2/17(月)、イオンシネマ新潟西で、「転がるビー玉」を観てきました。
新潟市内では、イオンシネマ新潟西のみでの上映だったようです。
予告編はこんな感じです。
自信の持てないモデルの愛、仕事も恋愛も失敗ばかりの瑞穂、ミュージシャンを目指して路上ライブをしているがなかなか芽が出ない恵梨香の、渋谷のシェアハウスでの3人暮らしを描いた青春映画です。
まず、この渋谷の再開発で退去が決定しているが故に家賃が安いアパートで暮らしているという設定が、いつか終わることが決定している青春の象徴みたいで、もうこの時点で切ないし秀逸だと思いました。
3人とも色々悩みを抱えて生きているし、時にすれ違ったりもするんだけど、たとえいつか終わりが来るとしても、3人が過ごした日々は間違いなく青春と呼べるものだった、という描き方に温かさを感じました。
じっくり見ていくと、3人とも「帰れば誰かがいる場所がある」という事実に、つらい現実でも頑張れていたりするんだなあと感じました。
中でも、「今まで夢を見なかった、2人と暮らしてから夢を見るようになった、2人がいると夢を忘れる前に話すから忘れなくなった、忘れたら夢は見ないのと変わらない」みたいな台詞はすごく印象に残りました。
これは夜に見る夢の話なんだけど、言うまでもなく将来の夢の話にもなっているんですよね。
他にも、例えば前半の何気ない日常の会話も、最後に振り返るとぐっとくるようになっていたり、一見静かでエピソードに乏しく感じるけど、非常に丁寧な作りの青春映画だと思いました。
あとで分かったのですが、この映画はファション&カルチャーマガジン「NYLON JAPAN」の、創刊15周年記念プロジェクトとして作られた映画だそうです。
そういう、スポンサーありきで生まれた映画だけど、ちゃんと丁寧な青春映画になっていたのはすごく良かったですね。
宇賀那健一監督は、ガングロギャルの青春映画「黒い暴動」で知ったのですが、若い人達の小さな世界を描きながらも普遍的な青春映画を作るのがすごく上手いなあと思います。
ちなみに、劇中で恵梨香が歌う「転がるビー玉」は、そのままエンディングになっています。
劇中にもビー玉が実際に登場するし、誰もいなくなった部屋に残されたビー玉で終わるエンドカットとかも含めて、終わったと思ってもまたどこかに向かって始まっていく青春の象徴なのかな…なんて思ったりしました。