東京東部労働組合【公式】ブログ

全国一般東京東部労働組合の記録

全国一般東京3労組の申し入れに東京電力が回答

2011年05月24日 10時46分36秒 | 労働組合

(上の写真=東京電力に申し入れる全国一般東京3労組のメンバー)

東京電力はすべての原発をただちに停止・廃炉にせよ!

私たち全国一般東京東部労組は、同じ全国一般全国協に加盟している在京の全国一般東京南部と全労協全国一般東京労組とともに、5月1日のメーデーに東京電力本社前(東京・内幸町)で反原発アピールの共同行動を行うとともに、東京電力の清水正孝社長にあてた申入書を担当者に手渡しました。

申入書は以下のとおりです。

2011年5月1日

東京電力株式会社
取締役社長 清水正孝殿

全国一般労働組合東京南部
執行委員長 平賀雄次郎
全労協全国一般東京労働組合
執行委員長 菅原實
全国一般労働組合全国協議会東京東部労働組合
執行委員長 菅野存

申入書

 3月11日の東日本大震災による東京電力・福島第一原子力発電所の事故は、大量の放射能が大気・土地・海を汚染するという最悪の事態を引き起こしている。周辺住民は避難を強いられ、いつ元の生活に戻れるのか分からない。農業や漁業に従事する人々は野菜や海産物の出荷停止に追い込まれ、生計基盤を根底から破壊されている。原発の復旧作業にあたっている下請け会社の労働者を含む作業員は被曝の危険にさらされている。
 こうした原発事故にかかわる被害は「人災」であり、その責任の一切は東京電力経営陣と歴代の日本政府にある。地震や津波が発生した時の原発の危険性は多くの市民が指摘してきた。事故がいったん起きれば手のつけようのない事態が広がることも予想されていた。しかし、東京電力はそれらを無視し、原発の「安全神話」を吹聴してきた。今回の原発事故は決して「想定外」ではなく、東京電力経営陣による人命軽視の姿勢が招いたものに他ならない。
 これ以上、原発事故の被害者を増やさないため、我々3労組は以下の事項を申し入れる。

1.東京電力が管理するすべての原発をただちに停止・廃炉にすること
2.東京電力が計画している原発の新設・増設を中止すること
3.福島原発事故の被災者に謝罪し、生活と健康を補償すること
4.福島原発事故にかかわるすべての情報を国民に開示すること
5.福島第一原発事故の復旧作業に従事している下請け会社を含めた全作業員の雇用と安全衛生に責任を持つこと
6.原発に依存しないエネルギー政策への抜本的転換を図ること

※上記の申し入れ事項につき、2011年5月15日までに下記の連絡先まで書面にて回答してください。
<連絡先>
全国一般労働組合全国協議会
〒105-0004 東京都港区新橋5-17-7小林ビル2階
電話 03-3434-1236 FAX 03-3433-0334


以 上

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この申入書に対して、東京電力が全国一般全国協に送ってきた回答書は以下のとおりです。

平成23年5月13日
全国一般労働組合全国協議会 様

 福島第一原子力発電所における事故、および、放射能物質の漏えいにより、発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、県民の皆さま、さらに広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし、心より深くお詫び申し上げます。
 現在、政府・関係各省庁、自治体のご支援とご協力を仰ぎながら、緊密に連携をはかりつつ、事態の一日も早い収拾に向けて、全力を挙げて懸命に取り組んでおります。
 こうした状況にあるため、現在の会社の方針について別添のとおりお送りさせていただき、お申し入れに対するご回答とさせていただきたく、ご理解賜りますようお願い申し上げます。
 なお、当社の柏崎刈羽原子力発電所においては、このたびの事故を踏まえ、津波により電源機能等を喪失した場合においても、炉心損傷や使用済燃料の損傷を防止し、放射性物質の放出を抑制しつつ冷却機能の回復が確実となる対策として、必要な要員配置と訓練を行うとともに、電源車、消防自動車、消火ホースなど必要な資機材を配備することとしております。また、更なる安全対策として防潮堤の設置等を進めるとともに、今後、事故の原因の分析や評価を行う過程で、津波対策へ反映すべき事項が確認された場合には、速やかに必要な対策を講じてまいります。
 このたび政府の要請に基づき、津波対策が完了するまで浜岡原子力発電所が停止することとなりましたが、日本全体のエネルギー対策、原子力政策のあり方については、今後、議論が進められるものと考えております。
 また、発電所の現況、プラント関係パラメータ、発電所周囲の放射線量、けが人の状況などにつきましては、日々、当社のHP上で公開・更新しております。
  下記URLをご参照ください。
  http://www.tepco.co.jp/nu/fukushima-np/index-j.html
  *なお、プラントパラメータについては、データの一部に誤りが確認されたことから、  現在確認作業を進めております。
 事故の収束に向けた作業につきましては、今後とも、作業環境の把握に努め、作業員の被ばくを極力低減するとともに、国のご判断に従った的確な放射線量管理を実施してまいる所存です。

扱い:東京電力株式会社
 広報部原子力センター
 03-6373-1111

<別添>
平成23年5月
東京電力株式会社

 福島第一原子力発電所における事故、および、放射性物質の漏えいにより、発電所の周辺地域の皆さまをはじめ、県民の皆さま、さらに広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし、心より深くお詫び申し上げます。
 福島第一原子力発電所につきましては、1号機から4号機までの各プラントを冷却し、冷温停止の状態に落ち着かせ、また放射性物質の外部への放出を一日でも早く抑止するべく、政府・関係各省庁、メーカー・ゼネコン・協力企業の皆さまや海外諸国など、多方面の方々からのご支援とご協力を仰ぎながら、全力で取り組んでおります。
 4月17日には、福島第一原子力発電所における事故の収束に向けた道筋について、公表いたしました。当面の目標としては、2つのステップを設定しており、ステップ1「放射線量が着実に減少傾向になっている」ことを3ヶ月程度、ステップ2「放射性物質の放出が管理されており、放射線量が大幅に抑えられている」ことをその後の3ヶ月から6ヶ月程度で達成することを目指しております。
 今後、こうしたステップを検証し、確認していくことにより、とりわけ避難されている方々のご帰宅の実現についての、政府のご判断や見通しをたてていただけるよう、原子炉の冷却をはじめとする課題の克服を通して、客観的な事実をお示ししていきたいと考えております。
 今回の原子力発電所事故により被害を受けられた皆さまに対しましては、原子力損害賠償法の趣旨に基づき、国のご支援を頂きながら、公正かつ円滑な補償を行ってまいりたいと考えております。
 今後、国等とも協議を行い、補償に関する手続きの詳細が決まり次第、被災者の方々に速やかにお知らせしたいと考えております。
 当社といたしましては、引き続き、政府、自治体等と緊密に連携をはかりつつ、また各方面からのご支援をいただきながら、事態の収束に向けて、全力を注いでまいりますとともに、被災された方々への支援に全力で取り組んでまいります。

以上

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読んでもらえれば分かるとおり、東京電力の回答書は表現こそ丁寧ですが、私たちの申し入れ内容にはまともに答えていません。「すべての原発をただちに停止・廃炉にせよ」「計画している原発の新設・増設を中止せよ」という申し入れには一切答えていません。

放射能の大量漏えいという大事故を引き起こした東京電力にとって、最大の責任の取り方は率先して原発を廃止するという方針転換にあるはずです。ところが、回答では場当たり的な対策を講じるのみで相変わらず原発を推進する考えを示しています。日本の原子力政策については「今後、議論が進められる」とまるで人ごとのように記しています。

回答には、福島原発事故の収束に向けた工程表が記されていますが、その後に原子炉内にある核燃料の大半が溶け落ちる「メルトダウン」が起きていることが発覚し、収束に向けたスケジュールはまったく説得力を失っています。今日現在も福島原発からは放射能が出て、大気や土地を汚染し続けています。

浜岡原発は停止しましたが、全国各地でいまだに多くの原発が動いています。再び大事故が起きる危険性が放置されたままです。今こそ人間と原子力とは共存できないという立場できっぱりと原発依存から脱するべきです。6月11日の脱原発100万人アクションに結集し、東京電力の責任を追及しましょう。すべての原発をただちに停止・廃炉にしましょう。

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