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全国一般東京東部労働組合の記録

東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判証人尋問報告

2016年06月24日 11時23分52秒 | 東京メトロ売店

写真=裁判後の報告集会で勝利を誓い合う原告団・弁護団ら

動画・4人の原告組合員全員が証言に立つ!6.23メトロコマース支部 非正規差別をなくせ裁判

非正規差別と生活苦への組合員4人の怒りで傍聴者の魂を震わせた!
~東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判証人尋問報告~

東京メトロ駅売店の非正規労働者らでつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部が正社員との賃金差別をなくすために起こした裁判の証人尋問が6月23日、東京地裁であり、同支部組合員の原告4人が非正規差別と生活苦を強いる会社側への怒りをもって、同じ仕事をしているにもかかわらず労働条件に不合理な格差があることを堂々と証言し、傍聴に駆けつけた多くの支援者の魂を震わせました。

証人尋問は午前中、会社側証人として向井拓メトロコマース前総務部長への主尋問・反対尋問がありました。組合側弁護団による反対尋問で、なぜ正社員に支給される住宅手当や家族手当が出ないのか、早出・深夜の割増賃金に差がついているのはなぜか、非正規労働者に退職金が出ないのはなぜかなどについて、向井氏は「過去の経緯でそうなっているから」「そういう制度だから」などと答えました。まさに、そのような経緯と制度が非正規労働者への差別だと指摘されているにもかかわらず、まったく合理的な説明ができませんでした。

その他も多くの尋問に対して「覚えていない」「記憶にない」などと不誠実な答弁に終始しました。正社員には売店の中でもとくに売上げの高い売店を任せているので非正規労働者とは役割と責任が違う、という会社側の主張に対して、裁判官から「そのような売店にはより経験がある契約社員B(非正規労働者)をあてがった方が良いのではないか」という当然の疑問が補充尋問として出されましたが、これにも向井氏は「会社の方針としてそうだから」と、何の説得力もない言い方しかできませんでした。

午後は組合側証人として、まず同支部の後呂良子さんが証言に立ちました。後呂さんは非正規労働者も正社員とまったく同じ売店業務を担っていること、自分たちの創意工夫で売上向上に貢献していること、責任の度合いや配置転換の有無なども同じであること、登用試験の不合理性などを具体的に明らかにしていきました。そのうえで、以前の店舗が閉店になる際にお客さんがくれた手紙に、「後呂さんは心のオアシスだ」と書かれていたことを紹介し、「非正規労働者はいくら頑張っても会社に評価されないが、お客さんは見てくれていた。これからも頑張っていこうと思った」と涙ながらに語りました。

続いて同支部の瀬沼京子さんが証言。過去に骨折で仕事を休んだ際、正社員は私傷病時に休めるのが3年であるにもかかわらず、契約社員Bは4カ月であることをあげ、さらには正社員にはほとんど全額賃金が払われるのに契約社員Bは無給で、なおかつボーナスまで減額されたという差別の実態を明らかにしました。母親の介護で働けなくなった時の心境を「収入が断たれ、ショックだった。姉妹の援助があったから何とか生活できた。退職金もなく、賃金も低い契約社員Bの生活を会社は考え直してほしい。格差をつけるのをやめて、売店の屋台骨を支えてきた契約社員Bを救ってほしい」と訴えました。

組合側として3番目に証言に立ったのは同支部の加納一美さん。2011年3月11日の大震災時には電車が動かなかったため家に帰れず、翌朝そのまま一睡もせずに売店勤務についたことなどの事実に基づいて、非正規労働者であっても責任をもって売店業務にあたってきたことを証言しました。会社に定年退職を迫られた際、常連のお客さんからもらったハンカチを「勲章」と話す一方で、会社は退職する正社員には盛大にパーティで祝いながら非正規労働者にはねぎらいの言葉や花一輪すらなかったことに「社員と同じ仕事をしてきたのに、なんでこのような差別されるのか、いまでも納得できない」と怒りを表明しました。

最後に同支部の疋田節子さんが証言に立ちました。非正規労働者への差別ゆえの低賃金について、けがで仕事を休んだ際に社会保険料の支払いのため、父から社会人になったお祝いにもらったネックレスなどを売却してお金を捻出したときのつらい気持ちを語りました。息子との2人暮らしで、冷暖房もほとんど使わず、大根の葉など食材も残さず生活費を切り詰めている状態であるものの、昨年4月の退職時には貯金が8万円しかなかったという。「賃金が上がらないので、会社側に生活を安定させるため、せめて月給にしてほしいと言っても『ダブルワークしろ』としか言われなかった」と悔しい思いを述べました。

裁判後の報告集会には、傍聴席に入れなかった支援者が残って参加してくれました。同支部組合員と弁護団は大きな拍手で迎え入れられました。弁護団が証人尋問のポイントと今後の裁判の進行について説明し、同支部組合員からは証人尋問を終えての感想を述べました。同じ労働契約法20条裁判を闘う郵政ユニオンの仲間から連帯発言を受け、最後に「東京メトロとメトロコマースは非正規差別をなくせ!」などのシュプレヒコールを参加者全員であげました。

次回の裁判と報告集会の日時・場所は以下のとおりです。引き続き皆さんのご支援をよろしくお願いします。

【東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判 第16回口頭弁論】

■日時:2016年9月29日(木)午前10時~
※ 10分前に法廷前に集まってください。

■場所:東京地裁7階 709号法廷
(地下鉄「霞ヶ関」駅A1出口から徒歩1分)
※ 報告集会は裁判終了後すぐに徒歩で移動して日比谷図書館4階小ホールで行います。

<連絡先>
全国一般東京東部労組 書記長:須田光照
電話 03-3604-5983
メール info@toburoso.org

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