの気持ち、伝わっているか分かりませんが、これ以上書き続けてもうるさいだけだと思うので、このあたりで終わろうと思います。
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