「民主主義ってめんどくさい」とは、私の知り合いの青年の言葉です。「めんどくさい」という表現がどうかはともかく、民主主義の一面を見事に言い当てた言葉だと私は思います。
民主党と自民・公明の3党で、使途も定まらないまま消費税増税の合意が形成されました。「密室での談合」と呼ぶにふさわしい、主権者である国民を愚弄する行為ではありませんか。
自民党は民主党を「何も決められない政党」だと批判します。自らポスターに「決める、進める、自民党」なんてコピーも出しています。
でも決まりさえすればいいのでしょうか。国民の声がどうあれ、日本の行く方向がどうあれ、決まりさえすれば?
もうひとつ。橋下「維新の会」が人気のようで。
自民に嫌気がさして民主党に期待したが、これが大失敗だった。とはいえ、自民党に戻るには、自民党があまりに無反省だ。そう思っている方は多いはず。「じゃあどこに期待すれば?」...それはもちろん、日本共産党へ!...と声を大にして言ってみても、なかなか届いていないのが現状です。残念ながら。
模索をしつつも、どうすれば世の中が良くなるのか、閉塞感を持つ中、「決断できる人」が現れると、この人が何をやろうとしているのかは二の次に、「何かやってくれそうだ」という期待感を持つようです。
しかし、「何か」が何でもいいのでしょうか?そして、物事を決定するのが一人で、その一人に任せちゃえばいいのでしょうか?
歴史はそうは語っていません。安易に誰かの「決断力」に頼っている場合ではありません。みなさんの思いがどこにあるか、その多様な思いをぶつけ合って、前向きに世の中を動かして行くこと。これが民主主義であり、人類が歴史の中で培ってきた知恵ではありませんか。
だれかに任せてしまうのは楽かもしれませんが、面倒でも自分の考えをもち、それを社会でぶつけあうことが、世の中を前に進める大事な要素ではないかと私は思います。