書き残していた映画の感想を書いていきます。
3/22(木)に、シネ・ウインドで『殺人者の記憶法』を観て来ました。
予告編はこんな感じです。
シネ・ウインドが行っている「韓国映画祭2018」の第二弾。ちなみに第一弾『密偵』の感想はこちらです。
「シネ・ウインドで、韓国バイオレンスサスペンス映画『密偵』を観て来ました!」
さて、この『殺人者の記憶法』、一言で言えばサスペンス映画です。
連続殺人事件が起きて、果たして犯人は捕まるのか…?といういかにもなサスペンスなのですが、この映画はそれだけでなく、主人公に新たな設定を加えることで、一味違う面白さになっていたと思います。
どういうことかと言うと、まずこの映画が画期的なのは、主人公が連続殺人犯という過去を隠して生きている、という設定。
そしてもう一つは、その主人公がアルツハイマーで記憶障害があるという設定です。
普通はサスペンスって事件が起こることでストーリーが動き出すことが多いと思うのですが、この映画の場合は映画の冒頭でいきなり主人公が隠している過去の殺人事件が語られるので、すでに事件が一つ起きているところからいきなり始まり、いきなりストーリーの途中に放り込まれてしまうような衝撃がありました。
そういう状況下で、主人公とはまた別に犯人による連続殺人事件が発生するので、この映画には二つの連続殺人事件が登場するわけで、ハラハラも2倍なのです。
しかもそんな主人公が新たな連続殺人事件に巻き込まれていくので、現在進行形で起こるストーリーと並行して、「主人公の過去はバレてしまうのか!?」というもう一つのハラハラがあるのです。
そしてあろうことか、主人公の過去に唯一気付いてしまう人物が、新たな連続殺人事件の犯人という非常に練られたストーリー!
さらに、そんな主人公だけが唯一、新たな連続殺人犯の正体に気付いてしまうのだから驚きです!
要するにこの映画は、過去の連続殺人犯と現在の連続殺人犯のバトルというストーリーでもあるわけで、非常に手に汗握るストーリーなのです。
もうこの時点でだいぶ練りに練られたストーリーだと思うのですが、ここで登場するのがもう一つの、主人公の記憶障害という設定です。
つまり、主人公は誰に会って何を見たのかをちゃんと覚えられないので、主人公が連続殺人犯の正体に気付いたとしても、その記憶もやがて消えて行ってしまうという、タイムリミットサスペンス的な面白さもあるのです。
しかもあろうことか、新たな事件の真犯人が主人公の過去の連続殺人事件と記憶障害を利用して、犯人に仕立て上げようとするので、もう本当に非常に複雑なストーリーで、観客は翻弄され続けることになります。
さらに観客を翻弄するのが演出で、基本的にこの映画は主人公の視点から描かれているのですが、スクリーンに登場したシーンが果たして真実なのか、それとも改竄された主人公の記憶なのかが、どんどん分からなくなっていくのです。
という訳で、過去と現在の二つの連続殺人事件、二人の犯人同士のバトル、主人公の過去はバレるのか?真犯人は捕まるのか?そして本当の記憶とは?と、いくつもの謎が観客に襲いかかり本当にハラハラするし、最後まで翻弄され続けるという非常に良くできたサスペンスだったと思います。
もうこの時点で素晴らしいのですが、さらに良くできていたと思ったのは、連続殺人犯という普通なら感情移入できないような主人公に、観客が思わず感情移入してしまうような仕組みです。
というのも、確かに主人公は連続殺人犯なのですが、娘を持つ父親でもあり、新たな連続殺人事件に娘が巻き込まれそうになるのを防ぐために奮闘するのです。
連続殺人という悪行という過去を持つ人間にもある一抹の人間らしさには、思わず涙が出てしまいそうになるほどで、サスペンスとしても人間ドラマとしても本当によくできていたと思います。
いやー、やっぱり韓国映画のサスペンスに外れはないですね!
この後の4月の『コンフィデンシャル 共助』、6月の『タクシー運転手 約束は海を越えて』も楽しみですね!
3/22(木)に、シネ・ウインドで『殺人者の記憶法』を観て来ました。
予告編はこんな感じです。
シネ・ウインドが行っている「韓国映画祭2018」の第二弾。ちなみに第一弾『密偵』の感想はこちらです。
「シネ・ウインドで、韓国バイオレンスサスペンス映画『密偵』を観て来ました!」
さて、この『殺人者の記憶法』、一言で言えばサスペンス映画です。
連続殺人事件が起きて、果たして犯人は捕まるのか…?といういかにもなサスペンスなのですが、この映画はそれだけでなく、主人公に新たな設定を加えることで、一味違う面白さになっていたと思います。
どういうことかと言うと、まずこの映画が画期的なのは、主人公が連続殺人犯という過去を隠して生きている、という設定。
そしてもう一つは、その主人公がアルツハイマーで記憶障害があるという設定です。
普通はサスペンスって事件が起こることでストーリーが動き出すことが多いと思うのですが、この映画の場合は映画の冒頭でいきなり主人公が隠している過去の殺人事件が語られるので、すでに事件が一つ起きているところからいきなり始まり、いきなりストーリーの途中に放り込まれてしまうような衝撃がありました。
そういう状況下で、主人公とはまた別に犯人による連続殺人事件が発生するので、この映画には二つの連続殺人事件が登場するわけで、ハラハラも2倍なのです。
しかもそんな主人公が新たな連続殺人事件に巻き込まれていくので、現在進行形で起こるストーリーと並行して、「主人公の過去はバレてしまうのか!?」というもう一つのハラハラがあるのです。
そしてあろうことか、主人公の過去に唯一気付いてしまう人物が、新たな連続殺人事件の犯人という非常に練られたストーリー!
さらに、そんな主人公だけが唯一、新たな連続殺人犯の正体に気付いてしまうのだから驚きです!
要するにこの映画は、過去の連続殺人犯と現在の連続殺人犯のバトルというストーリーでもあるわけで、非常に手に汗握るストーリーなのです。
もうこの時点でだいぶ練りに練られたストーリーだと思うのですが、ここで登場するのがもう一つの、主人公の記憶障害という設定です。
つまり、主人公は誰に会って何を見たのかをちゃんと覚えられないので、主人公が連続殺人犯の正体に気付いたとしても、その記憶もやがて消えて行ってしまうという、タイムリミットサスペンス的な面白さもあるのです。
しかもあろうことか、新たな事件の真犯人が主人公の過去の連続殺人事件と記憶障害を利用して、犯人に仕立て上げようとするので、もう本当に非常に複雑なストーリーで、観客は翻弄され続けることになります。
さらに観客を翻弄するのが演出で、基本的にこの映画は主人公の視点から描かれているのですが、スクリーンに登場したシーンが果たして真実なのか、それとも改竄された主人公の記憶なのかが、どんどん分からなくなっていくのです。
という訳で、過去と現在の二つの連続殺人事件、二人の犯人同士のバトル、主人公の過去はバレるのか?真犯人は捕まるのか?そして本当の記憶とは?と、いくつもの謎が観客に襲いかかり本当にハラハラするし、最後まで翻弄され続けるという非常に良くできたサスペンスだったと思います。
もうこの時点で素晴らしいのですが、さらに良くできていたと思ったのは、連続殺人犯という普通なら感情移入できないような主人公に、観客が思わず感情移入してしまうような仕組みです。
というのも、確かに主人公は連続殺人犯なのですが、娘を持つ父親でもあり、新たな連続殺人事件に娘が巻き込まれそうになるのを防ぐために奮闘するのです。
連続殺人という悪行という過去を持つ人間にもある一抹の人間らしさには、思わず涙が出てしまいそうになるほどで、サスペンスとしても人間ドラマとしても本当によくできていたと思います。
いやー、やっぱり韓国映画のサスペンスに外れはないですね!
この後の4月の『コンフィデンシャル 共助』、6月の『タクシー運転手 約束は海を越えて』も楽しみですね!