2/19(水)、シネ・ウインドで「リンドグレーン」を観てきました。
予告編はこんな感じです。
「長くつしたのピッピ」などで知られる、イギリスの児童文学作家、リンドグレーンの思春期から母親になるまでを描いた伝記映画です。
最初に彼女の(おそらく)初恋が描かれるんですが、それがなんと、職場の上司との不倫で妊娠。
そんな彼女に、キリスト教文化圏であることや、今よりも女性の人権が軽んじられていた時代背景などもあって、厳しい目が向けられ、家族にも密かに出産という壮絶なもの。
しかも、出産したはいいが相手の男とどんどん気持ちがすれ違っていって、色々あってなかなか息子に会えなかったり、やっと会えたと思っても分かり合えなかったりと、あんなに可愛い児童文学を書く作家がこんなにハードな人生だたのかと、衝撃を受けました。
しかし、そんなリンドグレーンが息子との距離が縮まったきっかけが、彼女が眠る前に息子に自分が考えたお話を聞かせてあげたことでした。
壮絶な人生の果てにこういう体験があったことが、子供を感動させる児童文学に繋がっていったのか…と思うと、ちょっと言葉にできない感動がありました。
好きなシーンが、思春期にパーティで一人で踊り狂うところ、そして大人になってもやっぱり一人で踊り狂うところです。
型にはまらないパンク精神を感じたし、そういう生き方を思春期から大人になるまで常に貫いているんだと感じられるシーンでした。
そもそも、あの時代にシングルマザーとして生きること、さらに女性作家として生きること自体が、多分相当パンクなことなんだと思うんですよ。
自分が幼少期に長くつしたのピッピの自由奔放さに惹かれたのも、ああ、あれはパンクだったのかと納得しました。
そして、映画の冒頭と終わりの、リンドグレーンに世界の子供達からファンレターが届く場面は、彼女が世界の子供達から愛される児童文学作家になったことを実感できるもので、僕もその一人だったんだなと思うと嬉しくなりました。
一言では片付けられないくらい過酷で壮絶な人生を生き抜いてきたリンドグレーンですが、最終的には作家として、母親として、一人の人間として幸せな人生を歩めて本当に良かったなと思いました。