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全国一般東京東部労働組合の記録

阪急トラベルサポート第17回団体交渉報告&みなし不当の労働審判・集団訴訟へ

2008年05月23日 18時58分19秒 | 添乗員・旅行業界

(写真:厚生労働省記者クラブでの記者会見に臨むHTS支部組合員)
NHKが当日の正午のニュースで報道
映像はこちら
http://www.jca.apc.org/j-union/movie/index.htm

<団体交渉報告>
5月22日、阪急トラベルサポートと全国一般東京東部労組HTS支部との17回目の団体交渉が行われました。会社側の出席者は田中東京支店長、伊藤弁護士はじめ4名、組合は本部役員、塩田委員長はじめ7名でした。

●業務改善について
会社は前回の団体交渉で「検討中」とした業務改善についての組合要求について、いくつか回答しました。その中で、会社は組合の要求に応じ、今後添乗員にホチキス針、のりなどの文房具を支給する、としました。これについては組合の成果です。

●社会保険について
組合はこの日の団体交渉においても、「社会保険について一方的な基準を設けることなく、希望者は加入させよ」と要求しました。しかし、会社の回答は「今までと見解は変わらない」というものでした。

●「事業場外みなし労働」について
この日の団体交渉では、重点的に「偽装事業場外みなし労働」について会社を問いただしました。
組合は「5/23に労働審判裁判を起こす」ことを通告、「私たちは裁判を起こしたくて起こすのではない。会社が自主的に解決せよ」と伊藤弁護士が口を挟むのを制し、組合は会社=田中支店長の見解をただしました。

田中支店長は「会社の見解は伊藤弁護士が言った通り(「裁判を起こすのであれば止める立場にない」)。個人的な見解を述べる立場にない」と会社が自主的に解決するという態度を見せようとしませんでした。

これを受け、組合員からは
「私にとっては生まれて初めての裁判。はっきり言ってこわい。長年働いてきた阪急トラベルサポートが相手になるとは夢にも思わなかった。会社はどう考えているのか」など、真剣な訴えがありましたが、会社の態度は変わりませんでした。

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「『偽装事業場外みなし労働』はNO」!労働審判・集団訴訟

団体交渉などで繰り返し求めているにもかかわらず、また三田労基署の是正勧告指導が出ているにもかかわらず、会社は一向に「偽装事業場外みなし労働」をやめようとしません。このような対応に、組合は労働審判の申し立て、集団訴訟を行うことになりました。

5月23日、厚生労働省の記者クラブで会見を行い、これを発表しました。当日は塩田委員長、大島組合員、庄野組合員、境組合員が出席。今回の件にいたった気持ちを訴えました。

「派遣添乗員の労働は事業場外みなし労働ではない、ということを求めて立ち上がった。他にも苦しんでいる添乗員のためにも頑張りたい」
「現在のツアーの多様化は添乗員の犠牲の上に成り立っている。よい旅をお客様に提供したいと思って頑張ってきたが、長時間労働・過重労働で健康被害も発生している。このような状態を是正するとともに、法律に基づいた残業代を支払ってほしい」
などの真剣な訴えがありました。

5月23日に大島組合員が1ヶ月分のツアーについての未払い残業代の支払=事業場外みなし労働の是非を巡って労働審判を申し立てました。労働審判は3回の審理で結論が出ます。

その上で、5月末までに大島組合員を含む3名が、過去2年分で一人あたり約200~400万円の支払を求めて本裁判を東京地裁に申し立てます。それに加え、6名が6月中に同じく本裁判を東京地裁に申し立てます。文字通り「集団訴訟」です。

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今回の労働審判申し立て・集団訴訟については、新聞各紙で報道されました。
・朝日新聞
http://www.rodosodan.org/masukomiimg2008/2008052401.jpg
・毎日新聞
http://mainichi.jp/select/biz/news/20080523k0000e040046000c.html
・読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080523-OYT1T00607.htm
・共同通信
http://www.47news.jp/CN/200805/CN2008052301000356.html
・NHKニュース(動画)
http://www.jca.apc.org/j-union/movie/index.htm

**********************************

ことここに至って、この派遣添乗員をめぐる「偽装事業場外みなし労働」問題が大きな社会問題化することは必至です。会社はなぜ自主的に解決しようとしないのでしょうか。

阪急トラベルサポート・旅行業界は
ただちに「偽装事業場外みなし労働」をやめてください!
添乗員の長時間労働を是正してください!

すべての添乗員のみなさん!
今後も全国一般東京東部労組HTS支部を応援してください!

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43 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
がんばって (もと添乗員)
2008-05-23 22:46:03
ずっと活動をこのブログで見守ってきたものです。
結局見守るだけで、時々応援する書き込みをするくらいしかできず、添乗をやめて転職してしまいました。
ついに訴訟となり、ニュースでも取り上げられ、今まで以上に世間の注目度も高くなると思います。
恐れずに頑張ってください。
皆さんの活動のおかげでいろんな会社が待遇を見直し(まだまだまったく不十分とはいえ)私がやめる前に恩恵を受けた部分もあります。ありがとう。
心から、心から応援しています。
返信する
続きます (添乗員)
2008-05-23 22:58:57
最初からこのブログで皆様を知っています。

皆様が単にお金が欲しくて裁判を起こしたことでないこと。

全国の1万人もの私たち添乗員の時代遅れの長時間労働や低賃金や何の社会保障もない実情を根本的に変えたいからこその裁判であることは、まじめに考えている人、旅行業界の事情を知っている人は絶対に理解していますし、心から支持しています。

私たちも必ず近いうちに皆様の後に続けるように頑張ります。

全国の添乗員も彼女たちに続きましょう。
返信する
本当に (HTS元添乗員)
2008-05-23 23:14:04
自分が長年勤めた会社を訴える本当に辛い事ですね。でも悪いのは会社です。がんばってください。応援しています。
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Unknown (Unknown)
2008-05-24 03:10:02
労働基準監督署に是正勧告を受けながら、いまだに残業代の支払いをしていない。とちゃんと放送していました。聞いたぞ。払ったほうがいいんじゃなーい?
ほかの民放各社は、広告費たあくさん落としてくれる阪急さん関連は放送できないのかな?だとしたら、ずるいなあ。
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全国各地の新聞で報道 (本部スタッフ)
2008-05-24 07:48:09
産経ニュースも「添乗員、みなし労働不当と残業代求め審判申し立て 東京地裁」と報道しました。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080523/trl0805231329003-n1.htm

また全国各地の新聞にも掲載されました。

東京新聞・神奈川新聞・北海道新聞・西日本新聞・熊本日日新聞・山陰中央新報・佐賀新聞・富山新聞・四国新聞・神戸新聞・中日新聞・山形新聞・山梨日日新聞・中国新聞・秋田魁新報・東奥新報・河北新報・福井新聞・47NEWS等です。
返信する
改正道路交通法 (Unknown)
2008-05-24 08:56:12
6月1日からの改正道路交通法
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080523-00000013-maiall-soci

バス内でのガイドや添乗員(お客も)は着席・シートベルトが義務づけられた。つまり、動いているバス内では、立って説明・ガイド・オプションの注文や集金など一切禁止となる。

今までの危険な仕事を強要させていたことが、そもそも非常識な異常業務だつたのだ。旅行業界は猛反省して、ガイド・添乗員に謝罪しなさい。
返信する
Unknown (現役)
2008-05-24 14:28:43
こうしたことがきっかけになり、トラサポやほかの派遣会社、しいては旅行会社の悪事が明るみになり、少しでもこの業界全体がクリーンになってほしいです。
この動きを止めてはならないと思います。皆で、できることから始めましょう。私が思うに、阪急交通社内の社員さんたちだって、いい思いしているのって、ほんの一部の人達なんじゃないか?と思っているのですが。そのへんはわかりませんが。あの、食事評価だのなんだの、あれって、私達と同じなのかな、、あれで給料決めてるの??
返信する
みなし労働時間 (o.m)
2008-05-24 14:29:22
昨日はCTIのフランス5日間コース 35Paxアライバル・サービス。帰国日はグループも私もパリ市内から空港に向かうのに空港でミートです。
 10時半、事務所に行き書類チェック。バスはオランダのバス会社。毎日変わるホテル、昼食レストラン、美術館、城等のバウチャー、予約券、入場券、パリに戻ってからはディナークルーズまで付いている。ルーブル、ヴェルサイユ以外は全てTC一人で引率するので日程表を見ながら、人数、時間、ひとつひとつチェック、「7つのエラー」探しの方がよほど楽です。事務所を出たのは12時前、家に戻り昼食。15時、再び家を出て空港に向かう。VOLは16時50分到着合図、18時ようやくグループとミート、空港を出たのが18時30分。金曜夕方と交通事故のW渋滞。帰国日まで毎日12時間バスのみが手配され、自由行動日がなければ、現地係員としての説明は限られる。時間が余りPAXの質問を受け付ける。「ホテルまで、後どの位で着きますか?」「周遊中トイレストップを1時間半毎に取れませんか?」質問など受けなければ良かった!サービスが終わりTCと顔を見合わせて笑ってしまう。「明日からは一人。頑張ってね!」私が郊外のホテルを出たのは20時30分。
 明らかに彼女の労働時間は1日平均15時間を超えます。
 そして私はこのサービスに要した時間は7時間、私のみなし労働時間は3時間です。

ツアー費は15年前の1/3以下! 私達の労働時間は実働の半分! 格安旅行会社の売り上げはいったい何倍?
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動きを止めてはならない (Unknown)
2008-05-24 14:48:52
全く同感。
皆で、できること。何かあるはず。小さいことからでも、たとえば添乗員同士で声をかけるとか、その中で裁判のこと話題になるかも。
どうしたら応援できるか、何ができるか考えたい。
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勇気に感激 (大阪)
2008-05-24 17:14:14
皆様の勇気に感激。

それに比べて馬鹿な旅行業界の経営陣です。マスコミでこれだけ社会問題化されているのですから裁判になる前に皆様と話し合いでいくらでも解決する道があったのに愚かなのは会社。法律は守るしかないのです。

これで旅行業界の非道がしっかり歴史に残ることになりました。もう言い訳はききません。

皆様を絶対支持します。
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