写真=今年4月1日のストライキ闘争で雇用確保を訴えるメトロコマース支部の疋田組合員
東部労組メトロコマース支部 非正規労働者の雇用確保が実現へ!
東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部が、今年3月末に65歳定年制のもとで雇い止めされた非正規労働者の雇用確保を求めていた問題で、6月3日までに同支部の疋田組合員を含めて希望する非正規労働者全員の雇用確保が実現する運びとなりました。3月下旬の東京メトロ本社前での4日間連続座り込みと4月1日のストライキ闘争の成果です。ご支援いただいた皆さんに心から感謝を申し上げます。同時に、全国の非正規労働者の皆さんにメトロコマース支部に続いて労働組合で団結し闘うことでみずからの苦境を切り開くよう呼びかけたいと思います。
東京メトロ駅売店では同じ売店で同じ仕事をしているにもかかわらず、正社員、契約社員A、契約社員Bという3つの雇用に分断されています。メトロコマース支部の組合員は、もっとも劣悪な処遇の契約社員Bで、1年以下の有期雇用を何年も反復更新する不安定雇用ですが、65歳定年制だけは正社員と同じです。しかし、月の手取りはフルタイムで働いても13万円程度。正社員には支給される退職金は1円も支払われません。貯金や年金がほとんどない非正規労働者にとって定年退職を迫られても路頭に迷うしかありません。
こうした現状を打開するため、メトロコマース支部は2013年3月に初めてストライキを闘って定年後の組合員の雇用を半年間延長させましたが、その後、会社は再延長は認めず、他の非正規労働者にも毎年3月末に定年退職でクビを切ってきました。このため今年3月末に定年雇い止めになる非正規労働者の雇用確保を要求し、3月24~27日の4日間、東京メトロ本社前で延べ約260人の支援者とともに座り込み闘争を決行しました。さらに4月1日には24時間ストライキに立ち上がり、東京メトロ子会社で直接の雇い主であるメトロコマース本社ロビーに支援者ら約140人が座り込み、その場で雇用確保のための臨時団体交渉の開催を勝ち取りました。
その後、会社側は65歳以降の雇用の受け皿としてグッズ販売や賞味期限切れの商品チェックなど4つの仕事を用意し、それを希望する人は順次面接し選考する考えを表明しました。組合側は、長年にわたり雇用してきた非正規労働者にあらためて面接する必要はない、無条件で雇用すべきだと訴えるとともに、希望する非正規労働者を仮に選考で排除するようなことがあれば争議を拡大することを告げたうえで疋田組合員も面接を受けました。
その結果、疋田組合員を含めて応募した5人の非正規労働者全員の雇用が確保されることになりました。なお、疋田組合員とともに今年3月末に65歳定年を迎えた青木組合員については、家庭の事情で雇用を辞退することになりました。
組合の要求を頑迷に拒んできた会社側をここまで動かしたのは、まぎれもなく労働組合の団結と闘いの力です。メトロコマース支部は2009年3月に非正規労働者自身の手で結成され、多くの団体交渉とストライキなどの行動を通して闘ってきました。そして、その闘いに他労組や多くの市民の支援や連帯が広がりました。「(65歳以降の雇用は)法律で義務づけられていない」などと聞く耳をまったく持たなかった会社側をして、今回の雇用確保措置を取らせることができました。
全国2000万人の非正規労働者はたしかに不安定雇用と低賃金、さまざまな差別のもとで苦しんでいます。しかし、同情や救済の対象では決してありません。非正規労働者自身が立ち上がり声をあげて団結すれば、雇用と生活、権利と尊厳を守っていくことができます。
メトロコマース支部は、現在進行中の労働契約法20条を使った非正規労働者への賃金差別撤廃の裁判闘争を中心に、非正規労働者の権利確立に向けて今後も全力で闘っていく決意です。また、駅売店の「ローソン」化の会社方針に対してもすべての販売員の雇用と生活を守るため、職場内外で闘っていきます。皆さんの引き続きのご支援をよろしくお願い申し上げます。
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