3/8(木)に、『悪女/AKUJO』を観て来ました。
予告編はこんな感じです。
率直な感想として、またしても衝撃的な映画を観てしまった…と思いました。
とにかく、全編に渡って繰り広げられるバイオレンスアクションの壮絶さが想像を遥かに超えていて、まさに死闘の連続に「す、すげぇ…」とまったく目が離せなくなってしまいました。
また、アクション以外にも回想シーンも多く、過去と現在で複雑に絡み合った人間関係や様々な謎、二転三転するストーリーなど、とにかく物語に引き込まれ翻弄されっぱなしの映画でした。
いやー、韓国のアクション映画は完成度が高いって以前から思っていましたが、まさかここまで進化していたとは!
映画が始まるとまず、主人公の視点で次々と何人もの敵をぶっ殺しまくるというシーンがいきなり始まり、それがワンカットで何分も続くのです。
しかも、ただ淡々とぶっ殺しまくるだけではなく、全部が一つ一つちゃんと死闘なのです。
敵の動きや殺し方のアクションの一つ一つも、本当に細部まで作り込まれていて完成度が高く、一つ一つを切り取ってみても完成度の高いアクションをまさかのワンカットで見せられるから、本当に「す、すげぇ…」ととにかく圧巻のアクションなのです。
この時点でどういう物語なのかはまったく説明がなされていないのですが、そんなことは分からなくても「すごいものはすごい!」と感動させられてしまうという、ある意味この映画全体の「とにかく、アクションが凄すぎる!」という方向性が一気に見せつけられてしまったオープニングのアクションだったと思います。
さて、そこから物語は過去と現在を行ったり来たりという複雑な構成の上でに、サスペンスにありがちな裏切り者の登場などで物語がどんどん二転三転しいくので、正直頭の回転が追い付かないくらいこの映画に翻弄され続けることになります。
とは言え、そんな複雑な物語の中で、過去のシーンでも現在のシーンでも、あらゆるシーンに様々な壮絶なアクションシーンが挿入されるので、まったく目が離せなくなってしまい、そのまま目まぐるしく展開するアクションと物語に翻弄され続けるうちに、あっという間に2時間以上の上映時間が終わってしまった感じでした。
そんな複雑な物語をざっくり説明すると、幼少期から暗殺組織で育て上げられ最強の女殺し屋となった主人公が、組織に裏切られ、復讐を決行。
その後、暗殺組織から離れた主人公は、愛する人と巡り合い新たに幸せな人生を歩み出そうとするものの、新たな暗殺組織に組み込まれてしまい、さらに彼らに裏切られてしまったことで、またしても復讐を決行。
そんな訳で、前編に渡って過去と現在で様々な裏切りと復讐が繰り広げられるという、まさしくバイオレンスアクションとしか言いようのない映画でした。
どんな道を歩もうとも最終的に暴力の世界に組み込まれ、殺し屋としてしか生きることの出来ない主人公に重くのしかかる過酷な運命に、冷酷な主人公の裏にある深い悲しみを感じたりもしました。
しかも、そんな残酷な運命の中で希望を見出すでもなく、暴力の連鎖から脱出するでもなく、最後まで自分の唯一の生き方である暴力で全力で運命に立ち向かい最後の最後まで最強の殺し屋として走り続け戦い続ける主人公の姿に、もはや様々な感情を超越した「す、すげぇ…」と圧倒されるしかありませんでした。(俺は絶対あんな生き方したくないけど)
映画には色々ありますけど、人間の良心や常識をはるかに凌駕したホラーとかバイオレンスとか、何かに凄まじく突出したような映画は、時に言葉では説明しきれない人間の本質を突くことがあると思っているんですけど、『悪女/AKUJO』はまさにそんな映画だったような気がします。